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こたさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 34
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 基本、好きな作品、気になる作品のみコメントします。批判的なコメントを書くとしたら、怒りを覚える映画です。だからそうそうありません。

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1.  刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM>
俳優で声優の小池朝雄さん。父の竹馬の友で、朝雄おじさんと呼んで、親戚付合いをさせてもらっていました。 そんなおじさんが亡くなられたのが33年前の3月、享年54歳。今の自分と同じ歳。 高校生だった自分は、生前のおじさんに無理なお願いをして、声優を務めていた刑事コロンボの台本を1冊欲しいとねだり、 そして頂いた本が、32話『忘れられたスター』。 なぜこの作品だったのか尋ねると、単純に自分が一番好きなコロンボの作品だからと言う事。 今でもこの台本は家宝です。 改めて観ると、物語の切なさと、コロンボの優しさが心に残る傑作。じわっと涙が出てくるラストです。 余韻という言葉が最も似合う作品でした。在りし日のおじさんを偲び、10点。
[DVD(吹替)] 10点(2018-03-14 08:07:17)(良:3票)
2.  シェーン 《ネタバレ》 
この映画は、時折無性に鑑賞したくなる。 大抵、それは仕事の行き詰まりやストレスを感じている時。  ワイオミングの雄大な情景。男同士の固い信頼関係、義理と情。 道ならぬ恋は見つめ合うだけ。美しい旋律。  悪役は悪役たれ。職場放棄をしない無慈悲な殺し屋。微笑みながら死んでいけ。  自分の背中を少年が見ている。優しい言葉と、厳しい決意でその場を去る。 少年も深追いをせず、大人への道を歩み出した。  テレビでの初鑑賞から40年経つ。当時、登校拒否気味だった自分を救ってくれた映画。  今でも守護神のまま。
[DVD(字幕)] 10点(2017-01-12 08:15:45)(良:4票)
3.  タワーリング・インフェルノ 《ネタバレ》 
他の方の投稿を観て、何だか無性に懐かしくなり改めて夜中の鑑賞。 やはりマックイーンは相当に格好いい。 特に、宙吊りエレベーターの必死の救出後、息つく間もなく再度屋上に誰かを登らして、貯水タンクを爆破しその落下水圧で消火しろ、という実際滅茶苦茶な計画を上層部から告げられる場面。 緊張感がすごく高まり、ついにマックイーンがキレるかと思わせた直後、一瞬の呆れ顔と自虐の捨て台詞を残し、彼は自ら颯爽と現場へと立ち向かう。このヒロイズム、ニヒリズム。 あと建築家のポール・ニューマン。身内業者の手抜きが火災の原因という負い目はあったにせよ、率先して人命救助に当たり、パイプ伝いの必死の救出劇を繰り返す。 頭も身体も目一杯使う。昨今の先逃げ船長たちに見せてやりたい彼の責任感。 また、冒頭、ジョン・ウィリアムスの躍動感あるテーマ曲に乗せて、ヘリコプターでビルの屋上に降り立ったニューマン。 拳を掲げてパイロットに挨拶するさりげない仕草。本当に格好いい。 もう二人とも故人。 懐かしさと寂寥感に包まれた再見であった。
[DVD(字幕)] 10点(2015-01-15 08:02:04)(良:1票)
4.  リトル・ロマンス
この映画を見て、同世代のダイアン・レインに憧れたのが高校2年の時。もう39年前。 ファンレターを一生懸命、英語で書いて、何だか語学の勉強になってしまった。 元来、大好きなジョージ・ロイ・ヒルが監督なので、観る前から期待度は高かかった。 それこそ、2年間くらい「リトルロマンス」テンションが続いていた。 「何とかロス」って言葉が昨今使われているが、映画の上映が終わる度、まさに「リトルロマンス ロス」になり、ロードショー公開が終わっても二番館、三番館に通い詰めていた。自分の純情シネマ時代の象徴的映画。 パリ・ベニスの美しい風景、J・ドルリューの心に響く旋律、時に「明日に向かって撃て!」の左右に振るカメラワークを彷彿させるロイ・ヒル監督の心憎い演出。主役の若い二人の新鮮で楽しい駆け引きなど、すべてが大好きな映画だった。 そしてローレンス・オリビエ卿。温かい演技。映画のラスト、幼い二人の痛い程切ない別れを、優しい眼差しで見つめていた。 同じくティーンエイジャーの楽しくも切ない男女逆転恋模様を描いた、大林宣彦監督の傑作「転校生」。 明らかにこの映画をリスペクトしている。去りゆく彼女の車を追うラストシーン、主人公の男の子が映画好きって設定まで一緒だもんな。 今でもDVDで思い出したように見る映画、傑作。思い入れも強すぎるから、満点になってしまう。
[DVD(字幕)] 10点(2009-04-22 22:17:30)
5.  トラ・トラ・トラ!
感情移入しない淡々とした演出で、国内外の政治的駆け引きを前半これでもかと見せつけた上での、後半の戦闘シーンのカタルシス。大本営発表によって歓喜した当時の日本国民同様、歴史としての敗戦を周知している自分も、奇襲による圧倒的、一方的な戦果を描いたシーンには不謹慎にも興奮、喝采してしまう。 印象的な攻撃シーンとして、カーチスP40がゼロ戦の機銃掃射で離陸前に撃破される場面。何度見ても驚愕する。死傷者が出たという撮影の凄まじさは納得できる。またレシプロ機といえども、急降下で迫りくるそのスピード感はCGでは表せないであろう迫力である。 しかし、本命の攻撃目標たる空母を発見できない状況下、南雲中将の弱腰の帰還命令や、山本長官の虚しい思いを述べたラストシーンで、あっけなく現実に引き戻される。実際、その後目覚めた巨人の国を挙げての復讐戦のすさまじさは、日本国民に取り返しがつかない犠牲を生んでしまった。 ほとんど軍人と政治家、外交官関係者しか登場しない劇中、彼らの苦悩、悲劇がストレートに感じられた。日米合作である事の意義が見事に活かされている。 そして日本軍人の凛々しさと尊厳を、ハリウッド資本の映画でここまできっちりと描く事を是とした米国製作者一同に心から感謝。
[DVD(字幕)] 10点(2009-04-22 21:53:05)(良:1票)
6.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 
封切りから結構時間が経ってしまったので、それなりにネタバレで内容が伝わってきたのだが、 まぁ、そんなのどうでもいいってくらい面白かった〜。 内容的には、前作はもちろんの事、英国の名作「633爆撃隊」のエッセンスも隠されていたりして、 古典的な航空戦争映画ファンへのサービスも怠らないトム・クルーズの心意気! 彼等にとって、日本人の零戦の様な存在、P51マスタングの飛行シーンや、アイスマンとの抱擁など、 熱い感涙場面も良い具合に散りばめられており、アクションシークエンス以外も手抜き無し。 バーカウンターでの軽い疎外感なんかも、リアリティあったなぁ。 極めつけは、戦闘機同士の「ドッグファイトは機体の性能より、パイロットの腕だ」って、もうマーヴェリック、最高! F14でSu-57を叩き落としちゃう痛快感、何が第五世代だ! とにかく、鑑賞後にひたすら晴れやかな気持ちになる快作。
[映画館(字幕)] 9点(2022-06-13 08:42:51)
7.  ウエスト・サイド・ストーリー(2021) 《ネタバレ》 
今回の鑑賞については、前作にある程度の思い入れがある事、スピルバーグ監督が好きな事、 その二点から必ず観ようとは意識していた。 当然、リメイク作品については鑑賞前の不安が付いて回る訳だが、スピルバーグ監督流の解釈には 期待しかない。 さて、鑑賞。 冒頭の笛の音、前作に向けてのリスペクトを一瞬で感じ取る事が出来る素晴らしい立ち上がり。 前作でのダイナミックなカメラワークに加え、今回は更に積極的な移動撮影と俯瞰を伴う演出とか、 空の青さや、鮮やかな衣装の色など、印象的なカラーリングが施されていたりとか、 あくまでベースを大事にしながらも嬉しい仕掛けが盛りだくさんとなっている。 ストーリーや、曲順等は適宜改変されており、ここは受け入れ側の好き嫌いはあると思うが、滞りなく進行する。 音楽に大きなアレンジなどは加えず、元の音源から忠実に、ただクォリティだけは抜群に高めてコピーした感じ。 「アメリカ」のシーンは前作の夜から、今作は明るい早朝に変更、躍動感とスケール感の溢れる展開に 思わず涙が出てきてしまった。 物語に関しては、相変わらず愚かな若者達が狭義での正義を貫き通す為に、悲劇に向かっていく お馴染みのロミオとジュリエットストーリー。 でも何だか今観ると、トランプ前大統領のメキシコ国境封鎖や人種差別発言、中国の新疆ウイグル自治区問題、 そしてウクライナの情勢等と、事の大小はあれど被って見えてしまう。 何故この作品が今この時期にリメイクされているのか、大いに合点する。 あと、前作のロバートワイズ監督とスピルバーグ監督の何というか、職人気質、或いは(良い意味で)節操無く 「何でも作ってやらぁ」的な仕事振りにも共通点を感じてしまった。 リタ・モレノさんのあの役柄での登場は、矢張り嬉しいサプライズ。 前作へのリスペクトと、現在への警鐘を鳴らすという見事な作品であった。 (追加)パンフレット、「パンフレット」としてみると価格が高い。しかし、一冊の資料本として考えれば価値も高い。
[映画館(字幕)] 9点(2022-02-20 06:36:53)(良:1票)
8.  男はつらいよ お帰り 寅さん 《ネタバレ》 
柴又からほど近い、下町の空気が感じられる葛飾区の映画館で鑑賞。 冒頭、主題曲を桑田さんが歌うと言う事で、やや不安を感じていたものの、 奇をてらわずに、とうとうと歌唱した桑田さんに深い「寅さん愛」を感じた。 懐かしすぎる数々の思い出のシーンを挟みながら、寅さんの甥っ子、満男の現在を描いていく展開、 そこに登場する人物には、悪意など一切無い。 出来の良すぎる娘、優しさに溢れた編集者、偶然出会えた昔の恋人。。。 そして満男の中に、確実に寅さんの心意気が引き継がれている事、そこに何よりも安堵する。 ご都合主義でもなんでもなく、寅さんから満男に贈られた奇跡がそこにある。  そして、鑑賞者たる自分たちにも、正月映画として新作の寅さん映画を劇場で観る事ができた奇跡。  米寿となられた山田洋次監督が、今この映画を通して伝えたかったもの。 それをしっかりと受け止めて、語り継いでいく事が寅さんを愛した者たちの責務だと思う。
[映画館(邦画)] 9点(2019-12-30 08:03:22)(良:1票)
9.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
彼らの活動期間にまつわる細かなエピソードの列挙や、ライブの再現などを考えると、2時間超えの作品が決して長いとは思えないが、 6分の曲がラジオでかけてもらえない様に、長すぎる映画も観客からは敬遠される。 それでも、限られた上映時間は、フレディの生涯の疾走感とリンクして、しっかりと補われた。 家族たるメンバーだけへのカミングアウトと抱擁。実父との和解と抱擁。そしてラストに繋がる20分の奇跡のライブ。 メンバー各々は何を思ってプレイしたのか、空を突き抜けたフレディの声は、どこまで届いたのか。 瞼を閉じると、胸が熱くなり、その想いはブライアン・メイのギターとともに、やはり疾走し続ける。
[映画館(字幕)] 9点(2018-12-03 08:03:58)(良:1票)
10.  ダンケルク(2017) 《ネタバレ》 
スピットファイアが本当に美しい。 ラスト近くの着陸シーンには感涙。それまでの緊張感から一気に開放される。 大きく三つの視点と時間軸から描いた構成は、最初の内は多少混乱するものの、見事に集約される。 敵兵たるドイツ軍兵士の姿は殆ど見る事も無く、それが逆に当時の混乱を感じさせる。 また、イギリスの港へやっとの事で帰って来た英国空軍のパイロットが、大局を知らない陸軍兵士から「役立たず」と罵られていた時、そこで出会った老紳士に「私は(貴方の活躍を)知っているよ」と言われる場面。 この後の戦史で繰り広げられた「バトル・オブ・ブリテン」に繋がる重要で感動的なシーンであった。 感情の機微や、人の絆といった人間臭さの表現は、一切排除している様な演出でありながら、実はしっかりと観る者に、彼等の深層心理まで理解させてしまうノーランのマジックには驚愕。 戦争映画の新たな傑作!
[映画館(字幕)] 9点(2017-09-09 23:28:23)(良:1票)
11.  ビッグ・ウェンズデー 《ネタバレ》 
自分はサーフィンをやらないどころか、海に行くと赤く火ぶくれになってしまい、しかも泳げない。海は行くものではなく、眺めるもの。裸になるのも肉体的に自信がない。夏は苦手。 そもそも暗い映画館浸りの青春だったから、眩しい太陽なんかとは縁がない。海で裸で、女の子が常に傍にいるなんて事有り得ない。 映画サークルに在籍してたんだ。男子校の中でも「いけていないカテゴリー」だったんだ。 だから、この映画に出ているような連中なんて大っ嫌いだった。乱痴気騒ぎのパーティーや、友情の絆を試みるような徴兵、車で国境を超えて行くドライブ、そして何故だか何年かに一度、水曜日にやってくるという伝説の大波。。。。水曜日、自分とこには、水野晴郎の水曜ロードショーくらいしかやってこなかった。しかも毎週。悔しくて、羨ましくて涙が出てくる。 大好きな映画。
[DVD(字幕)] 9点(2015-06-24 08:33:43)(良:2票)
12.  冒険者たち(1967) 《ネタバレ》 
ジョアンナ・シムカスの無邪気さは罪。たまに見せる寂しげな表情とのコントラストには、アラン・ドロンならずともやられてしまう。それを見守るリノ・ヴァンチュラ親父の方に彼女が惹かれていたという設定も、世の男性にはたまらない。 ストーリーはあくまで妄想的。死ぬのだったらこんな逝き方がいいとか、看取るのならばこういう粋な台詞言って送ってやりたいとか、三角関係はあくまでプラトニックが基本とか、格好良すぎて有り得ない。そもそも要塞島での銃撃戦など、ガキの思い描く戦争ごっこレベル。妄想大爆走映画! でも、海と空の深い青色と、口笛と、囁くような歌声、そして彼女の「レティシア」という名前の響きが全てを包み込んで、忘れ得ぬ名画に昇華させてしまった。そもそも妄想って大好きだったんだ、自分。 この映画の良さを人に語るとき、つい熱くなりすぎて引かれてしまう。言葉で伝えるのは無理。自分の心に大事にしまい込むべき愛しい映画。
[DVD(字幕)] 9点(2015-02-19 07:58:00)
13.  横道世之介 《ネタバレ》 
正月休みにゆったりと鑑賞。で、題名から感じ取れる長閑な印象のみを頼りに、全然予備知識も無い状態で観たのが本当に良かった。 それと自分の中での吉高由里子という女優のポジショニングが、どうにも定まらなかったのが、当作品鑑賞後に明らかに大好きな女優として位置づけられた。学祭のサンバ部の楽屋で、彼女が世之介を団扇で扇ぐシーン。扇ぐ勢いが喜びの度合いで変化して、犬のしっぽみたいで本当にカワイイ。その後のカーテンに包まるデレデレシーンは言わずもがな。 さて、物語。おそらく自分よりやや下の世代の1980年代の彼らの生活は、多少の非日常的な出来事はあっても、おおよそ親近感が持てる程の存在に感じられ、懐かしさという感情が自然と湧き上がる。 人生について特に目的もないが、決して厭世的ではなく、人に対して当たり前に優しい。恋愛に対しても遠慮はしないが、ガツガツもせず、どちらかというと受け入れる事で成就される。そういった主人公を好きにならずにいられない。 時代を前後させる演出においても、実に自然で押しつけがましい主張がない。これが観ていて大変心地良い。 あんな奴がいたな、という誰もが持つ過去の友人に対しての感慨を、空気感と優しい台詞だけで表現する。途中ラジオの放送で知る事となる、世之介が関わってしまった、ヒロイックで劇的な「ある事件」すらをも劇中では、サラッと流してしまう。映画を観ている側はとても切なくなってしまう一瞬であるが、当時世之介に接していた友人や家族、恋人は彼の事を笑顔で思い出している。 こんな日本映画、最近あったか?いや昔もあったのか? 出演者全てが好演。画面が美しい。心に留まり続ける宝物のような映画。観終わるのが寂しい。鑑賞後、制作側の「笑ってください」という思惑に反し、少しだけ涙を堪えきれなくなった。この件については自分が歳を重ねてしまったから。
[ブルーレイ(邦画)] 9点(2015-01-05 07:52:49)(良:4票)
14.  炎のランナー 《ネタバレ》 
初見は公開時の日比谷の映画館。予備校生時代の鬱屈した精神を、この映画に出てくる同世代の若者たちの信念の強さや、高貴な意識に打ちのめされた想い出がある。 ある一時期、五輪に向かう日本の選手達が流行語の様に「楽しんできます」「遊んできます」との発言を連呼していた。マスコミに対しても必要以上に不機嫌な表情を露骨に見せていた。。。彼らのアスリートとしての実力は尊敬に値するが、五輪に挑む覚悟や、強靭な信念はそこに感じられなかった。 国民の期待やプレッシャーや、煽り立てるマスコミが、彼らの思考をネガティブにさせていた事実は否めないが、この映画に描かれた若者達には、もっと崇高でもっと歓喜に満ちた五輪への思いがあったように感じられた。 その時のパリ五輪での事実をありのままに伝えようとした映像は、結果として時代を超越して見事な光線美と溢れる格調の高さをスクリーンにもたらしている。心にしみる傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2012-08-02 07:59:47)(良:1票)
15.  華麗なるヒコーキ野郎 《ネタバレ》 
イントロダクションの躍動感が何とも心地良い。航空ショーを見に通う常連の子供に対して、ウォルドがガキ扱いして邪険にしたと思った矢先、次のカットでは機上で満面の笑顔の少年が描かれる。ガキであろうと「男」は「男」として扱う。このテンポ。このセンス。ジョージ・ロイ・ヒルならではの演出が輝いている。ヘンリー・マンシーニのスコアもすこぶる快調。 ケスラーとの「男」の一騎打ち。その後に待ち受けるだろう「死」などは眼中には無く、ひたすら本気である。バカバカしい。でもすがすがしい。惚れ惚れする。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-02 12:55:21)(良:1票)
16.  遠すぎた橋 《ネタバレ》 
空一面を覆い尽くす落下傘部隊の映像と壮大なテーマ曲だけで、ミリタリー好きの中坊は簡単にノックアウトされた。 しかし、友人からは映画に使用された戦車等の使い回しが、現実に使用されていたものとかけ離れすぎているなどと、激しく批判された事もよく覚えている。どうでもいい中学生の知ったかぶりの会話だ。 ただ、G・ハックマン演じるポーランドの旅団の悲劇や、J・カーンの軍曹のエピソードなど、ストーリ上のいかにも映画的なシーンが、実はノンフィクションであったりした訳で、あくまで真実の歴史と、戦争の空虚感を描く事に重点を置いて、時代を継承させる重要な映画であったことを、再見した10代後半の頃にようやく気づく事ができた。 それとR・レッドフォードの登場シーン。何か、画面が輝いていたような気がする。 結構、後半に、しかも数少ない出演場面。敵の弾を自分が華麗によけて、結果後方の部下に当たらせて死なせてしまうような間抜けなシーンもあるのだが、やっぱり当時はダントツに恰好良かった。聖母マリアへの祈りを呟きながら河をボートで渡るシーンなど、鳥肌もの。  世間からは過小評価されすぎの様な気がする。傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2009-04-22 21:31:22)
17.  明日に向って撃て!
中学2年生の頃(37年前)、名画座で観た「駅馬車」にはまって西部劇ファンになった。コテコテのアメリカンクラッシクフィルム。 その頃はテレビでも頻繁に西部劇が放映されていたから、名匠ジョン・フォード監督の作品なんかは、それでほとんど見ることができた。NHKの教育テレビなんて、白黒映画の宝庫だった。マカロニウエスタンの様な残酷で血みどろの映画も当時流行っていたが、ジョン・ウェインのポスター(雑誌「スクリーン」の付録)を眺めながら、頑なに「西部劇は昔ながらの勧善懲悪ものが良いんだ」なんて、中坊がいっぱしに語っていた。 そんな折、アメリカの西部劇ってジャンルだけで、予備知識無しで観たのが「明日に向かって撃て!」。 おそらく、多くの古典西部劇が好きだった人達が受けたのと同じであろうショックが全身を貫いた。こんなので良いのか、これが西部劇なのかと。 でもそれは、映画の新しい魅力を、世間知らずの中坊に教えてくれた。 この映画の出会いは人生の中でも重要な瞬間だった。目の前が急に開けた、自分にとっての黒船のような映画だった。 新たな試みが時代や習慣を変化させていく。そんなアメリカの過渡期に生まれた傑作。 
[DVD(字幕)] 9点(2009-04-22 13:05:48)
18.  アメリカン・グラフィティ 《ネタバレ》 
ラスト近く、R.ドレイファスが飛行機の窓から下界を見ると、一晩中街で探し回っても出会えなかった白いTバードが、あっけなく見つかる。だが、彼は機上の人。手の届かない距離感に、苦笑するしかない。熱病のような一夜の感情は、それでも案外苦笑だけで収まってしまう。 その画面に主要登場人物のその後が、白黒のフリップで浮かび上がる。過酷な未来を、それも結構突き放した感じで。そして、ビーチボーイズの「オールサマーロング」が軽快に流れてエンドロール。 未来への辛い予感を漂わせながらも、永遠に彼らの脳裏に刻み込まれたであろう一晩の出来事を見事に演出しきった、若き日のルーカスのセンスに脱帽。
[DVD(字幕)] 9点(2009-04-22 08:50:02)
19.  すずめの戸締まり 《ネタバレ》 
3.11を根底に描いた映画は数あれど、ある種のケジメや未来に向けての「希望」を持たせてくれた作品として貴重。 確かに心にトラウマを抱えている方々にとって、この作品の一部にある震災描写や、スマホから発せられる緊急地震速報の音は恐怖であり、鑑賞に注意が必要かもしれない。 ただ実際には、「すずめ」が心の奥底に抱えているわだかまりの払拭、あるいは自分が行動しなくては厄災を防ぐ事が出来ないという使命感、それに立ち向かう為の旅立ち、そこに共感と勇気が与えられ恐怖が和らげられる。 その描写は明快であり、心が揺さぶられる。 そして旅の先々で出会う人々の優しさ。ここに本当に胸が熱くなった。善意のロードムービーである。 愛媛の民宿の女子高生も、神戸のスナックのママもその存在は人のあるべき姿。何か行動しようとする者をひたすら応援する。 そこに恐怖に打ち勝つ「希望」が感じられた。 3.11の直後に見られた、ボランティアの方々の迅速かつ的確な人道的行動、また国内、世界各国から寄せられた支援や温かい言葉。何か重なるように思い出してしまう。 もちろん、災害は毎日の様に世界中で発生しているし、「閉じ師」がどれだけいれば世界を救えるかなんて考えると、このアニメも所詮甘ったるい空想にしか過ぎない。海外の災害に神道が通用するとも思えないし。 しかし、鑑賞後に感じたある種の幸福感は、確実に「希望」とイコールである。 「すずめ」の選択した行動は尊く、新海監督の熱く強いメッセージとして受け取った。
[映画館(邦画)] 8点(2022-12-14 08:44:41)
20.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
週末レイトショー。 待望の「シン・ウルトラマン」、公開初日の鑑賞。 昨年の庵野秀明展で購入したTシャツで身を固め、いざ光の国へ。 庵野秀明さんがエヴァンゲリオンで何しようとそれは構わない、彼のモノだから。 でも、ウルトラマンはみんなのモノ。悪戯に余計な解釈や、難解なテーマ等を乗っけてきたら許すまじと、 期待と同時に覚悟を決めて挑んだ2時間… …流石に彼は見事な職人であったと。 オリジナルへのリスペクト、愛情。 冒頭のタイトルバックからしっかりと伝わってきた。 そして現実と空想の無理のない調和、これはシンゴジラで見せたテクニック。 もちろん、観客が期待しているレベルでエヴァテイストの禍威獣(怪獣)の造形とバトル演出は しっかりと盛り込んでいる。 確かにシンゴジラと比較すると、スケール感に乏しい部分は否めないが、 ゴジラは元々反核を訴えたシビアな社会派映画、 ウルトラマンは30分で、夢と希望とたまにシニカルなスパイスをお茶の間に届けてくれたTVドラマ。 このコンパクト感と詰め込み感すらも愛おしく思えてくる。 街が破壊され、泣き叫ぶ群衆の姿はこの映画には必要ない。 オヤジ達で溢れた夜の映画館からの帰り道は、妙に清々しい気持ちでありました。
[映画館(邦画)] 8点(2022-05-14 08:43:32)(良:5票)
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