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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1997
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  ディナーラッシュ 《ネタバレ》 
舞台であるイタリアンレストランと、そこにいる人たちがとても魅力的な群像劇。 お店は監督の有する本物だそうで、だからこそのリアリティなのですね。フレンチのように気取らず賑やかで、でも心が落ち着く種類のざわめきで満たされている。粋なバーテンが場を回すミニ・バーの心躍る空気。地下厨房からキビキビと上がってくる一皿一皿がしっかり美味しそうなイタリアン。舞台装置が素敵に整っているうえ、そこに配置された個性的な人間たちの日々のドラマも興味を引きます。 ギャングとの駆け引きが文字通り命がけのオーナー。女にだらしないけれど腕の立つ料理人の跡取りシェフ。ギャンブル依存で首が回らなくなってるサブシェフと、男女のあれこれ。 皆しょってる人生が濃いなあ。アーティストを目指すウェイトレスや、厨房内でちょっぴり格上げになった若手料理人とか脇役の者たちも存在感があって単なるモブではないです。一人ひとりに目配りの効いている脚本だからこそと思う。出時間の少ない料理評論家のおばさん二人のインパクトの強さをごらんあれ。もう忘れ難い。 なんてことない一日を切り取った形であっても観られる作品になったでしょうけど、どっこい終幕に向けて驚きの伏線回収も見せてくれます。ちょっとしたカタルシスも得られて、とても面白かったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-12-29 14:22:12)
2.  DUNE デューン/砂の惑星(2021) 《ネタバレ》 
ホドロフスキー案は途中で中止され、リンチ作は大コケしたDUNE。その壮大なSFの世界観を映像として立ち上げるに、当代随一の映像センス監督ヴィルヌーヴは適役でした。 もともと湿度高めの画を撮る人なので、砂の惑星が舞台でもなんだかしっとりした印象を受けます。落ち着きすぎて「陰気なスターウォーズ」の感もあります。冒険活劇のわくわくは抑えめでも、陰謀・謀略が宇宙規模で展開する政治ドラマは見ごたえあります。 ちゃんと超能力(フォース?)を扱う場面もあって、SFなんだと思い出させてくれますし。 それにティモシー・シャラメが美しい。彼の端正な斜めシルエットはギリシャ彫刻のようで、作品の神話味までアップしました。 もともと2部に分けての制作・公開が決まっていたという本作。賢明な判断だと思うな。20時間もの映画作品(ホドロフ案)に付き合える客はそういないですもん。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-11-09 23:21:13)
3.  ディープ・ブルー(1999) 《ネタバレ》 
レニー・ハーリンてわたしのイメージでは”火薬量は多いけど緊迫しない爆破パニックもの”の監督でして、簡単に言うとB級娯楽作の定番請負人なのですが、でもわりと大物を使うんだよな。 今作もきっちりセオリー踏襲、どかどか火薬大爆発に加えて大量の水ときたもんだ。海水がなだれ込んできて人物らが逃げ惑っても緊張感が今一つ湧かないのがレニー・ハーリン印。海水流入の扉を3,4人で閉められるとも思えないし、女博士は必然もなしに下着姿になるしで。基地の構造もさっぱり分かんないので逃げた先のシャフトがどこにどう繋がってんのやら。そっちで合ってるの?まあいいけど。 ところでこの映画「誰が生き残るか」視点でいくと相当の意外性があります。そんな意外性で驚きを稼ぐのはやめてほしい気もするけどな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-05-31 23:30:42)
4.  デンジャラス・ビューティー 《ネタバレ》 
観る前は、ミスコン仕様に美しくなったサンドラ・ブロックが爆弾魔を取り押さえる‶チャーリーズ・エンジェルもの”と思ってました。よもやミスコンというフィルターを通して自らの偏見が修正されゆく「気づき」の物語だったとは。 撒き餌的な爆弾魔の扱いがどんどん雑になっていくし、ミスコン主催者が会場爆破を目論む動機がちゃんと描かれてないというテキトーぶりの割に、それなりに楽しく観られたのはサンドラの魅力のおかげ。どんな女優でも人気者になるには当たり役に巡り合える運を持っているものです。本作の「知能指数は高いけどガサツで男っ気なし」をキュートに演じられるのはまさしくサンドラ・ブロックしかいないわけで。 マイケル・ケインがおネエ型の業界古株役を上手く演ってて笑うし、コンテスト出場者の女の子たちも極力アクを抜いて感じよく描かれています。 ミスコンを今やセクハラの看板イベントとしてディスっているのかと思いきや、女子たちの努力と根性そして友情物語のエッセンスをまぶして後味良く仕上げている脚本、なかなか凄腕と思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-15 18:51:03)
5.  ディボース・ショウ 《ネタバレ》 
そもそも結婚する時に、すでに離婚時の財産分与のことを考えて予防線を張るっていうのが完全にブラック・コメディなアメリカセレブ社会。コーエン兄弟がネタにしたわけですが、これを観て共感&爆笑できる場所にいないので今一つ乗れず。 G・クルーニーは徹底して通俗性丸出しの弁護士(米社会は歯が命)で笑わせようとしてるんだけど、彼特有のねっとり感が合わなくて笑えなかった・・。キャサリン・ゼダは美人。でもお人形みたい。能面のようで。役者よりもモデルの方が向いてるんじゃないかな。 ちょっとだけ可笑しかったのが弁護士事務所オーナー爺さんのやり過ぎ具合。あれではもはや妖怪ですな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-02-21 23:08:16)
6.  TENET テネット 《ネタバレ》 
うわーこれ難しいいー。ノーランお得意の時間つぎはぎモノの中でも難易度高め。 え?え?と戸惑いながらも、テンポの良さと画のキレイさに引っ張られて集中して観ることはできました。・・けど、観終わってああすっきりとはもちろんならないので、ネットで解説を探したり二度三度と観直すことになるわけです。こういう作業が必要ということは映画館での一発鑑賞には向いてないとも思えるのですが、映画作品としてその辺どうなんでしょう。 いろんな解説を聞き、もう10回は観たのですがそれでも「?」はすっきり解消とならず、己の頭の悪さを認識するはめになっているところです。でもここまで人を魅了する力が本作にあるのは確かだし、個人的にはエリザベス・デビッキの美麗な10頭身が着こなすファッションにも心奪われました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-13 15:18:29)
7.  天才スピヴェット 《ネタバレ》 
物語も画も、子ども向けの上質な絵本といった趣。 個性的な家族と美しい自然と科学への探求心と、心に負った傷。これが10歳のT・Sのすべて。 T・Sが冒険心を起こして向かう状況の全てが「過酷さ」を排しているので、かなりファンタジー寄りです。子ども一人がうろうろしているのに大人が誰も通報しない、というのも子ども目線では理想形。‶人語を話すペット”的な相方がいればもっと完璧だったかも。 T・S役のカイル君が半端ない透明感で、小奇麗な画にぴったりとハマります。ストーリーのユルさは大人には物足りないけれど、とにもかくにも画の美しさに引っ張られての鑑賞でありました。
[地上波(字幕)] 6点(2022-04-12 22:45:47)
8.  デッドマン(1995) 《ネタバレ》 
‶退屈映画”は世に数あれど、観続けるのが苦痛になるものと意味は分かんないながら観入ってしまうものとあって、わたしにとってジャームッシュ作品は後者なのです。 不条理に巻き込まれて命が抜けそうな男(いや実はもうdead manなのか?)と、彼の魂を平穏に送り出そうと手助け(?)するネイティブアメリカン、ノーバディ。 この作品を正確に解説する術も技量も持ち合わせていないのですが、そうだな生と死のあわいを行ったり来たりしているかのような映像美とか、ほんとにあの世に片足突っ込んでいるような形相のJ・デップがハマっていて目が離せないとか、マトモな人物が出てこないそのシュールさの塩梅が個人的に好みであるとか、なぜこの映画が良かったのかと聞かれればこんな感じで要領を得なくなってしまうんだけれども。 ジャームッシュ贔屓の点数であることは認めます・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-04 23:26:31)
9.  鉄道員(1956) 《ネタバレ》 
頑固おやじに振り回される家族の情景。モノクロのしっとりとした質感とイタリアン美女に天使のような子どもの画でちょっと敷居が高くも感じますが、往年のテクニカラーを施して昭和感を出せば向田邦子脚本のドラマのような親しみやすさが一気に出ますねきっと。本質同じだもん。 親父はガンコで、でもそんなに強いわけではなくて。家庭を支えているのはしっかりした優しい母親の方で。そして幼い末っ子はいつも大人たちの秘密を知る立場で、「黙っていてね」と守秘義務を課せられる笑。結局筒抜けになっちゃうんですけども。 イタリア映画の人間ドラマによく見る「俯瞰した姿勢」が本作にも顕著で、人物らは状況を切り開こうと必死に動いたりしないです。なるようになるからね人生は、というスタンスが昔の日本映画の淡々とした味わいにも似ているなと感じます。 ガンコ親父を取り巻く環境は浮いたり沈んだり、ささやかな友人の思いやりが大きく周囲を感化して、ほっとする終幕に落ち着きます。優しい脚本に心なごみます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-01-26 18:22:24)(良:1票)
10.  ディープ・インパクト(1998) 《ネタバレ》 
タイトルからなんとなくエメリッヒタイプのディザスターものかと思っていました。大惨事の画は終盤にありますが、9割方は終末に直面した状況下の社会派群像劇でありました。社会派は言いすぎか。 TVキャスター、衛星発見者、宇宙飛行士らと目線を変えての人間ドラマが展開されますが、これが何となくテレビの再現ドラマのような安っぽさを感じました。M・フリーマンやR・デュヴァルら、役者は良い演技をしているので問題はありきたりな演出にあるのでしょう。 終末が迫ったらこうなるだろう、という発想のレベルが略奪・混乱・渋滞・自殺、と凡庸の域を出ずそのうえ画でパニックぶりを見せようとするあまり、津波からこちらに逃げてくる人々の図まで用意しています。あんなに前々から警告されていたにも関わらず避難が全然進んでいないというのはリアリティに欠けると思います。作り手の映画センスがぱっとしない作品だなあという印象です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-12-27 23:14:06)
11.  デッド・ドント・ダイ 《ネタバレ》 
いやこれはさすがにジャームッシュファンといえど擁護し切れない・・。監督ったら、はしゃいでやらかした感がありますね。旧知の豪華キャストに囲まれて嬉しくなりすぎたのでは。エスターバリントまで出てくれたもんね。 コメディのさじ加減を間違えちゃってるもん。中盤まではジャームッシュ印のオフビート感とゾンビがまあまあ上手いことハモっていたのですが。A・ドライバーの真顔のおとぼけぶりとB・マーレイの悟った顔芸も良い味出してますしね。 でもなあ。なんぼなんでもティルダのUFO演出はないよ。無い。極めつけに台本発言。ジャームッシュ常連客もたじろぐよ。次作は気を付けてくださいね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-12-17 23:20:10)
12.  天国は待ってくれる(1943) 《ネタバレ》 
ドンファン爺ちゃんが地獄の受付で振り返る一代記。閻魔大王自ら受付やってるんだ(笑)。 というのはさておき、まあ憎めないヘンリー爺ちゃんの恋愛遍歴がキュートに綴られます。お金持ちで容姿端麗、幼少期からモテて困ってます(いや困ってない)、というイヤミ人生を愛嬌のあるユーモアで明るく仕立てたのはルビッチならではのセンス。 1エピソードにつき1回は笑わせられました。爆笑というより、くすくす笑いですね。主人公の祖父がまた一回りやんちゃでホント可笑しい。義理の父母のけんかとその仲をとりもつ召使いとか、息子の女遊びに気を揉む姿がかつての父親そっくりになっちゃってるヘンリーとか、人間観察に優れた書き手でないとこうもたくさん珠玉のエピソードを生み出せないと思います。色々あった愛妻との別れには泣けました。 なんと戦時中の作品なのですね。豪勢な邸内は灯火管制下の我が国とは比べるべくもなく、ただ圧倒されます。そしてお金持ちと一口に言っても、奥方の実家カンザスのお屋敷はニューヨークのヘンリー家と比べるとどことなく装飾が野暮ったい印象なんですよ。このへんの細かさにもハリウッド映画の凄みを感じました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-11-12 23:13:59)
13.  テリー・ギリアムのドン・キホーテ 《ネタバレ》 
ドン・キホーテは児童書で読んで以来。子どもの頃抱いた「?」という不可思議な感想をまんま映像作品にしてくれたテリー・ギリアム。そう、元々のお話も整合性なんかなくてオチもどっか行っちゃってる「夢」そのものだもんね。 振り回される気の毒なサンチョことアダム・ドライバーとドン・キホーテその人なジョナサン・プライス二人の軽快な芝居っぷりが楽しく、この二人に引っ張られての鑑賞でした。 スペインのロケーションも素晴らしく、乾いた土と風、強い陽射し、これらの風土はドン・キホーテの世界には不可欠だと感じ入ります。むきだしの土色と岩の中にギリアムがこしらえた赤と金の濃い色彩の迷宮。この色彩のメリハリは強烈でちょっとぼうっとなりました。 そう、役者のお芝居、美麗な画。退屈しなかったのは間違いないんだけど、面白かったかと聞かれると微妙ではあります。そこはそもそもドン・キホーテですから、ということで。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-02 23:38:18)
14.  テッド・バンディ(2019) 《ネタバレ》 
世に名高い(?)元祖シリアル・キラーテッド・バンディとは何者か。この映画では殺人の場面をほとんど描かず、観客はどちらかというと恋人エリザベスの目線でテッド・バンディを見ることになります。なるほど誠実(そう)でハンサム(好みによる)で、観てても「ほんとは冤罪なのでは?」とちらっと頭をよぎるほどでした。 実際の彼を映したテープはかなりの数で残っており、本作でもエンドロールで流されますがザック・エフロンが小さい焼き増しに感じられるほど。ちょっと迫力が違いました。実人物は殺人容疑者で捕まっているとは見えないほどに堂々とした振る舞いで、妙な毒々しいオーラを放っています。 ザックもマルコヴィッチも往時を完コピしていますが、映画を観ている我々をベスの目線に置いた以上、もう少し彼女の心情変化についての描写が必要ではないでしょうか。 いつぐらいからテッドへの思いについて疑惑シェアが大きくなっていったのか。渡された極秘資料がきっかけになったのなら、その中身を我々も知りたい。なによりベスが何故テッドの餌食にならずにすんだのか。ベス本人も知りたかったでしょうが、映画製作者としての解釈なりを落とし込んでほしかったところです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-10-30 23:45:37)
15.  10 クローバーフィールド・レーン 《ネタバレ》 
や、これは意表を突く脚本。”クローバーフィールド”の世界観を知っているからこその”意表突かれ”ですが。なんせ異星人の気配もない前半はまさかの密室劇。密室といえば疑心暗鬼の心理戦、これが上手いこと上手いこと。 監禁目的で連れてきたんでしょ→イヤ、救助だから。でも外が侵略されてるっていうのは嘘でしょ→本当に第三者が目前で無残に死んだ。ぶつけてきた車があるじゃないか→あの時は気が動転していたから。・・等々、観客共々疑問を解かれ三人の波風は一旦収まるものの、だがしかし。と、スピーディにパタパタと展開するシナリオは客に飽きを発生させません。 後半に入るとヒロインの戦う相手はキモイおっさんから異生物へと対象が変わるのですが、ここも”クローバーフィールド”を観ているのだ、と冒頭からこちらも心得ているので通常ならあり得ないほどのぶっとんだシチュエーションも受け入れられます。 ラストがまた粋で。ラジオから現況を知った彼女は避難地ではなく戦闘区域へと向かいます。虐げられている者を助けたかった、という人生の悔いを晴らす機会を彼女は得たのです。なかなかの、ウルトラ級に心憎い締めを見せてもらいました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-07-20 23:54:58)
16.  デス・レース(2008) 《ネタバレ》 
もう設定からして無茶苦茶なB級映画ですが、ジェイソン・ステイサムだというのでつい観てしまった。見どころはジェイソン・ステイサムが出ているというところ(だけ)です。 いくら定番の「荒れた近未来」といったって、刑務所長が自己利益のために一般市民を殺害して夫に濡れ衣を着せたうえ殺人レースに参加させる、ってそりゃないよ。イモータン・ジョーだってもう少し理屈が通っていた(たぶん)。それはまあいいとして(いいのかい)、カーレースが見せ場の映画であるのは間違いないんですがガチャガチャとクラッシュが多くて何がどうなってんのかよく見えないや。高速でトバしているのはCGまたはスタントだということがまるわかり。運転席の二人の乱れの無さ、緊張感の乏しさ、振動の無さ。女の子の髪も乱れない。 ラストのオチのつけ方にはツッコミ必至。アンタが所長を殺んのかい。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-11 23:45:45)
17.  デジャヴ(2006) 《ネタバレ》 
名匠トニー・スコットの勇猛果敢な手腕の光る一本。冒頭の船爆発に至るシークエンスからして迫力あって掴みは万全。鍵を握る女の水死体や留守電に残された自身の声といった謎要素は一級のクライム・サスペンス展開を予想させ、ぞくぞくします。 ところが、トニー・スコットのタクトは凡百が予想する「D・ワシントン探偵のサスペンスフルドラマ」という構図を振り切り、突如SFタッチな‶AI過去モニタリング”をぶち込み、勢いに乗ってタイムマシン(!)にデンゼルを送り込むというおよそ予測不可能な力技を披露するのでした。いや監督アンタ凄いよ。 一言でいえば「荒唐無稽」で余すところなく表現可能なのですが、そんなつっこみは野暮に感じられるほどに監督は自信にあふれ堂々と揺ぎ無くタイムワープで話を完結させました。 「どうだい面白いだろう?あの4日前とのカーチェイスは自信作でね」と熱く語られているような、創作魂がごうごうと燃えさかっている本作。SFよりもサスペンスの方が好きな客(=わたし)にも、とても面白かったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-05-16 23:13:52)(良:2票)
18.  デッドプール2 《ネタバレ》 
前作より馬鹿度は2割増し、演出のキレは3割増しで1作目より面白かったです。ストーリーが太った男の子を救うってだけのシンプルさも観やすい。アメコミに詳しくないと矢継ぎ早に入れてくる小ネタに気付かないけど、それを差し引いてもかなりちょくちょく「ふふっ」と笑わせてもらいました。監督=「ジョン・ウィックで犬を殺した奴」のところで冒頭からいやいや(笑)となっちゃった。あとねラストらへんの、暗証NO必要→「7じゃない?」「まさかひとケタってことは」カチッ「ひでえ脚本だ」のくだりがツボでした。 ライアン・レイノルズが本気でこのおバカ映画に取り組んでいるのが伝わってきますよね。このひと「名探偵ピカチュウ」のオファーが入った時、お子さんを園に迎えに行く途中だったんですって。そして仕事熱心な彼は即役柄に入れ込むべく、「自分は今からピカチュウだ」→ピカチュウはうちの子を知らない→ので、迎えに行けない。という恐るべき強引阿呆思考でお迎えを放棄したそうで、それを記者に語るレイノルズと横で呆れ果てている妻ブレイク・ライブリー、というエピソードがしみじみ感慨深かったです。いやさすがだライアン・レイノルズ。デップーには貴方しかいないよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-26 23:08:59)
19.  ディザスター・アーティスト 《ネタバレ》 
トミー・ウィソーは幸福な方へ倒れたエド・ウッドですね。共通してるのはあふれんばかりの映画創作愛と、それがハイスピードで空回りしちまってるトコ。 ラストで「ザ・ルーム」とのカットが並行して流れるのだけど、J・フランコがトミーを完コピしているのに驚きます。ひえ、つまりホントに実在したんだ、こんな奴が。 ホンは書けない、台詞は覚えられない、演出は無意味、と創作のセンスの欠片もないトミーにいかに周りが振り回されたか、が本作の見どころではありますけど、エドの時と同じように役者もスタッフも最後まで投げ出さずなんだかんだで駄作を作り上げたことに、ある種の愛すら感じてしまうのでした。おばあさん役の役者に問うシーンがあります。「なんでこんな仕事を引き受けたの?毎日80キロも運転してまで」に答えた彼女曰く「だって私は役者なんだもの」・・人は突き動かされてどうしてもそれをやる、止めがたい情熱があるのですねえ。 トミー・ウィソーはラッキーな人です。お金には不自由しないし、生きているうちに本作のような裏話映画まで作られて称賛されている。エド・ウッドにも同じ感動を与えてあげたかったなあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-26 23:44:41)
20.  デイブレイカー 《ネタバレ》 
ヴァンパイアと人間の人口比とか考えたこともなかったわ。なるほど‟エネルギー源”となる人間が絶滅寸前ともなると吸血鬼側も確かに困ってしまいますね。 吸血鬼といえば月と古城をバックに美女を襲いに単独行動していた中世から何世紀も過ぎるとヴァンパイア社会が出来上がり、血の配給が行われ、コーヒースタンドの商品も血液入り(それがどんどん薄くなっていくという経済破綻の一面もあり)、ニュースでは血液配給量が流される。怪物すら生き辛い世の中になってるとはねえ、と作品設定にまず感心しました。 上司に特効薬の製造をせっつかれ、モラルと仕事の板挟みで悩むイーサン・ホークてのもやけに現代サラリーマン的な描写です。 ヴァンパイアものなのに社会問題提起作品になりつつあるところ、終盤ごろには急展開で血しぶき上げまくりに。それまた豪快にバンバン血が吹き上がって戦争映画かスプラッタものの様相を呈し、懐かしきゴシックホラーとの距離がはるか遠くなった感のあるニューヴァンパイアのお話でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-23 22:46:31)
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