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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1872
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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381.  死霊館 悪魔のせいなら、無罪。 《ネタバレ》 
なんかホラー演出がそんなに怖くなうえにお話のテンポも悪く、自分はさっぱり楽しませんでしたーー。もっと法廷劇をメインに描いた方が良かったんちゃう??
[DVD(字幕)] 4点(2022-10-26 07:15:38)
382.  アバウト・レイ 16歳の決断 《ネタバレ》 
身体的には女なのだが心は男性として生まれてしまった、16歳の高校生レイ。それまで違和感を抱きながらも普通に生活していた〝彼〟だったが、ある日一大決心をする。それはホルモン療法によって、身体もより男性へと近づける治療を受けることだった。だが、そのためには両親の同意書が必要だった。母親のサインはすぐに得られたものの、一度も会ったことのない離婚した父親のサインも必要と知ったレイは、自分の人生を変えるため自らの知られざる過去と向き合うことに。そんな折、レイ親子が間借りしていたレズビアンで女性パートナーと同居している祖母から別居したい旨を告げられる。八方塞がりに陥ったそんなレイが下した決断とは――。性的マイノリティやシングルマザーとしてそれぞれに生きづらさを抱えた三世代の女性たちの葛藤と和解を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。うーん、豪華な俳優陣に惹かれて今回鑑賞してみたのですが、なんだか全体的に散漫な印象が拭えない作品でしたね、これ。ストーリーとしては、離婚して一度も会ったことのなかった自分の父親(今は新しい家族と幸せに暮らしている)と出会い、最初は対立していたのが、過去を知るうちにいつしか分かり合っていくという有りがちなもの。そこに今っぽいLGBTの問題を絡めているってだけで正直、目新しさは一つもありません。また、S・サランドン演じるレズビアンのおばあちゃんの存在も本筋のストーリーにほとんど絡んでこないため、何のために出てきたのかはなはだ疑問。挙句、特に何もなかったはずなのにあんなに仲が悪かった家族はいつの間にか和解してて最後はみんなで仲良く日本食レストランで会食って……。さすがに薄っぺらすぎやしませんか。男装しててもその美少女さっぷりが際立つエル・ファニングちゃんに+1点!
[DVD(字幕)] 5点(2022-10-20 11:18:32)
383.  17歳の瞳に映る世界 《ネタバレ》 
ペンシルバニアの田舎町で平凡な毎日を送る17歳の高校生オータムは、何処にでもいるような普通の女の子。保守的な両親の元、スーパーのレジ打ちのバイトをしながらただなんとなく日々を過ごしている。そんなある日、オータムはもう一か月以上も生理が来ていないことに気づく。密かに訪れた町の産婦人科で診察してもらった彼女に告げられたのは、妊娠10週目という事実。予想もしていなかったことに思わず動揺してしまうオータム。とてもじゃないが両親に話すことは出来ない。そもそも産んで育てる勇気もない。だが、彼女が暮らすペンシルバニアでは、未成年の妊娠中絶には両親の同意が必要だった。ここから遠く離れたニューヨークに行けば、お金さえ払えば手術を受けられる――。ネットで調べてそのことを知ったオータムは、唯一の親友でバイト仲間のスカイラーとともに夜行バスへと乗り込むのだった……。中絶手術を受けるためにニューヨークへと向かう17歳の2人の少女の旅路を終始淡々と見つめたガールズ・ロードムービー。そんななんともネガティブなお話なのに、あまり暗さを感じさせないのはこの監督のリリシズムに満ちた詩的センスによるところが大きい。それぞれに孤独を抱えたこの少女たちの旅路は終始不安定で今にも壊れてしまいそうな危うさが漂っているのに、非常に美しく洗練されている。この感性はなかなかのもの。親身になって相談に乗ってくれていると思っていた、地元の産科医のおばちゃんがゴリゴリの中絶反対派だというのもリアル。一日で終わると思っていた手術が、この産科医の誤診のせいで二日かかってしまうというはなんとも皮肉ですね。すぐにお金もなくなり、泊まるあてもなくなって次第に追い詰められてゆく2人。親友がお金を稼ぐために会ったばかりの男とキスをするシーンで、柱の陰で主人公と密かに手を繋ぐところはとても切ない余韻を残してくれます。この二人の友情が永遠に続けばいいと願わずにはいられない名シーンでした。他にも、中絶前にカウンセラーが幾つも質問する中で、最初は服用している薬だとか病歴だとかだったのが最後の方で男の暴力についての質問に変わってゆくシーン。最初は気丈に振る舞っていた主人公が次第に涙をこらえられなくなるところも、男の身勝手な欲望への女性たちの静かな怒りが感じられ色々と考えさせられます。全てが終わったあと、空虚な笑顔で会話する2人、虚しさと充実感が入り混じって何とも切ない。エンドロールで流れる歌がまた染みます。とにかく2人の等身大の魅力にやられました。シスターフッド映画の新たな地平を拓いた、なかなかの秀作と言っていいんじゃないでしょうか。この監督、これから要注目ですね。
[DVD(字幕)] 8点(2022-10-20 07:50:22)
384.  ドアマン 《ネタバレ》 
要人警護中にテロリストに襲われ、幼い女の子を目の前で死なせてしまった元海兵隊員アリ。以来良心の呵責に悩まされ海兵隊も除隊した彼女は、生まれ育ったニューヨークへと戻ってくる。親戚の叔父に勧められ、アリはそのまま古い高級アパートでドアマンとして働くことに。そこは明日から大規模な改装工事が始まり、住民のほとんどが出払うことになっていた。残っていたのは足腰の弱い老夫婦と一日だけ部屋にとどまることを許された大学教授の家族のみ。アリは、不愛想な先輩ドアマンの元、無事に勤務初日を終えるのだった――。次の日、実は親戚だった大学教授家族からお誘いを受けたアリは彼らとディナーを楽しんでいた。だが、彼女はまだ知らなかった。同時刻、1階に住む老夫婦の部屋に屈強な強盗団が押し入っていたことを。彼らの狙いは、老人がかつて東ドイツから持ち出した高級な絵画を強奪すること。ところが何処をどう捜しても目的のものは見つからなかった。それも当然、足が弱くなった老夫婦は最近1階へと越してきたばかりだったのだ。絵画が隠されていると思しき部屋は、かつて彼らが暮らしていた10階の一室。偶然にもそこは今、アリたちがディナーを楽しんでいる大学教授の部屋だった……。率直な感想を述べさせてもらうと、まあまあ面白い。スケールのちっちゃな『ダイ・ハード』って感じでしたが、お話のテンポも良く、アクションのキレも良かったので最後までそこそこ楽しんで観ることが出来ました。古い時代の建物ということで、禁酒法時代に皆で隠れて飲む用の隠し部屋や隠し通路があるとかも面白い舞台設定。そんな閉ざされたビル内で繰り広げられる、元凄腕海兵隊ドアマンと強盗団の戦いは逆転に次ぐ逆転でけっこうハラハラドキドキ。主人公の姪っ子の女の子も可愛かったですし。ただ、脚本の細かいところに突っ込みどころがいっぱいあるのが惜しい。敵から隠れているのに、死んだ母親の話から思わず感情的になって机を叩いてしまい見つかってしまう少年はかなりアホですね。ドアマンと言いながら、主人公がほとんどその制服を着てないのも勿体ない。主人公、あの制服けっこう似合ってたのにね。アクションシーンもところどころ巧く繋がっていないようにも感じもしました。とは言え、何も考えずに暇つぶしで観る分にはそこそこ楽しめると思います。
[DVD(字幕)] 6点(2022-10-20 06:52:26)
385.  AVA エヴァ 《ネタバレ》 
彼女の名は、エヴァ・フォークナー。裏社会で巨大な力を有する犯罪組織の元で働く凄腕の殺し屋だ。これまでくだされた任務は、その鍛え上げられた肉体と驚異の精神力で完璧にこなしてきた。だが、そんな彼女は最近、自らの任務に疑問を抱くようになる。「あなたはいったい何をしたというの?私に殺されるようなそんな悪いことを」――。いつしかエヴァは、ターゲットとなる男たちを殺す直前、彼らにそんな質問を投げかけるようになっていた。答えが得られようが得られまいが、それでも自らの仕事に納得することはなかった。ところがある日、そんな彼女の行動が組織に知られてしまう。余計な詮索をするような殺し屋などいらない。そう判断した組織の幹部はエヴァを始末することを決断するのだった。若いころから面倒を見てくれていた古参幹部の助けを借りて何とか逃げ延びたエヴァだったが、組織の魔の手は彼女がかつて捨てた家族にまで迫ってきて……。裏社会で暗躍する美しき殺し屋のその壮絶な逃避行を終始ノンストップで描いたクライム・アクション。最近はすっかりアクション俳優として定着してしまったジェシカ・チャスティンが主演を務めているだけあって、その身体を張ったアクションシーンはなかなか見応えあり。ホントに殴り合ってるんじゃないかというくらい、どんどんとボコボコになってゆくジェシカ嬢は見ていて痛々しいくらいでした。スタイリッシュに仕事をこなしていた前半部とのギャップがより、彼女の悲愴感を盛り上げていたと思います。ただ、それに対して脚本はいまいち。特に主人公家族のドラマは正直いらない。なんか世界を股に掛けた凄腕の殺し屋というわりには、この家族のお話がなんともみみっちくて凄くミスマッチです。結局親の介護を巡る姉妹喧嘩みたいになっちゃって、アクションシーンとの落差が半端ない。途中で何故か妹の旦那と三角関係になっちゃうのもなんか不自然でいまいち入り込めず。最後、コリン・ファレル演じる殺し屋組織のボスが、主人公を殺すためにたった一人で乗り込んでくるというのも有り得ないでしょう。そこいらへんが不満でしたが、それでも何も考えずに観るアクション映画としてはそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2022-10-16 05:23:29)(良:1票)
386.  ドント・ブリーズ2 《ネタバレ》 
あの最恐の盲目ジジイが帰ってきた!!スポイトに入れた自らの〝あれ〟を片手に何処までも襲ってくるというそのぶっ飛んだ設定でスマッシュヒットを飛ばした前作から数年、その強烈なインパクトを残したジジイが今回はなんと主役となって帰ってまいりました。とは言え、その余りにもキャラ立ちしたジジイの印象が鮮烈に残っていて、肝心のストーリーの方はほとんどうろ覚え状態で今回鑑賞したんですけどね。冒頭から、娘と思しき幼い女の子と2人で支え合って暮らしているという牧歌的な?設定に、「あ、これはきっと設定だけを受け継いだいわゆるリブート作品なのね」と信じて疑わず。途中で調べてみたら、なんと完全なる前作の続きということでした。いや、ちょっと無理ありすぎやろ(笑)。この女の子があのスポイト作戦の結果だとしたらさすがに悪趣味すぎだけど、そうじゃなくて一安心。まあそれでもアカンけどね。ただ、前作の続編であろうがなかろうが、単純にB級ホラーとして普通に良く出来ていて自分は最後まで楽しめました。どっちが善でどっちが悪なのか、二転三転する脚本もけっこう練られているしね。結局最後、どっちも悪人やったんかーい!というオチも突き抜けてて大変グッド。なのに、最後はちょっとお涙ちょうだい系になるのもバカバカしすぎて思わず笑っちゃいました。もはやほとんど目が見えてるんじゃないかとも思えるジジイが、若造相手にガンガン暴れまくるアクションシーンも終始キレッキレで格好良かったですし。うん、なかなか面白かった!
[DVD(字幕)] 7点(2022-10-13 08:06:42)
387.  グリード ファストファッション帝国の真実 《ネタバレ》 
低価格を売りにアパレル業界を席巻したファストファッションブランド、モンダ。その創業者にして一代で巨額の富を築き上げたリチャード・マクリディの半生を、彼を取材するジャーナリストの目線で描いた社会派コメディ。普段私たちが安く買っているTシャツやズボンの裏側には、低賃金で長時間労働を強いられている発展途上国の貧しい人々の犠牲があるという本作の主張は確かに分かります。ますます拡がってゆく富裕層と貧困層との格差がさまざまな悲劇を生み出しているという、現代の社会問題をシニカルに見つめるその抑制の効いた効いたスタンスもいい。ただ、それが映画としての面白さに繋がっているかというと正直微妙。世の不条理に鋭く迫る社会派ドラマなのか、それとも毒気の効いたブラックコメデイなのか、そのどちらにも振り切れていないので、最後までなんとも居心地の悪い鑑賞後感でございました。実在の有名人を幾つも出して混乱と狂騒を極めてゆくパーティーとかももっとやり過ぎなくらい無茶苦茶やってくれても良かったような。最後のライオンのくだりも生々しくていまいち笑えない。ただ、「この笑えない現実はこれからも続いてゆく、私たちが安い服を買い続ける限り」という最後のオチは皮肉が効いていてなかなか良かった。胡散臭い成金経営者を飄々と演じたスティーブ・クーガンもバッチリ嵌まっていて大変グッド。普段私たちが安く買っている様々な商品の裏側を知れるという意味でも観てよかったかな。とは言え、自分は近々、ユニクロに秋服を買いに行く予定なんですけどね(笑)。すんません、安月給なもんで!!
[DVD(字幕)] 6点(2022-10-13 07:33:22)
388.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 
世界中のほとんどの人が利用しているというネット上の仮想現実空間「U(ユー)」。そこである日、その唯一無二の歌声で新世代の歌姫として人気を博してしまった平凡な女子高生すずの恋と冒険を独創的な映像で描いたアニメーション。監督は、昔から僕とはどうにも相性の良くない細田守。と言う訳で、自分は全然観る気はなかったのですが、何故か海外でそこそこ評判がいいのと今回地上波でノーカット放送されると言うことで、「まぁただで観れるならいいか」と今回鑑賞。ただで観ておいてこんなこと言うのもなんですが、正直さっぱり面白くなかったです。映像はとてもシャープでポップで充分に洗練されていて劇中歌もそこそこ耳に残るし、このきれいな映像に引っ張られて最後まで観ましたが、肝心の脚本の方はかなり独りよがりでつまらない。監督の頭の中だけで成立しているのだろうストーリーがひたすら強引に展開してゆくので、観客は最後まで置いてけぼりを喰らったような感じになります。主人公のお母さんが亡くなるシーンも具体的な状況が全く分からないので説得力が欠片も感じられない(子供が溺れてるのに、周りの大人たちがボーッと見てるだけってさすがに不自然すぎるでしょ!)。伏線もなにもあったもんじゃない竜の正体なんて、「は、なにそれ?」ってもはや頭ポカーン状態。あと、好きな男の子に見つめられて顔が真っ赤になる女の子という、昭和のおっさんが妄想しそうなステレオタイプな女子高生とか見ていて痛々しいので止めていただきたい。まあ映像と音楽はそこそこ良かったのでギリ5点。
[地上波(邦画)] 5点(2022-10-13 07:23:00)(良:1票)
389.  レディ・ガイ 《ネタバレ》 
女になっても弾丸(タマ)はあるぜ――。闇社会で孤高に生きる凄腕の殺し屋フランク・キッチン。常に死と隣り合わせの世界でずっと生きてきた彼だったが、ある日とうとうドジを踏んでしまう。弟を彼に殺されたという女医に捕まり、強制的にとある手術を受けさせられてしまうのだった。その手術とは、〝性転換〟。安宿のベッドの上で目が覚めた彼は、なんと女に生まれ変わっていたのだ!トレードマークだった髭はキレイになくなり、胸には二つの膨らみ、そして股の間にあったはずのものは…。自暴自棄になりながらも何とか元の姿に戻るため、キッチンは自分をそんな姿へと変えてしまった狂気の女ドクターを捜して夜の街へと繰り出していくのだったが…。元の男の姿へと戻るために、自分を陥れたギャングたちへと復讐を果たしていく女殺し屋を描いたハードボイルド・アクション。というなかなか面白そうな設定の本作、ワイルド&セクシーさ全開のミシェル・ロドリゲス主演、監督はこの手の分野の重鎮ウォルター・ヒルということだったので、90分、頭空っぽにして楽しめるエンタメ映画だと期待して今回鑑賞してみました。なのですが、正直微妙な出来でしたね、これ。全体的に、とにかくテンポが悪い!!シガニー・ウィーバー演じる狂気の女医が取り調べを受ける現代パートと、肝心の主人公である女(になった)殺し屋の復讐劇パートが交互に描かれるのですが、この構造がとても分かりにくいうえに間延びしまくってます。ようやく主人公の復讐劇が始まると思ったら、そこも銃でパンパンっと二、三発撃って呆気なく終わり。いやいや、そこが一番の見せ場でしょうに!!時々差し挟まれるアメコミ調のアニメ描写や主人公の遺言代わりのカメラ映像もさして効果的に使われておらず、本作の微妙な感じをさらに増幅させています。密かに期待していた主人公のレズセックスシーンもさらりとスルーされていて期待外れもいいところでした。最後のオチもいまいちよく分からず、全然すっきりしません。ミシェル・ロドリゲスのおっぱいに+1点!
[DVD(字幕)] 4点(2022-10-07 11:20:25)
390.  ワンダー 君は太陽 《ネタバレ》 
プルマン家の長男、オギーことオーガスト君は何処にでもいるような普通の男の子。大好きなアイスを食べながら自転車で公園に遊びに出かけたり、パパと一緒に『スターウォーズ』を観てライトセーバーで戦ったりするのがお気に入り。将来の夢は、立派な宇宙飛行士になること。でも…、オギーには普通の子とは違うところが一つだけ。それは、神様のちょっとした手違いによって生まれ方が少し特殊だったんだ。生まれてすぐ彼は27回も手術をして、おかげで呼吸が楽になり目や耳も良くなったけれど、見た目だけは普通になれなかった。公園で他の子に逃げられたり、何処に行ってもジロジロ見られたり…、オギーはいわゆるそんな男の子だ。見た目を理由にそれまで自宅学習を続けていたオギーだったけれど、今年5年生になるのを機に、彼の両親は一大決心をする。それは、普通の学校に通わせることだった。大きな不安を抱えながら入学初日を迎えたオギーが見たのは、今まで感じたことのない世界だった――。見た目が〝ちょっと〟人とは違う男の子オギーと、その家族や友人たちの何気ないけれどかけがえのない日々を穏やかな視線で見つめた青春物語。前作でも思ったことだけど、この監督の手にかかると何気ない日常もきらきらと光り輝くような世界へと見事なまでに生まれ変わるんですよね。登場人物もみな等身大で誰一人として(主人公であるオギーも含め)特別な人も居ないし、描かれるエピソードだってごく身近なもの。とても地に足付いた世界なのに、すごくポップで洗練されている。誰の人生も特別で大切なもの――。そんな使い古されたテーマを嫌みなくここまでセンス良く描けるのは素晴らしい才能だと思います。なんだか初期のラッセ・ハルストレムを思い出しました。子供たちもみんな生き生きとしてとても演技とは思えないほど自然体。主人公オギーの視線だけで描かれるのかと思いきや、彼を取り巻く友達や姉や女友達と次々と視点が切り替わることにより、この主人公を特別な存在としてではなくあくまでも一人の人間としての魅力を引き出させることに成功しています。最後まで脇役に徹した、両親役のジュリア・ロバーツやオーウェン・ウィルソンも良かったですね。観終わった後に誰もが心温まる気持ちになれる青春ドラマの傑作でありました。
[DVD(字幕)] 9点(2022-10-07 10:07:26)
391.  プリズナーズ・オブ・ゴーストランド 《ネタバレ》 
最近見た、ニコラス・ケイジ主演のB級ホラーコメディ「ウィリーズ・ワンダーランド」がすこぶる面白かったので、同じニコジーの何とかランド繋がりで今回鑑賞。監督は、僕とは昔からあまり相性の良くない園子温。率直に言ってさっぱり面白くなかったです、これ。このオリエンタルとアメリカの西部劇っぽい感じを強引に同居させたような、いかにも無国籍でいかがわしい世界観もさっぱり嵌まらず。「ウィリーズ~」が、あの超絶バカバカしい内容にもかかわらずあれだけ面白かったのは監督のセンスと勢いとテクニックがあったからこそ。でも、本作にあるのは勢いのみ。センスはちょこっとだけ感じましたが、テクニックは欠片もありません。タマタマ爆弾やママチャリで荒野を行くニコジーとか、ところどころのネタが完全にすべってましたし。最後のグダグダ感なんて観ていて痛々しいほどでした。「ウィリーズ~」が余りにも面白かっただけに、残念!!
[DVD(字幕)] 4点(2022-10-07 08:03:40)
392.  クライム・ゲーム 《ネタバレ》 
1950年代のデトロイドを舞台に、自動車産業のとある機密情報を記した書類をめぐって暗躍する犯罪者たちを描いたクライム・サスペンス。監督は、この手の分野を得意とするベテラン、スティーブン・ソダーバーグ。ベニチオ・デル・トロをはじめとする豪華なキャスト陣に惹かれ、今回鑑賞してみました。なんですが、最後まで何とも分かりにくいお話でしたね、これ。たくさん出てくる登場人物たちも誰が誰だか分かんないし、彼らがいったい何がしたかったのか最後まで観てもさっぱり分かりませんでした。眠気に負けず頑張って観ましたが、正直観る価値はなかったかな。
[DVD(字幕)] 3点(2022-10-03 05:29:56)
393.  ウィリーズ・ワンダーランド 《ネタバレ》 
ようこそウィリーズワンダーランドへ――。ここは夢と希望に満ち溢れた、イタチのウィリーとその仲間たちがお出迎えしてくれる夢の国。いつでも陽気な音楽が流れ、美味しいホットドックとコーラが君を楽しませてくれるぞ。ピンボールみたいな面白いゲームも盛りだくさん、時間が経つのも忘れて夢中になれること間違いなしだ。そして、君の誕生日には更なるサプライズ!!パパやママも巻き込んでの最高にハッピーなパーティーの開催だ。ワニのアーティ、妖精のサラ、カメレオンのキャミーなんて愉快な仲間たちも君を祝ってくれるぞ!!でもね、ちょっと待ってくれ。今、大人の事情で遊園地はお休み中なんだ。何があったの?なんて子供は聞いちゃダメダメ。大人になればそのうち分かってくるからね。でも、良い子のみんなは心配しなくて大丈夫!今、久しぶりのオープンに向けて、とびっきり優秀なお掃除スタッフが一晩掛けてピッカピカにしてるとこなんだ――。と言う訳で、そんな倒産した遊園地の清掃員として雇われたのは、毎度おなじみニコラス・ケイジさん。スタッフ専用のウィリーズTシャツを着て、もはや廃墟同然の夢の国を明日にも再開できるように一晩掛けて掃除するのが彼の仕事だ。そんな黙々と働く彼の背後に忍び寄る怪しい影が……。そう、ここのアニマルロボットたちには殺人鬼の霊が宿り、生きた人間を見ると見境なく襲ってくるのだ!!果たしてニコジーは殺人ロボットの妨害に負けず、無事にお掃除を完了できるのか?というお話。いや、何なんですか、これ(笑)。久々にきましたね、こんなぶっ飛んだ映画。まさか、ニコラス・ケイジが最後まで一言も喋らないなんて!彼の長いキャリアでも初なんじゃないかな。そんな無言のニコジーがひたすら掃除してひたすらアニマルロボットと戦ってたまに休憩中にエナジードリンク飲んでピンボールを楽しむ…。本当にたったそれだけなのになんでこんな面白いんでしょう!明らかに着ぐるみなのに、これをアニマルロボットだと言い張る強引さ(妖精なんて仮面付けた単なる人間じゃん!笑)もバカバカしすぎて大変グッド。そんなロボットをひたすらボコボコにするニコジーも負けず劣らず変なのも良いですね~。時間になったらどれだけ敵が暴れていようが休憩してドリンク片手にピンボールって、この監督、どんな頭しとんねん。途中参加してくる地元の不良グループもアホアホすぎてサイコーでした。特に、何処でも発情しちゃう巨乳のビッチおねーちゃん。文字通り昇天したいがためにエッチしちゃったとしか思えません。んで、最後はグラサンでキメた無言のニコジーとヒロインが何故かくっついて荒野へと旅立って終わり。いやー、清々しいほどに中身がないですね~~~。と、もはや何もかもがぶっ飛びすぎててサイコーに面白かったです。ニコラスさんの映画はたまにこういうのが来るから止められないのよね。
[DVD(字幕)] 8点(2022-09-26 08:45:45)(良:1票)
394.  ホース・ソルジャー 《ネタバレ》 
アメリカ社会を大混乱へと陥れた911同時多発テロ。本作は、その直後、アフガニスタンで秘密裡に行われたアルカイダ掃討作戦を事実を基にして描いた戦争アクションドラマだ。アフガニスタンの荒れ果てた大地へと降り立った12人のアメリカ軍特殊部隊の精鋭たちは、アルカイダと敵対する現地の軍閥たちの協力を得ながらアフガン中枢部を目指すのだが、そこは長年内戦を繰り返していた国。ほとんど未舗装の大地は戦車や車で進むにはかなりの困難を伴うものだった。仕方なく、彼らは軍閥から支給された馬たちを乗りこなし、アルカイダとの闘争を開始するのだが…。これまで幾度となく作られてきた、対テロ戦争を一方的な視点でのみ描いたいわゆるアメリカ礼賛のエンタメ映画なのですが、正直その中でもレベルの低い部類に入る作品でしたね、これ。事実を基にした映画のダメな部分ばかりがてんこ盛り。実際に起こった出来事を時系列順に並べただけなのでストーリーになんの起伏もなく、ただただ敵に出会って戦って勝って進んでまた敵に出会って…を繰り返すばかり。登場人物も類型的でそれぞれの描き分けもうまく出来ておらず、誰も彼も全くキャラ立ちしていません。クライマックス、一度は主人公たちと決別した軍閥の長が友情のために助けに駆けつけてくるという一番の見せ場も監督の演出力の無さなのか、全く盛り上がりに繋がっていない。たとえ事実を基にしていても優れた脚本なら、時系列を意図的にバラバラにしてみたり、アメリカに残された家族のドラマを同時並行的に描くなどの工夫を凝らすことで観客の感情を高ぶらせるものです。対して本作、新しい部分と言えば主人公たちがこの現代において馬を駆って戦うというくらいのもの。それも物語上、巧く機能しているとはとても言いがたい。人間と馬との種族を超えた友情などをメインに描いていたらまだ見れたものになっていたかもですが、それもあとのまつり。キャストもそれなりに豪華だし、お金がかかっているだろう戦闘描写もなかなかリアルだが、はっきり言ってそれくらいしか見るべき部分のない残念な出来の作品だった。
[DVD(字幕)] 4点(2022-09-22 12:26:23)
395.  告白小説、その結末 《ネタバレ》 
世界的なベストセラー作家にして二児の母でもあるデルフィーヌ。多くのファンを持つ彼女だったが、その私生活はとても順風満帆とは言い難いものだった。独立した二人の子供たちとは疎遠になり、テレビ司会者として名を馳せる夫とも現在別居中、新作小説も深刻なスランプからまだ一行も書き出せない状態が何日も続いていた。独り暮らしをしているアパートに届くのは、差出人不明の脅迫状ばかり…。八方塞がりのそんなある日、デルフィーヌは〝エル(彼女)〟と名乗る謎めいた美しい女性と出会う。長年のファンで自分も文筆業だという彼女と意気投合したデルフィーヌは、次第に彼女に心を開き始めるのだった。行くところがないという彼女を自宅へと招き入れ、ともに暮らしはじめるようになるデルフィーヌ。すると、エルは少しずつデルフィーヌの私生活に干渉しはじめ、新作小説の内容に口を出すばかりか、仕事や友人との交友関係までもコントロールするようになり…。孤独な女流作家と謎めいた美しい女性との危うげな関係をミステリアスに描き出す心理サスペンス。名匠ロマン・ポランスキーの円熟の才が随所に感じられる本作、確かに安定感は抜群でした。謎が謎を呼ぶモダンで怪しげな雰囲気はいかにも彼らしく、しっとりした美しい映像と音楽も観客の不安感を煽るのに成功しています。主役であるデルフィーヌを演じたエマニュエル・セリエのいかにもくたびれた女性作家然とした佇まいももちろん良かったのですが、エル役を演じたエヴァ・グリーンの美しさは特筆に値します。サディズム・マゾヒズムを髣髴とさせるこの二人のいびつな関係性はどことなく淫靡で凄く良かったです。ただ、肝心のストーリーの方は正直どうなんでしょう。はっきり言ってしまうと本作はいわゆる〇〇オチのお話なのですが、物語の中盤くらいにはそのことがほぼ分かってしまうのです。きっと意図してそういう演出がなされていると思うのですが、その趣旨がいまいち分かりづらい。女性作家の母親を巡る過去のトラウマとの決別、フィクションと現実との境界線を巡る創造者の葛藤、エルの本当の正体を巡るサイコ・サスペンス…、最後までその焦点がぼやけてしまっているような印象を僕は持ってしまいました。全編を覆うミステリアスな雰囲気は良かっただけに、惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2022-09-22 12:13:10)
396.  ウインド・リバー 《ネタバレ》 
アメリカ北部の寂れた荒野に拡がる先住民保留地、通称ウィンド・リバー。雪と静寂しかないようなこの辺鄙な地で長年ハンターとして生計を立てているコリーはある日、人里離れた山奥で半ば雪に埋もれかけていた若い女性の遺体を発見する。昨日の酷い吹雪の中、彼女はかなりの薄着でしかも靴も履かずに長い距離を歩いてきたらしく全身に重度の凍傷を負っていた。被害者の名は、ナタリー。偶然にも彼女はコリーの知り合いの先住民夫婦の子供だった。検死の結果、死因は肺出血と判明する。極度の冷気によって肺の細胞が破壊され、その出血により窒息死したというものだった。しかも亡くなる直前に彼女は複数の男たちによって暴行を受けていた。事件解決のために派遣された若きFBI捜査官ジェーンとともに調査に乗り出したコリーだったが、貧困と犯罪が蔓延するこの地で捜査は難航を極める。そして、コリーもまた二年前に起こったある事件によって心に深い傷を負っていたのだった…。雪深い田舎町で起こった若い女性の凄惨な凍死事件、本作はその捜査の過程で炙りだされるアメリカ社会の暗部を冷徹に見つめた社会派ミステリー・ドラマだ。主役である、心に静かな怒りと悲しみを抱え込んだハンター役を演じるのは人気俳優ジェレミー・レナ―。メガホンを執るのは、本作が監督デビュー作となる『ボーダーライン』の脚本を書いたテイラー・シェリダン。美しい雪景色の中で描かれる、この重厚で閉塞感に満ちた雰囲気と丁寧な演出力は見応え充分だった。ネイティブ・アメリカンや中央から取り残された地方社会といったアメリカの構造的な差別や貧困問題を背景とした脚本もよく練られており、その最底辺で常に犠牲となるのはより弱い立場の人々であるというメッセージも心を打たずにはいられない。このやり切れない物語の中で、主人公であるコリーの最後に取った行動は、法律の垣根を越えた人間性の発露として唯一の救いとなっている。とても重い物語ではあるが、充分見る価値のある社会派ドラマの秀作であった。
[DVD(字幕)] 8点(2022-09-22 12:02:19)
397.  女は二度決断する 《ネタバレ》 
ドイツのトルコ人街で小さなオフィスを構える夫とともに、ささやかながらも充実した毎日を送っていたカティヤ。もうすぐ7歳になる息子と一緒にこれからもっともっと幸せになるはずだった。そう、あの日を迎えるまでは――。子供を夫のオフィスに預けた直後、道端に仕掛けられた爆弾が爆発し、彼のオフィスが全焼してしまったのだ。急いで駆け付けたカティヤに告げられたのは、とても信じられないような残酷な事実だった。「そんな、私の愛する家族を返して!」。その日から、独りぼっちになってしまったカティヤの苦難の日々が始まる。酒や麻薬に溺れ、絶望に浸るような毎日。ついには自ら死を選ぶほどに追い詰められたカティヤ。だが、そんな彼女の元に一本の電話が入り、犯人と思しき人物が捕まったと知らされる。容疑者は人種差別主義を公然と叫ぶようなネオナチの夫婦。正義と復讐のために裁判を見守ることにしたカティヤだったが、運命は何処までも残酷な事実を彼女に突きつけるのだった…。ある日突然、爆弾テロによって家族を失ってしまった一人の女性の苦難の遍歴を綴った魂の記録。とても重たい物語ではあるのですが、監督の群を抜いたストーリーテリングと細部にまで拘ったであろうディテールの確かさ、深刻なテーマを真正面から見つめた冷徹な姿勢等によって最後まで惹き付けられて観ることが出来ました。何より主人公を演じたダイアン・クルーガーの真に迫った熱演が素晴らしい!ある日突然、大切な家族を失って苦悩する母親を見事に演じ切っていて、まるで鋭い刃で全身を弄られているかのような痛々しさに胸が押し潰されそうでした。そうして始まった裁判シーンも法廷劇として一級の出来で、画面の隅々にまで漲る緊張感は息を呑むほど。自分がしたことなど露ほど悪いと思っていないだろうネオナチ夫婦の不気味さや、職務とは言えまるで被害者が悪いとまで言いかねない言説を繰り返す弁護士の嫌らしさもしっかりと描き切っています。そうして言い渡される判決と、母親が下した二度の決断――。敢えて賛否が分かれるだろうこのラストにした意図は分かるのですが、僕はどちらかというと否の立場ですね。これではやはり憎しみの連鎖に終わりは見えないし、この重たい物語には少しでも希望が欲しかった。それでも敢えてこのラストにするのであれば、最後に僕はもっと主人公と犯人との対話が見たかった。何故ならその対話の中に、この憎しみの連鎖を超えられるような、何らかの思想的希望を僕は少しでも見出したかったから。
[DVD(字幕)] 7点(2022-09-16 09:18:57)
398.  君の名前で僕を呼んで 《ネタバレ》 
イタリアの避暑地で出会った青年たちの男同士の恋愛を濃厚な映像で描いたラブロマンス。とにかく若い男たちの引き締まった肉体美が素晴らしいですね。滴り落ちる汗の匂いがこちらにまで漂ってきそうで、何とも官能的でいい。なんだか昔読んだ三島由紀夫の小説を思い出しました。この昔のヨーロッパ映画のような古風な作風が個人的にそこまで嵌まらなかったですけど、いい映画だったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2022-09-16 08:51:03)
399.  フォールアウト(2021) 《ネタバレ》 
もはやアメリカでは日常茶飯事と化してしまった学校での銃乱射事件。ある日突然引き起こされるそんな凶行に巻き込まれたものの、何とか生き延びたとある女子高生のその後をリリカルに綴った青春ドラマ。冒頭の突発的に起こる犯行シーンはかなり凄惨で、妹からの電話に出たことでたまたま生き残ってしまったという主人公の苦悩は確かに分かります。同級生が無慈悲にも殺されてしまった教室でこれまで通りの生活を送るなんて到底できないと、次第に引きこもりがちになるのも理解できる。そんな彼女を見守る家族の葛藤もリアル。ただ、そこから物語として全く深化していかないのが本作の弱いところ。冒頭の衝撃から一転、その後は特に何事も起こらない淡い恋と友情のお話がただ淡々と続いてゆきます。恐らく監督は自分のセンスにかなり自信があるんでしょうね。だから、そんな平凡な日常を描いても自分の映像&音楽センスで充分観客を惹き付けられると過信したんじゃないでしょうか。確かにそこそこセンスは感じました。でも、あくまでそこそこレベルです。途中までは題材の現代性もあってそれなりに興味深く観ていられたんですけど、ずっと何処かで見たようなシーンがひたすら続くので自分は正直退屈に感じてしまいました。トラウマに苦しむのも分かるけど、だからと言ってここまで家族や社会に甘えてひたすら友達とダラダラされた日にゃ、「そろそろシャキッとせい!!」と説教しそうになりましたし。最後のオチも取ってつけたようで、銃社会という現代アメリカが抱える病巣に鋭く迫ったとは到底思えません。監督のそんな自己満足感が終始ハナにつくなんとも残念な作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2022-09-13 03:24:20)
400.  ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた 《ネタバレ》 
記憶に新しいボストン・マラソン爆弾テロ事件を背景に、爆発で両足を失ったもののたくましく生き延びたある一人の〝英雄〟の知られざる苦悩を描いたヒューマン・ドラマ。描きたいテーマやメッセージ性などやりたいことは分かるのですが、いかんせん監督の演出力がそれに伴っていない印象を受けてしまいました。肝心の爆発現場の描き方も意外にあっさりしているし、心に引っ掛かる部分も少ないまま全体的に淡々と進んでいってしまうのです。例えば主人公がゴール付近で恋人を待ってたときに持っていた手書きのポスターなんか、映画上格好の演出アイテムになりそうなのにほとんど活用しないままスルー。爆発の煙にその幸せメッセージの描かれたポスターが焼け焦げて宙に舞うとかいうシーンがあれば、もっと観客の心に響くはずなのにと勿体ない気分になりました。それに両足を失い自暴自棄になった主人公が仲間と文字通り二人三脚で車を運転するシーン。地獄を這い廻るような生活を送っている主人公の魂の叫びを観客の心に刻み付ける格好の場面になるはずなのに、追いかけてきた警察官の「握手してください」というセリフだけで終わってはいかんでしょ。こういう細部の雑な演出が凄く残念。いくら事実を元にしていても、映画としての脚色をもっと大事にしてほしかったですね。また、ヒロインの恋人の台詞ではないですけど、この主人公、いくら自分が不幸な目に遭ったからって周りに甘えすぎでしょ!終始甘ったれたような態度に、僕はとてもじゃないけど共感できませんでした。不幸なのはお前だけじゃないっつーの!事実の重みと、恋人役の女優の芯の強さを感じさせる魅力的な演技に5点!
[DVD(字幕)] 5点(2022-09-12 10:33:19)
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