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プロフィール
コメント数 1993
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜 《ネタバレ》 
・・ちょっと、勘弁してくださいよ。鑑賞中はもうずっと生理的嫌悪感との闘い。サスペンスとの触れ込みだから観てみたけど(たしかにすごくサスペンスフルだけど)、それ以上に変質味が強いので苦手な人は要注意です。 まあこう言っちゃナンですが変態キャラによくハマる役者を使ったものですね。 表向きは親切無害な管理人面だけど、一皮むけば・・のその切り替え具合がホント上手い。現実にもいそう。ぶるぶる。 このオッサンさあ、自分だってリア充社会からのつまはじきのくせに、独り身の老婦人にはマウント取りやがんのね。解雇されてもう社会的付き合いが必要無くなった途端に見下した侮蔑発言を浴びせるその卑劣なこと。いきなりの攻撃を食らった高齢おばさんの引きつった表情が辛くて見てられなかった。腹立つなあ変態のくせに。 感想としては不愉快100%だったので0点を付けたい位なのだけど、‶すんでのところでバレそう”といった緊迫演出等はレベルが高いし、「全てお見通し」な厄介キャラ(男から見て)の女の子を配置しているのも話にピリッとスパイスが効いてて巧い。なので差し引きしてこの点数で。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-14 22:59:38)
2.  スペースボール
この頃のアメリカン・コメディって、一時も気を抜かずにずーっと馬鹿やってるんだよね。一場面一場面がもれなくツッコミ待ちなの。よくこんなに思いつくなあ。体力あるなあ。 賢い(ズルい)ことに元ネタありきのパロディなので笑いの賞味期限がわりかし長い。今でもちょいちょい笑える。ヘルメットのバランスが間違ってるとどうしてあんなに可笑しいんだろうね?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-01-23 23:57:05)
3.  スピーシーズ/種の起源 《ネタバレ》 
今観ると一線級の俳優がずらりと名を連ねていてびっくりした。こんなのに出てたかマドセン。 エイリアンの造型はギーガーが手掛けただけあってレベルの高い気色の悪さ。でもこのエイリアン、別に悪くないよね。生物ならば種を存続させようとするのは本能というもの。 描きようによっては凄絶な戦記にも悲劇にもなり得る題材のところ、異星生物をスタイル抜群の美女に仕立ててエロ描写にしてしまうからこの作品はまごうことなきB級作となってしまうのだ。 他星の出身のわりに、妙に地球の犯罪事情に詳しいエイリアンやったな。身代わり見つけて擬装殺人をやってのけるとか、地球人でもああは鮮やかにできないよ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-10-13 22:36:24)
4.  スクリーマーズ 《ネタバレ》 
いやあ、意外にも?引き込まれて観てしまいました。B級ならではのしょーもなさ感はふつふつとしてますけど面白いです。ブレードランナーやエイリアンといった一級クラスの重厚感とは比べ物にならないけれど、異星の風景や制御不能になったAI武器の怖さなどは、きちんと映画レベルの画を見せてくれます。 ・・にしても、発想が自由にぶっ飛んでいくのでこちらの予想のことごとく上を行かれる楽しさがこの作品の魅力。まさかねえ、思わんよ金属製の移動式丸ノコが人間の姿にそれも勝手に進化するなんてさ。「血が流れれば人間」の大前提も後半には引っくり返しちゃうしさ。敵に惚れたゆえ自身の使命と葛藤するなんて高度な感情まで獲得しちゃうなんてさあ。あ、それにNEB社と連合軍の関係はもとより、連合本部のシリウス切り捨てのサイドストーリーはどこ行ったの。 もう、伸び伸びと製作が自由。こりゃあ、無機物であるはずのぬいぐるみにも寄生できちゃってるのかもよ。地球危ういじゃん。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-28 22:51:15)
5.  すてきな片想い
「りぼん」とか「別マ」に載ってたマンガみたい。片思いの甘酸っぱさ、賑やかな周囲と自信が無くて不器用なヒロイン像とか。もう王道すぎて話は至って平凡。 こういうのって読者が主人公にいかに共感できるか、が大事だったのです。モリー・リングウォルドという逸材を見出したジョン・ヒューズの慧眼には唸りますね。 一般の女子が共感するには美人すぎてはいけないし。ブロンド以外が望ましく、でも小顔でスタイルは均整がとれていて、ふくれっ面をキュートに演じられる。 「わたしでもモリーにならなれそう」このあたりの支持を獲得したモリー。大ブレイクしても、凄く洗練されもしなかったのがなんともいえず貴重で尊いのでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-05-22 20:34:23)
6.  スティーラーズ(2013) 《ネタバレ》 
質屋を起点に交錯する群像劇・・なのですが、群像を形成する一人一人が誰一人平均値にいないので相当にイカレた話となっています。わたしは好きですが。 バカで所々グロくて悪趣味でどうでもいいお話ですが、え、それで?どうなるんだろう、と飽きることなく観られたしラストはカオスな一日の終わり方としてまずまず綺麗に(??)締めましたし、楽しめてしまったクチです。 わりかし高いギャラを取るであろうクラスの俳優らがたくさん出てるんですよね、こんな映画に。皆さん吹っ切れて、というか楽しんでるのかな。ホワイト・トラッシュなジャンキーがポール・ウォーカーじゃんこれ、と気づいた時はびっくりしましたしイライジャ・ウッドに至ってはアンタよく出たねコレに、だしブレンダン・フレイザーは完ぺきに気味が悪いです。 質屋の店主とその友人との他愛ない会話や、ジャンキー白人同士の‶なんとなくやっているKKK”論とかどうにもユルいこのセンス。 諸作品の模倣という厳しめの批評もあるけれど、そしてそう思うけど、これはこれで及第点を差し上げます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-03 12:42:54)
7.  ストックホルム・ケース 《ネタバレ》 
ストックホルム症候群て、人質側の人間が犯人との連帯感を抱いてしまうこと。ペルーで起きた日本大使公邸占拠事件などを見るに、犯人の政治的な動機に共感することを指しているものだとばかり思っていた。・・でも本作を観たら、いやあ単なる恋愛感情なんですねえ。そうか、そうならもうちょっと納得のいく人物造形にしてほしかったな。 イーサン・ホーク、悪くはないけど一日二日で惚れこむキャラではないよな。(個人の意見です)ちょっと馬鹿すぎるし。すぐでかい声出すし。 銀行員もノオミ・ラパスではちょっと違うな。数時間でコロッと男に参るようなタマには見えない。もっと、なんかこう夢見がちな地味女子タイプがこの役にはハマると思うんですが。 まあこれは実話ベースなのでどこまで事実に寄せているのかは分かんないのだけど。一鑑賞者の勝手な感想でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-08-26 23:28:07)
8.  スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム 《ネタバレ》 
学園ドラマとヒーローものを良い塩梅でミックスさせているのは前作通り。学園パートの方は先生やクラスメートら脇役は完全にコメディ要因、親友は安定の「良いヤツ」。アメリカには何十年ものドラマ脚本の蓄積がありますから、ここらのキャラクターの活かし方は手練れ感もあります。 おいしい役回りはジェイク・ギレンホール。まあ彼ほどの実力派スターが「新参のナイスヒーロー」扱いで終わるわけはないだろうとは誰でも思うところですが。 テンポ良く台詞も楽しくベニスの風景も美しい、楽しい二作目です。 でもわたし、トニー・スタークが死んじゃっているということを知らなかったマーベルの一見さんですので、その辺りのネタにピンと来なくて置いてきぼり感はありました。今度アベンジャーズ/エンドゲームも観てみよう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-08-08 22:11:34)
9.  スパイダーマン:ホームカミング 《ネタバレ》 
世界設定が面白いですね。科学技術がずっと進んでて、地球外との関わりもあって、そのせいかスパイダーマンなる存在は近所のお兄ちゃん的な軽さ。本人もやってることは地域の防犯部長レベルだと自認しているという。ヒーローを等身大のティーンエイジャーにしたことで、ジュヴナイルな要素もはらんで物語の幅が広がりました。 ミスって上司に怒られて落ち込んだり、私生活では女の子のことが何よりも優先だったりと「ヒーローをやってる高校生」のリアルが微笑ましくて楽しい。 ただイベント盛り込みすぎ、同じような追跡シーンが多くて長いかな。どうせ3部作なのは決まってたんだろうから、もう少しスパッと切り上げてくれた方が好みです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-08-07 00:21:49)
10.  スター・トレック(2009)
キャラ良くテンポ良く、アイデアも練り込まれた王道の娯楽映画の風格でトレッキーでなくとも普通に面白いと思いました。 冒頭から目を引く迫力の展開は掴み万全。畳みかけるように地上のカーレースへと流れる展開には驚かされました。少年カークが‶1回目の断崖アクション”を披露するぜいたくさであります。これだけでカークの性格を描写し切って船長紹介を済ませてしまう手際の良さです。高い脚本力を感じます。 トレッキーならば周知のキャラクターらを一見さんにもすぐ飲み込めるように話の中に配置して、並行して込み入ったタイムワープストーリーを展開させてゆく。すでに名のある作品をリメイクするのは新規作を手掛けるよりむしろ難しい面があったことでしょう。エイブラムスの手腕の高さが決定づけられたと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-04-24 18:35:22)
11.  スキャンダル(2019) 《ネタバレ》 
♯Me Too のFoxTV版ですね。知性をもって仕事にまい進したくとも性的圧力と闘わなくてはならない女性キャスターたち。美貌に恵まれて学業にも秀で、優秀な人生を歩んできたであろう彼女らをもってしても、こーんなに下品でしょーもないスケベ親爺らの欲望から身をかわすことは難しいのですね。 もういいかげんにしろよっと全世界規模で女たちがキレたうねりを背景に、この映画に出たことでセロンやキッドマンといった大物女優も怒りを表明していることがよく伝わりました。 セロンの思慮深そうな雰囲気やキッドマンの尖りっぷりに加え、若いM・ロビーの受ける衝撃と三者三様どれも印象的で巧い配役だと思います。 ただ、米国人には周知の人物らも日本人のわたしには誰なのか理解に苦しいことが多々あって、多すぎる人物の整理ができていないことが観辛く感じました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-12-06 23:33:05)
12.  スケアリーストーリーズ 怖い本 《ネタバレ》 
画が湿っぽくて暗い。この雰囲気がギレルモ印、ティーンが主役ですが、ジュヴナイルものにしてはキングのより爽やか成分が少ないですね。十代の子が二人帰ってこないのはなんとも理不尽だし。 画ヅラで怖がらせることに成功しています。案山子や顔バランスのすごく悪い白い女の造形力は、ホラー化け物百出の現代においても卓越していると言えるでしょう。 そもそも図書館の古ーい本て、なんかちょっと怖いですもんね。そこにリアルタイムに赤文字が綴られてゆく。感受性の若い小学生が怖がるツボを正しく突いているなあと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-27 23:08:32)
13.  スパイ・ゲーム(2001) 《ネタバレ》 
レッドフォード扮する退職間近のベテランスパイが回想する過去の敵は外国人。そして現在の戦うべき相手はなんと同僚。CIAの人たちも年季の入った悪そうな顔をしていてスリリングです。 いかなる時も沈着冷静なレッドフォード上司は間違いがなくて、でもその分「情には欠ける」ので部下のブラピは反発し思春期よろしく無茶な行動に出て結果親(上官)に世話を焼かせることになるのでした。あーあレッドフォード長年貯金してきたのにねえ(涙)。 過去パートと現在パートが入り組んでいる上、現在軸ではブラピ救出の策謀も同時進行しているので結構忙しい。忙しいけれど、ややこしくないというのが脚本の凄いところで、こういう親切設計はトニー・スコットらしさを感じます。 個人的には過去パートの「東ドイツからの亡命者」の物語を一本分の映画で観たいです。シャーロット・ランブリング雰囲気抜群なのにあれだけでは勿体ない。ああそしてシャーロット姐さんはいつでも血まみれで死ぬのね・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-03 18:04:03)
14.  スターリンの葬送狂騒曲 《ネタバレ》 
旧ソ連の指導体制を笑おう、という演出にキレはあると思います。冒頭、スターリンの無茶指示に慌てふためくモスクワ放送局長には心から同情しつつ笑ってしまいますし、政権中枢幹部らのスターリンへの媚びへつらいぶりったら、もう。ウケたネタ、ウケなかったネタを表にしておさらいしているなんざ、高潔さを失った人間とはかくも滑稽である、の見本です。 だけど、人間の扱いのあまりの軽さ描写には肝が冷えて笑うどころではありませんでした。 笑い飛ばすことができないのは、血なまぐさい政争も市民への弾圧も極めてノンフィクションであるからで、あのおっかないソ連時代からさほど時が経っていないことをつくづくと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-28 23:39:05)(良:1票)
15.  スーサイド・スクワッド 《ネタバレ》 
もうこれはハーレイクインことM・ロビーの映画だね。悪役ばかりでチームを組みました、とは言っても引くような極悪人はいなくて「ちょっとクセの強い」程度の人選。しかし戦う相手はほぼ魔法使い、ていうのもバランス悪いなあ。どうやって勝てというの。 なぜジョーカーをメンバーに加えないの。彼はメンバー外だけど、この映画ハーレイクインとジャレッド・ジョーカーの二人で画を引っ張っているというのに。 マーゴット・ロビーの仕事の的確さには唸ります。この会心の手ごたえはジャック・ニコルソン版ジョーカーを観た時のと同じで、すなわち原作のコミックテイストを最大限に尊重したキャラ作りにあります。本作は漫画世界の実写化であるので、いかにカリカチュアされた小悪魔像を演じるかが大事。けれんみは最大値に、そしてリアリティは不要。眉毛の上げ方ひとつ取っても、マーゴットの仕事は完璧といえるでしょう。 ひきかえ、他メンバーの印象薄さは否めません。ウィル・スミスはコミックのキャラを演ってもいないし、悪人ですらない。ワニも火吹きもブーメランも中途半端に苦悩を背負っているのが余計です。やっぱりジョーカーとハーレイクインのチームで綺麗ごと抜きに、傍若無人にぶっ飛ばせば良かったのにな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-05 11:53:08)(良:2票)
16.  スクリーム(1996) 《ネタバレ》 
いろんなレビューを見たところ、ホラーにコミカル要素が混じるのがツボなようで受ける人には受けてるみたい。確かに「○○、後ろ後ろ!」みたいな場面があったり、妙に転び方のキレの良い殺人鬼とかはコント風でしたが。でも、ぐさぐさとナイフ刺さったり、シャッターに吊るされた女子とかスプラッタ場面もしっかり怖いじゃないですか。笑うに笑えないというか。 話に粗が多いのはホラーの通常運転なので流せるんだけど、ワタシ序盤にドリューがポップコーンのコンロ火を消さないのが気になって気になって。二度もコンロの前通ってんのに。煙もうもうなのに。ホラーの登場人物って火を消さないものだっけ?火事は当座の不審者より怖いぞ。あ、それとホラーの定番外しといえばTVの女レポーターのまさかの活躍。マスコミの女はウルサイだけなのが常道ですのにね。以上気になった二件でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-08-03 23:01:25)(良:1票)
17.  スパイダー パニック! 《ネタバレ》 
「化学物質によって巨大化した蜘蛛が街を襲う」と、まあ撮り方によってはZ級まで落ちそうなコンセプトなんですが、由緒正しい(?)B級それもBの上ランクの出来です。 スカヨハが出ている、というのも水準を上側にキープするのに一役買っているし、一人ひとりのキャラ付けや台詞等がちゃんと練りこまれていてやっつけ仕事感が無いのです。こんな映画なのに。 登場人物らになんとなく好感を抱くというか、このコミュニティにすっと入れるという雰囲気づくりは脚本のセンスを感じます。怪物にやられる犠牲者数も爆薬の量も惜しまないあたりも、正しいB級作品のセオリーを踏襲してます。 敵は数で押し寄せてくる。それもショッピングモールに、となるといやでもゾンビを思い起こしますよね。蜘蛛とゾンビ、どっちが嫌かなあ。ゾンビの方は遅いから逃げきれそうな気もするな。でも噛まれたら自分もゾンビ化する二次被害もあるんだった。嫌だ。じゃあ蜘蛛の方がいいかというとそんなこともない・・、などと本筋とやや遠いことを考えながらの鑑賞となりました。 それに化学物質で池が汚染されたのにデカくなったのは蜘蛛だけなんだね。ほかの虫は・・、いや、いいや。脚がいっぱいあるやつとか考えたくないし。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-21 23:22:56)(良:1票)
18.  ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 《ネタバレ》 
もう、美しかったです。「若草物語」が美質の塊のような原作であることに加えて、役者陣、風景、衣装、何もかもが美しい。わたしなんぞは素敵な四姉妹が連れ立って隣家に食事を運ぶシーンだけでその尊さに涙止まらず、折しもウィズコロナ下での鑑賞ゆえマスクがハンカチ代わりになるという、湿り気のある体験になりました。 従来の作品群と大きく変えてきたのは時間軸を前後させる脚本。これまた巧い。何度も現在と過去を行きつ戻りつしながら、ジョー目線に偏らずメグやエイミーの心情もこれまでにないほどの丁寧さで描きます。特に「お利口さん」のイメージが強かった長女メグについては彼女の小さな見栄や羞恥心まで描くことで、どのメグ像よりも立体的で人間性がよく伝わる造形となりました。 姉妹の脇を固めるベテランも皆役の解釈が正しく圧倒的な仕事を見せます。賢母のローラ・リニー、封建的考えの叔母M・ストリープ、少ない出番ながら印象大のC・クーパー。しかし特筆すべきはティモシー・シャラメでしょう。これまでこんなに鮮烈にローリーを演じた役者がいただろうか。若草物語といえば四姉妹のお話、であったのが今作は「ティモシー・シャラメの」と枕詞がついても過言でないくらいの存在感であります。 この人は「君の名前で僕を呼んで」でも見せたように、身悶えするほどの恋情を演じたら天下一品。ジョーに告白する丘のシーンは切なく激しく、彼の心がざくざく切れる痛みまで伝わり、映画史における告白シーンでも屈指の場面といえるでしょう。彼の表情を捉えるカメラも、距離や角度が完璧です。ティモシーの発露するフェロモン量はただ事でなく、世界中でやられる女子が続出するのも納得ですねえ。 ラストはちょっと驚きました。ここでようやく邦題の意味するところが分かるのですが。監督は原作者オルコットの考えを最大限に尊重したのだそうな。 編集者と対するジョーは突然オルコット女史になり、それまでの物語は以降は(数分程度ですが)フィクション扱いとなって展開するんですよね。目線の急激な転換にわたしは大いにまごついてしまって、咀嚼するのに時間がかかりました。なんというウルトラC的な力技でしょうか。とはいえ現実のオルコット女史の幸福は製本過程の美しく丁寧な職人技の描写で伝わりますし、フィクション側のマーチ家の人々もハッピーエンドです。監督の原作&原作者へのリスペクトを感じます。
[映画館(字幕)] 10点(2020-07-16 23:52:10)(良:2票)
19.  スリーデイズ
オリジナルに後付けの展開をちょこちょこプラスして尺を水増ししたかのような。より丁寧な描写になったと感じるか逆にダレるなあと思うかはその人次第。わたしはあんまり上手くないリメイクだなあと思いましたが。人物の感情表現がオリジナル版の方が細やかだったと思うのです。ちょっとの差ですけど。妻を想う気持ち、息子に会えない切なさなどはヴァンサン・ランドンとダイアン・クルーガーの方がぐっと伝わった印象があります。先に観たからかもしれませんが。 ほかの方も言及されてるように、えん罪かもと思いつく刑事の描写は蛇足ですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-01 00:43:45)(良:1票)
20.  スプリット 《ネタバレ》 
サイドミラーに映る何らかの異変。この遠回しなぞくっとする演出はいかにもシャマラン。おお、いいねえと始まって3分で大いに期待したものの、結局ここが私的に一番の盛り上がり場面でありました。 シャマラン好きとしては二十四人格サスペンスと聞いて期待値を上げすぎてしまいました。拉致、監禁から脱走への全容はあまりスリリングでもなく、横糸となるクレアの過去話もちょっと弱いし結を見ず終わってしまう。 J・マカヴォイの人格変化ぶりはさすがですが、でも5人程度の人物しか現れなかったのは肩透かし気味。24番目のが人肉喰らいの半獣ていうのもなあ。あまりタイプじゃなかったなあ。 「アンブレイカブル」未見なので、ラストシーンはどういう風にも受け取れず、置き去りにされた気分になって楽しくない。まさかここが本作の「驚愕のラスト」ではあるまいな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-04 16:39:04)
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