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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2381
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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441.  ジャッキー・ブラウン
近年になって評価が上がってきた様な気がしますが、タラ映画の中でも最も不評な一篇みたいですね。初見の時から気にいった自分としては、どうしてそんなに評判悪いか判りませーん。 ムダ噺や時系列をいじくった演出がほとんど見られないなど、世間がタランティーノに期待しているところを見事に裏切ってくれたせいでしょうか。でもP・グリアやR・フォスターの絶妙な演技を観ていると、タランティーノは普通に映画を撮っても超絶的な技巧を持っていることは良く判ります。この映画ではとくに長回しが多くて、そうなると俳優の演技力の優劣が観客に良く判り、監督にとっても腕に自信がなくちゃチャレンジしたくないものです。 タランティーノはこの映画では真横からP・グリアを撮ったショットがやたら多いんです。確かに横から見ると彼女の黒人離れした堀の深い顔がとても美しく、タランティーの彼女に対するリスペクトが窺えます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-04 22:32:50)
442.  理想の女
原作の舞台をアマルフィに、主人公ウィンダミア夫妻をアメリカ人へと変更してますが、ストーリーとの違和感はなく良く馴染んでいます。アマルフィみたいな名所を舞台にすると、某日本映画みたいに半ば観光案内みたいなものを想像しちゃいますが、さすがにあんなバカなことはしていません、この映画は。米英の有閑上流階級がひと夏を過ごす場所としては持ってこいじゃないですか。 オスカー・ワイルドの戯曲が原作ですから、全篇ウィットに富んだ名セリフのオンパレード状態。良く聞くとけっこう辛辣なんですが、笑えます。この映画を観た最大の収穫は、何と言ってもH・ハントの女ぶりの良さ!熟女の魅力が大爆発です。スカヨハなんて演技はもちろんのこと、彼女の前ではまだまだガキです。T・ウィルキンソンも良かった、今まで観た彼の役の中で一番だったと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-01 21:04:48)
443.  ザ・コミットメンツ 《ネタバレ》 
面白かったのでロディー・ドイルの原作『おれたち、ザ・コミットメンツ』(なんとサザンの関口和之が邦訳!)も読んでみました。結論から言うと、これは映画の方がはるかにいいですね。映画化に当たってはドイル自身もシナリオに参加していますし、原作小説をグッとふくらましたという感じがします。 これもあのメンバーを揃えられたキャスティングのおかげで、あの“デコ”なるヴォーカルなんて、もう奇跡のキャスティングとしか言いようがありません。ギターの“アウトスパン”役のG・ハンサードなんかはその後『ONCE ダブリンの街角で』でオスカー主題歌賞を獲っちゃうぐらいで、メンバーみんなもレベルが高いパフォーマンスです。原作ではザ・コミットメンツの十八番は『ミッドナイト・トレイン』ということになっているのですが、映画では使われなかったのが残念です。 あっけなく解散しちゃうラストも、ベタベタしてなくいかにもアイルランドらしくて好きです。バンド経験者は必見の秀作です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-21 18:25:09)
444.  永遠に美しく・・・ 《ネタバレ》 
実は私も、観た回数がいちばん多いゼメキス映画がこれです。やっぱ好きなんですよね。M・ストリープ、G・ホーン、B・ウィリス、この豪華配役でここまでブラックなおバカ映画を見せてくれるなんてもう最高です。ホーンとウィリスはもともとコメディ畑の人ですけど、その二人を完全に喰っちまったメリルの弾けっぷりがまたすさまじい。メリルを軸とした三人の辛辣なトーク・バトルもこの映画の楽しみのひとつです。今後も自分の中では、年に一回は観たい映画としてきっと君臨してゆくでしょう。 ところでお腹に散弾銃で大穴をあけられちゃったG・ホーン、背骨が途切れちゃったのにどうして立ってられるんでしょうか(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-05 20:27:03)
445.  ヒドゥン(1987) 《ネタバレ》 
まず邦題、“Hidden”をそのままカタカナにしたのがナイスです。ほとんどの日本人には通じない単語だけど、“ヒドゥン”と表記されるとなにか怪しく禍々しい雰囲気が伝わってくるから不思議なものです。 アクション映画は星の数ほどあるが、これほどのスピード感が持続する映画は滅多にあるもんじゃない。この映画はもちろんSF・アクションだが、バディ・ムーヴィーとしてもいい味出しています。ギャラガーとベック刑事の掛け合いはテンポが良くて、ラストには思わずホロリとさせられます。善玉も悪玉も、なぜかエイリアンはフェラーリやポルシェみたいなスポーツ・カーがお好きみたいなのも、可笑しい。 色んな過去の映画からの影響が感じられますけど、個人的にはこの映画は『ウルトラマン』の第一話にインスパイアされたのではないかと思います。ベムラーを追っかけて地球まで来たウルトラマンが瀕死のハヤタ隊員に乗り移る、あのプロットですよ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2012-07-22 21:43:02)(良:3票)
446.  ニア・ダーク/月夜の出来事 《ネタバレ》 
西部劇風味・ロードムーヴィー・ヴァンパイアの三プロットが絶妙にミックスされた秀作です。『エイリアン2』に出演したばかりのキャメロン組俳優や、『ターミネーター』を彷彿させるトレーラーの爆発シーンなどジェームズ・キャメロン臭は強いけれども、キャサリン・ビグローは実質監督デビューとは思えない力強い演出を見せてくれます。罪のない人間を殺しまくる良く考えたらとんでもないヴァンパイアたちなんですが、疑似家族である彼らの絆がとても悲しく切ないのです。「楽しかったな」と微笑みながら文字通り燃え尽きて果てるランス・ヘンリクセンとジャネット・ゴールドスタインには、思わず落涙です。カルトとしての評価が高い本作ですが、モダン・ヴァンパイアというジャンルを創った功績も忘れてはなるまい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-17 23:46:19)(良:1票)
447.  逢びき 《ネタバレ》 
本作は元祖不倫映画という異名があるそうですが、肉体関係の一歩手前でふたりの恋が終わってしまうところは製作年代を考慮するとそれでも精一杯がんばったと言えるでしょう。それでもノエル・カワード脚本の上品でありながら巧妙な語り口は、現在の眼で観ても十分に通用するレベルです。セリア・ジョンソンは決して美人ではないけど大きな眼に魅力があって、現代の女優ではヘレナ・ボナム=カーターに雰囲気が良く似ているなと思いました。もし本作をリメイクするなら、ぜひ彼女を使って欲しいですね。そして生涯名バイプレイヤーだったトレヴァー・ハワードの一世一代の二枚目演技がとても新鮮です。 この映画では列車の疾走がふたりの官能の高まりのメタファーになっています。サイレント時代から喜劇なんかで良く使われてきた手法ですが、デヴィッド・リーンはメロドラマの情感表現として巧みに使っています。 リーンは大作を手掛ける映画監督というイメージですが、初期の小品にけっこう味がある作品が多いんですよ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-03 09:28:38)
448.  召使 《ネタバレ》 
ジェームズ・フォックスが劇中「魚の様な男」とダーク・ボガートのことを評するけど、これぞどんぴしゃりの表現。無表情というわけではないけどあまり顔の筋肉が動く感じが見えない、まさにお魚の様な顔なんですよ。家の中にある鏡はなぜか円形や楕円型をしていて、そこに映る画がまるで魚眼に映っているかの様なのも、意味深です。こんな演技ができるのは、ダーク・ボガートのほかにはいないでしょう。 屋内でほとんど話が進行するのでこのフラット(屋敷)が影の主人公みたいなもんですが、壁に映る影の映像が多用されてドイツ表現主義の教科書みたい。そして屋外はありふれた風景なのに、名カメラマンであるダグラス・スローカムの静謐なモノクロ映像が素晴らしく、屋内とは対照的である。 最後の悪夢のようなパーティはいまいち意味不明っぽいのではありますが、ハロルド・ピンターの脚本はかなりの完成度だと思います。 今ではカルト映画みたいな位置づけになってますが、本作はジョセフ・ロージーの最高作なのかもしれない。
[DVD(字幕)] 8点(2012-06-23 01:14:43)
449.  ハート・ロッカー 《ネタバレ》 
始まりもなければ終わりもないような泥沼のごとき任務に就く爆弾処理兵、決してカタルシスを与えてくれる映画ではないが、今までにない戦争映画だと思います。表現としての手ぶれ映像は最近の流行りだからもう珍しくもないが、爆弾処理班の三人に徹底的に近接した視点は戦争ものとしては珍しい。彼らの上官はいっさい画面には登場しないしどこから命令が下りてくるのかも判らない。ガイ・ピアースやレイフ・ファインズという主役級のスターが、まるで雑踏の中の通行人の様な軽さで画面に登場したかと思うとあっけなく死んでゆくのには驚かされました。考えてみれば、どんなにハンサムだろうと高潔な人格だろうと戦争ではいとも簡単に死んでしまうものだし、贅沢かもしれないけどこういう俳優の使い方はありかもしれません。 この映画を観ての最大の収穫はジェレミー・レナーを知ったことで、こんな不敵な面構えの俳優がいるとはハリウッドも奥が深い。邦画界に彼と同年代でここまで存在観のある風貌の男優がいるでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-12 21:30:26)
450.  眺めのいい部屋 《ネタバレ》 
20世紀初頭の時代設定で同時代の日本と比べると贅沢な生活ですけど、登場人物たちは上流階級の人たちではなくあくまで中産階級と新興ブルジョワであるところがこの作品のミソでもあります。その時代の英国がいかに豊かな社会であったかが偲ばれます。ヘレナ・ボナム=カーターのカマトトぶった振る舞いもヴィクトリア朝時代の女性のカリカチュアみたいなもんですが、ピアノでヴェートーヴェンを弾くところなぞは中流階級の新しい女性像を巧みに表現しているとも言えます。この作品の面白いところは、“Poor Charlotte(可哀想なシャーロット)”とみんなから陰で煙たがられるマギー・スミスと、スノッブを絵に描いた様なダニエル・デイ=ルイスの絶妙なキャスティングで、両名の憎たらしいいまでの好演は見事でした。使用されているプッチーニのオペラもまったりとした物語に良くマッチしているし、ジェームズ・アイヴォリーの趣味の良さに、素直に脱帽させられました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-16 01:18:59)
451.  ロード・オブ・ウォー 《ネタバレ》 
先ごろ“映画『ロード・オブ・ウォー』のモデルとなった武器商人が逮捕された”というニュースが流れましたが、その画像を見て感心しました、この人本作でのニコラス・ケイジに雰囲気がそっくりなんですもの。けっこう緻密な役作りをしてたんですね、ニコジー。この映画観た人は誰もがタイトル・バックの“弾丸の一生”に感心すると思いますが、実はむかしアメリカで放映されたある警察ものTVドラマ・シリーズのタイトル・バックが、これと同じアイデアに基づいたものだったそうです。 とまあ余談はさておき、「銃と弾薬は世界が必要とする商品である」という武器商人ユーリー・オルロフの生きざまは、ニコジーの軽妙な演技が生きていて、監督アンドリュー・ニコルはその才気を見せつけてくれます。とくに前半のサクセスぶりとイーサン・ホークとニコジーの駆け引きは楽しませていただきましたが、嫁さんと弟が絡むシークエンスになると途端にテンポが悪くなるのは残念です。ラストのどんでん返しも強烈なインパクトがありましたが、実在のモデルが逮捕されると言う現実は、国際情勢の変化とその闇の深さがひしひしと感じさせられます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-11 18:22:37)(良:1票)
452.  銃殺(1964・英) 《ネタバレ》 
キューブリックの『突撃』のプロットを英軍に置き換えた様な感じですが、もとは舞台劇だったそうで、戦場の廃墟が軍事法廷となりあと映されるのはハンプ二等兵が監禁されている室内だけでほとんど密室劇の様な展開です。弁護人のハーグリーブスをダーク・ボガードが演じているので、『突撃』のカーク・ダグラスとは打って変わってポーカーフェイスでお行儀のよい弁護を展開しますが、その冷淡な弁論に徐々に感情がこもってゆく演技が秀逸です。ハンプ二等兵は個性がない平凡そうな男で、その当り前さが戦場にいる普通の兵士たちを代表している様な演出です。 弁護は成功したかの様に見えましたが、「攻撃前に士気を高める必要がある」という将軍からのお達しで判決はあえなく有罪・銃殺。なんの救いもない結末ですが、「彼にはなんの軍功もない、ただ生き残ってきただけの臆病ものだ」「生き残ることが罪だとおっしゃるのですか?」、このやり取りに重い反戦のメッセージが込められていました。
[DVD(字幕)] 8点(2012-05-09 22:25:03)
453.  JAWS/ジョーズ 《ネタバレ》 
初っ端に女性が犠牲になって喰われる、町はイベントやお祭りの真最中で責任者が危険を無視する、最後は爆発によって退治される、とまあ数えてみれば同種の映画でこれほど模倣されている映画もちょっと珍しい。 “動物パニック映画は駄作だらけ”という定説を唯一くつがえしただけでも大したものです。原作小説もベスト・セラーなんだけど、フーバーとブロディの奥さんが不倫してたりなどけっこう緩い部分が多く、スピルバーグが書きなおさせた脚本の方がはるかにイイです、無駄がひとつもありません。 しかしけっこうjawsという英単語がサメという意味だと思っている人が多いんですよね、これもこの映画の偉大な影響ですか(jawは“あご”です)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-07 00:45:12)(良:1票)
454.  ケープ・フィアー 《ネタバレ》 
さすがスコセッシ、デ・ニーロとのコンビで『恐怖の岬』をリメイクするなんて、眼のつけどころがいいですねー。デ・ニーロのキ○ガイ演技はいろいろ観てきたけど、この映画のマックス・ケイディがいちばん凄いと自信を持って断言させていただきます。さかさまになってジュリエット・ルイスに電話をするシーンで見せるあの笑顔、これほど不気味な笑い方が出来る俳優はほかには絶対いない! オリジナルと同じバーナード・ハーマンのテーマを使っているけど雰囲気はだいぶ違っていて、とくに弁護士ボーデン親娘は三人とも脂ぎったキャラで全然共感できないようにしているところがスコセッシの芸が細かいところです。そしてペック、ミッチャム、バルサムといったオリジナルと同じ俳優が出てくるところがいいですね、やっぱこういうところにスコセッシのオリジナルと同じに対する敬意が感じられます。ミッチャムを善玉側、ペックを悪玉側と逆の配置にするなんてまた芸が細かいです。グレゴリー・ペックにとってはこれが最後の映画出演になりました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-26 23:01:00)
455.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 
レベッカ・ローミンとリー・ラスムッセンなんて、デ・パルマ先生あいかわらず女優を選ぶセンスがいいですねえ。久しぶりに私がデ・パルマに期待していた映画を撮ってくれたというのが実感です。時計、水、逆光、あとで思い起こすとこれほど濃密に映像の仕掛けが込められたミステリーも、ちょっと珍しいぐらいです。迷彩服を着た女が登場するシーンは二度ありますが、ここ良く考えると辻褄が合わないんですよ。でもこのシーンを含むラストの展開は、観客にデジャブを感じさせる見事な映像トリックになっているんですよね。ストーリー・テリングの腕前も以前より洗練されているし、やっぱりデ・パルマは現役映画監督の中でも最高のテクニシャンです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-12 23:17:57)
456.  バンド・オブ・ブラザース<TVM> 《ネタバレ》 
スピルバーグが『プライベート・ライアン』を撮った勢いで製作した一大戦争叙事詩。戦争映画になるとスピルバーグは凝りまくるのですが、本作でも軍服や兵器の考証へのこだわりは感嘆すべきものがあります。この物語はウィンターズという人物の軍隊での出世物語でもあり、わずか3年あまりで少尉から少佐まで昇進するなんて、滑稽なほど硬直的だった旧日本軍では絶対に考えられないことです。田舎者みたいで朴訥な人柄は、いかにもボンボン育ちの同僚ニクソン大尉とは対照的です。登場人物が70人以上にもなる群像劇で、一話限りで戦死したりフェード・アウトするのも多いので名前を覚えるのも大変ですが、その中でも印象に残るキャラはと言うと… ●将校部門は文句なしに不死身のスピアーズ大尉です。Dデイのときは勝手に捕虜を射殺したなんて噂を立てられまるでサイコ野郎みたいにみんなに思われていたのが、卓越した戦闘能力と統率力で物語の中でも存在感が増してゆき、バルジの戦いで見せた超人的な活躍はまさに圧巻でした。 番外:ソベル大尉 全員から蛇蠍のごとく嫌われて後方部門に左遷されちゃったユダヤ人将校。早々とフェード・アウトしたかと思いきや、最終回で階級も追い抜かれたウィンターズ少佐にいびられるとは… 確かに嫌な性格ではありますが、実話がベースなのでモデルになった実在の人物がいたはずで、関係者からクレームがつけられたんじゃないかと心配しちゃいました。●下士官・兵部門からはリプトン軍曹。老け顔の地味な性格ですが兵士たちの良き兄貴分として信頼され、最後は将校にまで出世したのはさすがです。職場でこういう部下がいてくれたら、ほんと鬼に金棒なんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-13 21:25:28)(良:1票)
457.  ナッシュビル 《ネタバレ》 
不思議とソフト化されなかったので“まぼろしの名作”扱いだったのですが、ようやくDVDとなり気軽に観られるようになりました。“24大スター共演”なんてアルトマンのブラック・ジョークみたいなもので、実際は個性派バイプレイヤーと新人俳優の大集合です。カントリー・ミュージックの聖地が舞台の音楽群像劇だと思っていましたが、実はカントリーではなくてどちらかと言うと大統領選挙がメイン・テーマですよ、この映画。凄いのは劇中使われるカントリーはすべて歌っている俳優の自作ということで、あの名曲"I'm Easy"もキース・キャラダインが作ったと言うのにはびっくりです。このキース・キャラダインが演じるのが女にモテモテの(というより異常に女癖が悪いと言う方が正解)歌手なんですが、リリー・トムリンを口説くために"I'm Easy"を歌うシーンで会場に居合わせたキースお手付きの三人の女がみんな「私のために歌ってくれてるんだわ❤」とうっとり顔になるところは大傑作でした。 アルトマン作品の頂点であることは確かですし、群像劇としては完璧ではないでしょうか。本作のラストがジョン・レノン暗殺事件に影響を与えたなんて指摘もあるそうですが、そう言われてみると劇中で発砲する男とレノン射殺犯のマーク・チャップマンが良く似た風貌なのが不気味です。
[DVD(字幕)] 8点(2012-03-09 20:55:48)
458.  川の底からこんにちは 《ネタバレ》 
“シジミのパック詰め~シジミのパック詰め~川の底からこんにちは♪”木村水産新社歌はクセになります、すっかりはまりました。力まない演出と満島ひかりが前半に乱発するまったく心がこもってない「すいません」が功を奏して(?) とっても軽い作品みたいな印象を与えるかもしれませんが、石井監督は類まれなる演出力を持っていますよ。そして出ました、満島ひかりのシャウト、ラストの「お父さん~、お母さん~」はなんかすごく良かったなあ。 それにしても骨になってもあのおばさんたちをよろめかすなんて、社長、あんたはやっぱりイイ男だったんですね(笑)。
[DVD(邦画)] 8点(2012-02-08 23:35:26)
459.  戦争と平和(1965-1967) 《ネタバレ》 
念願かなってついにオリジナル全長版を観ることが出来ました、ありがとうBSプレミアム、と思ったら何と4月にブルー・レイと新版DVDが発売されるんですね、知らなかった。三夜に分けて放送と言ってもなんせ上映時間7時間ですから滅多に味わえない映画体験です。まあ原作を7時間ではとうてい読破できないわけですから、これだけ時間をかけてもダイジェストみたいにストーリーを展開させちゃう部分が一部あるのはやむを得ないところでしょう。その代わり国家プロジェクトみたいなもんですから、カネとヒトはもう惜しげなく投入されているのは圧巻です。ボロジノ会戦のシークエンスも凄かったけど、もっとも映画的なスペクタルを感じたのはモスクワ炎上シーンで、ほんとこりゃすげぇもんを観てしまった、というのが正直な感想です。そして特筆すべきはナターシャ=リュドミラ・サベリーエワの奇跡の様な可憐さと美しさ、あの舞踏会のシーンで彼女が踊り出すシーンはそりゃ思わず息をのむほどです。そういうこともあって、自分としては第二部『ナターシャ・ロストヴァ』がいちばん良かったですね。 セルゲイ・ボンダルチュクお得意の「舞い上がるカメラ」と「急降下するカメラ」の映像は冴え渡っていて、とくに屋内の舞踏会シーンでもカメラがぐーんと降りてくるのは見ものです。まあ『戦争と平和』の完全映画化なんて『指輪物語』を映像化するよりもはるかに困難な偉業で、監督の手腕は称賛されてしかるべきだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-02 19:52:59)
460.  ベリッシマ 《ネタバレ》 
まあ~とにかく、アンナ・マニャーニのマシンガン(というよりも、もうそれはガトリング砲のレベル)をぶっ放している様なトークの凄まじさ、この女は喋ることで呼吸を続けてるんじゃないかと思わせるほどです。マナーは悪いは、娘のことになると人を押しのけるわ平気で割り込むは、我が国が誇るナニワのおばちゃんたちが束になっても到底かないません。ヴィスコンティも、本作では彼女に関しては何も演出してなかったんじゃないでしょうか。イタリアン・リアリズモで人情喜劇を撮ると言うヴィスコンティにしては珍しいジャンルですが、彼が脂の乗った時期ですから画造り・ドラマ展開ともに超絶的な技巧を見せてくれます。始めのうちは幼児虐待で警察に通報したくなるほどの狂乱ぶりを見せるアンナ・マニャーニですが、ラストで見せる母親としての高貴な決意は立派な名演でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-22 23:32:55)
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