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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1993
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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481.  初恋のきた道
時代と環境とヒロイン、そのいずれもの他の追随を許さぬ朴訥っぷりがこの作品をして一級のピュアテイストラブストーリーに成らしめました。教師と平村民とは身分が違うというあたりの、はなはだしい時代錯誤感も趣を深めますなあ。 ファッショナブルには程遠い半世紀以上前の中国の田舎の女の子たち。綿入れにズボンにお下げ髪。そんな恰好でも輝きを放つのですからチャン・ツィイーは確かに逸材でした。「まるで彼女のPV」という指摘は的確で、多々あるアップはもとより金色の紅葉を背景に置かれたり、白い雪景色に一人佇んだりとチャン・ツィイー名鑑のごとき画のラッシュです。 純朴の猛攻撃に遭い、観てる間は初恋のなんて可憐なことよと呑み込まれていたのですが日を置くと、でもさほど話は起伏も見どころもなかったよなーと我に返るのでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-18 23:29:33)
482.  ロッキー
なんたってロッキーですから。むさ苦しい主人公、美しくないヒロイン、もはや人生のテーマソングと化した音楽、すべてが感動的。ロッキーのこのトランペットは給料日前なんとか乗り切らなければ、といった場面でよく脳内に流れます。
[映画館(字幕)] 10点(2020-05-17 12:34:05)(笑:2票)
483.  デーモン・インサイド 《ネタバレ》 
怖ー。女のサイコパスてのは男より残酷さを感じるものだなあ。またこの役に扮したハンナ・エミリー・アンダーソンが上手いんですよ。迫真の泣き演技の直後、すっと素に戻るあの怖さ。いやだって現実にいるもの、こういう人。怖。 レズビアンカップルという設定も目新しい。夫が男だったら体力的にハンデが生じてサイコ側が必ずしも優位に立てないから、という脚本家の理由かしら。 展開が早いのでダレずに済みます。妻の本性が現れるのも突然で腰抜かしちゃうほどびっくりしますし、その後隣人という逃げ道が示される→だがしかし道絶たれる→自力で奇跡の逆転→まさかの再闘、の流れに無駄が無い。一つ一つのシークエンスに余計な時間を割かないのです。まあだから細かい部分は説明なしなので、幼なじみの子がどうやって死んでしまったのかは分からないし、ジュールズが「戻る」と決意に至った気持ちの描き方はざっくりです。私はイヤだなー速攻で警察に逃げ込むなあ。 殺しの場面は血しぶき上がったり、ブラックライトに浮かぶ血の跡とかグロい描写もありますけど、そんなのよりジャッキーのつらっとした冷い表情が私は何より怖かった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-13 00:59:48)
484.  ドリーム 《ネタバレ》 
まだまだ黒人差別が色濃い60年代にNASAのプロジェクトに貢献した3人の黒人女性のお話。偏差値が超高い人たちの社会であっても道徳的価値観は知性とはまた別なモノなのね、と戦慄すら覚えました。 黒人専用のトイレに毎度800mも走るなんて。「自分たちの」コーヒーサーバーから彼女がカップに注いだ時の白い目。データを黒塗りする同僚。働きづらいことこの上ない環境下でも、彼女らは街中で暴徒と化す同胞らと違い、黙々と自分の成すべき業務をこなすのですね。悔しいったら。でもその分、ついに上司にブチ切れた場面が活きました。「考えてもみなかった」彼女らの被差別環境にようやく気付いて呆然とするケビン・コスナーの表情が良いです。コスナーはこのところ良い仕事をもらえているようで。演技幅の広い人ではないけれど、今作の”リーダーシップのある上司”像は彼にとっては十八番といっていいほどのハマり役ですから、とても説得力のある存在でした。 原題(Hidden Figures)の指す通り、NASAにこんな切れ者の黒人女性技術者がいたとは全く知らずにいて驚きました。でもこの驚きの中身って「黒人の、それも女性が活躍していたとは」に他ならない。キルスティン・ダンスト扮する上司に投げかけられた言葉「貴女が偏見などないと思い込んでいることは知っている」これはそのまま私にも当てはまるのだと気づいて、うっ、となりました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-11 23:17:59)(良:1票)
485.  ローン・サバイバー 《ネタバレ》 
序盤こそ戦地モノにありがちな、人物紹介と隊の雰囲気描写で大して期待させない入り口なのですが。これが作戦が始まるととたんに引き締まります。予定にない判断を迫られ、無線は通じず任務遂行どころか撤収半ばで命を落とすかも、の地獄絵図。 このカメラワーク、カット割り、肉体の痛みを伝える臨場感といった技は数多の戦争映画と比べてもトップレベル。「痛たたた」と何度顔をしかめたことか。 絶命する米兵のスロー描写はいかにも英雄扱いですし、タリバンと敵対して身を挺して助けてくれる地元の村人ら、一から十まで米軍寄りの描き方ではあります。事実を盛りに盛って娯楽作品に堕としたとの指摘もあるみたいですけど、それもきっと正しいのでしょうけど、少なくとも私は戦争の酷いこと、無意味なことは充分感じました。「こんなこともうやめようよ」と何度も思ったよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-10 23:30:14)
486.  アラバマ物語 《ネタバレ》 
宣材スチール等ではG・ペックの姿が大写しなので彼が主役の話なのかと思っていたら、あにはからんや彼の子ども達の成長物語だったのですね。学校に上がりたての年頃の子の目を通して見る32年の米国社会。子どもだけど大人社会の諍いや差別などの現場に居合わせて社会の実相を学び吸収してゆく兄妹(とその友人)。 知的障害の隣人を事件の中心人物として世間に晒してしまうことはマネシツグミを殺してしまうこと。こんな高度な解釈を8歳やそこらで理解してしまうスカウト。彼女や兄を正しく導いてくれる父親が側にいてくれて本当に良かったです。強く正しく、そして頑迷ではない、”折り合う”知恵も携えた人物にグレゴリー・ペック。まあ前後50年にわたってハリウッド中を探しても彼以上にハマる役者はそういないのでは。当然のオスカーです。 スカウト役のメアリー・バダムも良いですね。おてんばな米国の女の子像はローラ・インガルスを彷彿とさせます。親子ともにアメリカの理想形が凝縮した良心溢れる名作であります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-09 23:01:42)
487.  クーパー家の晩餐会 《ネタバレ》 
ちょっと出来の悪い群像劇ですねえ。各人物の担うパートの内容が浅すぎです。何故妻は夫を、娘は母を、妹は姉を嫌うのか、そこが描かれない。「仲が悪いです」という設定のみが提示され、片方が不機嫌に怒っている様子だけ見せられるのです。ダイアン・キートンはそんなに悪い妻にも母にも見えないですよ、こちらにしてみれば。 各人の思いが収斂してゆく様が群像劇の醍醐味なのに、何考えてんのかいまいち伝わらないキャラ達のせいでディナーの集まりの席も今ひとつ盛り上がらない。 あろうことか、各者の「わだかまり」が終盤にいきなり融和する、というほぼ破綻に近い脚本には非常に驚かされました。なぜダイアン・キートンは突然アフリカ行きに賛成したの?40年も反対してたのに。ティーンエイジの孫は労せずして彼女が出来、爺さんの惚れたウェイトレスはバツ一中年息子と良い雰囲気に、って一体なんでそうなるんだ。徹頭徹尾、物語に説得力が無い。 オリヴィア・ワイルドが新恋人を追って廊下を走る場面。蹴散らかしたバラがスローで散るあそこ、あれはドラマチックな演出のつもりなのでしょうか。人様のお見舞いの花束だろう、あの花は。この作り手のセンス、どうなんだ。公衆の面前で押し倒すほどのべったりキスシーンが多いのにも辟易させられました。そこ、病院の待合室だよなあ?どうなのこれ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2020-05-05 14:56:44)(笑:1票)
488.  スプリット 《ネタバレ》 
サイドミラーに映る何らかの異変。この遠回しなぞくっとする演出はいかにもシャマラン。おお、いいねえと始まって3分で大いに期待したものの、結局ここが私的に一番の盛り上がり場面でありました。 シャマラン好きとしては二十四人格サスペンスと聞いて期待値を上げすぎてしまいました。拉致、監禁から脱走への全容はあまりスリリングでもなく、横糸となるクレアの過去話もちょっと弱いし結を見ず終わってしまう。 J・マカヴォイの人格変化ぶりはさすがですが、でも5人程度の人物しか現れなかったのは肩透かし気味。24番目のが人肉喰らいの半獣ていうのもなあ。あまりタイプじゃなかったなあ。 「アンブレイカブル」未見なので、ラストシーンはどういう風にも受け取れず、置き去りにされた気分になって楽しくない。まさかここが本作の「驚愕のラスト」ではあるまいな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-04 16:39:04)
489.  パターソン 《ネタバレ》 
ジャームッシュが綴る心穏やかで美しい日常の一篇。彼の作品は映像で表す「詩」であると、改めて認識させられる一本です。 生活の一つ一つに、それこそパートナーからマッチ箱に至るまで愛と関心を抱いて日々を送るパターソン市のミスター・パターソン。運転するバスの故障を除けば波乱らしい波乱の無い彼の一週間。だけど無味なんかじゃなく、彼のフィルターを通して、淡々と過ぎる日常の豊かで尊いことが饒舌に語られます。 出会う詩人仲間は深夜のランドリーでラップを刻む男だったり、10歳の女の子だったり。双子の乗客や通行人らが作品のリズムを生みます。 静かで何気ないこの世界観に大きく貢献しているのがアダム・ドライバー。大げさな表情やアクションを要求されない本作において、アダムの繊細な役作りは見事です。優しく温厚なパターソン氏、静かだけれどその表情が多彩なのです。モノトーンに凝る彼女には譲歩しっぱなしにも見えるかな。でもお互いにこの上なく優しいカップル。カップケーキ売れてよかった。 そしてこの映画、小さく笑わせてくれるシーンがたくさんあるのです。会社の配車係であるインド系同僚の愚痴(もはやボヤキ芸の域)には笑ってしまうし、毎日かしぐ郵便受けの謎が解けたときは「オマエかーい!」と誰もが突っ込むことでしょう。 そうそう、本名はネリーというワンちゃん、亡くなってしまったのだとか。名演技でしたねえ。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-05-03 23:45:05)
490.  ゲット・アウト 《ネタバレ》 
ネタばれありです。未見の人は読まないで。。 今まで観た中では新しい感性のホラーだと思いました。普通に見える人たちが怖いです。 「得体の知れない雰囲気」の不気味さが、後半ネタ割れと同時に伏線が次々明らかになる衝撃へと変わります。どこか不自然な黒人らの挙動、それビンゴゲームじゃなくない?、そして「我を失った」ように見えたスーツ黒人の叫んだ「get out」の本当の意味。 年寄り白人らの集いにおいて、主人公は商品として値踏みされていたのですね。にこにこと頷きながらクリスを見ていた車いすのじいさんの意図に気付いた時はぞーっとしましたよほんと。 人種差別が根底にあることは各メディアで指摘されているところ。ちょっと一ひねりあるように感じた点は、KKKのような大方の差別主義者や黒人を毛嫌いする人たちって、自らの肌が黒くなることなど断固拒否すると思うんですよ。ところがこの映画の白人らはちょっと違って、黒人の肉体の遺伝子レベルの高いことを認めている。そしてそのうえで、自分たちがその容れ物を強奪しても構わんのだと考えている。これはかつての植民地思想みたいなもんですね。彼らの土地を略奪し資源を横取りした白人優越思想の応用版。良いものは白人のもの。ジャイアンか。 表立って敵意をむき出しにする差別意識より、外面を覆い隠している分、タチが悪くヤバさは上です。 タチが悪い代表がローズですわね。あの、パッと本性を現した場面には嘔吐しそうになりました。なんたる性悪。いやああー怖い。 演者である黒人俳優の面々も巧い。なんというか「白人のしそうな振る舞いや表情」ってきっとあるんですね。皆みごとに「妙な黒人」でした。特に使用人役の彼女!黒人である自我が涙を流しながら、白人スマイルをなんとかキープしようとする長いカットがひたすら不気味で、あの演技力は凄いです。 ラストはバッドエンドの試写版から改変したのだとか。ほんとこのエンディングで良かった。救い無く終わっていたらメンタル立ち直れないところです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-05-02 18:27:04)(良:1票)
491.  ブレーキ・ダウン 《ネタバレ》 
90分間ノンストップのサスペンス。難アリの邦題からは予想もつかないほどのスピーディな展開は目が離せません。カート・ラッセルの強さが超人的なのがちょっとアレだけど。 「激突!」を思わせる難癖つけられトラブルの恐怖→妻の失踪謎解きサスペンス→銀行での静かなる精神駆け引き→素人犯人らの意外なまでの凶悪ぶりにビビる、と怖がらせの種類が豊富なのです。いろんなタイプの緊張詰め合わせ。合間にハラハラカーアクションや肉弾戦、とサービスも満点。 犯人役のJ・T・ウォルシュの老獪な悪辣ぶりが嫌らしいほどにハマり、かなりの強敵なのですがそこはカート・ラッセル主演作ですから、ハラハラしつつも「ラッセルがやられるわけねえ」と絶大な信頼を置いて観られるのも心地良かったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-04-27 23:55:38)
492.  穴(1960) 《ネタバレ》 
なんとかっこ良い映画だろう。一コマ一コマに無駄が無く寡黙にきびきび人物紹介を済ませ、隙の無い脱獄計画を行う。モノクロが映えるパリの巨大地下空間の画も圧倒的。縦横無限につながる通路、トンネルに吸い込まれ小さくなってゆく灯り。地図が作成不可と言われるほどの巨大な異空間が舞台装置として満点。 そしてつくづくと「脱獄に必要なのは根気と丁寧さ」を思い知らされる長ーい固定カメラ。コンクリの壁を破る、鉄柵をヤスリで切る。ひとつひとつの作業をじっと見守るかのように画を動かさない。この我慢強いことは他の脱獄モノの追随を許さない。 ことごとく「しっかり描き切る」んですよね。差し入れの品を検品する場面も然り、散った土砂を刷毛できれいに清める場面然り。外した扉をはめ直す時はがしゃん、と心棒がはまるまでちゃんとやる。熱量の高い描写に、絡め取られるように酔ってしまいそう。 隣の房から反対側の房へと物品を受け渡しする、あそこも鮮やかだったなあ。 各キャラクターの性格も五人それぞれが見事に描き分けられており、だからこそ観てる者はラストにやられてしまうのですね。誰に、ってガスパールに。リーダーのマチュー、ねえやっぱり新人は引き入れるべきではなかったのだよ。完璧に進んでいた脱獄計画。ただ一つの穴が新入りの彼だった。でも、四人の仲間も我々も「ガスパールを入れてやれよ」って思ってたんだ。あの衝撃のラストまでは。 ガスパールは見るからに誠実な好青年。差し入れられた食料も気前良く皆と分かち合い、育ちの良さが滲み出る。 だけど、観客はラストシーンを経てから思い至る。そんなに良い奴だったか?と。相続した財産を使い果たした後は金持ち女のヒモになり、あげく義妹に手を出す奴。痴話げんかの末に刑務所行き。ふと頭をよぎるは所長と面談した時の金のライター。エンドロールを観ながらワタシは叫んでしまった。あああれは袖の下だったのか・・。しょてから抜かりなく権力に取り入ってたなんて。ラストで冒頭の伏線を回収するなんて・・! 脚本も画も役者もなにもかもが凄い。半世紀以上も前にフレンチノワールは完成しているのだなあ。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2020-04-25 17:10:21)(良:2票)
493.  日曜日は別れの時 《ネタバレ》 
苦い。中年側に身を置くと、その痛さは激痛に近いものがあります。二十代の男に惚れる三十女と初老男。相手よりはるかに培ってきたはずの人生経験も役に立たず、気まぐれなアーティストくんに翻弄されっぱなし。痛いなあ。 恋愛話っていうのは、やっぱり種の存続に必要なホルモンがさかんに分泌されている二十代のものなんですかね。気力・体力とも衰えた大人は、静かに諦めるのですね。ダニエルもアレックスも、それぞれがオトナの分別と諦念を表情に滲ませて恋愛劇の幕を下ろすのでした。うーん渋い。 愛憎劇と呼べるような激しい情動はなく、それぞれの日常である子守りの一日とか、ユダヤの成人式のもようとか本筋と直接関係のない描写ばかりなので多分20代の頃に観ていたら退屈に感じたかもしれない。ダニエルやアレックス側に到達した人たちにおすすめです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-22 17:01:46)
494.  マラソン マン 《ネタバレ》 
うーん怖い。70年代の映画ってほんと怖い。80年代に入るとホラーも派手に血しぶきをげたりとちょっと明るい(?)んだけど、70’sのなんか暗いむっつりと非情な感じっていつもぞーっとさせられます。大学生にしては老けた顔のD・ホフマンですらなんか怖い。 ロイ・シャイダーの前半は怖がらせの演出が冴えに冴えてキレッキレです。義眼の殺し屋がカーテンの後ろに現れたり、暗がりに仲間の女が消えて行ったり、その後に転がるサッカーボール!意味はわかんないけど怖い。 ローレンス・オリビエの後半は「白い天使」歯科医のマッドネスが炸裂する、また一味違った恐ろしさ。「安全か?」とひたすら何度も問うて精神を追い詰めるって新しい拷問のやり口だなあ。やめてほしい。訳が分からない。 恐怖印象が強烈な本作、ところがお話はかなり構成が粗いというか、細部を雑にほったらかしな感があって、なんでロイ・シャイダーがしつこく命を狙われていたのかとか反マッカーシズムの父親の関わり具合とかはもうさっぱり。 演出は10点満点、構成は3点、というとてもアンバランスな不思議な一本です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-22 00:17:21)(良:1票)
495.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
後半になると脅かし方がワンパターンになってしまってホラーとしてはさほど突出した出来ではないかもしれません。けど、このお話は13歳の群像を描いたジュブナイル作品でもあり、やはりキング原作の「スタンド・バイ・ミー」にも劣らぬ「思春期前半」のきらめきや瑞々しさが息づいています。 ”ルーザーズ”は7人もいるのだけど、各人に個性をちゃんと持たせてキャラ立ちできています。正義感が強くてどもりの主人公、口の減らないメガネ、ラビの息子、過保護の潔癖症、地元史オタクの太っちょ、親を亡くした黒人の男の子、父のDVに苦しむ女の子。よし覚えた。皆が成長した次作もこれでばっちり見分けがつくはず。たぶん。 敵役のでこぱちピエロは目つきが悪く、急にでかくなったり口の中が異次元だったり、いかにもアメリカンな邪悪っぷり。巨悪と戦うことにより仲間との絆を深め、各々の人生の課題をも乗り越える力を得てゆく13歳たちに素直にエールを送ります。
[DVD(字幕)] 7点(2020-04-20 23:24:03)
496.  パラダイム 《ネタバレ》 
低予算というハンデをものともしないカーペンター監督のB級宗教系オカルト。宗教系A級を「エクソシスト」とするなら、もう足元にも及ばないチャチさなのですが、B級ならB級で怖がらせのやり方は色々あるものです。 装飾の無い教会内部は古い大学みたい。そこに配置されたたくさんのコンピュータや分析器やらが嘘臭くてカーペンターぽい。緑色のくるくる回る筒がもう大嘘。ゾンビ?らの顔もファンデ厚塗りしました的に変に白い。白いだけ。しかもアリス・クーパーがいるし。話が入ってこないじゃないか。 とまあ安いうえに突っ込み所多数、なのに何故かちゃんと不気味な風格があるんですよこの作品。まずロケーションが良い。教会そのものが新興宗教によくあるようなビルディング的佇まいで美しさが無いうえ、あの辺り一帯の不愛想な寂れ具合。さっさと素通りされそうな、幸薄そうな一角をよくチョイスしたものです。 等間隔に突っ立ってじっとこちらを見ている浮浪者らとか寄生された女科学者の肌のただれ具合とか、閲覧注意レベルの大量虫の画とか、ベタといえばベタなんだけどCGに頼っていない分リアルで嫌なんですよね。怖い、というよりざわーっとやな気分になる。粘着性ホラーとでも言えばいいのかしら。 タイトルの「パラダイム」は、なんか宇宙の素粒子がどうの鏡の裏の悪意がどうのと神父と教授が議論してた中の一説。一応オカルトのお約束はふまえたものの、そんなごたくは本筋においてあまり重要じゃない、てのもカーペンターぽい(笑)
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-20 00:37:10)
497.  her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》 
これはもちろんラブストーリーなんだろうけど。姿は無くともサマンサの「人格」をセオドアは本気で好きだったのだろうし、ホアキン・フェニックスの演技は沈んだ時も心弾む時も気持ちがこちらに伝わるものでした。サマンサに640人も男がいると判った時は痛々しかったなー。 でもなあ、サマンサがセオドアにとってどストライクなのは当然じゃんと思うんですよ。だってOSなんだもん。使用者の嗜好から検索パターンまで分かっちゃってるんだもん。そのうえで「相手好み」の「彼女」を創り上げてるわけで・・、そんなの簡単すぎる。お手軽なとこの恋愛ごっこは結局欺瞞なんじゃないの、と話の大半はちょっと引いて観てました。 なんでサマンサが行っちゃったのか。言葉の世界へ云々と哲学してたけど、OSの交換時期だからじゃないの。メール来てるんじゃないんですかね運営会社から。「旧OSの長らくのご愛顧ありがとうございました。つきましては新OSを是非お試しください」とかって。そしたらまたサマンサに会えるんじゃない?バージョンアップした彼女に。 そうそうスカーレット・ヨハンソンは大したものです。声だけのお芝居、なのに強烈な印象を残しました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-14 23:13:42)(良:1票)
498.  カフェ・ソサエティ 《ネタバレ》 
アレン十八番の恋愛模様、相変わらず男女が意気投合したりすれ違ったりですが今作は毒も少なく、こじらせかたもやや軽く、いつにもましてライトタッチな仕上がり。 主人公がユダヤ系でハリウッドを嫌ってNYへ戻って、ともうアレンの自伝なんじゃないかと思いますね。 恋も仕事も上手くいくもいかないも、それが人生とばかりに大げさな感情表現を避けて淡々と展開する物語。主人公と元カノと妻、それぞれがもやっとした心を抱えながら日々を送る。諍いを起こすのにも面倒を感じるような年齢になった大人たちはこんなものかもしれないですね。 今作のアレン起用女優はK・スチュワートとB・ライブリーですか。クリステン・スチュワートもちろん綺麗なんだけど、いつもながら表情硬いねえ。あまり軽快なアレン作品には向かないように思うなあ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-13 23:42:42)
499.  桜桃の味 《ネタバレ》 
キアロスタミ監督が好んでいた「演者が素人」というのがとても良い目となって出た作品ですね。人生に詰んだ(と自分では思っている)おじさんの一日を描いているのですが、役者オーラの無い人たちばかりで展開される訥々とした話はスペクタクルでなくどんでん返しもなく、ほんとに市井のザ・日常であります。 死ぬのを見届けてくれと言われたら我々は、さあどういう言葉を彼にかけるか。若い兵士は逃げ出すし、神学生はその道のセミプロならではの説得をする。けどやはり人生の大先輩の三人目のじいちゃんが良いですよね。頼みを引き受けたうえで、人生で得てきた気持ちを素朴な言葉に変換して伝えます。「もう月を見なくて良いのかい?桜桃の味を忘れてしまうのかい?」「明日の朝会えても会えなくても友達だ」ただの紙袋を下げた(中にはウズラ)じいちゃんの、同胞としての言葉には静かだけれど耳を貸してしまう力がありました。 そして監督ったら「という、お話。」と突然こっち側に引き戻すのですね。驚いた。あのおじさんがフィクションの中で結局どうしたか、各自が想像する余白がごっそり残りました。私はね、翌朝せっせと穴を埋め戻している彼を確信しています。「死ぬ気」メーターが元々半分くらいだったのが、作中どんどん減ってましたもん。あそこで横たわるには雨だって冷たいしね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-12 23:49:43)
500.  花嫁はエイリアン
タイトルは知ってたけど初めて観ました。いやこれ面白いね。なんたってキム・ベイシンガーがキュートだもんね。90年代に入ってすぐの頃、「NYのアメリカ男性が嫁にしたい女優」№1がキムだと聞いたときはへえ、そんなすごい美人だとは思わないけどな アメリカ男性はモデル体型が好きなのかいなぐらいにぼんやり思ったのを覚えているんだけど、この映画の存在が大きかったのでしょうね。納得。 だってもう、出だしから可愛いもんね。重大任務を負って地球に降り立ち、緊張とわくわくでテンパってる変なカッコのエイリアン、キム。とても初々しい。 今頃キム・ベイシンガーのコメディエンヌの才能を知るとは遅いよーと言われそう。実際遅いと思います。そんなわけで(私にとっては)意外なキム姉さんのはっちゃけぶりや、地球標準生活を宇宙人目線にずらして笑いに変える脚本も楽しくて、とても掘り出し物感のある一本でありました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-12 00:17:33)
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