Menu
 >
 >
 > ノクターナル・アニマルズ

ノクターナル・アニマルズ

Nocturnal Animals
2016年【米】 上映時間:115分
平均点: / 10(Review 5人) (点数分布表示)
ドラマミステリー小説の映画化
[ノクターナルアニマルズ]
新規登録(2017-10-09)【皐月Goro】さん
公開開始日(2017-11-03
レビュー最終更新日(


Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索

Twitterにて検索

ブログに映画情報を貼り付け
監督トム・フォード〔監督・デザイナー〕
キャストエイミー・アダムス(女優)スーザン・モロー
ジェイク・ギレンホール(男優)
マイケル・シャノン〔1974年生〕(男優)
アーロン・テイラー=ジョンソン(男優)
アイラ・フィッシャー(女優)
アーミー・ハマー(男優)
ローラ・リニー(女優)
ジェナ・マローン(女優)
マイケル・シーン(男優)
脚本トム・フォード〔監督・デザイナー〕
製作トム・フォード〔監督・デザイナー〕
衣装アリアンヌ・フィリップス
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)



【クチコミ・感想】

別のページへ
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
1
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行なし表示
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ

5.《ネタバレ》 希代のファッションデザイナーの監督作ということで、構図や映像の美しさに納得のセンスを感じる一方、内容の方も示唆に富んでおり、なかなかどうして味わい深い一作である。

現実世界のイメージを投影した「夜の獣たち」を劇中劇として描いているのが特徴的だ。とはいっても入れ子構造など今となってはありふれた手法である。しかし個人的には、そこに存在する「ある違和感」が良いアクセントになっていると感じた。

つまり、なぜエイミー・アダムスではなくアイラ・フィッシャーなのか?
「夜の獣たち」は小説を読み進めるスーザンの目線で映像化される。そのため劇中劇のトニーはシェフィールドの投影、つまりジェイクの1人二役となっている。

しかし小説内のローラはどうだろうか。
定石では現実世界同様にスーザンの投影、つまりエイミー・アダムスが演じるのであろうが、まったく別の女優であるアイラ・フィッシャーが登場する。
さらにはエイミー・アダムスに意図的に似せてあるようだから不思議だ。

理由は明らかにされないが、適度に思案を巡らせる余地があって良い。

小説内の家族構成はスーザンがシェフィールドといた場合の姿ともとれる。思うにスーザンは、シェフィールドを選択した別のミライの自分をローラに投影していたのではないか。

ではスーザンは誰に自分の人間性を投影したのか。それはアーロン・テイラー・ジョンソン演じるレイ、つまり「夜の獣」ではないだろうか。

人は、自分にされたこと相応の態度で人に臨む。
スーザンは自分が他人に与えた傷を、客観的に顧みているのである。

以前シェフィールドはスーザンを「夜の獣」と呼んでいたということを踏まえると、スーザンはシェフィールドの思惑通り、レイに自分を重ね、トニーからローラを奪う理不尽さ・非情さを痛感したのだろう。

本作は復讐の物語だ。
映画や小説において復讐というと、大儀や正義を果たすための戦いや、血みどろの復讐劇を思い浮かべる。(英語で言う「アヴェンジ」「ヴェンジェンス」といった類か。)実際、小説「夜の獣たち」の中での復讐はそれに近い。

しかし作品内における現実世界での復讐はまた違った形をとる。
最愛の人に見限られ、非情な方法で見捨てられた者の声。
それは画廊に飾られた「リベンジ」の文字が示す通り、過去の遺恨に救いを求める出口のない不毛な感情なのだ。
レイを討ったトニーが盲目となり自らの身を滅ぼしたように、復讐を果たしたシェフィールドもまた、この負の連鎖を覚悟の上なのだろう。

若きシェフィールドを信じていたら、どんな未来が待っていたのか。
美しさと成功、はたから見れば全てを手に入れたように見える現在のスーザンだが、頼れる者もなく心は虚ろだ。
それは冒頭の裸婦(絵面キツイな)の世界とは完全に逆。一般的な理想とはかけ離れた醜悪さで、一糸まとわず文字通り持たざる者たちのなんと楽しげなことか。そんな裸婦たちも次のカットでは作者の演出によって殺害され息絶える。

シェフィールドとの未来を殺してしまったスーザンのもとに、待てども待てども彼は現れない。謝罪も精算も許されない。(そもそも劇中に現在のシェフィールドが一度も現れないので、小説自体が懺悔することしかできない彼女の妄想とも取れるが)
本作は復讐の物語であるとともに、哀しい愛の物語でもある。
サムサッカー・サムさん [映画館(字幕)] 7点(2018-01-11 14:02:21)
4.《ネタバレ》 エイミー・アダムスの美しいグリーンの瞳になにか不吉な予感がよぎる。
あのラストカットが暗示したものは何だったのだろうか。鑑賞から数日が経つが、明確な結論が出ない。

鑑賞直後は、待ち合わせ場所に現れないことが、主人公に対する元夫の復讐の終着点なのだろうと思った。
紛うことなき深い愛ゆえに生まれた深淵な復讐心を「小説」という形で具現化した上で、本当に愛すべき人を失うという残酷を改めて彼女に知らしめることで、元夫は復讐を果たしたのだと。

ただ、段々と、別の真相が見え隠れしてきた。

そもそも、富と名声を得ながらも満たされない鬱々とした日々を送る主人公が居て、彼女がたまたま昔のことを思い返していたタイミングで、都合よく元夫から出版前の小説が届くなんてことが、あり得るだろうか。
また、夫婦関係だったといっても、20年前の学生時分の頃である。
確かに、深くて重い“裏切り”はあったけれど、20年にも渡って執拗に憎愛を抱き続けるだろうか。そして、わざわざその思いを小説に書き連ねて、相手に送りつけるなんてことをするだろうか。
確かにジェイク・ギレンホール演じる元夫は、耐え難い裏切りを受けたけれど、彼がそれ程まで怨みに執着する人間には見えなかったし、客観的に見れば、彼らの夫婦関係崩壊のあらましは普遍的なことであり、「よくあること」と言ってしまえばそれまででもある。

元夫が「小説」を送ってきたということ自体が、不自然に思えてならなくなってきた。
では、あの「小説」は何なのか?誰が生み出し、誰が送ってきたものなのか?

「小説」は確かに送られてきた。
ただしそれは、主人公が自らに宛てて送りつけたものだったのではないだろうか。
そう考えると、劇中劇で描かれる「小説」の内容もより一層理解が深まる。
妻子を殺された男の復讐劇ではなく、男から妻子を奪った自分自身に対しての懺悔の物語だったのだ。

「罰を受けずに逃すものか」

「小説」の中で主人公の男はそう言い放ち、妻子を殺害した犯人を追い詰める。
その台詞は、堕胎し、不倫し、男の元を去った自らに対する「自戒」だったのだと思う。

自らの中で生まれた生命を打ち消した後悔と、何も生み出せない自分への苦悩、それらが入り交じった自らに対する憎しみが20年という年月の中で膨らみ、形となったものが、あの「小説」だったのではないか。


とはいえ、明確な答えなどはないし、つくり手としても唯一つの答えを導き出してほしいわけではないだろう。
単純に、元夫にすっぽかされただけかもしれないし、巨漢の半裸女たちが踊り戯れるあの“悪夢”のような展覧会からその先すべてが、主人公の妄想なのかもしれない。

ただ一つ言い切れることは、夜行動物(ノクターナル・アニマルズ)は、これからも眠れぬ夜を迎え続けるだろうということだ。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 8点(2017-11-16 08:06:05)(良:1票)
3.《ネタバレ》 本筋とその中で語られる小説物語が同時に進行していく。こうした展開は、劇中物語がどうしても余計なものに感じて本筋に気が向かないのだが、本作も同様の印象。ただし、J・ギレンホールが本筋と小説内の主人公という二役を演じることで、集中力は辛うじて保たれる。小説内で語られる高速での誘拐シーンがやたらに緊張感が高かったり、マイケル・シャノンの凄みが他を圧倒したり、オープニングの無意味な全裸女性が見る人を選別したり、全体的に焦点をぼかしているのは作り手のしてやったり感があっておもしろい。好きにはなれないが、どこか惹きつけられる魅力のある作品。
カワウソの聞耳さん [映画館(字幕)] 6点(2017-11-15 21:31:33)
2.原作既読。
映画はスーザンの所へ元夫が執筆した小説「夜の獣たち」の原稿が送られてくる所から始まり、それを読み進めるスーザンの現在と作中作を交えながら展開して行く。
原作では、ちょっとずつ読み進めながらも、たまに現実へ戻り複雑な心境を覗かせていて、段々と心揺れ動いていく様子が克明に描写されていた。
しかし、映画ではその心中を表す事が少ない為、彼女の表情から読み取るしかなく、原作とはまた違ったスタンスで楽しむ事が出来た。原作を読んでいない人には少々解りにくいかもしれない。
元夫と作中作の主人公、両方をジェイク・ギレンホールに演じさせるというのは映画ならではの試みで面白い。
あと、オープニングの裸体が踊るシーンは凄いインパクトだが、原作とは何の関係もありません(笑)
ヴレアさん [映画館(字幕)] 7点(2017-11-14 12:18:41)
1.《ネタバレ》 黒をバックにしたシンプルな構図。その中で、主に髪型やアクセサリーの微妙な変化によって現在と過去、
劇中小説の部分を演じ分けるエイミー・アダムスの表情に引き込まれる。
ところどころに置かれる赤の配色も、彼女の物憂い表情の白を一層引き立てる。
夜のハイウェーの恐怖もその背景に広がる黒い世界ゆえだろう。

それぞれのパートを、エイミー・アダムスとジェイク・ギレンホールの対比的な構図で幾度もカットバックさせるような
繋ぎをしてみたり、ディゾルブの頻度が非常に多いのも特徴だが、少々くどい感じだ。

小説パートの保安官役:マイケル・シャノンの凄みがいい。
ユーカラさん [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-11-06 22:52:27)
別のページへ
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
1
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 5人
平均点数 6.80点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6240.00%
7240.00%
8120.00%
900.00%
1000.00%

【アカデミー賞 情報】

2016年 89回
助演男優賞マイケル・シャノン〔1974年生〕候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2016年 74回
助演男優賞アーロン・テイラー=ジョンソン受賞 

■ ヘルプ
旧デザインCopyright(C) 1997-2018 JTNEWS