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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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1.  ダラス・バイヤーズクラブ 《ネタバレ》 
所謂、ゲイ&レズビアン・フィルムの一本と言っていいでしょう。それらの過去の映画と大きく異なるのは主人公がテキサスの生粋のホモフォーブなこと。ロデオに興じ、避妊はせず、強烈に同性愛者を口汚く攻撃する、ステレオタイプのカウボーイと考えていいと思います。また、その最低な主人公を演じるマシュー・マコノヒーの演技が素晴らしく、彼の振る舞いから目が離せなくなる。しかし、一見すると過去の映画に良くある生き急ぐ破天荒な人間を描いた映画に見えますが、そうではない。 彼は一般的な人々の無意識にでも持っている感情を非常に鋭角化したキャラクターなのだと思います。HIVに感染していると告げられた時に彼は「でまかせを言うな!そんなわけあるか!」と激昂し病院を飛び出しますが、数日後には「やっぱり感染してるのかな……」と不安になり病院に顔を出す。AZTを手にする手段も失い宣告された余命が間近に迫ると泣き喚く。彼はとても人間臭いのです。だから彼は私たち観客そのものと考えるのが正しいと思います。彼の持つホモフォビアもそうで、誰しもある種の偏見は必ず持っている。ゲイ・レズビアン、ユダヤ人、黒人、中国人、韓国人、朝鮮人、被差別部落民、etc...、ある作家が書いていましたが、現在の世の中は「ユダヤ人や黒人は差別してはいけません」と規定しているに過ぎない。誰にも差別意識は確実に存在する。 そんな主人公がビジネス・パートナーであるトランスジェンダーのレイヨンの為にスーパーマーケットで激昂するシーン、レイヨンと遂に友人として抱擁するシーン、薬を求める同性愛者たちのために車を売り払って薬を都合するシーン、最後に同性愛者たちに拍手で迎えられるシーン、それらが如何に偏見を氷解させるカタルシスに満ちていることか。 ラストカットで暴れ牛に跨るロンの姿は非常に印象的且つ象徴的です。振り落とされればタダでは済まず、端から見れば単に生き急いているだけの行為に見えるロデオ。しかし彼のそんな生き様は無駄であったか?間違いなく否である。 決して派手な映画ではないですが、静かなカタルシスを感じられる素晴らしい映画だったと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2014-05-04 08:46:54)(良:3票)
2.  ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 
前作の「ダークナイト」は暗闇の中で生きる正義を描いた傑作だった。ゴッサムの人々は暗黒の中にデントという一筋の希望を見出し、その代わりにバットマンは悪の象徴として生きることとなった。全ての悪を背負ったバットマンの姿は尊いものだろう。しかしちょっと考えてみる、それってゴッサムの人々に真実を語らず欺いていることになるのではないか?真実を知っているのはバットマン本人と警察のゴードン本部長とその息子だけ、つまり権力者側だ。「それっておかしいんじゃないの?市民には全てを知る権利があるんじゃないの?」という権力への怒りを描いたのが本作「ダークナイト ライジング」だったと感じた。本作は明らかに昨年から世界各地で起こった「Occupy Wall Street運動」を下敷きにしていると思われる。何故かと言うと前作は監督も言っている通りシカゴがゴッサムのモデルだったらしいが、本作はブルックリンの様な下町が出てくるし、沿岸部にある街という設定になっているし、証券取引所を襲撃するシーンまである。これらの描写は嫌でも(ウォール街のある)ニューヨークを彷彿とさせる。そしてヴィランのべインはゴッサムを取り戻せと人々に呼びかけるし、べインの手下は普段肉体労働を強いられているブルーカラーの人達だ。富裕層による富の独占、国家の政治への不信は世界中で起こっている現象だ。それでも真実を隠し街を守るバットマンが正義と言えるのかと観客に訴える。そんな問いに対してラストは実に上手く話しを纏めていたと思う。最早バットマンが正義の象徴として永遠の存在になるしかその解決法は無かっただろうから。他に特に素晴らしかったのはべインを演じたトム・ハーディー、圧倒的質量でバットマンでも歯が立たない相手であることを実感させる好演だったと思う。それだけに退場にはもう少し見せ場があっても良かったと思うが。脇のマリオン・コティヤールもいい味を出しているが最近彼女がスクリーンに映ると悪女にしか見えないのがやや難点。アン・ハサウェイのキャットウーマンも妖艶で美しいがリアル路線の本シリーズにおいて女怪盗という存在にやや違和感を感じてしまった。ラストのロビンのくだりはファンサービスとしては面白かったが出来ればロビンを主役としたスピンオフは作らないでほしいと思う。近年のアメコミ映画としては珍しく実に綺麗に終わったシリーズであると思うから。
[映画館(字幕)] 9点(2012-08-04 10:42:16)(良:3票)
3.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
貧乏青年のトムが、羨望の為だけに兄貴分を殺し、完全犯罪を目論む。粗筋はこれだけ。それでも個人的に強烈な印象が残っている作品です。美しさと気だるさが同居した海、抜群の肉体美をさらけ出す主人公、兄貴分のフィリップを殺す時の刺すような緊張感。これ等に言い様も無い魅力があるんです。何というか、石原慎太郎の「太陽の季節」の様な、青春が溢れだしている、そんな感じ。
[DVD(字幕)] 9点(2011-07-18 14:42:13)
4.  ダンサー・イン・ザ・ダーク
これ程レビューが書き難い映画は今までにありませんでした。なぜって映画のエンディングはセルマにとっては兎も角、観客にとっては余りにも辛い終わり方ですし、別段、観客に何かのメッセージ、テーマをはっきりと投げかけてくる映画でも無い。そこにあるのは憐れで不幸な一人の盲目のダンサーの人生だけです。 しかし日常に溢れるリズムに合わせ、妄想の中で踊るセルマは美しく、素晴らしいビョークの歌声、名演は私の胸を打ちました。どれだけ人生が酷くとも、そこに音楽と息子が存在すれば彼女は生きていけたのでしょう。良い映画か悪い映画か意見が分かれるのは当たり前だろうけど私はこの映画は傑作だと思います。この映画に出会えて良かった。
[DVD(字幕)] 9点(2008-10-26 14:47:51)
5.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 
全く中だるみの無いストーリー展開、強烈な個性を持つキャラクター達。閉鎖空間で起こるアクション物としてはトップクラスの面白さです。ホントにアクション映画の鏡ですねー。
[地上波(吹替)] 9点(2008-08-22 11:22:15)
6.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
デントとバットマンの違いとはなんだったのか。二人とも犯罪を憎み、街の為に命をかける男なのは間違いありません。しかし愛する女性が死んだ時、彼女を殺した者を憎みむか、彼女を死に追いやった犯罪自体を憎むかの違いだったと思いました。そこがデントとバットマンの心の強さの差だったのでしょう。"何故人間は闇に堕ちるのか"こんな暗いテーマのノーラン版バットマンですが、私は大満足でした。 演技の方では、ジョーカーを演じたヒース・レジャーが凄かったです。甲高い笑い声が只々不気味です。撮影終了後に亡くなったそうですが本当に惜しい人を亡くしたと思いました。 トゥー・フェイスを演じたアーロン・エッカートも中々の好演でした。 前半・後半に分けた方が良かったって声がチラホラありますが、トゥーフェイスだけの作品だと、どうしてもジョーカーのパートに目劣りしそうな気があると思うので、これはこれでアリだったと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2008-08-10 10:33:08)
7.  ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 
矢張り本シリーズにおいて、1作目と2作目は最早超えようが無い作品ですので、本作については「この題材をどうやって料理するんだろう?」という点を観たいと思っていました。3作目は単純に1,2作目の未来から来た人間型のロボットに追いかけられるという設定を流用しただけで、個人的には粗悪な劣化版という印象しか受けませんでしたし、4作目は舞台を未来に移したことで新鮮味はあったものの世界観とか含めて「これはターミネーターなのか?」という印象が強かった作品でした。実際に本作においては3,4作目は殆ど無かったものとして作られています。 それで肝心の本作なのですが個人的にはとても面白かったです。冒頭の未来での戦闘シーンは1,2作目で断片的に描かれた戦闘シーンの雰囲気をそのままに、タイムスリップの場面では1作目のそれと非常に似た構図で撮られていたりとシリーズファンへのサービスも忘れていません。そして何より主演のシュワルツェネッガーのカムバック。彼の老いた姿をそのまま物語の展開に活かすというアイデアは実に良いです。3作目の時なんて、明らかにシュワルツェネッガーの体の衰えが画面にそのまま出ていましたからね(T-850でアップグレードされているのに弱そうに見えていた)。 あの圧倒的な恐怖感があったT-1000に比べると本作のT-3000も正直そんなに怖くないのですが、まあ3作目のT-Xのしょぼさに比べたら及第点だと思います。そもそも人間ベースのターミネーターってもう完全な機械では無い訳で。そのあたりにもう一工夫(想像は出来ませんがあのT-1000を超える圧倒的なラスボス)あれば更にいい映画になったのではないかと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2015-07-27 21:17:31)
8.  抱きしめたい ―真実の物語― 《ネタバレ》 
白状すると地雷臭がしていたので観るのを躊躇っていた作品でした。塩田明彦監督は優れた作品を沢山撮っていることは存じていましたが、個人的には『どろろ』の監督のイメージがどうしても払拭できず、また主演の北川景子と錦戸亮も取り立てて好きな役者でも無く、止めにストーリーはお涙頂戴映画にお馴染みの「障がい&病死」と来たもんだ。 でもある評論家がベタ褒めしていたのを見て、考えを改め鑑賞してみました。その結果、実に堂々とした恋愛映画だと思いました。万人にお勧めできる上質なラブロマンスです。 この映画、とっても主人公二人が自然体なんですよね。別にアドリブ演技が良いとかでは無くて監督の撮り方が上手なのだと思います。あらゆる場面で頻出するロングテイクはこのカップルが本当に普通に生活している、実在しているカップルだと信じ込ませてくれます。出会いから、二人の距離が縮まっていく過程、愛し合うようになってからの距離感がとても自然に写っていて、本当に只のカップルの生活をのぞき見している様な感じ。 「そんな普通のカップルの生活なんて面白いの?」と思いそうなものですが、要所要所で締めるところは締めている。特に誰もいないメリーゴーランドで初めてキスをする場面、事故後のリハビリに苦しむヒロイン・つかさの地獄の様な日々、は役者の演技を含め素晴らしかった。 どうでもいいですが、私が観た回の観客は私一人だったのですが、本当に良かった。上映後、おっさんになりかけの男が一人で泣いているのは流石に見られたくないぜ。何が言いたいかというと、女性だけでなく男性にもおすすめできる恋愛映画だってことです。こういう恋愛映画を今でもテレビ局が製作できるとはー。やっぱり映画は観るまで分からない。
[映画館(邦画)] 8点(2014-03-12 00:00:33)
9.  タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 《ネタバレ》 
前々作の宇宙戦争に代表されるような闇スピルバーグとでもいいましょうか、鬼畜のような展開は作中から全く感じられない王道冒険活劇となっており、童心に戻った気持ちで楽しめました。こういうちょっと謎解きが含まれる冒険モノを作らせたらやっぱりスピルバーグはピカイチですね。ただプロットが殆ど「インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国」と同じなのがやや気になりましたが。あっちの評価がボロクソだったからやり直したかったのでしょうかね。私は十数年前に「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」をテレビで観て映画に嵌りましたが(そういう人他にも沢山いますよね?)、この「タンタンの冒険」を今の子ども達が観て映画に嵌ってくれたら嬉しいなーと感じながら劇場を後にしました。しかし日曜にも関わらずスクリーンはガラガラでしたね。世間はスピルバーグ最新作より怪物くんを観てるのか!?
[映画館(字幕)] 8点(2011-12-04 17:07:26)
10.  探偵はBARにいる 《ネタバレ》 
少し上映時間が長めな気もしますが面白かったです。私はエロとバイオレンスが入っていれば映画に対する評価が上がってしまう様なバカな人間ですので、この映画のターゲットとしてはピッタシ合っていたんだと思います。ただエロがあるのは結構なのですが、ギャグだけの為のエロ描写があったことは少し残念。探偵が朝食を摂る喫茶店のウェイトレスが無駄にエロいのですが、このあたりは本当に“エロの為のエロ”という感じで、物語の進行に全く絡んでいない。ここら辺をスリム化して100分程度の小品だったのなら、もっと評価が上がっていたのかなーと思います。 それと小雪がファム・ファタールを演じるってのは無理があるように思えてなりません。あの顔だとラストで実は良い人ですって自己申告している様なもんです。
[映画館(邦画)] 8点(2011-10-02 21:07:37)
11.  ダイヤルMを廻せ! 《ネタバレ》 
息詰まるようなサスペンス、そして推理とどんでん返し。全体を通して感じられる流麗なストーリー運びには惚れ惚れします。余りにも有名なグレース・ケリーが殺人を犯すシーンが非常に印象的。このサスペンスこそヒッチコックですね。名作です。
[DVD(字幕)] 8点(2011-08-19 07:05:41)
12.  ターミネーター2/特別編
個人的には"特別編"でもどちらでも大した違いは無いかなっと思えたので、通常版と同じ点数です。
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-11 23:46:37)
13.  ダーティハリー 《ネタバレ》 
なぜこれほど単純な刑事アクションが面白いのか。それは凡庸なストーリーの上に、悪を問答無用に裁くダーティ・ハリー、同情の余地など完全に無い狂った殺人鬼スコルピオ、彼らの強烈なキャラクターが乗っているからでしょう。アクションシーンの演出も文句なし。ハリーのスコルピオへの拷問シーンでの空撮が特に素晴らしかった。
[DVD(字幕)] 8点(2011-06-12 07:25:45)
14.  ダークマン 《ネタバレ》 
サム・ライミのダークヒロー物。一言で言ってしまうと、上手い!と思いました。上映時間は95分とコンパクトだし、アクションシーンやサスペンスシーンではきっちりハラハラさせてくれる。復讐劇ということで敵がトコトン屑として描かれているのもグッド。サム・ライミらしい若干とぼけたシーンも個人的には、まぁ嫌いじゃないです。B級映画の枠で最高のパフォーマンスをしていると思いましたね。何よりキモはダークマンの設定でしょう。スパイダーマンといいサム・ライミは心に陰りがあるヒーローを描くのが抜群に上手いと思う。 お互い愛し合っているのに一緒になれない抒情的なラストも良いですねぇ、マントを翻して去っていくダークマンが格好良かった。
[DVD(字幕)] 8点(2010-12-26 01:09:31)(良:2票)
15.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 
これほど退廃的に描かれたニューヨークを観た事がありませんでした。この映像を観れただけでも満足です。更に孤独を抱えるトラヴィスを演じるロバート・デニーロの演技力の凄いこと!(私を含める)他人と付き合う事にコンプレックスを抱え、しかし他人にも愛されたい人間をこれだけリアルに演じられるのは、ホントに素晴らしいと思います。もしかして、デニーロも元来そういう人なのかも。そして精神的に追い詰められたトラヴィスが引き起こすホテルでのカタストロフィ。その後ニューヨークに溶け込んでるトラヴィスを見るに、人間何かを成し遂げず、過去のトラヴィスの様に世界に不満を垂れ流している間は、本当の大人になれていないという事でしょうか。う~ん、難しい。
[DVD(字幕)] 8点(2010-11-03 18:47:48)
16.  ターミネーター2 《ネタバレ》 
続編としての質はとんでもなく高いです。という1を超えているといった方が妥当でしょうか。今回はシュワちゃんが味方で、私はこっちの方がやっぱりシックリきました。 一番の拍手を送りたいのが、適役のロバート・パトリックです。ほんとに機械じゃないのかと思うくらい、冷酷なT-1000を演じ切っています。人体模型走りで車を追ってくるシーンはホントに怖かったです。
[地上波(吹替)] 8点(2008-08-09 01:33:21)
17.  誰よりも狙われた男 《ネタバレ》 
まずジョン・ル・カレが作り出したストーリーに惹きつけられます。スパイ物でよくある(実際にル・カレも良く書いている)米ソ冷戦の対立構造を使用するのではなく、現代の対テロ戦を想定した情報戦はスリリング。テロとは良く“見えない脅威との戦い”と比喩されますが、本作でもそれは同じ。主人公であるバッハマンはどう見ても有能な男ですが、彼は確証がないままに捜査を強引に進めます。イッサが本当に過激な思想を持っているかは分からない段階で(結局持っていなかった)周りの人間を掌握し、アブドゥラ博士が本当に資金援助に協力しているか確証がないままに彼の拘束を決める。テロという言葉の元々の意味は「terror」=「脅(おびや)かす」ということ。安全保障上の彼の行動も一種のテロと言えるのではないのか?と観客に突きつけている様に思えました。しかも最後の彼の叫び「Fuck!!」に現れている通り、彼はどう見ても正義の信念を持ち(世界平和を望んだ)、イッサを結果として助けようと行動し(滞在証を発行した)、アブドゥラ博士も味方に引き込むことで強制的な危害を加える気は無かった。それに対しあのやるせないラスト。そして同僚のイルナから「無茶をし過ぎだ」と警告された上での非難の眼差し。本当の正義とは?と問いかける重厚なスパイサスペンスでした。 しかし作品としては聊か凡庸な部分があったことは否めません。ル・カレの小説の映画化と言えば数年前に『裏切りのサーカス』というトーマス・アルフレッドソン監督による傑作がありまして、それと比べてしまうと、その実力には大きく差があると言わざるを得ません。 本作は静かなトーンで作っているのだから態々無理に“動”のシーンを入れなくても良い気がしました。例えばイッサとアナベルが逃走のシーン。電車と車のチェイスは『フレンチ・コネクション』に代表される定番ですが、ド素人のアナベル達が本職のスパイを巻いてしまうのはあり得ないと思えるし、巻くならそれ相応の演出上の工夫が欲しい。最終的にクラブに紛れ込んでバッハマンの追跡を逃れますが、あれではバッハマンのおなかが人ごみにつっかえて逃げられたようにしか見えない。 但し、名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の演技を観る価値は絶対にあるかと思います。エンドロール前の献呈を観た瞬間、もう彼をスクリーンで見れないことを実感し、本当に惜しい人を亡くしたと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2015-01-18 06:54:02)
18.  ダスク・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
全く期待していなかった分、かなり棚ボタ的な感じでした。主要な登場人物は4人だけ、舞台も殆どは寂れたガソリンスタンドだけという限定された設定でベストを尽くしていたと思います。要所要所でホラーとサスペンスの見せ場を用意し、「ガソリンスタンドに辿り着くまで」、「ガソリンスタンドの店の中」、「冷蔵室」と場面が変わるごとに人間的な掘り下げもしっかり行っている。特に中盤の腕切断シーンと終盤の低体温症で車までたどり着くシーンは時間制限があるだけに実にスリリングでした。メイキングを見る限り少ない製作費の中で頑張っているのもいい感じ。最近はゾンビものもCGに頼ることが多くなっていますので殆ど特殊メイクだけというのには驚きます。
[DVD(字幕)] 7点(2012-09-02 17:49:23)
19.  ダーティハリー2 《ネタバレ》 
自分の判断で社会の悪を抹殺していく今回の犯人は、やっていることはダーティハリーと殆ど一緒。ランボー2、3の様に単純なヒーローとして続編を作らなかった点は面白かったと思いますが、特にそれ以上のものを見せてくれなかったのが残念でした。それから無駄なエロシーンが入っていたのが個人的に嬉しかったり。
[地上波(字幕)] 7点(2012-01-04 23:50:28)
20.  大脱走 《ネタバレ》 
非常に悩みましたがこの点数です。この映画は小学生だった頃に鑑賞した時の記憶が鮮明に残っている映画です。私が所謂「名作映画シーン○○選」とか知る前から、マックィーンのバイクの大ジャンプは記憶に残りましたし、何よりバートレットがトラックから出されて蜂の巣にされるシーンは、主人公サイドが生き残るのが当たり前と思っていた私にとって、大変なショックでした。で、十数年ぶりに鑑賞したのですが、正直に言うと乗り切れなかった気持ちが残りました。まず言語の描写が結構適当なのは如何なものかと。収容所でドイツ空軍が英語を話しているのは、連合国軍将校の収容所内だからと納得できるのですが、脱獄した後のマックィーン(しかもドイツ兵に変装している)に英語で詰問するゲシュタポは有り得ないでしょ。それから収容所内があれ程に楽観的なムードに支配されていたのでしょうか。終盤で「この脱獄計画があったからこそ、俺たちは希望を捨てずにやってこれた」という台詞があります。非常に説得力がある台詞だと思います。でも収容所で酒盛りを始めたシーンが本当にあったのかは甚だ疑問です。本当だったらごめんなさい。でも全体に漂う楽観的なムードに乗りきれなかった気持ちは拭えなかったので、この点数です。
[地上波(字幕)] 7点(2011-08-17 02:06:46)
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