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プロフィール
コメント数 1993
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  ザ・スイッチ 《ネタバレ》 
や、巧い役者ってホント吸引力がある。今作も‶見た目はオッサンだけど中身は女子高生”という奇態な造形に目を奪われているうち一時間半経った感じ。凄いな、まんま女子高生じゃないか誰この俳優と思ったらヴィンス・ヴォーンじゃないか。上手いはずだよ。「ムーンライト・ドライブ」の殺人鬼は忘れられない。「ジュマンジ」のジャック・ブラックといいおっさん女子高生てだんだん可愛く見えてくるから恐ろしい。 お話の方はちっとも恐ろしくないです。グロいことはグロいですが。むしろ殺られる奴らはああもう死んでくれよ、と観客の同意を得られるクソな連中なので特に技術科の教師なんか真っ二つになってスカッとするくらいです。 難を言うと、ヒロインのキャスリン・ニュートンがキャラクターにハマっていない。強気系美人顔の彼女が何故ブス呼ばわりされて意地悪されるのか。説得力ゼロでした。もうちょっとこう、「キャリー」のシシー・スペイセクのように絶妙なラインの子を使ってくれれば締まったのになあ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-17 23:43:37)
2.  Summer of 85 《ネタバレ》 
オゾン監督のタクトが冴えわたる繊細で美しい思春期。初恋の喜びと、その喪失による心の痛み。十代のキラキラを見事に体現した新鋭二人バンジャマンとフェリックスが素晴らしいです。 アレックスは純粋で一途。ダヴィドは奔放で小悪魔的で、男女間の恋愛に置き換えてもよく見かけるこの構図。 ダヴィドみたいのは人を惹きつけるんですよねえ、かっこ良いもん。だけど彼の魅力である明るい軽やかさは時に誠実さとは距離が遠いものであるんですよね。 ちょいちょいそんな彼の性格は顔を出してたのだけど(ヨットを片付けてくれてなかったとか)、恋は盲目。アレックスはダヴィドを慕い続けて破滅へ向かってしまう。わたしが好きなのはここで飛び出す英国女子ケイトの恋愛金言。「あなたが愛していたのは彼ではなかったのだと思う」 そうなんだよね 結局人は自分の理想に恋い焦がれるもの。無理に理想のカタチをはめられても相手は「重い」と負担に感じるのです。 フランスの海辺の風景も美しいし音楽も80年代ぽくて(ロッド・スチュワートだ!)素敵です。しみじみと心に沁みました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-10-03 16:14:28)
3.  ザ・ハント(2020) 《ネタバレ》 
おお、これがリアルな今の米国なのですね。J・ブラムお得意の切り口で見るカオスなアメリカを映した本作はまさに旬のモノといえます。 リベラル派も保守派も実に分かりやすくステレオタイプに描かれて、どちらもおちょくられてる。ぱっと見てすでに外見から、狩られる側はプアホワイト。肥満体型、銃愛好者、陰謀論者とわかりやすい。狩る側はセレブ、スーツ着用、アンチ差別主義、温暖化への高い問題意識、とこちらの分類もみごと。リベラル夫婦は差別はイケナイ、という主義の下「狩られる人間」を選別する際も黒人を入れなくては、と主張するのだった。もう何をか言わんや。 極端な二派の中で一人、ヒロインのクリスタルが中道でハッキリ言うとまともに見えて安心します。まともといってもアッサリ人を轢き殺して顔色一つ変えないんですけども。まあ強い。 二極に分断していがみ合うアメリカ社会の縮図をさくさくとなぎ倒す彼女がとにかく爽快。手法としてB級サバイバルアクションを選んだのは実に正解に感じます。 観客に主人公を絞らせない意外な序盤もパンチのある演出です。 終盤の女同士の格闘シーンは少し長いかも。どのくらいが吹き替えなのか分かんないけど、ヒラリー・スワンクもベティ・ギルピンも暴れてるうちだんだん疲れてきちゃってるのが妙にリアルでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-30 21:54:53)
4.  最後の決闘裁判 《ネタバレ》 
ああ、苦手な中世だ。科学も芽生えてなくて因習ギチギチで人間は争ってばかりの。さすがリドリー・スコット、画の力にかけては当代随一の手腕とセンスの監督です。眼前に広がる石造りの城も荒野も硬くて寒々しい中世ヨーロッパそのもの。画力だけで映画作品としての格の高さを感じます。 主演の三名の演技も良かった。各々の視点に沿って出来事を描く羅生門スタイルであるゆえ、それぞれが三パターンの演技を要求されるのですが、なかでもジョディ・カマーが見事。微妙な表情はちゃんと三通りに違い、三番目の‶本物のマルグリット”がやはりというか一番説得力のある造形でしたよね。 それにしても現代の人権感覚では何もかも理解しがたい話です。実事件とはいえ数百年も前のこと、この映画の解釈とは別の事情があったのかもしれない、とか色々考えさせられました。だって敗けたらマルグリットも火あぶりだなんて。なんでこんな滅茶苦茶な決闘裁判に臨むの二人とも。ああやだやだ中世こわい。 三パターンのドラマを観終えて思うはクソな男どもに搾取されるばかりのマルグリットの心の痛み。封建時代の根底に流れるあまりの男尊女卑の思想にはめまいがしそうになりました。こんな時代でも仲睦まじい夫婦もいたんだよねきっと?そんなお話を聞きたいな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-06-25 18:16:42)
5.  さらば友よ 《ネタバレ》 
いやあーもう何、グッとくるこの二人。神経質そうなピリピリ感を纏ったドロンと、人を食ったようなニヤニヤ顔のブロンソン。こりゃ絶対ソリ合わなさそうだもんね。実際やたらと殴り合ってるし初めのうちは。 あんま聡明な印象じゃないんだよね二人とも。ドロンは賭けゲームも下手だし女には良いように使われるし。大体数字も揃ってないのに金庫開錠に臨もうだなんて。(しかも女はちゃんと知っていたわけで) ブロンソンはブロンソンで怪しげな手段で小銭稼ぎしてるし。女の子に妙な辱めを与えての、あの妙なパーティは一体。 ああそれにブロンソンたら得意なはずの「表面張力寸止めコイン投入技」に肝心な時に失敗してんの。パリ警察にしつこく苛められるブロンソンてのもまた見どころではあります。 互いが互いを売らないと決めた漢気あふれる終盤は、静かなれど胸アツ。ドロンが立ち去るブロンソンにタバコの火を差し出すラストはハードボイルド映画界でも屈指の名場面と言えるでしょう。 ‶yeah"が渋く耳に残るオッサンたちの物語。そして二人ともやっぱり脱ぐんだな、これが。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-09 22:44:23)
6.  座頭市血煙り街道 《ネタバレ》 
もはやキャラクターと化した勝新の座頭市。本作は子どもと絡んでの安定の人情噺で泣かせます。もうベタでもいい。むしろベタを求めます。「ああーとんだことに関わっちゃったなあ」との市のボヤキを聞いて嬉しくなる。子どもを親に託して隠れて泣く市と一緒に泣く。時代劇、楽しいな。 そうそうたる女優陣の若き頃が見られます。それに近衛十四郎氏を見て息子の松方弘樹氏を想起する世代の方が今や多いでしょうね。そっくりなんだもの。どうにもバラエティ番組に出ていた松方氏の陽気ぶりがチラついて、集中を削がれちゃった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-04-13 23:14:40)
7.  THE FIRST SLAM DUNK 《ネタバレ》 
今また大好きな湘北高校のみんなに会えるとは。原作者の井上氏が手がけているとあっては見逃すわけにはいきますまい。 驚いたのはアニメーション技術の進化。その洗練されていること。特筆すべきは試合のシーンで、動きの自然なことはアニメを観ていることを忘れそうになるほどです。 原作の漫画作品が画力もコマ割りのセンスも大変高いので、読み手としては脳内でキャラクターを容易に動かすことができていました。でも実際この目で動く彼らの山王戦を観ることができたのは、想像よりも一層の迫力を伴ってもう圧倒的。幸せな体験でした。 宮城リョータのエピソードを深掘りしてきたのにも驚きました。りょーちんは花道と気の合う一つ上の良き先輩でコミカルパート担当のイメージだったので、こんなにずっしりした背景を持たせたのは意外に感じました。でも、そうだ彼は背の小ささを抱えながらも有能なPGとして健気に務めを果たして来たんだった。それだけのバスケへの愛着を抱いていたのは何故か、種明かしにもなっているのですね。 試合が途切れる度、リョータのエピソードが挿入され桜木や流川にしわよせ(?)がきて出番が少なめ。花道流川好きには物足りないかも。この二人の丁々発止の関係がずーっとあったからこそ最後の得点シーンが生きるので、そこはちょっと残念。
[映画館(邦画)] 9点(2023-03-07 23:44:43)(良:1票)
8.  座頭市物語 《ネタバレ》 
邦画No1のハードボイルド味。情感は完ぺきに和のテイスト。抑えめの友情、仁義、淡い悲恋。良いなあ控えめなケレンみ。 剣術のレベルが超人的な市の、その技が三回ほどなのも良いです。あまりに連発されるとありがたみが減っちゃいますもんね。「見世物じゃねえや」です。 勝新の市は文字通り唯一無二のキャラクター。親分には(一応)へりくだりつつ、腹の中では高く買っちゃいない。そのトボけ具合と真人間としての気骨。この役をその後も誰一人ものにできていないのもむべなるかな。 天地茂の愁いを帯びた平手の存在感もおたね役の万里の美貌も、組の下っ端らのこすっからさも皆その役柄にピースのようにぴたりとハマる。観ていて快感です。 江戸の町がリアルに感じられる美術も撮影も素晴らしいと思いました。夜道は闇が深いし、人物が提灯を手渡す気遣いをしょっちゅう見せるところに日常の考証の行き届きを感じます。乱闘の際は貧しい町民の家屋の壁戸がばりばりと破られたり。市がおたねを避けて街道の脇の小高い藪の中を行くラストシーン。上から小さい彼女を見下ろした画がほんとに‶土の道だけ”で、確かに往時は馬や人が通るだけの、土ぼこりの舞うそこが街道だったのだろうなあとそんなことを思いました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-02-03 23:08:39)
9.  ザ・ドライバー 《ネタバレ》 
わあ、これはカッコ良い映画ですね!わたしはハードボイルドの自己陶酔成分が苦手なのだけど、この作品は酔っぱらう隙が無いほどに無愛想です。へらへらと人を小馬鹿にした表情の刑事ブルース・ダーンを除いては誰も笑わない。口角すら上げない。紅一点のアジャーニすら。 ”男は黙って○○”式の美学。ライアン・オニールのストイックさが夜の街の画とぴったり合って、心ときめく素敵さです。 カーアクションも元祖作だけあって迫力あります。今ほど派手に画がブレない分、むしろ観易い。後続作品のお手本になるだけあります。 クルマの一台一台に個性と存在感があって70年代ぽいですね。オレンジのベンツが素敵!(なのに壊された。ショック。) 濃い目のコーヒーにテキーラを垂らしたようなガツン、とくるハードでクールな一本。好きです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-12-13 16:43:06)
10.  ザ・メニュー 《ネタバレ》 
すごく変わったテイストのサイコパス奇譚であります。 供される高級料理の華美なこと、セレブ客らの装い、日常世間と切り離された島という隔絶空間、と舞台装置は満点。こういうのは徐々になんか変、となっていくのがセオリーですけど(ミッドサマーのように)、本作はアニヤ・テイラー=ジョイの目線を借りてシェフの「やべえ奴」具合がわりと早めに露見します。 レイフ・ファインズシェフは初手からかなりの居丈高でクセが強いなどというレベルをはるかに超えてて、なかなかの高サイコ度。アニヤの連れの男がシェフに心酔する塩梅も気色悪く、我々もヒロイン同様げんなりできるようになっています。 崇めるシェフに酷いイジメを受けて自死する哀れな男をニコラス・ホルトが表情も絶妙に演じます。”怒りのデスロード”のニュークスなんですね、彼。どうしたって重なってしまうわ。 かなり粗く、力技で押してくる脚本なので細部はあちこちおざなりではあります。設定に矛盾が生じるほどでない、ギリギリのところ。ですけども、シェフが復讐のために呼んだメンツをもっとキレイに揃えてほしいですよね。浮気された妻や映画スターのマネージャーらはちょっと殺られる資格(?)に足りない感じ。映画スターに至っては”つまんない映画に主演したから”という同情を禁じ得ない理由です(笑)。「俺は監督じゃない!」って叫んでたけど、そりゃそう言いたくもなるよね。
[映画館(字幕)] 6点(2022-12-09 17:27:03)(良:1票)
11.  最高の花婿 アンコール 《ネタバレ》 
ヴェルヌイユ家の皆さんにまた会えて嬉しい二作目です。 前作から引き続き人種差別問題に加え、さらにLGBTやタリバンテロまで盛り込んでまあ一層賑やかでごった煮の様相なのですが、小綺麗にまとめられているのはフランス流エスプリの力でしょうか。 受け入れる側の偏見がクローズアップされがちな人種差別問題ですけれど、二作目はやや掘り下げてきまして‶異文化の中での生活を選んだ側”の意識の持ち方にも言及しているのが興味深いです。「アジア系ならヌンチャクで、アフリカ系なら山刀か!?」といきなり店員に噛みつく前にもう少し冷静に、という描写が可笑しい。 勝手に「チベット開放運動家」に捏造された婿さんには同情します笑。そしてクセのある神父も健在です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-01 18:25:05)(良:1票)
12.  ザ・ロック
人物のキャラが粒立っていて、人と人のやりとりが白熱する‶映画らしい”映画。ベテランらの演技はもとより、人物造形がきちんと考えられている脚本力が高いです。良い映画って台詞が上滑りせず、リアルに響くんですよ。台詞を自分のモノにしているコネリー、E・ハリス、ニコラス・ケイジの安定感ときたら。個人的にはニコラスのぼやきが一段良かった。 どちらかというと監獄でのメインパートより、カーアクションの出来の良さが印象的でした。これまで何百台と疾走&壊れるクルマを見てきましたが、本作のカメラが切り替わり過ぎないすっきり演出は屈指の見やすさと迫力でありました。 ところで常々思うんですがFBIとか刑事って職権振りかざして一般人の車を奪って犯人追跡の後、壊してしまうパターンが確立してますね。アレってちゃんと補償してくれるんですかね。街中で運転中に刑事には会いたくないなあといつも心によぎります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-05-11 23:05:11)
13.  サボテン・ブラザース
ああー。ばかだー。もう恰好から馬鹿だもん。決めポーズで殺しにかかってくるもん。 屈託度は限りなく低く、純度の高いバカ。 無駄に良い身体のキレとか意外と練られている脚本とか、馬鹿をやるために投入されている労力がなんかもう尊く感じる。 観終わって脱力しつつ清々しくなっている自分がいました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-17 17:04:08)
14.  30年後の同窓会
かつて戦場で青春を共にした三人。時が流れてすっかりオヤジになったそれぞれの佇まいが渋いです。居るだけで画が持つ、ベテラン俳優の風格を感じます。 思わぬ成り行きで数日間を共に過ごすうち、それぞれの心にわだかまっていた過去を清算しようと思い立つというのは中年期のドラマとして良くある流れではありますが、各人のキャラクターが良いので一緒に付き合おうという気になります。 声高に力を込めて何らかのメッセージを伝えようとする映画ではない。かといって、ノスタルジーに浸るだけの切なさダダ洩れ作でもないです。 まだまだセピア色に染まるには早い彼ら。でも重ねた歳月の重さと深みが感じられる演技にじーんときました。彼らと同世代なら尚しみじみと良い映画だなあと感じられると思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-12 00:08:24)
15.  ザ・バニシング-消失- 《ネタバレ》 
先にリメイク版の’93‶失踪”を鑑賞済みでした。枝葉末節を付け加えたせいでとんだ駄作になった米国版がどんな間違いをしたのか、手に取るように分かりました。 主人公の男がなぜ薬物入りコーヒーを飲んだのか、肝のここがオリジナルはちゃんと説明できています。じゅんじゅんと尺の四分の三も使って「真相を知ること」に男が絡めとられてしまっていることを訴えているのですもん。ゆえに殺人者のわなが甘美にも感じられてしまったのだろうと、彼の気持ちを察することが容易でした。 殺人者のサイコぶりの描写も丹念です。何度女性を車に引きこむことに失敗しても諦めない粘着性。誘い言葉を発音まで修正しつつ練習を繰り返す姿はまごうかたなく異常が漲り、観てて震えます。 被害者が奴の手に落ちる再現場面も怖くて上手い。キーホルダーがここにきて伏線として活きる巧みさ。「もう少しで」運命が違う方へ流れたかもしれない可能性多々。外国人でなかったら。「瓦」の文字に怪しむことができたら。「志村後ろ後ろ」じゃないですけど、観ている者にきりきりともどかしい思いをさせるシチュエーションの連続。 映画史のバッドエンド上位に輝くであろう救いの無いエンディング。凄く恐ろしく嫌なものを観ました。嫌なんだけど、その巧さが忘れがたい映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-08-24 23:02:47)(良:1票)
16.  さすらいのカウボーイ 《ネタバレ》 
この独特な詩情、唯一無二な味わい。こんな短い時間の中に男子の放浪への憧憬をしみじみと漲らせて余韻をも残します。ピーター・フォンダというメジャーネームの映画というより、駆け出し前衛作家の手による作品と言われた方がしっくりきます。特にぽわーと直前の映像が残ってかぶさってくる実験的な画とか。 構成も演出もシンプルで、説明を極力削った展開がクールです。どういう関係か分からないけどとりあえず一緒に旅する三人のうち一人が序盤に早々と殺されてしまう。かなりびっくりしましたけど、ここもその後の敵討ちも描写は素っ気ないほど。 全編にわたってトーンが渋めに抑えられています。旅に疲れた主人公の心情と重ねているような静かさ。若きP・フォンダが老成したかのような演技を見せます。妻の指摘は鋭い。「本当は彼と二人で旅に出たい。疲れたから帰ってきたくなっただけ。男同士なら気兼ねも無いもの。女房は色んなことを要求しすぎるものね」 そうなのかも。結婚は男子の翼を折ってしまうものなのかも。ちょっと忘れがたいメンズ・ムービーでありました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-08-08 22:12:57)
17.  ザ・マジックアワー
互いの意図したところが違うのに何故かハマる面白さ。三谷氏の脚本、キレています。三谷作品はわりとそうなのですが今作は特に舞台劇な感じが強いですね。作られた街は現実感ゼロ、レトロっぽさでファンタジー感も増します。 チョイ役に至るまでまあー日本芸能界の一線級にいる人たちがぞろぞろ顔を出しますなあ。端役にまで主役クラスを使われるとなんだか気が散ります。 演技力の差もはっきり分かりますね。わたしが邦画を苦手とするのはこれがあるからで、言語の繊細な響きも母語だと聞き取れてしまうから「下手だなあ」と感じやすくなるんですね。演技評価をするなら上位では佐藤浩市の仕事が凄いです。けっこう難しいキャラクターだと思うんですよね。ズレてて抜けててでも芝居には純粋な。彼のイメージに無い要素ですから、意外だったし楽しかったです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-07-12 23:11:41)
18.  search サーチ
これは凄い。新しい。PC画面だけで展開するパターンの作品は‶アンフレンデッド”を観たことがありますが、かの作品が「画面上だけという制約」から抜けられなかったのと反対に、画に奥行きもありますし、時系を(過去のLINE画面という形で)戻ったりしながら徐々に緊張を高めてゆく脚本力の高さはかなりのものです。 俳優の演技に頼れない分を、ゆっくり考えながら打ち込むあるいは勢いに乗せて一気に、といった書き込みのスピードで表現したり、やっぱり消去したりといった行為で逡巡が伝わってくるのは巧いなあ。 現在はコンピュータの中に個人の嗜好、考え、行動履歴が詰まってますから、PC一台のデータから映画も一本作れてしまうのですね。事件化した途端現れる自称親友や、上から目線の意見屋、心無い書き込み等、ネット社会の闇も織り込んでいてリアルです。  ‶見せ方”ばかりが斬新かというと、そうではなくストーリーも大いに起伏ありで、こちらの読みをあちこちに振られた末に驚きの展開を見せました。ネタバレしないように頑張って書いております。‶気づき”の鮮やかさ、search力、まさに一気呵成。お見事でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-11-14 23:33:07)(良:1票)
19.  ザ・シークレット・サービス 《ネタバレ》 
VSサイコパスのジャンル作品として、脚本、演出、演技、カメラワーク全てがJUST平均点な王道娯楽映画です。ちょっとづつバディものの香りをさせたりロマンスも織り込んだりしていますが、こういうのを客は好むのだろうという制作側の読みはこの二点については残念ながら成功していません。 演技=平均とつけましたが、一人マルコヴィッチが気を吐きまして画面を締めています。顔つきがすでに怖いですし、銀行員殺害の無意味なことは「こいつヤバイ」と震撼せしむるに充分です。変装によって雰囲気をガラリと変えてしまう技は、まんま役者マルコヴィッチの本領発揮ともいえますね。彼が会場に現れたら、仮にワタシが警備バイトしていたとして、写真と首っ引きになっていたとしても、やはりスルーしてしまうでしょうな。別人だもん。 イーストウッドのロマンス沙汰に皆厳しいのには笑いました。日本人は老いてなおお盛んというよりは「枯れる美学」を好みますからねえ。だからじーさんイーストウッドものでも孤高の「グラン・トリノ」は好感されているのです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-28 23:30:16)
20.  サベイランス -監視-(2001) 《ネタバレ》 
巨大企業の悪だくみを若き精鋭が暴く社会派勧善懲悪モノ。殺人ありスパイあり隠蔽工作ありの仕様は全く新しくないんだけど、その大企業てのが誰が見てもM・ソフト社というのが21世紀ぽい。そしてあの社長をティム・ロビンスがまんま似せてるってのもそこはかとなく笑いを誘います。いいのかなー。 若々しいライアン・フィリップはこの頃が容姿のピーク。瑞々しさや若さゆえの青っぽさが魅力的です。 人物の印象をラストに急変するキャラクターが三名は居り、素直な客のわたしはおお、そうなるのかこいつはと驚いたのですがこのへんは脚本のミスディレクションがさすが、というところでしょうか。 邦題がややテーマとズレてるのが違和感残って残念。いかにも‟surveillance”が原題のような書き方してますが。
[試写会(字幕なし「原語」)] 5点(2020-08-21 23:18:12)
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2261.30%
3693.46%
41386.92%
527813.95%
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752126.14%
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9944.72%
10462.31%

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