ヤコブへの手紙のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ヤコブへの手紙

[ヤコブヘノテガミ]
Letters to Father Jaakob/Letters to Father Jacob
(Postia pappi Jaakobille)
2009年フィンランド上映時間:75分
平均点:6.92 / 10(Review 12人) (点数分布表示)
公開開始日(2011-01-15)
ドラマ
新規登録(2011-05-09)【kagrik】さん
タイトル情報更新(2012-12-08)【イニシャルK】さん
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監督クラウス・ハロ
キャストカーリナ・ハザード(女優)レイラ
ヘイッキ・ノウシアイネン(男優)ヤコブ牧師
作曲フレデリック・ショパン"Nocturne in E flat"
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン"Minuet in G, no. 2"
配給アルシネテラン
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1
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12.どこまでもひたすら暗くて地味で、どこで何が変わったのか分からないままに終わってしまいました。
Oliasさん [DVD(字幕)] 4点(2015-01-09 03:25:07)
11.《ネタバレ》 [2020/10/31改訂補足] 老いた牧師と中年女性の物語である。場所はフィンランドの南西部で、牧師の住所はコケマキKokemäkiになっていたが、撮影では近くの教会を使っていたようだった。時間が短くシンプルに見えるが深みのある映画である。
ドラマ部分に関しては、人は人に必要とされてこそ生きられる、というのがテーマかと思った。誰かに必要とされなければ生きる気力を失うが、中年女性は牧師のおかげで死を免れた。また牧師は老いて誰にも必要とされなくなったのかと嘆いていたが、最後は中年女性の必要に応えたことで安心できたらしい。

ところで個人的に最大の特徴点と思ったのは、この映画には神がいたらしい、ということである。牧師と教会が出るからには神がいても変でないとはいえる。
まず、神は全ての人を見ているはずだが、どうも万能というわけではないようで、全ての人を救うことは全くできていない。またその教えは書物にまとめてあるが、全ての人にうまく伝わっているとも限らない。それぞれの人の資質や境遇に応じて、その時々の最も適切な言葉にして伝える役の人間が必要になるはずだが、それが恐らく牧師というものだと思われる。
劇中の牧師は、そういった役目を自ら任じて長い年月を生きて来た。しかし天寿が尽きようとした時になって思いもよらない不可解な出来事があり、ここで危うく彼の全人生が否定されて終わるのかと思われた。しかしそれが結果的には一人の人間を救い、同時に彼も救われて、最後は安心して神に召されたのに違いない。
そのような展開は、これまでずっと神とともにあると信じてきた牧師にさえ意外なことだったろう。しかし逆にそれは人智を超えた意志が現に存在すること、つまり現実に神はいるということにほかならない。神は万能ではないかも知れないが、間違いなく全ての人を見てくれており、また今すぐにではないかも知れないが、機会をとらえて何とか全ての人を救おうと努めている。そのことを忘れてはならない、と諭している映画ではないかと思われた。

そのように考えれば感銘がより強まる映画とは思ったが、ただし自分はキリスト教徒ではないので、この神は自分のことなど見ていないと割り切っておく必要はある。ちなみに自宅の宗派としては阿弥陀如来を頼ることになっているので安心だ。
かっぱ堰さん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-28 19:23:37)
10.《ネタバレ》 クスッと笑えたり、終盤はちょっと涙が出ました。なので、好きか嫌いかで言えば好きです。けれども、この映画には、ふとリアルに考えた瞬間に感動が薄れてしまうツッコミどころが結構多く存在します。まず、毎日のように何通も来ていた手紙がある日から突然何日も来なくなるという不自然さ。狼狽ぶりから、これまでに神父が体験しなかったであろう突然の急激で大きな変化です。背景に人為的な何かがあるものとばかり思っていたら、そうではない展開だったので、そこで凄く嘘くさくなってしまいます。そして、神父がなぜ姉のことをずっと黙っていたのか、そこが何も説明されていないので、ラストを感動的にするために作られた流れをとても感じてしまうことになります。人を不幸な思いから救い出す大事なことなのに、下手すると告げられないままどちらかが死んでいたかもしれない可能性が大きすぎて、それを思うとヒンヤリしてしまいます。そういうふうに冷めてしまう設定がもう少し上手く作り込まれていたら、もっと素直に泣けたかもなぁ…と思う作品でした。自身の存在を無価値に思い始めた神父のためにレイラが自分について語る優しさ(フィンランドおばさんのツンデレ)、そしてそれを聞いた神父がレイラに与える言葉が印象的でした。これも冷静になってしまうと「人は神の名の下に殺しを正当化する」という側面も思わせて、それはそれでゾッとしますが、レイラには与えられてもいい言葉だと思うので…。
だみおさん [映画館(字幕)] 6点(2014-09-21 23:02:17)
9.《ネタバレ》 真面目に堅く作られているが故に、ツッコミどころが多く気になった。

・毎日数通も届いていた手紙が、いきなり0通になりますかね?それが続くってどんな確率ですか?
・姉が暴力から守ってくれたらしいですが、その当時主人公は赤ちゃんだったわけで…会話を理解することやその場面を覚えていることは不可能なのでは??
(最初、姉=主人公なのかと思って独白を聞いていたら、まさかの赤ちゃん=主人公(笑))

そして、ラストにはヤコブ牧師が亡くなる…なんというか、ご都合主義過ぎて閉口。
期待していただけに、がっかり度の高かった作品。
Sugarbetterさん [DVD(字幕)] 5点(2013-09-22 00:33:12)
8.《ネタバレ》 淡々とした中でのラストの告白は非常に心にしみる。姉の妹への想い。郵便配達人の想い。牧師の想い。妹の想い。全てがつながり合うかたち。脚本が素晴らしいです。
とまさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-03 22:32:28)
7.上映時間は80分にも満たない。寡黙な作品だけど、観た者の心に何かを残す力を持つ映画でした。

自分に救いを求めてくる手紙が届かなくなることに自らの存在意義を見失うヤコブ牧師。タクシーを呼んでもこの社会のどこにも行き場が無い、元終身刑受刑者のレイラ。

牧師はなぜレイラを自分の元に呼び寄せたのか?レイラが何の罪を犯し何故恩赦になったのか?ラストまでその説明もありません。しかしレイラの過去の告白と牧師の元に届き続けたある人物からの手紙をめぐり、ヤコブ牧師とレイラの2人が互いに救われることになる、重みのある最後の10分の使い方が見事でした。

僕は神とかを信じる方ではないけれど、神の思し召し・・・。最後はそんなことを感じさせられました。
とらやさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-21 20:18:52)
6.ほぼ3人しか登場しないのに、これだけの内容があるなんて。台詞は少ないが、表情や演技で訴えるのが非常にうまい。
nojiさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-02-10 18:01:02)
5.《ネタバレ》 社会へ断固として戸を閉ざしているヒロインのかたくなさが、まず冒頭で印象づけられる。何か事件を起こし恩赦で出られるらしい(この時点ではまだ謎)、しかしそのことに感謝の姿勢を見せようともしない。そして彼女と牧師ヤコブとの緊張の日々が綴られていくわけだ。そのふてぶてしさがリアルで、手紙を朗読する仕事をいやいやこなしている。パン切りナイフを顔面に接近させてヤコブが盲目であることを確認するあたり、もしかして彼女は凶暴犯で収監されてたのか、という不安を抱かされる。そして退屈な朗読の仕事を軽減させるための手紙の廃棄などあって、しかし牧師のほうも手紙の内容から差出人を推量できたりし、なんか剣豪と追いはぎが林の中でにらみ合っているような時代小説的緊迫感が生まれている。手紙に封入されていたお金も新たな緊張を生む。ここらへんの引きこみは大したもの。教会の「結婚式」へ牧師の勤めを果たしに向かった場で、二人のわだかまりが決定的になる。牧師は式の言葉が出てこない。その隙に去ろうとする女は車の行き先を口に出来ない。この二つの沈黙が対比される。一方は老齢による失語、一方はどこにも行けるところがない事実を突きつけられて。たぶんこの彼女の「言葉詰まり」が本作最良のシーンだろう。彼女は出立に先立って金を持っていこうとしたが、半分だけ残していた。それを上から見ている若いころの牧師の写真(たぶん)。ここらへんですでに彼女の心の変化の兆候をうかがわせていた。そして再開される手紙の朗読を通じて彼女の過去が明らかにされる展開になるわけだ。彼女のかたくなさの理由が分かってくる。もう一えぐり欲しいような気もするが、きれいにまとまった好短編を読んだような後味。北欧の風景が、その空気をも感じさせ素晴らしい。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 7点(2012-03-30 09:55:03)
4.人は、誰にも必要とされないと感じたときに真の絶望を感じるのだ・・・ということがよくわかった。だから必要とされるため仕事をしたり家族を持ったりするのだろうか。神父が手紙で相談されることに生き甲斐を感じているのは明らかで、人の悩みを解決することで救われる彼はエゴイスティックにさえ見える。レイラの姉に対する過去の出来事のほうが見返りを求めてない点で崇高なくらいである。でも誰も神父を笑えない。みんな何かに必要とされることで満たされるからなんとか生きていけるのだ。ほとんどがよぼよぼの老人と太った強面のおばさんだけの絵ですが映像的にも飽きずに見る事ができました。
ETNAさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-27 11:25:26)
3.《ネタバレ》 ヤコブへの手紙がぱたりと来なくなったのは神の意思だと思ったんだけど、郵便配達のおじさんが保管してる説も分からないではないし、それどころか手紙の多くはこの人が書いていたと見る人もいて驚いた。確かに矛盾は無い。神の意思か、自然の成り行きか…。この映画では説明が付かないことは起きないが、導かれているような気もする。人によって捉え方が変わる絶妙なあん梅。最終的にはヤコブがレイラを救った直後に天に召されることで、神の存在を感じる作りにはなっているけど、宗教等は関係なく心に響くものがある。いい映画だなぁ。
リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-04 21:38:05)
2.《ネタバレ》 まず特徴的なことは登場人物が極端に少ないことです。盲目の牧師、人殺しの女、そして郵便配達人。この3人のみです。ヤコブは終始痛々しい。盲目であり、身内もいなく、家はボロボロで、自分自身の体もボロボロ。案の定、彼はすぐくたばる。人生は理不尽であり「白い犬」などいないのだ。そんな老人のことを、関取の豊響にちょっと似ている女は、終始傍若無人な態度で、よぼよぼの善人のじいさんに接する。特にヤコブの手紙を読むのが面倒臭いという理由で捨ててしまうシーンなどはかなり残酷でした。しかも金まで盗んで出て行こうとする。そんな女でも、タクシーに乗って家から出ようとしたとき、急にある事実に気が付きます。「自分には行く場所がない。」という事実に─。女は自殺しようとする。この瞬間、私は彼女を赦した。そしてラストシーン、絶望したときに発したヤコブの言葉─「わたしは神のために、手紙を読んで、そして人を救っていると思っていた。しかし神がわたしのために手紙を与えてくれていたのだ」と。人は生かされているという事実─。どんなに信仰を持った信者でもなかなかそれを意識することは難しい。むしろ信者や神父だからこそわかるはずもない真実なのだ。人は努力して頑張っているときほど、頑張っている自分が偉いのだと思いこんでいる。そして大抵は人がみえない恩恵を受けている事実に気が付くときは、その恩恵を失ってからだ。人間は愚かだ。失って気が付くのが人間だ。人を救うことすら、救う人間にたいして、自分自身が救われている。人の役に立ちたい、誰かのために生きる、という考えも、ある意味では人間の驕りなのかもしれません。女の苦しみを救った瞬間の、ヤコブのあの嬉しそうな顔─。救われたのはじつはヤコブでした。神がヤコブを救うために、ヤコブの前に豊響を遣したのだとおもいます。ヤコブの手紙には宗教問題にかかわらず、すべての人間に当てはまる普遍的なテーマが描かれているとおもいます。

花守湖さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-20 23:21:34)
1.《ネタバレ》 短時間の作品だが、内容は非常に濃い。
人が生きる意味や生死観と重い題材ではあるが、悲壮感はなく、静謐で温かい空気が流れている。フィンランドの田舎町の風景がそれを手伝っているのだろう。聖書の言葉が与える神秘的な優しさの影響も大きい。

物語は、殺人により終身刑に処されていたレイラが、恩赦によって出所する所から始まる。彼女は唯一の身内である姉の元には戻らず、刑務官に紹介されるまま、片田舎の教会の牧師・ヤコブの元に届く「手紙」を読む仕事に就く。ヤコブは盲目ゆえ、レイラに手紙の代読と返信の代筆を頼むのだ。

興味深かったのは、光と闇の使われ方。
陽の光に照らされて生い茂る木々や草花。
そんな外の風景とは対照的に、ヤコブの家の中は暗く、老朽化によって傷みきっている。
悩める子羊たちに優しい言葉と安らぎを与えるヤコブとは、まるで正反対の様相。これは単にヤコブが盲目であるからではなく、家が「彼の心の闇そのもの」なのだと思う。

彼は言う。「自分の役割は『神の教えを説くことだ…』と幼い頃から思っていた」と。
彼に救いを求める手(手紙)を優しく導くこと。それこそが彼の生き甲斐で、人生で、存在意義なのだ。
しかし、それはあまりにも脆い。

確かに隣人愛は素晴らしい。
しかし、人から必要とされる事が生きる目的と化したヤコブは、それらを失う不安や恐怖心に心を蝕まれていたのだろう。ヤコブの家の暗さに、そんな哀愁が漂っていてとても印象的だった。

レイラの心も、溢れる自然美(ヤコブの家の外)とは裏腹に暗闇に満ちている。
しかし、ヤコブと日々を共にすることで彼の心の闇に触れ(ヤコブの家の中)、彼女自身も心の扉を開いていく。彼女はヤコブの為に、彼女自身の「恥部」をさらけ出す決意をする。これは、キリスト教的には「自己犠牲」の一種ではないかと思う。

孤独を抱えていたレイラは、自己犠牲により新たな救いと希望を見出す。同時にヤコブも、「隣人愛」によって、彼自身の命を以ってレイラを救済し散ってゆく。レイラは「生への希望と活路」を、ヤコブは「使命と充足に満ちた死」を、互いに与え合ったのだろう。

人は人の心の闇に触れた時にこそ、本当に優しくなれるのかもしれない。たとえその闇が深くても、いつか必ず光は差しこむ。
誰かに必要とされたいと思うのは、人としての純粋な欲望である。だからこそ、私たちは愛し合えるのだと思いたい。
港のリョーコ横浜横須賀さん [DVD(字幕)] 8点(2011-11-17 00:40:06)(良:3票)
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【点数情報】

Review人数 12人
平均点数 6.92点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
418.33%
518.33%
6216.67%
7216.67%
8650.00%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 6.00点 Review1人
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