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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2374
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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581.  スイート・チャリティ 《ネタバレ》 
ミュージカル映画には疎い私ですが、ボブ・フォッシーの振り付けは昔からストライクです。この映画では、60年代とは思えない切れの良いダンスに目を見張ります。シャーリー・マクレーンがNYの街中で踊るシーンの躍動感は、何度観ても素晴らしい。いろいろ意見はありますが、私はこのアンハッピーエンドのラストの方が、チャリティの健気さが出ていて好きです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-20 23:41:16)(良:1票)
582.  誘惑のアフロディーテ 《ネタバレ》 
こういうシチュエーションコメディ好きです(オチはちょっと強引でしたが)。子供が養子、倦怠期の夫婦で妻が事業を始めたがっている等他のアレン映画に共通する設定ですが、今作はそこを巧みに脚本に織り込んでいて楽しい仕上がりになっています。ギリシャ演劇のコロスを狂言回しに使うアイデアが楽しかったです。心優しい娼婦兼AV女優を演じるミラ・ソルヴィーノは可愛かったなあ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-04-20 23:36:23)
583.  ショック集団 《ネタバレ》 
B級映画の巨匠サミュエル・フラーの「呪われた傑作」です。この映画は新聞記者が狂ったふりをして入院して精神病院の中で起こった殺人事件を調査するサスペンス・スリラーですが、「狩人の夜」の名手スタンリー・コルテスが陰影の濃い不気味な映像を作り上げています。精神病院の廊下が主要な舞台になりますが、キャラがたった精神病患者が低予算を逆手にとった工夫を凝らした廊下のセットを歩き回ります。中でも、自分はKKK(クー・クラックス・クラン)メンバーだと思い込んで、「アメリカは白人のものだ!」とアジる黒人青年には度肝をぬかされました。主人公の記者は電気ショック治療(短いですがこのシーンが怖い!)を受けたりして本当に狂気の世界に入ってしまいます。殺人事件の新犯人を探り当てながらも、ラスト完全に狂って廊下に立ちすくむ記者の姿が強烈です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-04-13 21:16:04)(良:1票)
584.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 
この映画は、ルイーズ・フレッチャーの演技が最大の見所です。患者とのミーティングをするシーンでは、彼女の表情に注目してください。微妙に優しさがこもった表情をしています。この映画が紹介されるときに良く使われる写真では、彼女は鬼婆のような表情ですが、実際劇中ではほとんど見せない顔です。ラチェッド婦長は患者には絶対権力者として恐れられていますが、病院という組織の中では中間管理職にすぎません。そして母国チェコから米国に亡命したミロシュ・フォアマンは、病院組織を冷戦時代の共産主義国家体制の寓話としてこの映画を撮ったのではないでしょうか。患者を従わせるために見せかけの多数決をさせたり、自分が飲まされる薬がなんであるかすら知らせない等のエピソードは、全体主義体制を暗喩していると感じました。所詮婦長ラチェッドも体制の歯車のひとつに過ぎず、本心はマクマーフィーが見せる自由な精神に憧れを持っているのではないでしょうか。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-10 19:05:30)
585.  ウィッカーマン(1973) 《ネタバレ》 
ついに観てしまいました、伝説のカルト映画を。ニコラス・ケイジのリメイク版を既に観ていますのでストーリーは解っていましたが、リメイク版がけなされるわけがわかりました。全編に流れるフォークソングはなんとものどかで、そのため映画自体のテンポが一拍子ずれるような独特のテイストを作り出しています。まるでミュージカルのような雰囲気でした。C・リーが若々しくて、髪の毛がふさふさしているのがなんか妙です。彼が演じるサマーアイル卿は結構知的な人物で、結局彼は島民を統治するために古代ケルトの宗教を利用していますが、自分は別にそれを信じているわけではないのでしょうね。最近DVDが発売され、その中に全長版映像が入っているそうでぜひ観てみたいです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-04-10 18:56:13)
586.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 
映画史上に残るベティ・デイビスの怪演に圧倒されますが、ベイビー・ジェーンの心理が細やかに描かれていて、上質な心理劇を見させていただきました。ジェーンのメイクや髪形はベティ・デイビスが自ら提案したものだそうで、彼女の女優根性には頭がさがります。ラスト海岸でジョーン・クロフォードから事故の真相を聞かされてからは憑きものがとれたように落ち着き、なんか美しく見えてくるから不思議です。そして映画の展開からは予想もしなかったあの哀しいラストシーンでした、それにしても、あのメインディッシュがネズミのシーンは強烈でした。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-03 22:26:08)(良:3票)
587.  赤ちゃん泥棒 《ネタバレ》 
本作は、「ブラッド・シンプル」に続く2作目ですが、実におバカなストーリーとテンポの良い展開はいいですね。今まで観たコーエン兄弟で一番いいかもしれません。ラストがハートウォーミングで終わるところは予想してませんでしたが、コーエン兄弟にしては珍しく後味が良かったです。しかし、コーエン兄弟は「誘拐」というプロットが好きですねえ。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-02 21:23:43)
588.  史上最大の作戦 《ネタバレ》 
この映画は、第二次世界大戦の一つの作戦をテーマに作られた初めての映画で、実はこの映画以前のハリウッド戦争映画は、意外と製作費をかけた大作がないのです。制作後40年以上たち、その後同じノルマンディー上陸作戦がテーマの「プライベート・ライアン」が作られたりして影が薄くなっていますが、戦争映画の金字塔であることは間違いないでしょう。監督が国別パートで3人(実際にはプロデューサーのザナックもメガホンをとっているので4人)いるのでタッチが異なるところはありますが、各シークエンスがそれぞれ一つの映画にできるほど素晴らしい映像です。街中に降下してしまって全滅する空挺部隊を、教会の屋根に宙づりになったレッド・バトンズの視点で描く「サンメールエグリーズの虐殺」は、この映画でも屈指の名場面です。出演者が多くて各自の登場時間が少ないのですが、かえって大きな歴史事件を目撃しているようで良いのではないでしょうか。当り前のようですが、ドイツ語・フランス語で演技していることは評価できます。
[DVD(字幕)] 8点(2009-03-29 13:27:02)
589.  いつか晴れた日に 《ネタバレ》 
アン・リーがオースチン原作物を監督したことは意外でしたが、作品の出来は上々でした。この種の題材はジェームス・アイボリーが手がけていますが、人物像の掘り下げ方が鮮明でアン・リーの方が手腕は優れていると思います。エマ・トンプソンは目の演技がいいですねえ。ケイト・ウィンスレットを捨てて持参金つきの女と結婚するウィロビーにも最後に暖かい視線を向けているところが良いですね。アラン・リックマンがまた渋くてカッコ良い。彼のベスト・アクトではないでしょうか。食事のシーンにこだわることで知られるアン・リーですが、さすがに英国料理では見せ場が作れなかったみたいで可笑しかったです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-03-24 23:16:58)
590.  砂漠の流れ者 《ネタバレ》 
ペキンパーが撮った唯一のラブストーリーです。流れ者が定着して事業を起こすというアメリカンドリームみたいなお話ですが、ペキンパーは寓話として観て欲しかったのでしょう。ラスト、自動車に立ちふさがって轢かれて死んでゆくケーブル・ホーグに、消えてゆく西部劇が象徴されています。とにかくステラ・スティーブンスがいい。それに尽きます。この人、こんなにいい女優だったんですね。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-13 12:55:06)
591.  ラスト、コーション 《ネタバレ》 
予想以上に引き込まれる映画でした。イーは政権内では秘密警察長官の役職を務めている男ですが、自分のしていることに罪の意識を感じているわけではありません。しかし自分の妻も含めて他人を信じることができない。それは別に秘密警察長官だからではなく、きっと他の役職であっても変わらないでしょう。そんな男が反政権勢力の送り込んだ女に引かれてしまうわけです。最初は彼女の肉体に引き込まれていきますが、最後のほうではほとんど心を開いています。トニー・レオンの孤独の演技には圧倒されました。イーは土壇場でワンに告白され逃げるのですが、何も知らずに計画通り暗殺された方がイーの魂は救われたのではと考えてしまいました。思えばワンは残酷なことをしたものですね。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-02 21:21:37)
592.  マイラ 《ネタバレ》 
1960年代後半にたった2本撮っただけで消えて(消されて)しまった天才監督マイケル・サーンの傑作カルトです。アメリカでもソフト化されてないそうで、日本で鑑賞するのは至難の業ですが、15年前に大阪の民放局で「マイラ」と「ジョアンナ」の2本立て(!)で深夜放映したのを、運良く録画することができました。ゲイの映画青年マイロンが性転換手術を受けてマイラになり、マイロンの未亡人になりすまして伯父の経営する俳優学校に乗り込み遺産相続争いをするというのがストーリーです。マイロンをレックス・リード(この人はゲイで有名な映画評論家でこの配役はセルフパロディ)、マイラをラクエル・ウェルチが演じるのですが、マイラが行くところにマイロンが幽霊の様に同一画面に登場するというシュールな演出です。この作品の斬新なところは、登場人物の心象風景を往年のハリウッド映画のカットをつないで表現する点で、巧みな編集には感心します。脇を固めるジョン・ヒューストン、メイ・ウェストの怪演も見ものです。英国人マイケル・サーンはこれらの演出作法で米国文化を徹底的にこきおろし、当然ハリウッドからは総スカンを喰い、酷評されたうえX指定(日本でいう成人映画)を受けサーンはハリウッドから追放されました。アンディ・ウォーホルなどこの映画を絶賛する文化人も多かったそうです。オープニングとラストに流れるシャーリー・テンプルの歌声が耳に残ります。
[地上波(字幕)] 8点(2008-12-24 23:06:18)(良:1票)
593.  影の軍隊(1969) 《ネタバレ》 
これほど地味で暗いレジスタンス映画は観たことがないというのが素直な感想です。派手な破壊工作や戦闘場面はほとんど皆無だし、ゲシュタポに囚われた者たちも拷問されるところは見せずに、終わってボコボコになった顔の姿を見せるだけ。仲間を救出しようと救急車を仕立てて監獄に乗り込んでゆくシークエンスなんかでも、これから派手な見せ場が来るぞと期待するのに、瀕死の同志を救い出せずにすごすごと退却してしまう、これは観ていてサプライズでしたね。リノ・ヴァンチュラたちが属するのはいわゆる自由フランス・ドゴール派の組織なので、共産党系の組織・マキ団の様な派手な武力行使が少なかったからなのかもしれませんが、まるでスパイ組織のお話しみたいです。劇中では殺したドイツ兵よりも密告者を粛清した人数の方がどう見ても多い、こりゃ話が盛り上がらないわけです。でも原作者も監督ジャン=ピエール・メルヴィルも戦時中に実際にレジスタンス活動をしていたわけで、きっとこれがリアルでしょうね。戦後フランスではレジスタンス活動は神話化されていたわけで、この映画はそのタブーを無言で批判する様な意図があったのかもしれません。 レジスタンス側のフランス人は全員フランス解放まで生き残れなかったという壮絶な結末、まさにフレンチ・ノワールの巨匠メルヴィルだからこそ撮れたストーリーだったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-26 23:07:28)《新規》
594.  once ダブリンの街角で 《ネタバレ》 
どっかで観た顔だなと思ったら、おお、“男”は『ザ・コミットメンツ』のギタリストだった人じゃないですか。この人は元来プロミュージシャンなんで音楽性が高いのは当たり前ですけど、本来はこの役はキリアン・マーフィが予定されていたそうです。実はキリアンももとはロックシンガーだったそうなので、この世界線もちょっと観てみたいです。“女”はチェコのアナ・ケンドリックスという感じの容姿ですが、この時はまだ18歳だったみたいです。でも夫と別居している子持ち主婦という設定にはぴったりで、やっぱちょっと老けてるんだよな。 低予算が丸判りのオール手持ちカメラとロケ撮影の映像には、まるでドキュメンタリーかノン・フィクションの様な雰囲気があります。この映画に登場するキャラは冒頭で“男”のチップをかっぱらおうとする若い男も含めて、男女を問わずイイ人ばかりなんです。“男”の創る曲はフラレ男の元カノへの愚痴とぼやきと未練たらたらの歌詞ですが、確かに曲はイイですね。対する“女”はモーションをかけてくる“男”を頑なに拒むし、最後は“男”はロンドンにいる元カノとよりを戻せそうし、“女”は夫をチェコから呼んで新生活を始めることになる結末。まあこの結末だけじゃ“男”がロンドンでアーティストとして成功するかどうかは未知数って感じだけど、ベタなサクセスストーリーじゃないところに好感が持てます。こういう何の進展もなかった男女の出会いって、自分も含めて経験したことがある人は多いんじゃないかな、人生ってそういうもんよ。因みにこの“男”と“女”を演じた二人は撮影後にほんとに恋人になって同棲したんだとか、もっとももうとっくに別れたみたいですけどね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-02-20 22:51:54)
595.  いぬ 《ネタバレ》 
決して複雑なお話しではないはずなのに、とくに前半は独特な語り口のせいで異様に判りにくい映画になっているんじゃないかな。冒頭でモーリス=セルジュ・レジアニがなんで故買屋を殺すのかとか、モーリスとシリアン=ベルモンドとの関係性とかが特にね。こういうところがフレンチ・ノワールらしいと言っちゃえばそれまでなんでがね。登場人物たちは犯罪組織の上層部というわけではなくローン・ウルフの集まりみたいな感じなのに、妙にきちんとした服装でとくにベルモンドのトレンチコートの着こなしなんか惚れ惚れさせてくれます。完全に“いぬ”はベルモンドだと思わせといての後半での急展開はちょっと都合よすぎるところもあるけど見事な脚本でした。ベルモンドにしても決してカッコよいだけでなく、けっこう躊躇なしに人を殺すダークヒーローなんです。それにしても60年代のベルモンドは、この作品も同様ですけど死ぬ間際の一言がカッコ良いんですよ、死ぬ寸前で女に電話して「フェビアンヌ、今夜は行けそうにもない」ですからね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-02-08 21:58:13)
596.  女は二度生まれる 《ネタバレ》 
小えんはドドンパしか知らない芸無しのいわゆる枕芸者、つまり客に春を売る方が得意と言うわけ。やたらと靖国神社が映るので、たぶん神楽坂あたりの置屋の芸者なんでしょう。そんな小えんが芸者を辞めてバーのホステスから一級建築士の妾となり、その建築士と死別するまでの男性遍歴がメインストーリーです。とは言っても体を許した男たちとは短いエピソードの羅列みたいな構成で、一種の群像劇みたいな感じです。まあ昭和三十年代のお話しですから、この映画に出てくる登場人物たちの行動というか言動は、現代の観点からは顰蹙を買わざるを得ないでしょう。小えん=若尾文子からしてよく言えば自由奔放、何を考えているのか理解不能な感も無きにしも非ずです。そんな彼女に建築士の山村聰だけは彼なりの愛情を注ぎ小えんもそれに応えようと努力するのですが、だいたい愛人を囲って所帯を持たせて妻や娘を蔑ろにするってのは、ちょっとどうなんでしょうかね、まあこの頃は“男の甲斐性”という感じで決して悪行とはとられていなかったんだからしょうがないかも。山村聰にしては珍しく男の欲望に正直なキャラを演じていました。唯一小えんと純愛的な関係性を持っていた藤巻潤にしても、芸者に復帰した彼女を取引先の外人顧客に接待で上納しようとして、とにかくこの映画に出てくる男どもはどいつもこいつもろくでなし揃いですな。おっと映画館で知り合った若い工員=高見國一だけは例外だったかもしれませんね。あと不協和音が強調される妙に不安を煽るような音楽が、印象的でした。 と言うわけでちょっと変わったテイストの作品ですが、妙に後味が残るところがあります。ところで小えんはこの映画のどこで“二度生まれた”んでしょうかね、やはりラストなんでしょうかね?
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-01-31 22:01:36)
597.  セーラー服と機関銃 《ネタバレ》 
およそアイドル映画とは思えない撮り方の映画、まさに相米慎二らしいと言えるでしょう。薬師丸ひろ子の登場シーンではブリッジしているうえにセーラー服のリボンがかかって顔が見えないし、やたらに望遠レンズや魚眼レンズまで使って薬師丸の顔が小さくしか見えない、アイドル的な女優が主演していてこれほどアップが少ない映画ってのも珍しいんじゃないでしょうか。それまでの角川映画の配給先だった東宝と揉めて東映に変えたという事情もあって、角川春樹がほとんど口を出さなかったというのも大きかったのかも。ストーリー自体はかなり荒唐無稽なんだけど、思った以上にヤクザ映画的なシリアスな撮り方だったと思います。やはり当時を知るものとして思い出に残るのは、この映画が公開された時の薬師丸ひろ子フィーバーの凄さで、まさに社会現象でしたね。そして彼女が歌った主題歌の大ヒット、作者来生たかおのデモテープを聴いた角川春樹は「こんな曲はクソだ!」と言ったそうで、ほんとこの人はセンスがない(笑)。いまやアイドルソングとして80年代を代表する名曲と評価が定まっているのにねえ。有名な「カ・イ・カ・ン」のシーンも、改めて観ると官能的ですらあります。薬師丸ひろ子は御存じのように今や大女優ですが、私の中では青春真っ只中の彼女が映像に焼き付いている本作が一番です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-01-28 23:26:21)
598.  M3GAN ミーガン 《ネタバレ》 
人形ってよく考えると怖いですよね、とくにそれがリアルな造形であればあるほどね。そういう人形/人型ロボットはホラーではけっこうこすられた題材ではあるが、その中でも本作は新境地を拓いたかもしれません。 おもちゃの人形ホラーと言えばもちろん『チャイルド・プレイ』が有名だけど、チャッキーはあくまでただの人形おもちゃでそこに悪霊が憑りつくというある意味正統的なストーリー。対するミーガンは自己学習するAIを組み込んだ最新型ロボットというところがミソです。失敗作続きでクビが目前になったおもちゃメーカーの技術者が突然の閃きからこんな凄いものを開発しちゃうと言うのはちょっとご都合主義が過ぎるけど、メーガンのシステム自体は現実のテクノロジーを盛り込んだ“なんかほんとに造れそう”感があるところが良いです。記憶部分がクラウドに蓄積されるなんて“なるほど”と感心しました、なんせこれなら本体にメモリーシステムを装備しなくて済みますからね。前半がタルいという意見も見受けられますが、私はメーガンがケイディとの交流から母子感情を学習してゆく過程を丁寧に描いているので良かったと思います。ケイディの叔母のジェマはほぼ育児放棄しているような感じですから、ケイディがまるでスマホ依存症みたいに“ミーガン依存症”になってゆくのは納得できますね。後半になるとその賢くなりすぎたミーガンが完全に怪物化する展開は、もうチャッキー人形とターミネーターのパクりみたいになるのはちょっとありきたりかなと感じます、まあみんなこの展開を待っていたんでしょうがね。そこでバズったのが例のミーガンのタコ踊りダンス、確かにこれはインパクト絶大で、もっとダンスして欲しかったな。ラストの展開はまあ読めたけど、ブルースの登場は予想外でした。中盤でミーガンのデータに不正アクセスしていた社員、あっさり殺されちゃったけどこの外部流出されたデータがきっと続編のネタになるんだろうな。 確かにミーガンはおもちゃと考えると凄い製品だけど、商品化したらどう見ても一万ドルは下らないだろうな、そんな高価なおもちゃ誰が買うんでしょうかね?やっぱチャイナマネーかな(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-01-25 22:49:56)
599.  ロボコップ(2014) 《ネタバレ》 
全然違う製作陣だったけど『トータル・リコール』のリメイクが予想通りの出来だったので、しょうじき全然期待はしてませんでした。製作会社のロゴを観ればチャイナマネーが注入されていることは明白でしたが、オムニ社の生産拠点がもろ中国本土に置かれているという設定には、ちょっと頭がクラクラしてしまいました。という開始冒頭での懸念はその後も尾を引きましたが、けっこう真面目に撮られていることは確認できます。 オリジナルの傑作『ロボコップ』はなんせヴァーホーヴェンが監督でしたからグロ要素とデフォルメされたブラックセンスが満載でしたが、このリメイクはロボコップ化されたマーフィーの物語に重点が置かれた脚本で、荒唐無稽さは極力おさえられたストーリーテリングだったと思います。今作も悪の根源は当然オムニ社ですが、デトロイト市を乗っ取っているようなぶっ飛んだ存在ではなく、連邦議会の法律に規制をかけられている巨大兵器産業という感じです。本作での究極の悪役はCEOであるマイケル・キートンで、もう彼の芸風通りの悪辣さで、オリジナルのダン・オハーリヒーの様なとぼけた味わいは皆無です。オムニ社側のもう一人のキャラがロボコップ開発責任者のゲイリー・オールドマンですが、オールドマンらしくなく善玉でマーフィーを助けようと奮闘します。そう言えば彼は昔ほど悪役キャラを演じることが無くなってきている気がします、オスカー受賞したしイメージを気にするようになってきたのかな(笑)。ロボコップ=マーフィーの造形と思考なんかはより人間的になっているが、オリジナルにあった様なマシーンと化してしまって妻子にも正体を明かせないマーフィーの苦悩が観られないところはどうかと思うところです。マイケル・キートンが強烈過ぎて全般的に他の悪役が影が薄いのが難点と言えなくもないけど、軍事教官役のジャッキー・アール・ヘイリーだけは存在感を出してましたね。マーフィーの相棒も黒人刑事に変わったりしているけど、名前はナンシー・アレンの役名と同じルイスだったり、随所にオリジナルからの引用というか小ネタも使われていました。その相棒ルイスがブラック・カラーのマーフィーのコスチュームを見て、「お前、黒い方がいいな」と笑うところは、この映画で唯一笑えるところだったかもしれません。 結論としては、オリジナル版の毒味が好物な自分としては物足りないところが多々ありますが、オリジナルの無視した要素を膨らませた脚本として観れば面白いし、『トータル・リコール』のリメイクよりははるかにマシ、普通に退屈させないアクション映画だったと思います。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2024-01-16 23:32:40)
600.  ぼくの伯父さんの休暇 《ネタバレ》 
山田洋次がフーテンの寅のキャラを思いつくきっかけとなったムッシュ・ユロ=ジャック・タチがスクリーン初登場となった作品。でもユロ氏は挙動不審だけど礼儀正しいし根っからのジェントルマンで、テキ屋の車寅次郎とは大違いなのが面白い。どちらかと言うと、自分にはユロ氏のあの長身の容姿からはシャルル・ドゴールのカリカチュアだったような気もします。 フランス人と言えばバカンス(偏見か?)というイメージ通りの、ノルマンディー海岸でのホテルに集う人々の一夏をスケッチしたような作品です。劇中でともに宿泊しているユロ氏はまるで背景の様に動き回っている感じですが、彼なりにバカンスを愉しんでいたみたいです。彼は決して部外者というわけではなくて他の宿泊客もユロという名前は認識して話しかけたりしていますが、彼は好きなように行動して意図せずに騒動を引き起こしてしまいます。タチはその長身を生かしたまるで機械仕掛けのような一種のパントマイム芸で、これは彼じゃなきゃ出来ないまさにフランスのエスプリの体現という感じの名人技です。これは絶対ドリフや志村けんのコントは影響を受けていると思います。とくに私にはテニスをするときの珍妙な動作がツボでした。またユロ氏とマルチーヌの間に淡い恋愛感情が芽生えるところも良かったですね。 ちなみに『ぼく』って誰だと?という疑問ですが、これはシリーズ三作目の『ぼくの伯父さん』の方が日本では先に公開されていたのでつけられた邦題です。『ぼくの伯父さん』のユロ氏は若干キャラが変わって能動的な感じになったような気もします。宿泊客の中にいるパリから頻繫に電話がかかってくるビジネスマンとその一家も、『ぼくの伯父さん』の妹夫婦としてスライドしているような感じですね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2024-01-10 22:44:31)
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