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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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221.  そして父になる 《ネタバレ》 
オープニングは私立小学校の面接から始まる。ある一家が面接を受け、可愛らしい子どもが行儀良く質問に答えている。面接後、父親である主人公が「キャンプになんて行ってないよな?」と聞くと、子どもは「塾でそう答えるって教えられたから……」。父親は「お受験塾もよく考えるよなぁ」と単に感心している。この映画はそんな嘘の家族像から始まる。 そんなオープニングとは対照的に、映画のラストで主人公は何もかもをさらけ出して我が子の前に立つ。やっと本音を伝え本当の家族となった父子を観て自然と涙が出てきた。結局映画の始まりと何ら家族構成は変わらなかったのに、これだけ感動させられると言うのは矢張り主人公の描き方が優れているからだろう。 この主人公の嫌な感じの描写がとにかく素晴らしい。単に嫌味なヤツ、最低野郎などではなく、ギュッと絞ると自然に滲み出る様なヤな感じなのだ。例えば、樹木希林演じる義母に「(同じく子どもを取り違えられた夫婦が)どんな人だった?」と聞かれ、主人公は一言「電気屋だった」と答える。相手の人となりを見ず、相手を社会的地位や経済力で判断する主人公の感じの悪さが上手く現れている。また『ガリレオ』シリーズと同じく完璧人間を演じる福山雅治が実に良くその役柄に合っている。 「本当に父親らしいとはどういう事なのか?」というありきたりなテーマで、結論も「しっかりと子ども触れ合い、真剣に愛する」というありきたりな物なのですが、監督の手腕の高さで一級の人間ドラマに昇華されている。名監督に題材の平凡さは関係無いという好例だと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2013-10-10 23:04:18)(良:3票)
222.  ブルー 初めての空へ 《ネタバレ》 
素晴らしいです。フルCGアニメとしては間違いなくアイデア・脚本・演出・挿入歌等に於いてPIXARにも匹敵するレベルの出来だと思いました。まず人間と動物の描写の仕方がとても丁寧です。この映画では人間界(リンダやチュリオ)、動物界(ブルーやジュエル)が混在して描かれます。こういうタイプの映画では過去には『レミーのおいしいレストラン』や『ボルト』などが挙げられると思います。そこで問題となってくるのが動物同士で話す際には擬人化されている動物達を人間が観たらどう映るかという点ですが、本作は殆ど違和感無くその二つの世界を共存させている。つまり人間っぽくもあり動物らしさも存分に残している。 またストーリーの語り口のスマートさも特筆すべき点かと思います。本作では鳥と人間と二つのカップルが描かれますが、短い子ども向け映画の上映時間にも関わらず展開に無理がなく納得いくものとなっている。またどちらの男もボンクラなので、個人的に恋愛に関しての「あるある!」感が最高に面白かったです。 それから声優陣のキャストが実に良い!ペットとして育てられたからこそ矢鱈と博識でペラペラ喋りまくるブルーにジェシー・アイゼンバーグを当ててるのもホントにうまいなあと。アン・ハサウェイは『レ・ミゼラブル』で証明されたとおりの歌唱力、ジェイミー・フォックスの色男っ振りも様になっていますね。ウィル・アイ・アムは本業がラッパーなので当たり前ですが素晴らしいパフォーマンスでした。 まあ残念な部分はリンダが故郷のミネソタの店をどうしたかが全く分からない点ですね。最後にリオに店を移転した描写などあればまだ納得しやすかったのかも知れません。それから密輸業者の男が最終的に特に裁かれる描写がないのも少し残念でした。鳥の方の悪役がバードストライクまでかましたんだから、人間側の悪役にもそれなりの罰が与えられないと……。
[DVD(字幕)] 8点(2013-10-10 22:14:01)(良:1票)
223.  ゆきゆきて、神軍 《ネタバレ》 
アナーキストである山崎謙三を追ったドキュメンタリー。ぶっちゃけ山崎謙三その人は疑いようも無くアレな人である。"神軍"と大きく書かれている車を乗り回し、天意を受けていると思い込み、暴力を礼賛する。彼がまともであると主張する人は少ないでしょう。 しかしドキュメンタリーが事実を映すエンターテイメントとするならば、これほど観ていて面白い対象も中々無い。とにかく氏の行動が極端で次のアクションが読めないことがサスペンスとなっている。暴力をふるう前に画面が溜めのスローモーションとなるのも上手い演出だと思います。 またこれには人それぞれに許容できるラインがあると思いますが、個人的に"絶対に妥協はしない"氏の生き様には少し憧れを感じた。別に氏のように振る舞いたいという意味では無く、その姿勢や存在感に圧倒されたと言う意味で。『時計じかけのオレンジ』のアレックスや、『ダークナイト』のジョーカー、『ウォッチメン』のロールシャッハに魅力を感じてしまう感覚と同じ。 つまり彼は現実に存在しているにも関わらず、どこかフィクショナルな存在感を持つ稀有な人間であるのだと思います。またそういう人間が私たちの住む世界に実際にいると如何に困った存在であるかと言う事実も、この映画は克明に炙り出している。
[DVD(邦画)] 9点(2013-10-07 22:55:35)
224.  デーヴ 《ネタバレ》 
脚本のゲイリー・ロスと監督のアイヴァン・ライトマン。両者ともに大変丁寧な映画の作り手ですので、その安定感はさすがの一言。逆に尖ったところが余り感じられないのがやや残念ですが、誰にでも進められる作品になっていると思います。 丁寧なコメディ演出にサラッと説教臭くならない程度に政治的メッセージを込める上品さがとても良い。ボディ・ガードを演じるヴィング・レイムスの「君のためなら死ねる」というセリフに全てが凝縮されている。理想の政治家をコミカルに描いた良作。
[DVD(字幕)] 7点(2013-10-05 13:58:06)
225.  運命のボタン 《ネタバレ》 
うわぁ、面白くない。 題材自体はとても面白そうになる話。宇宙人がどうこうというある種トンデモな展開も、SFでは異星人が地球人の善性をテストするという話は定番でもある為許容範囲。実存主義的主題も個人的には好きです。 しっかし語り口がスマートではないので中盤からの詰まらなさはメガトン級。もっとホラー描写を前面に出して、観客を飽きさせず90分程度の長さにすればまだ良かったのかも知れません。深みのあるテーマも物語自体に観客が飽きてしまうと単なる作り手の自己満足、自慰行為でしかない。
[DVD(字幕)] 3点(2013-09-28 09:38:46)
226.  仁義なき戦い 完結篇 《ネタバレ》 
シリーズ5作目にして一応の完結作。最終作としての見ごたえはそれほど無く、どちらかと言うと追補版の様な印象。1~4作目までの様にストーリーを貫く軸が無く、天政会の世代交代とそれに伴う流血が延々と続く。広能も終盤まで登場しないので主人公不在で盛り上がりに欠ける感も否めない。但し終了した筈のシリーズを静かに締めくくる作品と考えれば消して悪い出来ではなく、これまでに数々の名演を見せてくれた菅原文太、小林旭、松方弘樹、伊吹吾郎、田中邦衛、北大路欣也、そして金子信雄に感謝しつつ最後まで楽しく観ることが出来ました。
[DVD(邦画)] 7点(2013-09-28 08:49:32)
227.  モネ・ゲーム 《ネタバレ》 
アラン・リックマン、コリン・ファースらイギリスの実力派俳優が馬鹿げた振る舞いをしている様は楽しくなくはないのですが、面白さがそこまでに留まっているのは残念な限り。 それから作り手の考える人間描写がとにかく適当。テキサスだから牛追いして、トレーラーハウスに住んで、酒場で暴れて……って呆れる位プロトタイプなイメージですねー。キャメロン・ディアスのテキサス訛りも頑張って演じているのは分かりますが、大変不自然。しかもロンドンに舞台が変わってからはいつの間にか訛りも殆ど消えているし。日本人の描き方も本来なら噴飯ものですが、あれはシャバンダーをだまくらかす為の演技と思えばまあ許せるかな。 かなり面白かったのが序盤の20分で計画が全て上手くいった場合の展開を全て描いてしまうこと。そこからどんどんと計画と違った方向に話が進んでしまい、主人公が泣きそうになりながら彼方此方を駆けずり回るってのは上手いなあ。
[映画館(字幕)] 5点(2013-09-28 08:32:09)
228.  エリジウム 《ネタバレ》 
ツッコミどころを挙げると色々とあるSFです。特に物語が後半に差し掛かると腑に落ちない点がどんどん出てくる。ドサクサとは言え何の障害もなくスパイダーがエリジウムに到着できたり、クルーガー一味が簡単にエリジウムでクーデターを起こしたり、肝心な時にドロイド達は姿を見せなかったり、主人公とクルーガーの最終決戦がショボかったりetc...。富裕層と貧困層の差、一方は永遠に近く生きれるが、他方はゴミのように死んでいく、という物語のテーマも、言いたいことは分かるのですが、分かり易すぎるように描くので少し白けてしまいました。矢張りうまい脚本とは、ある瞬間にハッとテーマが浮かび上がるものだと思います。 但し、ビジュアルだけは個人的には完璧でした。スペースコロニーと地球の貧富の差を描いたSFは古くはロバート・A・ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』(これは月ですが)から、富野喜幸の『機動戦士ガンダム』に繋がっていく、言わばSFのド定番。ニール・ブロンカンプはその定番を見事に映像化出来ていたと思います。未来のLAのスラムの風景は砂埃が舞い散りドキュメンタリックに汚く見せ、エリジウムの風景は正にユートピアと呼ぶにふさわしい滅菌されたような世界として写す。だからエリジウムでは殆どカメラはブレない。 そんな世界だからこそ地上にいる人々は自然と空に浮かぶエリジウムを見上げる。まるでバベルの塔を造り登ろうとした人間の様に。このビジュアルを観ただけで正直私は満足してしまいました。 また海外で成功してハリウッドで映画を撮る大抵の監督が、大作になると描写が甘くなったり、個性が弱くなってしまうのに対し、ニール・ブロンカンプはそんな気配が一切ない。銃撃によって粉々に砕け散るドロイド(言わば機械のゴア描写!)、巨大なスラムの空撮、その上空に浮かんでいる巨大物体、人体改造&破壊描写、等のブロンカンプ印はしっかりと入っている。できれば次回作はもう少し脚本をブラシュアップして作って欲しいものです。
[映画館(字幕)] 8点(2013-09-26 00:02:06)
229.  お嬢さん乾杯 《ネタバレ》 
全うなロマコメでありつつも後半でしっかりと深刻な主人公の悩みを描くのには、ホントに木下監督は真面目な人なんだなと思えます。生まれの差を乗り越えて愛を達成させようとする主人公の姿はとにかく一直線、猪突猛進で観ていて気持ちがよかった。それだけにもう少し上映時間が伸びてでも脚本にひと捻りあっても良かった気もします。その辺りが同時期に活躍していたビリー・ワイルダーとのコメディ演出の差でしょうか。
[DVD(邦画)] 6点(2013-09-25 23:23:48)
230.  男はつらいよ 《ネタバレ》 
私は「釣りバカ」シリーズや「男はつらいよ」シリーズ等のプログラムピクチャー映画が苦手です。なぜなら評論家の赤坂憲雄が過去に述べているとおりこれらの映画は"棺桶映画"だから。お馴染みのアレを観たがっている観客にショックを与える映画は必要ないのである。観客にショックを与えることを禁じられた死んだも同然の映画たち……、何て悲しい存在だろう! しかし知り合いから「男はつらいよの一作目と○○作目はホントに面白いよ」と説得されて今回鑑賞。成程、確かに面白かったです。一作目はそもそもプログラムピクチャーとして作る気が(恐らく)無かったのでしょう、その後に同シリーズで量産される只管に湿っぽい少しイイ話というテイストとは異なっている。そもそもこの映画の寅さんはトコトン屑人間と言っていい。作品を重ねるごとにキャラクターが丸くなっていくというのは良くある話ですが、この一作目の寅さんのダメ人間振りは中々類を見ないレベルです。 「妹の縁談の場をぶち壊す」「他人の庭で小便を引っ掛ける」「他人を見た目で判断する」等々、その破天荒というには余りにも非常識なキャラクターがとにかく面白い。 逆に個人的に後半のさくらの縁談話になった途端に同シリーズ独特の湿っぽい人情噺が展開したのには少し残念でした。人生の悲哀なんてどうでも良く、最後までクズ野郎寅さんの下町に現れたゴジラのごとき大破壊を楽しみたかったというのが本音です。 それからどうでもいいことですが、さくらを育てたおいちゃんとおばちゃんに物凄く腹が立った。寅次郎が縁談をぶち壊した時には「人だ家柄だ」と言ってたくせに、中小企業の印刷屋の息子、諏訪の気持ちを下手に伝えた時には「おまえが何もせんなら二人は上手くいってたんだ!」とのたまう。縁談の前日に深酒して寅さんを無理矢理行かせた様な無責任男にだけは言って欲しくないセリフである。
[DVD(邦画)] 5点(2013-09-22 06:40:15)
231.  晩春 《ネタバレ》 
私は初め原節子演じる中々結婚しようとしない娘が主役の映画だと思っていました。実際にそうでもあって、終盤まで笠智衆演じる父親は腹の底が見えない。基本的に周りの人の言葉に「そうだなあ、そうするか」と延々と肯定し、娘と能を鑑賞した時も娘の気持ちに(表面上は)気付けなかったりする。 しかしこの印象が最後の姪っ子との会話で180°変わってしまう。何もかも娘の事を理解した上でのあの行動だったのだと。その後のリンゴの皮を一人で向いている時の茫とした表情は観ていて居た堪れなくなりました。嫁に行く娘を思う父親像というのは結婚を描いた映画ではド定番の一つですが、これほど見事に複雑な父親の心理を描いた作品を私は知らない。
[DVD(邦画)] 7点(2013-09-18 23:27:55)
232.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 
ひどい映画です、疑いようも無く。とてもシナリオは上等な物とは言えませんし、肝心のアクションにも何らオリジナリティは無い。折角の日本を代表するアクションスター、真田広之も無駄遣いしちゃって。前作に引き続きウルヴァリン単体の映画には碌な作品がないなと思ってしまう出来です。エンドロール後にイアン・マッケランとパトリック・スチュワートが出てきて「え~、またあの二人のシリーズに戻んの?(『ファースト・ジェネレーション』の出来がシリーズ最高だったので)」というガッカリ感。 でも、面白かったんです。もう勘違い日本の描写の面白さだけで数多の不満は吹き飛びました。葬式に当たり前の様に銃を持ってる警備員がいる時点で笑うしかないです。日本は銃社会じゃないよ! ヤクザとウルヴァリンが新幹線上で乱闘なんて普通に考えてギャグでしょ。しかもこのヤクザは名も無き只の「ヤクザA」。ジャパニーズ・マフィアすげえ!因みに上野駅から東海道新幹線は出ません。 矢鱈とクルクル飛んで全然忍べてない忍者軍団もイイですねー。わらわらいた割には最終決戦にはどっか行ってるし。肝心な時に気配を消してどうするんだ。 ヴァイパーも要らない子だったなぁ。お色気要因かと思いきや、只のキス魔なだけで、しまいにゃ脱皮してハゲ頭……って誰がそんなもん見たいと思ってるんだよ!しかし心の中で大爆笑でした。 点数的にはアレですが、嫌いじゃないですよ。
[映画館(字幕)] 3点(2013-09-17 22:58:28)
233.  劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐ 《ネタバレ》 
ドラマ版は未見です。辻褄が合わない脚本と、浅薄な演出、笑いを取るための出演者の変顔&ダジャレ、画面に合わないCG、何度も繰り返されるスローモーション&無音、等々……私が嫌いな映画の要素が悉く入っていて、遣りきれない気分でした。 それなら単に出来の悪い映画だなで終わるのですが、許せなかったのは主人公アタルの描き方です。犯人のマドカはアタルに「汚い大人にバツを与えよう」とアタルを誘いますが、これは彼ら知能に障がいがある人を純粋で天使のような者と扱っていることに他なりません。それはアタルが容疑者と断定された時に舞子が「アタル君は犯罪なんて犯しません!」と言っていることでも明らかです。つまり彼ら知的障がい者を一人前の人間としてこの映画は扱っていない。非常に差別的なシナリオだったと思います。倫理的に許容しかねます。同じように知能が健常者に比べ低い人を天使として扱った作品としては『フォレスト・ガンプ』がありますが、それに通じる不快なモノがありました。
[映画館(邦画)] 1点(2013-09-16 09:20:17)(良:3票)
234.  仁義なき戦い 《ネタバレ》 
実録ヤクザ映画の代表シリーズの第一作。かつての任侠映画では考えられない程に薄汚いヤクザばかりの中で仁義を貫く広能が輝く。一作目は他作とは違い抗争劇のテイストが薄めですが、ヤクザ達が共謀し相手をだまくらかして兄弟だろうと容赦なく裏切る展開が続き、ことテーマ性に関しては随一と思われます。ラストの葬式での広能の啖呵が心に迫ります。 そしてこの映画シリーズの成功した要因はドキュメンタリックな撮影方法、リアリティ路線のストーリー、実力派ぞろいの役者陣の名演等、多々あるのでしょうが、個人的に一番好きな要因は広島弁で繰り広げられるヤクザ達の舌戦です。「バカタレ!」「おどりゃア!」「うぬら、調子に乗りよって!」「おどれクソ!舐めよってから!」「なにを言うとるんなら、このクソ!」「ナンとしやがるンな、おどれらは!」……etc。まるで凶暴な歌のよう。
[DVD(邦画)] 8点(2013-09-16 00:55:01)(良:2票)
235.  仁義なき戦い 広島死闘篇 《ネタバレ》 
他作の誰が死ぬか分からない様なヒリヒリとした雰囲気とは少し異なり、湿っぽい印象を持つ本作。それは誰もが裏切り裏切られ権謀術数が交差する他作とは違い、主人公格の山中正治にスポットを当てたからかも知れません。結構ストレートな恋愛もその印象を強めている。 但し本作には余りに魅力的な奴がいる!千葉真一演じる大友勝利です。彼の演技が特に素晴らしくもう最高。人間的にはクソ以下の様な振る舞いなんですけど、その広島弁の罵倒のリズムの良さ、迸る生命力(お前は何回撃たれたら死ぬんだ)、リアリストとしての人生哲学に惚れ惚れします。勿論、北大路欣也演じる山中正治の寡黙だが仁義を通し続けた生き様にもしびれましたが。 終盤で拳銃の残り一発の弾丸を確認する山中。彼はその一発を自分を裏切った組長に向けるのではなく、自死を選んだ。ある意味一作目と鏡合わせの様な作品であると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2013-09-15 19:05:11)
236.  喜びも悲しみも幾歳月 《ネタバレ》 
2時間40分という比較的長尺な上映時間の中で延々と山場が連続する、個人的にはNHKの朝の連続ドラマを映画用につなげた様な印象を受けました。なので各エピソードに纏まりがなく、「はい次はい次」と兎に角忙しなかった印象です。各灯台毎に泣きのエピソードが挟まれるのですが、これも正直泣けないシーンが多かった。特に東京に行った息子を亡くす場面では、今夜が山と言われているにも関わらずこの息子が喋る喋る。どう見たって今際の様子じゃありません。観客を泣かせようとする余り、色んな物を犠牲にしている気がしました。 ラストの灯台と客船の汽笛でのやりとり、耳に残る主題歌など、素晴らしかった点もあったのが心残りです。
[DVD(邦画)] 4点(2013-09-15 11:09:38)
237.  イースタン・プロミス 《ネタバレ》 
この物語は「居場所を求める人たち」を描いた話だと思います。アンナは流産により子どもを失いロンドンに帰ってきた。キリルはファミリーのボスの一人息子として横暴に振舞うも本質は女性的な男である。ニコライはロンドンの裏社会の王の居場所を狙っているドライバー兼始末屋を装うFSBの覆面捜査官。 彼らは一人の赤ん坊を軸にして交差し、物語は静謐ながら感動的なクライマックスへと進んでいく。とにかく脚本に全く無駄が感じられない程に素晴らしく、女性的な感性を持つキリル(実際にホモセクシュアルなのでしょう)がどうしても赤ん坊を殺せず苦悩するシーンは大変素晴らしかった。非常に暴力的でありながら母性的な作品だと思います。どうしてこの様な「生と死」が見事に共生した映画が撮れるのか……、素晴らしい。 公開当時一部で話題となった残酷描写も全体的に静かに進む物語に緊張感を持たせており、とりわけサウナ浴場での凄惨な殺し合いは必見です。常に人の痛みを丹念に描くクローネンバーグだから撮れた名シーンだと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2013-09-08 13:56:00)(良:1票)
238.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 
う~ん、思ったことをそのまま書いてしまうと"乗り切れない作品"でした。もうオープニングのクリプトン星の大空中戦から掴みはバッチリで、人間では無いにも関わらず地球のヒーローとしての自覚を得て同胞と戦う展開もとても良かった。クリストファー・リーヴ時代の正義が巨悪を勇ましいBGMと共に倒すのとは違い、プロデューサーのクリストファー・ノーランの意向に因るものでしょうが現代に似合う暗く悲壮なストーリーは個人的には凄く好みでした。 では、どこに乗れなかったかというとアクションシーンです。ザック・スナイダーは前に撮った『エンジェル・ウォーズ』でもそうだったのですが、キャラクターが飛び上がったり、飛び降りたりする時に物理を無視した動きで魅せます。これは意図的なものだとは思います。エンジェル・ウォーズは空想の世界での話だったからどんな動きでも構わないし、スーパーマンも人知を超越した存在なのですから超スピードで動いても良いのでしょう。しかしドラゴンボールの様に動き、飛び交う主人公と敵の物理法則を無視したバトルは正直見ていて白熱できなかったのが本音のところです。この私たちの世界で戦っている感じがどうもしなくって。これは私の単なる好き嫌いの問題なので恐縮ですが。
[映画館(字幕)] 5点(2013-09-03 22:51:34)
239.  ベガスの恋に勝つルール 《ネタバレ》 
世界でも簡単に結婚できる有数の都市として有名なラスベガスを題材にしたロマコメ。ハリウッド映画らしく、キャメロン・ディアスとアシュトン・カッチャーを度々対比させる演出や、何も賭けてこなかったアシュトン・カッチャーがダイスを転がす場面など、実に分かり易くも、観客をバカにするほど分かり易過ぎない丁寧な作りとなっていると思います。 しかしながら不満点も多々ある作品でした。一つは余りにも荒唐無稽な要素が入ってしまっていることです。「300万ドルを25セントで当てる」→「結婚してるから折半せざるを得ない」という流れは百歩譲って分かるものの、判事が「近頃の若いもんは結婚の重要さが分かってないから、結婚生活してみんしゃい!」と言う理屈はさっぱり分からん。つまり「好き合ってもない男女が否応なしに結婚生活をしなければならない」という状況を作るためのプレマイズがとにかく適当なのです。 もう一つは脇を固める役者が全く有機的ではない。主人公夫婦の互いの親友は常にいがみ合っているのですが、単にそれだけで終わってしまう。エンドロールで適当なオチがありますがあの程度のネタなら丸ごとカットした方がスマートかと思います。今や売れっ子俳優のザック・ガリフィナーキスの役柄も本当に背景に過ぎなかったな……。 昔メグ・ライアンに次ぐロマコメの代名詞とも言えたキャメロン・ディアスが、そろそろそのイメージから脱さなければいけない段階で、こんな凡庸なロマコメに出演しているのはファンとして胸が痛みます。
[地上波(字幕)] 5点(2013-09-02 09:01:44)
240.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
建造物や乗り物からの脱出を描いたパニック映画の金字塔と位置づけるのに誰も異論はないかと思います。主要キャラクターの豊かな人間性をグランドホテル形式で鮮やかに描き、要所要所で巻き起こるアクションとサスペンスの匙加減も絶妙です。そしてラストの閉鎖的な空間から船底に出た時の爽快感と言ったら無い。 物語も単なるパニック物に収まらない、非常に宗教的な話であると思いました。ジーン・ハックマン演じる牧師は、プロテスタントの癖に映画の始まりから「神に頼るのはお止めなさい」と説教している型破りな男です。彼は事ある毎に「諦めるな!」「前に進むんだ!」「強くなれ!」と人々を駆り立てる。その彼に従わなかった人々、つまり自分から何のアクションも起こさなかった人は結果的に全員パーティー会場で死んでしまう。よってこの物語は明らかに"絶望的な状況でも神に縋らず自分で行動すること"、"自由意思"の尊さを描いた作品だと思います。 しかしながら興味深いのが、このジーン・ハックマンが段々と物語の中盤からキリストの様なイメージを帯び出してくる。彼に付き従い船底を目指す数人はまるで彷徨える子羊です。敢えて言えば"決して諦めない教"の信徒たちってトコでしょうか。彼らはその牧師の教えに従って最後には脱出を果たす。キリスト教を否定しておきながら、何かに縋らずにはいられない人々を善き者として描いている点が大変面白かった。
[地上波(吹替)] 9点(2013-08-31 21:21:04)(良:1票)
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3584.40%
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