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プロフィール
コメント数 2381
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  マシンガン・パニック 《ネタバレ》 
スウェーデンの警察小説『マルティン・ベック』シリーズの一編を映画化、舞台はストックホルムからサンフランシスコに変更されて米国の物語に変更されている。70年代のサンフランシスコが舞台だが、当時の荒れた米国の世相が反映したストーリーで、事件のモチーフ自体はスウェーデンより米国に違和感なく置き換えることが出来てます。バス乱射事件で相棒を殺された刑事ウオルター・マッソーと新たにコンビを組むブルース・ダーンが捜査に取り組むのだが、彼ら二人を含む警察の空振り捜査を延々と見せられ事件の真相にさっぱり近づけないのが、もうイライラすることこの上なしです。現実の捜査も快刀乱麻に解決するはずがないのでまあリアルと言えなくもないが、中盤で起こる本筋とは無関係な銃乱射事件など、ムダとしか言いようのないシークエンスがある雑な脚本です。マッソーはパブリックイメージとは違う寡黙でハードボイルドなキャラですが、名優なだけにさほど違和感はなかったです。対するブルース・ダーンがハードボイルドを超したがさつな刑事で、二人が絡むシークエンスの三分の二ぐらいは口論していた感があり、これだけ噛み合わない刑事コンビはちょっと珍しいぐらいです。この映画の最大の難点は、観終わってみても犯人がなんで乗客皆殺しすることになったのかがさっぱり理解できないことで、そもそも犯人があの二人のうちどっちを(両方か?)狙っていたのかすら不明瞭な終わり方なのもイラつかせてくれます。やっぱ同時期のサンフランシスコ市警に在籍していたはずのダーティハリー=ハリー・キャラハンが出てこないと、事件はもつれるばかりです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-03-17 22:24:53)
2.  マンダレイ 《ネタバレ》 
ドックヴィルの集落を住民もろとも地上から抹殺したグレースと父親およびその手下たち、どうしてか相変わらずアメリカ南部をキャラバンの様に彷徨っていて、アラバマでマンダレイという綿花農場を通りかかる。そこでは今だに黒人奴隷が存在しており“意識高い女”系の気の病が再発したグレースはマンダレイに入り込んで奴隷を解放し、黒人たちに彼女が理解している民主主義なるものを教えて啓蒙して元奴隷たちが自立できるコミュニティを築こうと奮闘するのだが… ローレン・バコールやクロエ・セヴィニーなど『ドックヴィル』から続いて出演しているキャストもいるが、肝心のニコール・キッドマンとジェームズ・カーンの父娘など半分はラース・フォン・トリアーのオファーを蹴ったというか逃げられちゃったみたいですね。逃げなかった面々にしても、ほとんどセリフもない影の薄い役だったのは可哀想。『ドッグヴィルの告白』というドキュメンタリーを観ると、キッドマンなんかはもうトリアーのことボロクソに言ってましたな。代わってブライス・ダラス・ハワードとウィレム・デフォーの父娘となったわけですが、とくにデフォーはジェームズ・カーンより良い味出してました。彼はその後もトリアー作品にはチョコチョコ出演しているし、類は友を呼ぶというか気が合ったみたいです(笑)。 この映画は『ドッグヴィル』よりも、アメリカ合衆国というある意味奇妙な国家の闇というか負の歴史を前面に押し出しているところは好感が持てます。意識高い系の女・グレースの思考原理は学校で教えてもらったデモクラシーの理想そのもので、砂嵐の件など現実を見ようとしない理想論の欠陥が皮肉たっぷりに描かれています。黒人たちにしても俗にいう奴隷根性が丸出しで、”しいたげられた者は清く正しい“というステレオタイプを徹底的にコケにしています。実は“天敵がいなくて食糧・水にも不自由しない環境ではネズミはどこまで繁栄できるのか?”という事を研究した“ユニバース25”実験のことを思い浮かべてしまいました。これは4ツガイのラットが最高で2,200匹まで増えたけど日も経たずに全滅してしまったという有名な実験で、ネズミと人間を同一視するのは不適切かもしれないが、まさにこの映画でのマンダレイはネズミの天国と似たようなものなのかもしれません。またグレースの行動原理とマンダレイの関係は撮影当時の進行形だったイラク戦争の縮図そのものとも言えて、やっぱ欧州人じゃないと撮れないテーマだなとしみじみ感じました。 ラストで完全にドックヴィルの様に父の助けを借りてマンダレイも地上から抹殺しようとしていたグレイスだけど、15分遅れていた唯一の時計のせいで虐殺は回避されます。この時計は劇中で多数決で時刻合わせしたので遅れていたわけで、けっきょく民主主義が住民の生命を救うことになったというわけです、でも決して住民たちはそのことに気づくことはないであろうというのがある意味で痛烈な皮肉ですがね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-02-11 02:31:25)
3.  マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙 《ネタバレ》 
まあ確かにマーガレット・サッチャーは政治家としては毀誉褒貶が激しい人ではあるけど、どう見ても英国は“サッチャー以前/サッチャー以後”と区別できるほど国家として変貌を遂げたことは確かでしょう。そんな人物をメリル・ストリープに演じさせたということは、冗談ですけどそりゃ反則ですよ。正直なところ扮装自体はさほどサッチャーに似ているとは思わないけど、その話しぶりや仕草などはサッチャーそっくりなんだそうです。認知症を患っている引退後のサッチャーと亡霊のように彼女の幻視に現れる亡夫デニスとの対話を通じての回想というある意味オーソドックスなストーリーテリングなんですが、双子の子供のうち娘のキャロルだけを登場させて問題児のマークを出さなかったところはさすがに忖度でしょうか。『鉄の女の涙』という邦題の割には劇中メリルが涙を流す場面は皆無だったような気がしますが、「サッチャーが泣くところなんか誰も観たくないだろ」と考えたかもしれない脚本は正解だったと思います。実際のところサッチャーが公の場で涙を見せたのは、息子マークがバリ・ダカール・ラリーに出場して一時行方不明になった時だけだったそうです。デニス役のジム・ブロードベントとメリルの掛け合いはさすが名優同士だけに見応えがありましたが、その印象が強くてなんか舞台劇を見せられたような感もあります。そういうところが、ある意味でこの映画の弱いところなのかもしれません。 驚くべきはこの映画が製作されたときはまだマーガレット・サッチャーは存命だったということでしょう。公人だったとはいえ、その認知症を患っている姿まで赤裸々に描くとは、腰抜け揃いの日本映画界では考えられないことです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-01-13 22:42:08)
4.  舞妓はレディ 《ネタバレ》 
舞台となる下八軒は京都五花街の一つである上七軒のもじりですね。つまり架空の花街なんですが、ファンタジーを基調としたミュージカルですからセットで撮影されるミュージカルとしては完全に人工的な夢世界の設定でもあるわけです。周防正行の今までの作品には、劇中でのバック・ミュージックの使い方のセンスにはミュージカル風味が感じられていたので、ついにミュージカル映画を手掛けたということには驚きはあまりなかったが、タイトルが『マイ・フェア・レデイ』のダジャレとはびっくり。内容もまさにイライザとヒギンズ教授のストーリーを京都の花街の舞妓に兌換するというアイデアはなかなか奇抜ですな。「京都の雨はたいがい盆地に降る」なんて『マイ・フェア・レデイ』の“スペインの雨”をパロったような歌もありましたが、だんだんと独自の世界線が展開されていたと思います。やはりこの映画は800人の中からオーデイションを突破した上白石萌音の存在無くして成立しないでしょう。その後に紅白歌合戦にも出場したぐらい歌手としても活躍していますけど、その歌唱力は半端ありません。あのテーマソングは、初めて聞いた時から頭から離れない中毒性があります。長谷川博己を始め他の出演者の皆さんもほんとお上手、もっとも高嶋政宏だけはほとんど怪演でしたけどね(笑)。まだ芸能界デビューして間がない頃の上白石は仕込み時代の春子の野暮ったさが似合っていたけど、舞妓になってからの可憐さは思わず瞠目してしまいました、まさしくアイドル誕生です。こういう観る者を愉しませてくれるミュージカル映画がもっと日本映画には必要なんじゃないでしょうか。 YouTubeにアップされている京都花街の動画を観ると、「ここは本当に日本なのか?」と絶句するぐらい外国人観光客であふれかえっています。みんな舞妓や芸妓が現れると群がって写真を撮りまくり、でも彼女らは誰も視界に入っていないかの様に凛とした歩みでお茶屋に入ってゆきます。今や彼女らはファッションモデルで、京都の小路はランナウェイなんだなと感じた次第です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-11-15 23:42:14)
5.  MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 《ネタバレ》 
タイムループものは好物なんだけど、このカテゴリーの邦画は初めて鑑賞。劇中でも言及があるように『ハッピー・デス・デイ』や『オール・ニード・ユー・キル』そして『恋はデジャヴ』なんかが有名作だけど、これらが恋や死をテーマにしているのに対して本作では仕事がテーマになっているのがいかにも日本らしいところです。謂わば“社畜たちの最悪の一週間”がテーマでループしてゆくわけだけど、ラストで“個人の夢をかなえる”と“仕事はチームワーク”というオチで閉めるところは、いかにも日本人らしいが自分としては少し薄っぺらい様な気がしないでもない。私が今まで観てきたタイムループものはループの幅が一日程度が多かったが、一週間というループ幅は最長かもしれない。そりゃあ人間誰しも仕事や生活で失敗した時、「嗚呼、もし時間を戻れたら…」と臍をかんだことが一度はあるでしょう、でも一週間を何度も繰り返すならそりゃどんな仕事や作業でも完璧にこなせるのは間違いない。もしループしていることに気が付いたなら、その間に社会で起こる出来事を参考にしてとんでもない金儲けや、それこそ犯罪だって平気で犯せる、まあ一週間たてばもとに戻るんだから意味ないか(笑)。最初は徹夜続きの社畜たちを尻目にさっさと帰宅しちゃう部長・マキタスポーツはとんでもない奴だと思わせておいて、実はストーリーに感動要素を与えてくれるキーマンだったというのは、ちょっとあざといかなと思うけどまあアリかなと思います。 なんか腑に落ちないところはあるけど、誰もが憂鬱になる月曜日と毎日同じことの繰り返しのようなサラリーマン生活をタイムループのストーリーに落とし込んだ発想は、けっこう上手くいっていると感じます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-10-21 22:49:59)
6.  マンディ・レイン 血まみれ金髪女子高生 《ネタバレ》 
ヤリたい盛りの男女ハイスクール生が人里離れた別荘にバカンスに行って謎の殺人者に一人ずつ狩られてゆく、まあ言ってみれば典型的なB級スプラッタームービーなわけです。典型的な低予算映画で、序盤以降で別荘に着いてからは男女六人と別荘管理人の元海兵隊員(プラス殺人者)の八人でお話しを廻してゆきます。割と早いところで殺人者の正体が判明するので緊張感は皆無でしたが、セオリー通りなら元海兵隊員が銃を持ってるし活躍するところなのに、こいつが全然役立たずなのがちょっとしたサプライズでした。もちろん最大のサプライズはラストの展開となるわけですが、途中で観るのを止めようかというぐらいつまらないストーリーを多少なりとも救ってくれた功績は認めましょう。でもこの犯人の動機がまったく理解不能なのは困ったところで、けっきょく「なんじゃこりゃ」という感想になってしまいました。スプラッター映画としては描写は大人しめで、一部『悪魔のいけにえ』をオマージュというかパクったような映像もありました。まあアンバー・ハードのファンなら観ておいても損はないかな、という程度の出来です。 この映画は最初に出る製作会社のロゴは“ワインスタイン・カンパニー”、そうあのハーヴェイ・ワインスタインのプロダクションなんですね。ワインスタインは御存じの通り今は塀の中、下手すりゃ死ぬまで娑婆に戻ってこれないかもしれません。現在我が国でも某芸能事務所の創業者の犯した性犯罪で激震が走り、この事務所のタレントが出演したCMやドラマがどんどん中止に追い込まれています。もちろん製作された映画・俳優・スタッフには罪がないけど、“ワインスタイン・カンパニー”のロゴが出る映画は、もちろん新作があるわけじゃないですけど旧作も今後放映や配信に影響があるのかもしれないとふと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2023-09-26 22:46:21)
7.  街のあかり
カウリスマキの“敗者三部作”の掉尾を飾るわけですけど、作を重ねるたびに悲惨になってきた主人公も、ついにここまでの境遇になってしまったかと嘆息してしまいます。三作の主人公の中でも本作のコイスティネンが最も無表情というか無感情の様に思えます。時は21世紀に入りフィンランドもEUに加盟していて通貨もとうぜんユーロになっています。それなのに10年前の第一作当時から時が止まってしまっていたような社会の状況、銀行は相変わらずゲス対応だしノキアの国なのにスマホどころかガラケーすら誰も使っていない。コスティネンは家族も友人もいなけりゃ職場の同僚からも嫌われている。挙句の果てには女に騙され宝石店泥棒の片棒を担がされて刑務所行き。出所して女と黒幕ギャングを見つけて復讐しようとするが、哀れ返り討ち。こんだけひどい目にあってようやく自分を理解して救ってくれそうな女性が身近にいたことに気が付いて呟くのは、「ここじゃ、死なない」、なんか最後にようやく希望が湧いてくる一言でした。 描き方によってはいくらでもダウナーになるストーリーなんだけど、カウリスマキ・マジックにかかると不思議とほんわかした映画になるのは不思議です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-08-12 23:09:33)
8.  マダム・フローレンス! 夢見るふたり 《ネタバレ》 
実在のフローレンス・フォスター・ジェンキンスは歌手活動する前はピアノ教師をしていたぐらいで、決して自分のような根っからの音痴というわけではなく普通人以上の音楽的な才能(?)はあったんじゃないかな。でも歌わせると凄まじい破壊力を発揮したということは、絶対音感を持ち日芸のピアノ科を出ているのに…というあの山口めろんが思い出されます、彼女こそ現代に転生したマダム・フローレンスなのかも(笑)。まあこういうのって、障害の一種なのかもしれないですね。 歌唱力には定評のあるメリル・ストリープが熱演していますが、この映画の最大の欠点は私のような音感が鈍い人間からすると、マダム・フローレンスの歌がさほど酷くない、かえって上手く聞こえてしまうという事なんでしょうね。それこそ山口めろんみたいな“本物”を起用すれば良かったかもしれないけど、さすがに人材豊富な英米映画界でも見当たらないでしょう。まるで重婚してるような謎の男ヒュー・グラントも、彼が今まで演じてきたキャラからすると絶対裏でなんか悪さしてると疑って観ていましたが、実は最後までイイ人だったというのは意外でした。全体的に観てこの映画に登場するキャラはイイ人ばっかりだった印象、そりゃあNYポストの記者が酷評記事を書いたのはジャーナリストとしては当然の務め、賄賂を受け取らない・忖度しないというのは褒められるべきことで、某芸能事務所に忖度しまくる我が国のマスコミ人士は恥を知った方がいいです。 要約すれば「素人で音痴の金持ちの有閑マダムが、カネとコネにモノを言わせてカーネギー・ホールで公演する」という身も蓋もないお話しになっちゃうんですけど、あまりコメディに寄らないベタな展開にも関わらずホロリとさせてくれるラストでした。やはりこれは、メリル・ストリープとヒュー・グラントという二大名優の成せる業なんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-21 21:46:36)
9.  マトリックス 《ネタバレ》 
作品は観たことなくても“マトリックス”という言葉は知っている人が多いという、二十世紀を閉めるに相応しい『2001年宇宙の旅』なみにSF映画を変革させた金字塔じゃないですかね。その世界観はサイバーパンクの思想が色濃く反映されていて、ウィリアム・ギブソンの『ニューロマンサー』の影響がやはり大だと思います。そこにジャン・ボードリヤールの哲学と東洋哲学およびメシア思想をぶっこんだって感じですけど、続編からアドバイザーを打診されたボードリヤールからは「君たちの私の哲学理解は浅い」と断られちゃったそうです。この東洋哲学思想も色濃い世界線にキアヌ・リーヴスを抜擢したのは大正解で、彼の表情表現力の低い当時の演技力(まあ大根役者ってことです)が返って謎めいた雰囲気があっていいんですよね。ストーリーに組み込まれている世界線や表現は確かにアニメや過去作からの引用が感じられますけど、あのバレットタイムの創りだす映像の凄まじさには初見の当時の観客が度肝を抜かれて熱狂したことはムリもないです。 この第一作ではネオが目覚めるというか神の領域に踏み込んだところ終わるわけですけど、シリーズ始めのキャラ紹介的な位置づけとしては手堅いかなと思います。そして『2001年…』と並んで多大な影響を及ぼしたのは、「この世界は闇の勢力やディープステートに操られているんだ」と唱える陰謀論者に対してじゃないでしょうか。出来の良い映画の影響力は、恐ろしいものがあります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-04-29 23:12:20)
10.  マダムと泥棒 《ネタバレ》 
ずいぶん昔にコーエン兄弟版リメイクの『レディ・キラーズ』を観ていたのでだいたいのストーリー展開は把握していましたけど、このオリジナルとは同じブラックコメディでもだいぶ色合いが異なっている感じがします。共通点としては、不気味なメイクの“教授”役のアレック・ギネスが、『レディ・キラーズ』で同じ“教授”だったトム・ハンクスの違う意味での気持ち悪いキャラに繋がっているところでしょうか。そう考えると、“元祖・百面相俳優”アレック・ギネスの面目躍如は見どころで、まるで貧血気味でやせ細ったドラキュラにしか見えないんです。もちろん“悪は最後には滅びる”という結末は一緒ですけど、このオリジナルの方がおばあさんのキャラが意外と真面目で、毒気も割と薄かったのはちょっと残念でした。教授たちが音楽練習と称して籠ったのは二階の部屋で、ここもコーエン版では地下室からトンネルを掘ってゆくという逆位置になっています。中盤の強奪したカネをおばあさんに自宅まで運ばせる展開は中途半端なドタバタで、演出には古さが否めないですね。すっとぼけた演出ではありますが一味は仲たがいが始まって最後は殺し合って全滅するというラストはちょっと凄惨で、いかにも50年代英国映画という風味が濃厚でした。正直なところ、自分には『レディ・キラーズ』の方が好みかな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-27 22:29:43)
11.  マーシャル博士の恐竜ランド 《ネタバレ》 
ラジー賞を二つも獲得したり映画会社の重役の首を飛ばしたりとダメなエピソードで知られるこの映画、でも思ったより楽しめたから自分は特に文句はないです。映画としての出来が酷いというよりもあまりにバカバカしかったからなのか、とすればラジー賞選考委員はちょっとシャレが判らなすぎるんじゃないかな。私は観たことないがオリジナルのTVシリーズと違い過ぎてワースト・リメイク賞をとったのかもしれないけど、データを見る限りオリジナルと登場キャラはほとんど一緒、どっちもコメディなんだしねえ。ただこの監督は順調にキャリアを重ねてきてたのに、本作以降はどうも映画を撮らせてもらえなくなってるみたいで、それはお気の毒。 とは言ってもギャグのレベルは下ネタを交えながらも、かなりの低レベルであるのは確かです。ストーリーもあってないようなもの。でも個人的な感想ですが、ウィル・フェレルのコメディ演技はこういうレベルの映画には最適な気がします。どっちかというと昔のジェリー・ルイス風の顔芸コメディの系統ですから、日本人にはウケが悪いのかもね。真逆の芸風のビル・マーレイが供に『サタデー。ナイト・ライブ』の出身であるのが面白いところです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-18 22:42:27)
12.  魔女がいっぱい 《ネタバレ》 
名優が怪演を披露するのを観るのが好きな自分としては、まるでセルフパロディのようなアン・ハサウェイのグロテスクなウイッチぶりは大好物です。“魔女が三本指”なんて炎上恐怖症の日本映画界では絶対に使わないネタですけど、そこら辺を強行突破しちゃうのはハリウッドというかロバート・ゼメキスらしいところ、もっともアメリカでも関係団体から抗議を受けたらしいけどね。「なんかディズニーのファミリーものみたいだな」と思って観ていたらラストで原作がロアルド・ダールだと知ってちょっぴりダーク風味なところに納得、ていうかダールの代表作の一つらしいので「それぐらい知っとけよ!」というところですかね。最後に人間に戻れなかったけどネズミとして幸せに暮らしましたとさ、という結末はジョン・カーペンター版の『透明人間』みたいで私はGoodだと思います。アン・ハサウェイとは対照的に可愛いおばちゃんぶりがキュートだったオクタヴィア・スペンサーも良かったです、彼女の魅力を再認識いたしました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-11-06 22:54:59)
13.  魔人ドラキュラ 《ネタバレ》 
史上初の正式なドラキュラ映画です。今まで私はクリストファー・リーが最高のドラキュラ役者だと思っていましたが、間違いでした。本作のベラ・ルゴシはリーを凌駕する威厳と存在感を示しており、とくにその眼力には不気味さの中に底知れぬ色気すら感じてしまうほどです。最晩年にあのエド・ウッドと関わってしまった為に色物怪優と言うイメージが憑いて回っていますが、どうしてどうして、彼は映画史に銘記されるべき名優だと思います。 原作にはかなり忠実なストーリー展開みたいですけど、後年のドラキュラ映画とはディティールで異なるところが多々見られました。ドラキュラの嫌うのはニンニクの臭いというのは定番ですけど、なぜか本作ではトリカブトに変わっています。ドラキュラが蝙蝠や狼に変身する(直接的なシーンはありませんけど)というのは原作通りですけど、この部分は意外と後年のドラキュラ映画ではスルーされることが多いんです。あくまでヴァン・ヘルシングがヒーローでジョナサン・ハーカーは愚かな引き立て役というストーリーテリングも、今となっては一般的でないかと思います。ドラキュラが吸血する場面は首筋に噛みつくところも含めて映されないのですが、やはり“ヴァンパイアが首筋に噛みつくのは性行為のメタファー”という分析の通り、30年代のハリウッド映画では刺激が強すぎてムリだったんじゃないでしょうか。最初の餌食であるレンフィールドだけはサイレント映画じみた大げさな演技で浮いている感じもしますが、狂気の演技としては意外と迫真だった気がします。 あっけないラストを含めて尺が短すぎるために大雑把すぎる感もありますけど、まさにゴシック・ホラーの古典中の古典、ルゴシ=ドラキュラの様式美をご堪能あれ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-10-16 22:17:50)(良:1票)
14.  マウス・オブ・マッドネス 《ネタバレ》 
途中でプロットがずれてきて迷走しがちなカーペンター映画の中では、安定している部類に入るんじゃないかな。まあ脚本は彼が書いたわけではないし、お話し自体がラヴクラフト風のグチャグチャでメタフィクショナルな展開なので、カーペンター親父のツボに上手く嵌った感はあります。 私はラヴクラフトを読んだことはないですけど、『マジソン郡の橋』みたいな屋根が付いたトンネルみたいな橋を渡るとそこは異世界だった、といういかにもな雰囲気は大好物です。そこは小説の中の町で主人公も実は小説に描かれた登場キャラ、そしてラストでその小説の映画化作品を観ることになるが、それはこの『マウス・オブ・マッドネス』の冒頭シーンだったというメタなストーリーテリング。主人公を演じるのがサム・ニールだけに、超合理主義者の男が狂ってゆく演技はもう彼の十八番です。登場するクリーチャーもチラ見させるだけで詳しい説明描写もないのが、かえって怖さが増してきますね。正体不明の作家がユルゲン・プロホノフというのも、ツボに嵌ったキャスティングだったと思います。でも正直言ってこの映画でいちばん背筋がゾワッとしたのが、真っ暗闇の中で走っている金髪の老人がこぐ自転車で、これは同感な人もいるんじゃないかな。 この映画で唯一笑わせて頂いたシーン:サム・ニールが精神病院にぶち込まれる冒頭のシークエンス、院内放送で流れる『愛のプレリュード』に合わせて患者たちが合唱し始めてサム・ニールが絶叫「よせよカーペンターズなんて!」、なかなかの楽屋オチでした(笑)。
[ビデオ(字幕)] 7点(2022-04-14 23:47:41)
15.  マシニスト 《ネタバレ》 
暗~いこの独特な雰囲気、やはりというか地味なハリウッドの俳優と監督を起用しているがプロデューサー以下の製作陣とロケ地はスペインで、どうりでスパニッシュ・ホラーのような雰囲気が漂っていたわけですね。良心の痛みがドッペルゲンガーを通して具現化されちゃうというのは、古くは20年代の『プラーグの大学生』を筆頭に良く使われてきたプロットですが、そこに不眠症を絡ませてきたのが新しいところですかな。一年間も眠れないというのは現実にはあり得ないし(速攻で死んじゃうでしょう)、実際の不眠症状だって多少なりともレム睡眠的な状態になって人体を維持しているものです。なので『地獄の黙示録』のカーツ大佐みたいなアイヴァンが妄想的な存在であることは、観てればすぐ判る。でもオチを知って感心させられるのは現実と妄想のシームレスな見せ方で、このストーリーテリングは素直に上手いなと感心しました。 そして何と言っても壮絶なのは、まるでアウシュビッツの囚人みたいなクリスチャン・ベールの激やせっぷりです。ストーリー上でも不眠症になる前のベール=トレヴァーの姿をちょっと見せますから、この対比は凄いの一言です。きっとこのシーンは、ベールが役作りに入る前にいの一番に撮ったんじゃないかな。思えばこれがいまやクリスチャン・ベールの代名詞ともなった肉体改造の始まりなんですが、劇中で肉体改造のビフォーアフターを見せたのは本作だけだったんじゃないでしょうか。でもあれだけ骨川筋衛門になっても体重が55キロっていうのも、ある意味凄い。やっぱこの人は骨が太いんでしょうね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-10 23:08:30)
16.  マリア・ブラウンの結婚 《ネタバレ》 
とにかくこの映画は、主演ハンナ・シグラ=マリア・ブラウンの惚れ惚れとするような逞しい生きざまとその美貌を堪能するのが正解です。敗戦間際にドイツ軍将校と結婚したマリア、夫は激戦の中で行方不明に。駅でプラカードを背負って夫の消息を求めるマリアですが、親友の夫からは「彼は死んだ」と聞かされます。このようなプロットはソフィア・ローレンの『ひまわり』が思い出されますが、そりゃあ監督がファスビンダーですからヴィットリオ・デ・シーカのようなメロドラマになるはずがありません。マリアは黒人米兵の愛人となって身籠りますが、そこに死んだはずの夫が捕虜収容所から帰還して黒人兵と鉢合わせになります。二人がもみ合いになるとマリアは黒人兵をビール瓶で撲殺、裁判では夫が身代わりになって有罪判決を受けて収監されます。まず驚いたのはマリアがあっさり子供を堕胎してしまうところで、あまりのサバサバぶりには「ドイツ女って怖い…」と引いてしまいます。就職した中小企業ではベッドの中で覚えた英語を武器にしてビジネス・ウーマンとしての才覚を発揮してのし上がってゆくマリア、当然の様に社長とは愛人関係になりますが、それを服役中の夫にいちいち報告するのが堪りません。とにかくこの映画では女が強い、その反面に男がみんな腑抜けや甲斐性なし、良くて紳士的で大人しいというのが特徴です。戦後ドイツおよび西独の世情がカリカチュアされていますが、それを暗喩しているのが背景音として流れるラジオ放送の内容です。戦後直後は行方不明者の尋ね人放送、やがてニュースでは西独首相アデナウアーの政策が流されついには54年のワールドカップ決勝“ドイツの奇跡”の実況にまでなります。マリアが親友のベティやその夫ヴィリーと良く訪れる学校の廃墟だけはいつまでたっても復興されず、そこだけはマリアが成人するまで育った戦前のドイツが残っているようで、その場所ではいつもとげとげしいマリアの言動も心なしか落ち着いた感じになります。西独が再軍備を開始してワールドカップを制覇した54年、マリアと夫はマリアが建てた邸宅で彼女の故意に起こしたガス爆発で吹っ飛んでしまいます。この結末にこそ、ファスビンダーの西独政治への辛辣な批評と思想性が込められているんじゃないでしょうか。 今まで観たドイツ映画に登場した女優でハンナ・シグラ=マリア・ブラウンほどその美貌が凄みすら感じさせるキャラは観たことがありません。若死にしたファスビンダーが残した“ニュー・ジャーマン・シネマ”を代表する傑作です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2022-01-28 22:18:41)
17.  また、あなたとブッククラブで 《ネタバレ》 
大学時代の友人四人は40年間毎月一冊の本を一緒に読む読書会を続けている。四人は大学卒業後にそれなりに成功して、ホテル・オーナー、連邦判事、レストランのオーナー・シェフ、一人は卒業後すぐに会計士とできちゃった婚して一年前に夫が病死するまで幸せな結婚生活を送る。それなりに優雅な人生を送ってきた四人だが、ブッククラブのテーマとして『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を読んだら眠っていた女の性欲が蘇ってきました。 この四人が、ジェーン・フォンダ、キャンディス・バーゲン、メアリー・スティーンバージェン、そしてダイアン・キートンというのがこの映画のウリです。この組み合わせは確かに今まで観たことない貴重さはあります、監督はロバート・レッドフォードの片腕として数々の作品でプロデューサーを務めた人、そういう人脈があってのこの豪華な顔ぶれとなったんじゃないでしょうか。お話し自体は『セックス・アンド・ザ・シティ』の超熟女バージョン、そして既視感バリバリの今まで散々観てきたラブコメの熟女版としか言いようがないですね。そりゃ芸達者な四人ですから、それぞれのラブ・アフェアーではみないい演技を見せてくれるんですが、四人が集まるシークエンスになるとなんかつまらなくなるんです。これは四人の個性を生かしきれなかった脚本のせいかと思いますが、だいたい半分も観るとオチが完全に判ってしまうというありきたりなストーリーテリングも良くなかったんじゃないかな。各人の恋のお相手もアンディ・ガルシア、ドン・ジョンソン、リチャード・ドレイファスとこれまた豪華な顔ぶれ、なかでもドン・ジョンソンのカッコよさには惚れ惚れさせられました。まあ身も蓋もない言い方すると、熟女が盛りの付いたJKみたいにはしゃぎまわるラブコメというところですが、甘いかもしれないけどギリギリ合格点を進呈いたします。 女優としてのキャンディス・バーゲンを久しぶりに観た気がするけど、それにしても貫禄付いたよなぁ…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-01-16 22:32:10)(良:1票)
18.  マクマレン兄弟 《ネタバレ》 
才人エドワード・バーンズがサンダンス映画祭で作品賞を獲得した監督デビュー作。物語は33歳の長兄と20代の弟二人のアイリッシュ系三兄弟が軸となります。アイルランド系といえば切り離せないのがカトリック信仰ですが、三兄弟の真ん中のエドワード・バーンズ以外はしっかりした信仰を持つ人物像となっています。三人はそれぞれ教師・脚本家・大学生として社会生活を送っているのですが、みな恋愛問題や女性トラブルが進行中で、いくら十戒で戒められていようとも性本能だけは信仰ではコントロールできないってのがミソ。長兄は不倫、末弟は彼女の妊娠と大事になりそうなトラブルが起こりますけど、なんかふんわりと事が進んで単なるエピソードとして語られるのがこの映画の特徴です。ストーリーラインが弱いと言っちゃえばそれまでですが、それを補って余りあるのがバーンズの俳優たちの自然な演技を引き出す巧みな演出です。アイルランド系アメリカ人というとすぐ頭に血が昇るようなイメージがあるんですけど、そういう場面は一切なくてほんわかした心地よい兄弟関係でした。この三兄弟は個性はバラバラですけど、三人のうち誰かに感情移入したくなる魅力的なキャラです。 本作はロバート・レッドフォードに気に入られてサンダンス映画祭にエントリー、そしていまや良作をリリースすることで定評あるFOXサーチライトが設立第一弾配給作に選んだ隠れたインデペンデント映画の名作です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-12-10 11:28:11)
19.  マルコヴィッチの穴 《ネタバレ》 
自分が今まで観た中で、あまりの奇天烈なストーリーにぶっ飛ばされた三本の映画の一つです。脚本を書いたチャーリー・カウフマンはこの後もヘンなテイストのホンを書き続けてオスカー受賞まで果たしちゃうけど、やはり本作を凌駕するようなストーリーは産み出していないのも事実。 まずフューチャーされたのがジョン・マルコヴィッチというのが絶妙すぎます。ここはトム・クルーズやブラピはムリにしても、ヘンテコな映画に喜んで出演しそうということで『ニコラス・ケイジの穴』とか『ゲイリー・オールドマンの穴』なんてのは十分アリだと思いますが、その変なキャラと大物ぶりからしてマルコヴィッチを選択したのは絶妙すぎます。というよりも、よくマルコヴィッチもOK出しましたよね、やっぱ本人も相当変わった人なんでしょうか。マルコヴィッチが自らマルコヴィッチの穴に入って見てしまうあの「俺が悪かった、もう止めて~」と思わず叫びたくなる「もし全人類が男も女もマルコヴィッチの顔だったら」ワールドは、もう悪夢のような映像としか言いようがなかったです。だいたい、マルコヴィッチの頭の中に入り込んだ時点で普通は出落ちみたいなもんですが、それだけで留まらない奥行きがあるストーリーなのがこの映画の特徴でもあります。ジョン・キューザックが完全にマルコヴィッチの肉体を乗っ取って人形使いとしての名声を得るという展開は、世間はパフォーマンスの良し悪しなんて演者の知名度頼りで判断しているだけじゃん、という辛辣な皮肉にもなっています。キャメロン・ディアスが実は隠れレズで、マルコヴィッチに入り込んでキャスリーン・キーナーと疑似SEXをするというのは、LGBT全盛の現代を20年先取りしていた感じがするぐらいです。もっともキーナーが「マルコヴィッチの肉体に15分だけ入り込める穴がある」というキューザックの荒唐無稽としか言いようがない話しを、ほとんど疑問を持たずに信じてすぐビジネスにつなげる展開だけは、ちょっと雑な感があります。そう言えば、彼女だけは一度も穴に入ってゆかなかったですね。そのキーナーがマルコヴィッチの肉体を使って身籠るという展開は、それは心情的にはディアスの子なのかキューザックのタネなのかというややこしい展開でになりますが、しょうじきここまで来るとどうでも良くなります。キューザックは最後には産まれてきたエミリーの中に封じ込められてしまったみたいですが、実はこの映画のテーマは輪廻転生だったのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-07-24 22:53:09)
20.  マッド・ナース 《ネタバレ》 
主演のキチ〇イ・ナースの女優、ご面相はお世辞にも美形とは言いかねますが、たしかにナイス・バディでエロさはハイレベルでした。彼女をエロ・ナースに仕立てて3D映画にしたらコスパがいいB級映画が一本撮れるんじゃない?でもなんで3Dなんだろう(笑)。発想はまあ置いとくとしても、肝心の脚本がメタメタな出来ではどうしようもないでしょ。このナースは知能犯的なサイコパスなのかと思いきや(ていうか、そういう設定はこの手の映画ではありふれているぐらい常道)、途中からは小細工もなしに見境なく殺し始め、最後は病院内で阿修羅のごとく職員や患者を殺しまくるありさま。これじゃまるでナース版テッド・バンディか津山三十人殺しですよ。ここまで来ちゃうとこの女の頭の中はどうなってるんだって感じですが、そりゃキチ〇イのやることですから貴方たちに理解できるわけないでしょ、と監督が開き直ってる感じがします。でも実話ではなくあくまでフィクションなんですから、そこら辺はもうちょっとちゃんとして欲しかったですね。あと登場人物、とくに男がみなバカばっかりなので余計疲れます。とくにラストを飾るエロ・ナースの隣人の非モテ男、こんな愚行を仕出かすために前半からチョコチョコ出没して伏線を張っていたとは、こりゃ演じる俳優も情けなくなったことでしょう。 アメリカのナース服ってあんなに胸元が開いていてスカート丈が短いもんなんですかね?こりゃ健康保険制度が無くて高額請求されても入院したくなりますよ(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2021-03-06 22:04:06)(笑:1票)
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