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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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201.  くもりときどきミートボール 《ネタバレ》 
発想が独創的で面白い!子ども向けの要素に多分にブラックな要素をぶちまけた様な作品でした。子どもが好きなものと言ったら食べ物!空から食べ物が降ってきたら子どもは嬉しい!でもその風景は大人から見ると主人公の父親が言う様に明らかに異様だし、子どもは不健康になり、市長は超絶メタボになる。そんな食べ物の醜悪な部分もしっかりと描いているところが、肥満大国アメリカならではのセンスだと思います。 そして終盤の食べ物が襲いかかってくる場面は普通に恐ろしい。隕石の様に巨大な食べ物が落ちてくるミスマッチ感と、巨大な質量の物体が襲いかかってくる恐怖が混在している。主人公が食べ物の竜巻に乗り込んだ場面は普通に恐怖映画さながら。主人公たちに襲いかかるのが食べ物なので、人間的ではないが無機質でもない、ハッキリ言うと化物が迫ってくるような恐ろしさがあります。感覚的には『ベルセルク』の蝕やクリフォトの様に無数の怪物が取り囲んでくる様な怖さでした。 そのビジュアルに対して残念だったのがドラマ部分。世間的にはダメ人間の主人公が発明家として大成し、主人公の父親が息子を理解し誇りに思う展開は大変良いし感動的なのですが、如何せんヒロインの扱いが微妙に思います。「見た目はカワイイけど中身はナード(オタク)で主人公にも理解がある」って何と言うかオタク男にトコトン都合の良いヒロイン像という気がします。また街の人々に魅力が余りなかったのも残念。いくらか肉付けされているアルとブレントに関しても、特にブレントはキャラの掘り下げ不足になっていると思え、彼らが改心したことに納得しづらかった。どうでもいいネタですけどアルの息子の名前が"カル"だったり(スーパーマンの本名)、胸毛で危険を感じ取ったり(多分スパイダーマンのスパイダーセンスのパロディですよね)、アルに関して矢鱈とアメコミネタが含まれていたことに何か意味はあるのでしょうか。あまり必要性は感じられなかったな。
[DVD(字幕)] 6点(2013-11-20 20:19:49)
202.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
鬼才キューブリックによる核戦争を題材としたブラック・コメディ。キューブリック独特の意地の悪さが爆発しています。 訳の分からないデマを信じてソ連を先制攻撃しようと爆撃指示を出すリッパー将軍、徹底的な反コミュニズムであるためにソ連をなんとしても攻撃したくて堪らないタージンソン将軍、核弾頭に跨り狂喜乱舞して消し飛んだであろうコング少佐、そしてラストにDoomsday装置が作動した後の人類の存続方法についてナチズム視点から嬉々として捲し立てるストレンジラヴ博士(しかもその非人道的な構想についてタージンソン将軍がまんざらでも無い顔をしている 笑)。極めつけはエンディングの「また会いましょう」。 核への驚異について真面目に描くよりも(実際にそのアプローチで行く案もあったそうですが)馬鹿げた悪い冗談にしてしまった故、強烈に記憶に残ります。笑ってみるのが正しい映画、でも決して笑えない映画。米ソ冷戦が終結した現代でも今日性が感じられる映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-11-20 15:57:22)
203.  ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式 《ネタバレ》 
名バイプレイヤーを集めて作られた感じの悲喜劇。特にアラン・テュディックの芸達者振りは見事で、ヤクでキメキメ状態になった演技には大いに笑わせて頂きました。アメリカの良くあるお下劣コメディと異なり、劇中では誰ひとり死なず、態々見せる必要のない下品なシーンも見せない点に好感が持てます。昨今のアメリカのコメディなら件の写真なぞ間違いなく大写しにしてしまうでしょう。一応葬儀という舞台にあった上品(?)な作りでした。 但し、登場人物が多く一人一人の葛藤などは特に掘り下げられないので、「主人公が挫折から立ち直り成長する」そういうアメリカの伝統的な物語を求めている人にはややモヤっとくる話かも知れませんが。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-16 16:13:08)
204.  ばしゃ馬さんとビッグマウス 《ネタバレ》 
夢を追いかける人の姿を残酷に描いた良作。ここまで女主人公をどん底まで突き落とす作品も少ないと思います。特に結婚式の場面で旧友に、見栄を張ってしまうシーンの儚さは半端じゃない。その後にゲロまで吐かせる容赦のなさ。最後までばしゃ馬さんこと馬淵は一次審査すら通らない。努力しても才能がなく夢が叶わない人、つまり世間一般の人々の姿を徹底的に映し出す。 彼らを映す画も素晴らしい。ビッグマウスこと天童が落選し奇声を上げながら全力疾走する様を、クローズアップとロングショットを織り交ぜて可笑しく哀しく映し出す。介護の現場で大失態をしでかした馬淵の錯乱状態を一人称のカメラが揺れることで表し、第三者視点から外で泣きじゃくる彼女を映し出す場面も良く出来ていた。会話劇や元カレの家でのロングテイクも印象的でした。 しかし残念な部分もありました。まず上映時間が長すぎる。馬淵がドン底に突き落とされるシーンが謂わばこの映画の谷間。そこからエンディングまで40分近くもある。優れた映画ならクライマックスに至るまでをタイトに描くと思います。 この映画は色々な場所での会話が出てくる。居酒屋、レストラン、シナリオ教室、エレベーター前、etc...。そこの会話劇は面白いのだけれど話してる当人以外の人物は完全な背景と化してしまう。居酒屋やレストランのシーンは特にひどい。主人公二人が口論してるのに周囲の人達は普通に会話を続けている。そこは場が白けるとかそれなりのリアクションをするべきじゃぁ。 風呂場でのオッサンの股間のモザイクも意味不明。それまで主人公に感情移入してるのにモザイク映った瞬間に「あ、これ映画だよな」って我に返っちゃう。実に無粋。 また私は馬淵に足りないのは何より"ストイックさ"だと思ったんですよね。本人は「ストイックにやらないと~」と何時でも何処でもタイプしてるんだけど(正直場所や状況を考えろと大いに思いますが)、ボーイズラブのシナリオを書いているマツキヨさんに「私はそういうのはちょっと興味ないかな~」とか言っちゃってる。私からすればどんなに自分の好きじゃないジャンルの企画であれ足がかりに挑戦していく位のスタンスが必要だと思うんだけどな。どんなジャンルでも深い部分はあるわけだし。そういうとこには最後まで気づかず終いで自分の宇宙の中だけで完結している馬淵の姿に納得できなかったというのが正直なところです。
[映画館(邦画)] 7点(2013-11-11 22:23:17)
205.  恋の罪 《ネタバレ》 
「男性は女性の感情が分からず、女性は男性の感情が分からない」と断ずる人々はいますが、私は誰でも異性的な感情を持っていると思うし、園子温監督が今回の映画を作るに当たり、「自分をどんどん女性に投影していき女性に完全に同化していき映画を撮った」というアプローチは別にいいと思います。 ただ私はこの映画に関してどれだけ女性に感情移入しようとも余りにも理解不能な箇所が多かったと言わざるを得ません。その意味で女性にこの映画を観てどう感じたか凄く興味があります。女になりきって園監督が撮った映画が、本当の女性に理解できないのであれば、それは全くの監督の自慰行為でしかないでしょう。 そして意図的にでしょうがわかり易すぎるキャラクター設定がちょっと引っかかりました。社会的に世間的に性的な満足が得られず欲求不満に陥った女性が売春・浮気に溺れていく。その女性等は婦人警官・大学の助教授・小説家の妻と来たもんだ。いくらなんでも浅薄すぎる設定ではないでしょうか?小説家の妻が「ウインナーいかがですか~?美味しいですよ~」って最早ギャグに見えてしまいました。 現代美術家の大竹伸朗の様な色彩の死体発見現場やラブホテルの内装の美術は一見の価値有り。三人の女優さんの惜しげもなく裸体を曝け出した演技も一見の価値有り。
[DVD(邦画)] 5点(2013-11-11 10:55:28)
206.  標的の村
ドキュメンタリー映画はそれほど好きなジャンルではなかったのですが、この映画は最後まで大変面白く観れました。本作が描いているのは沖縄でのオスプレイ配置問題・普天間基地移設問題とセンシティブな問題ですので、面白かったというのは不謹慎かもしれませんがそう思ったのだから仕方が無い。 普通のドキュメンタリー映画というのは大抵監督の主張が前面に出ちゃっていて、上映開始から十数分も経つと私は「ああ、そういう主張がしたいのね、OKOK」とその後が苦痛になることが多いのですが、本作は終盤に見せ場とも言える普天間基地封鎖、そして沖縄県警によるその強制排除を持ってきており、最後までスクリーンから目が離せませんでした。 映画の内容について言及するとどうしても政治的な話をせざるを得ないので割愛させて頂きます。ただ敢えて二つだけ言うとするならば、死んでも還る(埋葬される)場所すら無い」と言うのは本当に辛いだろうと思ったこと、本作の主張も含めて両サイドの意見を吟味して自分で結論を出さなけれないけないと思ったこと。以上です。
[映画館(邦画)] 7点(2013-11-10 22:09:29)
207.  es[エス](2001) 《ネタバレ》 
私がドイツ映画に詳しくないからかも知れませんが、知っている俳優が皆無だったのが良かった。見ている間は当時者になりきり没頭することで人間の残酷な内面を見せられた気がします。やっぱり知っている俳優が出ているとどうしても「あの○○という俳優が大変な目に遭っている」と思っちゃって完全に感情移入できないんですよね。 
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-10 21:59:12)
208.  殺人の告白 《ネタバレ》 
観終わった後にジックリ考えてみると、結構粗がある作品なのですが、観ている間はテンポの良いストーリー運びに翻弄されるので全く気になりませんでした。終盤のドンデン返しにも鈍感な私はまんまと騙されてしまいまして。ただ個人的には終盤まで割とクレバーなミステリ物と思っていたので、クライマックスに唐突に始まる犯人とのアクションシーンは蛇足に感じました。観客が求めている要素と作り手は判断したのでしょうが、私にはサービスでもなんでもありませんでした。
[映画館(字幕)] 7点(2013-11-10 20:54:44)(良:1票)
209.  つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語 《ネタバレ》 
監督が苦手な行定勲だったので余り期待せずに観たのですが大変面白かったです。そうなんですよね、普通のラブロマンスとは異なり現実の恋愛ってのは呪いでしかない場合もあるんです。この映画の中の阿部寛はトコトン艶の呪縛に囚われている。その感覚にかなりシンパシーを感じたのでこの点数です。逆に今までノホホンと楽しい恋愛しかしたことが無い人にはピンと来ない内容なのかも知れません。 但し、いくらなんでも頭悪すぎる登場人物の描き方には萎えましたけどね!監督はアレキサンダー・ペインの様なトラジェディック・コメディーを目指したのかも知れませんが、余りにもキャラクターがデフォルメされてて真剣味込みの面白さが減じている。
[映画館(邦画)] 7点(2013-11-10 20:45:27)
210.  ラビット・ホール 《ネタバレ》 
印象を一言で表すと"繊細"な映画。交通事故で幼い子を亡くした夫婦同士、また夫婦を取り巻く周囲の人々との交流の描写が本当に繊細です。例えば妻のベッカは映画の冒頭で隣人の奥さんが知らずに庭の植物を踏んでしまったことに気づきちょっと眉を(ホントにちょっとだけ)顰める。ここでベッカは(少なくとも子どもの死以降)神経質な人間と解る。ベッカには妹がおり、妹は姉に妊娠を告げる。妹の彼氏は経済的に不安定なミュージシャンだった。また妹はかつて死んだ兄についてベッカから見れば早々に自分の中で決着を付けたらしい。 だから中々自分の子どもの死に決着というか踏ん切りを付けられないベッカは妹のタフさにコンプレックスを抱いていることが様々なシーンでチラリと描写される。またそれらの感情の機微が画面の構図やライティングと絶妙に対応している。この様な繊細な描写が凄く多いのでとても見応えがありました。 ストーリーもとても素晴らしく、どんなに忘れようとしても死んだ我が子の事を記憶から抹消できない事を冷酷に描いている。そんな中でベッカの母親の「重さが変わってくる。最初は重かった岩が段々ポケットの中の小石に思えてくる。でもポケットの中に手を入れた時に思い出さされる。それは無くならないけど我が子が居た証だと思えば辛くない」という言葉は主人公夫婦にとって福音だったでしょう。 我が子を亡くした夫婦という重い役柄を演じたニコール・キッドマンとアーロン・エッカートは流石の演技力。自制が効かず周囲に当たってしまうベッカと、携帯電話に残った我が子が生きていた頃の動画を愛おしそうに見つめるハウイーの姿には胸が締め付けられる思いだった。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-10 20:20:44)(良:2票)
211.  2ガンズ 《ネタバレ》 
気楽に見れるスパイアクション。ヒロインが途中退場したり、矢鱈と残酷シーンがあったり、それなりにシリアスな描写はあるものの基本的にはお気楽に明るいバディ物となってます。 とは言ってもシナリオをもっと洗練したものにすればより面白くなっただろうし、そういう点で残念な作品でもあります。DEAと海軍情報局とマフィアとCIA、それら全部から追われることになる主人公二人と、色んな組織が入り乱れた大金争奪戦であるにも関わらず、組織毎のカラーが殆ど活きていません。マフィアの牛を使った拷問が少し面白かった位かなぁ。 後は単純に「そりゃ無理だろ!有り得ないだろ!」って展開が多いですね。二人で海軍情報局に単身乗り込んじゃったり、わざわざご丁寧に全組織が一箇所に終結したり(わざわざご丁寧に姿まで見せるのはなぜ?)。まあその位の事は気にする様な映画じゃない!と言えばその通りなんですが。
[映画館(字幕)] 6点(2013-11-06 22:23:59)
212.  ブラックホーク・ダウン 《ネタバレ》 
「アイディード将軍が死ねば俺たちが武器を置くと思ったか?この戦闘は終わらない。それがこの国の流儀だ」。パイロットと交渉しようとする男のこの台詞は印象的だ。しかしソマリア内戦に於けるアメリカの軍事介入の是非については一旦置いておく必要がある。この映画はアメリカが政治的に正しかったかどうかを問い質す作品ではないからだ。では何に関しての映画かというとそれは明らかで、「戦友を助ける」ことの尊さだ。だからこの映画で高揚的なマーチや感傷的な音楽は戦友を助けに行く男たちのシーンでのみ流れる。 話題となった緊迫感の持続する戦闘シーンの完成度の高さは言うまでもないですが、特筆したいのが「緊迫感のある映像→ドキュメンタリックなハンディカムでのブレのある撮影」と安易にしていないこと。映像美に拘るリドリー・スコットらしいと言いますか、基本的に画面が安定しているからとても見やすかった。かと言って安定しすぎている訳ではなく、弾着の数は半端ないわ、グレネードは彼方此方で炸裂するわ、RPGはバンバン飛んでくるわ、戦場の地獄の様な臨場感は保っている。このギリギリのバランスが素晴らしい。しかし麻酔なしの動脈縫合手術のシーンには参ってしまった。これまでの映画歴でも一二を争う位の痛そうな演出で、観ている間に無意識に「ヒエ~」と情けない声を上げていた。 ドラマパートの配分も良く、特に部下を一人も見捨てられない為に次々に犠牲を増やしてしまうことに苦悩するガリソン将軍には居た堪れない気持ちに。最後に処置室の床に流れ広がる血を必死に拭くも余計に血が広がってしまう姿が、この作戦に於ける彼を象徴している様で哀しい。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-05 09:16:06)(良:1票)
213.  トランス(2013) 《ネタバレ》 
催眠にかかった人間の脳内を映像化するというアイデアでまずターセム・シン監督の『ザ・セル』を思い出しましたが、あちらの様なブッ飛んだ映像では無く、割と普通の絵画を巡るミステリーになってしまいます。スタイリッシュな映像に定評のあるダニー・ボイルなので映像も楽しめなくはないのですが、『ザ・セル』の方は連続殺人鬼の脳内したが、本作はセコイ男のジェームズ・マカヴォイの頭の中だからそんなに面白くないのが残念。 そうなるとミステリーの部分で楽しませてくれないと困っちゃうわけですが、これが基本的に後出しジャンケンのようなもので、真相を伏線から看破するのがほぼ不可能に近いので見終わった後は何とも言えない気持ちに……。 それから最後にエリザベスがフランクに催眠にして記憶を(完全にではないが)消すか、そのまま覚えておくか選択をさせて映画は終わりますが、それでいいんかい?クライマックスで彼女は自分の計画によって罪なき女性リズが殺され車内に放置されていたことを知り悔恨の涙を流した。それなのにまた催眠をしようという。あの涙はなんだったんだよ~。
[映画館(字幕)] 5点(2013-10-28 22:51:49)(良:1票)
214.  ちゃんと伝える 《ネタバレ》 
父親と息子の関係を描いたヒューマンドラマ。園子温印とも言える血や残酷シーンは全くありません。また不用意にカメラを動かさず殆どフィックスで撮っているのも、ダイナミックなカメラの動きが持ち味の園監督らしくなく可也異色作に見えます。恐らくこれは一つの親子(エンドロール後に映画を実父に捧げているので園監督自身かも)を描いたドラマであるからこの様な落ち着いた画作りにしたのでしょう。 本作はタイトルの通り「伝えることの難しさ」がテーマ。厄介なことに身近な家族・恋人にこそ大切なことは伝え難い。また結婚についてとても真摯に厳しく評している作品でもあります。普段、強烈な映画を撮り、色々な人から「極端だ」「無茶苦茶だ」と言われる事の多い園監督の根底の真面目さが解る作品ではないでしょうか。 何とも素晴らしいのが、映画の中でガンを知らさせる人の描き方。二人出てきますが、どちらも告げられた直後は硬直し自失している様で一応話を聞いてもいる。妙な演技のリアルさに唸らされました。
[DVD(邦画)] 7点(2013-10-28 22:27:06)(良:1票)
215.  気球クラブ、その後 《ネタバレ》 
本作は恐らく意図的にキャラクターに多くを語らせず、ちょっとした役者の仕草やセリフのニュアンスで、心情を描写しているので、本作の私のレビューは"私が思った"ことです。場合によっては監督の意図をまるで理解できていない駄文かも知れない事をお許し下さい。 一つ言えるのは只の若者たちのモラトリアムを描いた青春映画では無いということです。気球バカ一代のような男、村上さんの周りには沢山気球クラブの仲間たちがいる。気球を飛ばした後は打ち上げをして、ある時は屋上にバルーンを広げて飲み会をして、笑い合って……、と全うな青春を謳歌している様に一見は思うのですが、どうもおかしい。 何度か挿入される二郎とみどりが気球クラブの部室(?)を訪れ、村上さんのゴヤの『巨人』の様な気球を飛ばすという夢を聞くシーン、彼らは「なんか、スゴイっすね」「こんなんが飛ぶなんてスゴイですねー!」と答えるが、どう聞いても村上さんの夢に同調しているようには思えない。飲み会シーンでの彼らはあんなにも楽しげなのに。 挙句に社会人になった彼らは、村上さんの死を知った後、追悼と称した飲み会を催し、最後には巨人の目玉になる筈だった気球を燃やそうとする。つまり彼らにとって気球とはモラトリアムの一部に過ぎない。いずれは社会に出る前に卒業していく通過点に過ぎないのだ。 それに対して村上さんは気球しかない男である。彼は「夢の無い人生なんてクソだ、そのクソにへばりついている奴はもっとクソだ」と言います。彼は空で美津子にプロポーズするが、彼女は「地上で渡してほしいな」と応じるが、それに彼は「気球日和で気持ちいいね!」とはぐらかして終わってしまう。美津子からすると、「地上に降りて(気球から降りて夢を捨てて)私を見て欲しい」という気持ちだったのだろうが、気球しか人生にない彼はその決断を選べなかった。この映画はそんな村上さんの生き方に関して明確に良い悪いの分別をしていない。しかし社会人になったクラブのメンバーたちが空に浮かぶ気球を羨ましげに眺めるカットは実に印象的です。やはり監督は何があっても夢を捨てられない人間を理想の存在として見ているのではないかと感じました。
[DVD(邦画)] 8点(2013-10-20 18:16:12)(良:1票)
216.  フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン) 《ネタバレ》 
私の中で"フランケンシュタイン"と言えばジェームズ・ホエール版でもなく、ケネス・ブラナー版でもなく、この本多猪四郎による『フランケンシュタイン対バラゴン』なのです。メアリー・シェリーの原作が持つ「生まれてしまったモノの悲しみ」に原爆、生物兵器、見世物としてのミュータント等の要素を絡めている脚本は実に見事。本作は謂わば感情移入しやすい"ゴジラ"と言えるのかもしれない。 円谷英二による特撮も冴えまくっていて、古さを感じないとはとても言えないが、特撮技術としては大変高水準な事には違いない。 そして何より敵役のバラゴンの造形がカッコ良いのだ。終盤のフランケンシュタインとの格闘にテンションが上がるのなんの。それだけに最後のタコだけは頂けない。観ていて思わずズッコケた。ラストのセリフを言わせたいがためにデッチ上げたとしか思えない。トンデモ展開。
[DVD(邦画)] 7点(2013-10-18 23:35:18)
217.  紀子の食卓 《ネタバレ》 
この映画が嫌いだ。逆光を使った小奇麗な風景、幸せそうに流れるオルゴール、登場人物たちのポエム、言い換えると独り言。それらは虚構の幸せを映す鏡なのだろう。私にはかったるかった。クシャミが出た。こんな「クシャミ」なんていらないのだ。『自殺サークル』の飛び降り自殺の場面もうんざりした。意図は解る、けど何度も映されるとウンザリだ。 でもとっても感動した。何故だかはハッキリと分からない。"家族の血"というモチーフに固執し続ける園子温監督の意識が一番強く感じられたからかも。始まりの家族はどこか変だ。イビツで嘘だ。だから紀子は逃げ出した。紀子は自殺サークルでレンタル家族になった。みんな自分の役割を演じるのだ。みんな幸せそうだ。とっても。でもこんなに幸せそうなのもやっぱり変だ。まるで判を押したような幸福な光景の気味の悪さ。家族は痛みを伴って存在するものなのだ。 「一からやり直そう――」徹三の言葉が心を打った。とっても平凡な言葉。クミコの母親も同じことを言っていた。でもその言葉の重みには数万光年もの差があるのだ。紀子は紀子として生きていく。ユカは真っ新な、白いキャンパスみたいに新たな家族を求めて生きていく。どっちが良いのかは分からない。分かるのは本当の家族であるには痛みを伴うということだけだ。クシャミが出た。この映画は大好きだけど、こんな文章は大嫌いだ。
[DVD(邦画)] 8点(2013-10-16 00:00:39)(良:1票)
218.  ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 
過去に起きた事故を何度も繰り返すという設定が面白く、次々とストーリーが展開していくので一気に観れます。最後に『恋はデジャ・ブ』と同じく、「その瞬間の隣人を精一杯愛することの大切さ」を説いており、それも感動的でした。佳作という言葉がピッタリくるSF作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2013-10-15 22:47:20)
219.  ウォーム・ボディーズ 《ネタバレ》 
一応はゾンビ物かと思いきや、そんなことは無い只の奥手男子の恋愛奮闘記でした。だって序盤から喋ってるんだもん。意思もあるし。やりたい事はバルコニーのシーンでも分かる通り『ロミオとジュリエット』。最後にゾンビ側と人間側を隔てる壁を破壊することで両者の和解を表現している訳でしょう。 もう少しアクションシーン・サスペンスシーンにも力を入れてくれれば見れた作品になったかも知れないと思います。例えばヒロインはゾンビ居住区から逃げた先でガイコツに襲われる。いきなりガイコツが現れ襲ってくるのだが、それまでにゾンビの居住区とガイコツの居住区に境界線があるのか、どのラインを超えると彼らのテリトリーで危険なのかという情報が一切ないので、単なる脚本の都合で現れたとしか思えない。それじゃあハラハラしません。 しかもガイコツだけあからさまなCGなのでバトルシーンも違和感マックス。それにヒロインに襲いかかっても矢鱈と喰うまでにタメるし。もっと問答無用に襲いかからないと、怖くない。
[映画館(字幕)] 5点(2013-10-15 20:50:21)(良:1票)
220.  地獄でなぜ悪い 《ネタバレ》 
園子温監督は自伝の中で、如何に現在の日本映画界で「泣ける」「感動できる」映画が持て囃されていて、観客に「泣かせること」を至上命令とするような映画が溢れていることに憤りを顕にしていました。そして黒澤明や深作欣二など日本を代表する名匠の映画には、唯々泣ける映画は殆ど無く、自分はそういう映画を作りたいと熱い思いを吐露していました。 そして完成した映画が『地獄でなぜ悪い』です。いや、園監督は実質的デビュー作『自転車吐息』から基本的に常に同じ路線で突っ走っていると思います。「どうしたら観客にショックを与えられるか?」「自分が作りたい映画とはどういうものなのか?」、という問を追求されてきた監督です。しかも下手をすると単なる自慰行為とも呼べる映画になる所を、園監督は観客を満足させるサービスも忘れずふんだんに盛り込んで映画を作り上げる。これは別の芸術家の言葉ですが、芸術作品は畢竟「混沌(コンフュージョン)」と「秩序(オーダー)」のバランスが大事なのだ。園監督はそのバランスの取り方が実に上手いと思います。 本作も正にそういう作りで、クライマックスではヤクザ同士の殺し合いが只管に続き、血が其処此処にビュービュー飛び出て、首がポンポンすっ飛び、銃声がガンガン鳴り響き、怒号が飛び交う。これは観客に向けたサービスと取るべきでしょう。オープニングから『仁義なき戦い』のテーマが流れる通り、この映画は深作欣二監督のタッチに非常に近いと思います。迫力のある残虐描写と気の抜けたギャグが連続する。正に深作欣二の世界。観客は地獄の乱痴気騒ぎに身を委ねるのみです。そこに園監督の映画への熱い思い、一生に一本の映画を取れるなら命なんて要らない!いい暮らしをして平凡な映画を作り続ける位なら死んだ方がマシ。そんな話が展開していく。 ある種の観客や映画の作り手にとってはこれ程のサービスは無いでしょう。そのサービスを全く有難がらない方がいらっしゃるのも当然です。私には最高のサービスでした。
[映画館(邦画)] 9点(2013-10-11 22:51:43)(良:1票)
050.38%
1171.29%
2362.73%
3584.40%
4977.37%
518313.90%
621116.02%
733925.74%
823517.84%
91138.58%
10231.75%

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