441. 延安の娘
《ネタバレ》 NHKのドキュメンタリーを映画化したものだが、はたして映画と呼んでいいものだろうか? 中国の文化大革命の影響を日本人スタッフが撮影することに対して、地元や北京の人たちはどんな気持ちだったろう。 ゲストの大林宣彦監督が冒頭で「泣いて、笑って下さい」という言葉につられて最後まで観賞したが、結局笑えたのは、生みの父親のいい加減さだけであった。 27歳の娘を産んだ両親は今はそれぞれ違う家庭を築いていたが、最後まで会うことを拒絶した母を除いても、幸せに暮らしている人間が一人も登場しない。 否、唯一幸せなのは、たとえ、だらしない父でも、会う事が出来た主役の女性かもしれない。 2002年製作、北京五輪は、この人たちにどんな影響を与えたのだろう。 続編を観たい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-08 04:41:24) |
442. 刑事コロンボ/毒のある花<TVM>
《ネタバレ》 ファーストシーンに、本筋と関係ない人間を登場させるのはシナリオが間違っていると思うが、今回のエピソードは、セリフが洒落ていて、小道具やシャレードがふんだんに使われていて、一回だけでは見逃してしまうところが多い。化粧品業界が新製品のパクリ合いをしている世界も理解しづらい。犯人役の女性はアップシーンが多くて、メッチャ綺麗! 調べたが、とても45歳とは思えない。 ラスト、家宅捜索が迫った時、本物のサンプルを海に投げ捨てるシーンに、純粋な女性の本性が見えた気がする。 しかし、コロンボと犯人の「毒ズタ」のかぶれが殺人の証拠になるだろうか? 「私も毒ズタのコレクションをしてるのよ」なんて犯人が言ったら事件は解決できなかったろうに…と、ひねくれた考えが浮かんだ。(苦笑) [CS・衛星(吹替)] 7点(2010-04-06 02:34:51) |
443. 刑事コロンボ/5時30分の目撃者<TVM>
《ネタバレ》 犯行時に居合わせたメッチャ可愛い不倫相手がバカっぽく優柔不断で、その彼女が犯人にとってネックになるのですが、途中で殺されてしまう展開は「コロンボ」の一つのパターンですね。 ところで、コロンボがパーティーに同席して「一番思い出深い事件は何でしたか?」と質問され「それはいつもその時手がけている事件だと思いますね」と答えたのには、なるほどと思いました。「あの俳優が演じたエピソードです」なんて言う訳ありませんもんね(笑)。 全体的な展開は日本のサスペンスみたいで、ラスト、犯行当時を演技でシュミレーションするやり方は今の刑事ドラマでも沢山使われています。 面白かったけど、コロンボが犯人を騙して、犯行時、現場にいたと立証するだけでは不完全燃焼のような気もします。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2010-04-06 01:29:52)(良:1票) |
444. 刑事コロンボ/攻撃命令<TVM>
《ネタバレ》 オープニングから驚くほど単純なシナリオになるだろうと想像できたが、推理ドラマとして考えずに観ると結構面白いです。 ゲストハウスに住んでいる女学生が、現在「セックス・アンド・シティ」の名女優になるなんて誰が想像できたでしょう。 今と全く変わっていないキム・キャトラル。最高に可愛いです。 私が犯人なら、奥さんの不倫は許して、彼女を愛します。(笑) コロンボと「市民ケーン」の会話に夢中になる犯人の単純さはがっかりでしたが、最後のどんでん返しは、いいアイデアだったのではないでしょうか?(もしコロンボを殺せたとして、どう処理するのか興味深いですが……) それに加えて、コロンボが自分の愛犬に「殺せ」と支持するのも最高に笑えました。 [地上波(吹替)] 7点(2010-03-20 21:24:05) |
445. 刑事コロンボ/悪の温室<TVM>
《ネタバレ》 コロンボが殺人前に登場する等、新しいアイデアでシナリオを作ろうとする必死さは感じられるが、相棒刑事など登場させることで、事件そのものが短くなってしまい、返って曖昧さが出てしまっている。 コロンボの懸命な捜査とは関係なしに、一年前に発砲した拳銃の弾一つで犯人を決定してしまうところに満足できない。 これだけ曖昧な証拠では、この犯人、裁判ではきっと無実を訴えると思う。 ところで、冒頭で登場した被害者の奥さん、美人でオッパイ大きくて、足が綺麗で。とてもエロいなぁなんて思いました。(笑) [地上波(吹替)] 7点(2010-03-13 23:47:08) |
446. 黒い画集 あるサラリーマンの証言
ラストは拍子抜けだけど、この時代の清張の映画はどれも面白い。でも、最初のモノローグで主人公が41歳と聞いてショックだった。今だったら、あの主人公は50代後半にしか見えない。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-03-09 23:55:36) |
447. 刑事コロンボ/断たれた音<TVM>
《ネタバレ》 犯人が難聴というのがミソであるが、どれくらいのレベルなのかよくわからない演技だ。全く聞こえないわけではないらしい。 最後の決定打は、犯人の難聴という障害がオチになっているが、こんなの日本のサスペンスドラマでは絶対出来ないだろう。そう思うと大変自由奔放なプロットで支持したくなる作品だ。 [地上波(吹替)] 7点(2010-03-06 21:58:11) |
448. スラムドッグ$ミリオネア
《ネタバレ》 マジット・マジティ監督のイラン映画みたいな作品かと思いましたが、クイズは、本や知識で身に付けて得た正解ではなく、全てが主人公の人生経験、告解にも繋がっているところが面白いです。 生涯通して一人の女性を愛し続けるなんて、もう邦画で作ったとしたらコメディになってしまうでしょう。 最後の問題で使われる携帯電話は最高の小道具でしたが「三銃士を読んだことがない」というのは度肝をつかれました…知ってたから出たんじゃないの?(笑) インド中で騒がれた弟に感銘を受けた兄の心境は、もう少し手を加えてもらいたかったけど、ラストの待ち合わせは二人にしかわからない場所というのはロマンティックですよね。 でも、ラストのダンスは絶対にいらないと思う。「踊るマハラジャ」じゃあるまいし、ひょっとして「座頭市」の影響でしょうか? 欧米映画でしょ? あれはバカバカしくて観てられない。カットすべき! [DVD(吹替)] 7点(2010-02-26 22:54:55) |
449. 刑事コロンボ/美食の報酬<TVM>
《ネタバレ》 以前から、自分が犯人だと疑われたら、コロンボも殺しちゃえばいいのにって思ってたけど、世の中そんなに上手くいかないものです。 コロンボがフグを試食するシーンに、日本人と欧米人の捉え方は違うのではないでしょうか? 間違いなくフグに詳しい日本人の方がサスペンスを感じると思います。 コロンボのセリフが日常会話と事件をさりげなく重ねて喋ってるのは特に注目すべき点です。面白い。 [地上波(吹替)] 7点(2010-02-20 22:20:48) |
450. ワーキング・ガール
《ネタバレ》 ハリウッド全盛時代の最高にスッキリ気分にさせてくれる作品です。 この頃のメラニー・グリフィスは他の共演者に比べて、ネームヴァリューがなかったのでしょう。ハリソン、シガニーの後、三番目にクレジットされます。 テスの提案を上司のキャサリンが、ちゃんと認めてあげればこんな顛末にはならなかったろうに。 観賞中、この主人公の女優が誰なのか全くわからなかったのですが、ハリソンとシガニーのバックアップが素晴らしかったと思います。 二人が主人公を食っちゃってないところが、この映画の大切なポイントです。 [地上波(字幕)] 7点(2010-02-20 07:41:28) |
451. 刑事コロンボ/二枚のドガの絵<TVM>
《ネタバレ》 子供の頃に観て、今もまだ記憶に残ってるんだから、やはり面白いんだと思います。もう、この作品は客観的に観れません。 因みに、共犯の女性を殺した時、なんでコロンボも殺さないんだ?って、子供の頃の感想も全く変わっていません。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2010-02-13 09:02:09) |
452. ナイン(1983)
テレビで放送されたものを少し修正したものが本作らしいです。でも今は修正されなかったものを見ることがほとんど不可能なので、どう判断していいのか……。 本作に思い出がない方は「タッチ」のテレビ番組をお勧めします。 起伏のないストーリーで、主人公のモノローグも多すぎ。あまり人間ドラマも伝わってきませんが、挿入歌は素晴らしいです。一種のプロモーションビデオ感覚で観賞された方がいいかもしれません。 続編の「ナイン2 恋人宣言」はテレビ放送版ですが、こちらは胸が熱くなります。 さらに続く「ナイン完結版」は最悪です。声優は、倉田まり子さんから安田成美さんに変わっています。 ところで、声優の名前に倉田まり子さんが掲載されていないのは何故なんだ?! まり子さんが主人公でしょ?! この映画。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-02-01 16:06:57) |
453. 処女の泉
《ネタバレ》 どうしても現代社会に通ずるものと重ね合わせてしまう。 数年前に闇サイトで知り合った見知らぬ三人が夜道を帰宅していたOLを殺した事件を思い出してしまった。 しかし、製作された当時に実際に名古屋で起こった殺人事件を想像できる人たちがいただろうか? 私個人は復讐のために犯人を殺してしまった償いを教会を建てることで懺悔することなんて到底できない。 レイプされ殺された少女が倒れた場所から泉が湧くなんてバカバカしすぎるも程がある。嘘。嘘。嘘の作り話し。本作は紛れもない宗教啓発映画である。 私にとって、このラストは怒りすら覚える。 レイプシーンをリアリティに表現したら、あんなものでは済まない。 しかし、その残虐なシーンを抑えることで、本作は観る者に強烈な印象を与えるのも事実。 犯罪を犯した三人の羊飼いに少年を混ぜたのもミソ。ここに少年を入れたことで私も含め観客の反応は大いに変わってくる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-04 03:10:01) |
454. 桃色(ピンク)の店
《ネタバレ》 本作のリメイクの企画を作ったのは、パソコン普及とピッタリあった時で、ある意味運命かもしれませんね。 ただ、パソコンだと、出会い系サイトという、少し後ろめたいイメージと違い、文通やアマチュア無線で友達を得た時代は純粋さがあったと思います。 観客は途中から待ち合わせを約束した文通相手が誰なのか分かった男性と同じ立場になり、最後の最後までわからない女性にもどかしさを感じたりもします。 ですが、時間も100分とコンパクトに収められ、台詞のやりとり、サブキャラも全て個性があって、A級のロマンティックストーリーであると断言できます。 「C」として挙げれば、この邦題タイトルからは観賞意欲が全く湧きません。 いっその事「ユー・ガッタ・メール(オリジナルバージョン)」にしちゃえば? [DVD(字幕)] 7点(2009-11-04 01:02:14) |
455. きれいなおかあさん
《ネタバレ》 タイトルから想像出来る、ありふれてるけどいい話です。 生活苦の母と聴力障害者の息子。悪く言えば、それだけの話です。 日本を含むアジアでは、障害者、若しくは余命何カ月のお涙頂戴的映画が氾濫していますが、本作は、大好きなコン・リーが出ている理由だけで個人的に7点つけちゃいます。 おかあさんがきれいじゃなかったら点数はもっと低いです。 コン・リー、この時36歳でちょっと太め。その6年後「ハンニバル・ライジング」で本作より綺麗で若くなっているから驚きです。 今の姿を是非見てみたいです。 エンドロール含めて90分で終わります。得るものはあります。 [DVD(吹替)] 7点(2009-11-02 09:30:49) |
456. 月とチェリー
読み切りのコミック本って感じです。最初は退屈させない展開で面白いと思いましたが、一時間越えたあたりから、この男のジメジメした心境についていけず、「あ~、だんだんつまんなくなってきたなぁ…」と感じてしまいました。 女が男の書いた小説を「女がわかってない」と投げつけていましたが、本作は、監督が女性のせいか、いかにも女が描く男性像で「逆に男がわかってない」と言いたくなります。 ちょっと無意識に悪い文章が続いてしまいましたが、80分で終わったので、それなりには楽しめました。 [DVD(邦画)] 7点(2009-10-17 07:56:41) |
457. 百万円と苦虫女
《ネタバレ》 女性脚本家が書くロードムーヴィーって珍しいんじゃないでしょうか? 翌日は早く起きなきゃいけないのに、夜中に一気に観てしまいました。 私も若いころ、手ぶらで上京して1年間で百万円貯金したことがあります。月収は手取りで18万円、家賃は新宿で2万2千円でした。周りからの援助は一切なし。いや~地獄でした。恋愛や遊びなんて全くありませんでした。ホントに肉体的、精神的に辛かったです。でも、50万円越したあたりから、映画のように何度も貯金通帳を眺めた記憶があります。 私にとって、百万円貯金したことが何に繋がっていったのか、今考えても全く答えが出ませんが、本作を観て、今日から、もう一度百万円貯金して考え直してみようかなと思いました。因みに今、500円貯金はやってますが、小銭では人生は変わりませんね。(笑) でも、百万円貯金させないために、ヒロインから金を借りまくる純情男なんて……そんな奴絶対いね~よ。こういう奴がホントにいたら絶対何か裏がある! ちょっと気持ち悪い野郎だなって思いました。 [DVD(邦画)] 7点(2009-10-07 12:59:11) |
458. 許されざる者(1992)
《ネタバレ》 過去のイーストウッド主演の西部劇に比べると、後味は悪くないのですが、テーマが「殺人の虚しさ」ということで「爽快感」はそれほどないです。 イーストウッドの西部劇初心者なら「荒野の用心棒」などから観るべきだと思う。 イーストウッドは、この作品あたりから人間の虚しさを強調した作品が増えたように感じます。 タイトルの「許されざる者(Unforgiven)」は誰のことなのか? ハックマンが「地獄で会おうぜ」と言った最後の言葉が重ねて気になったところです。 山田康夫さんの吹き替えは本作が最後なんですね。 今はもう違和感なく新しい吹き替えを観ることができますが、とても懐かしく思えました。 主題曲はイーストウッド本人の作曲らしいのでエンドロールでじっくりと聴いてみてください。なかなかのもんですよ。 [DVD(吹替)] 7点(2009-08-27 17:31:13) |
459. シンプル・プラン
《ネタバレ》 墜落した飛行機に残されていた大金をネコババしようとしたばかりに、次々と災難が降りかかってくる。 観賞し終わって、冒頭一番まともな主人公が一番殺人を犯しているところに、皮肉な運命を感じてしまう。 私は以前、傷害事件に会って、和解金として100万円を目の前に置かれたことがありました。 金なんかで絶対に許さないと心に誓っていた自分ですが、目の前の現金を見た時、無意識に顔がほころんでしまった記憶があります。 「欲」というのは潜在的なものも含まれていて、「罪の意識」を免れようとする気持ちも、現状に立たされないと自分がどういう行動に出るか断言できないのが、私の結論です。交通事故のニュースで「ひき逃げをして、怖くなって逃げた」という供述をよく耳にしますが、なんとなくわかります。 因みにDVDの裏ジャケには、「原作をスティーブン・キングが絶賛!」と書かれていましたが、映画の内容もキング色が見え隠れした仕上がりになっています。 退屈させない娯楽映画です。 [DVD(吹替)] 7点(2009-08-27 07:29:10) |
460. 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
《ネタバレ》 今回の脚本は相当苦労されたのではないでしょうか? ほとんどのギャグが滑ってるし、無駄なシーンが多いです。 それに、観ている側には既に読めてしまうのに、なかなか進まない展開に、もどかしい気分にもなります。 宇野重吉さん演じる日本画家と寅さんのやりとりは面白いのですが、マドンナ役の大地さんの登場が、あまりに遅いのです。大地さんが登場する度に三味線が鳴るのもハッキリ言ってクドイです。 寅さんの「俺と所帯持つか」という台詞は、リリーさんに言った時とは意味合いが違うように思います。プロポーズとは言えないでしょう。 なんだか2つの違うエピソードを最後、下手に計算して繋ぎ合わせたようで、段取りっぽく感じます。 芸術と金の価値に対して日本画家がどういう決断をするのか、どんでん返しのラストシーンだけは「お見事!」と言いたくなりました。 [DVD(邦画)] 7点(2009-08-19 04:27:00) |