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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2380
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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741.  ウォリアーズ(1979) 《ネタバレ》 
中二病丸出しのプロットが強烈ですよね。コニーアイランドがシマのウォリアーズが地下鉄に乗って(ギャングのくせにちゃんとカネを払って乗るのがカワイイ)ブロンクスでのストリートギャングの訳のわからない大会に出張って、騒動に巻き込まれて這う這うの体でまた地下鉄に乗ってコニーアイランドに逃げ帰ってくる、要はそういうお話しです。ウォリアーズをつけ狙うギャングたちは組ごとにキャラ付けされているのが笑えますが、如何せんどの組も弱すぎです。意味のない臭みが強烈なセリフの連続はギャグなのかなと首を傾げさせられますが、ストリートギャングなんてこんな薄っぺらな連中なんだよと訴えたかった、いやそんなわけないですよね(笑)。 でも全編を貫く不穏な空気には抗しがたい魅力があります。NYが舞台とは言ってもまるでマッドマックスの文明崩壊後の世界みたいです。この世界感にプラス1点進呈いたします。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2018-03-23 22:00:52)
742.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 
実にクドカンらしい悪ノリ映画、でも自分はこういうのはツボです。彼は劇作家なので、この映画もロック・ミュージカル劇で舞台空間では見せることのできないことがやりたくて映画にしました、って感じでしょうか。地獄の鬼たちの顔ぶれは実に豪華で、とはいってもみんなメイクがこてこてなので誰が誰だか判別不明ですけど、何とかマーティ・フリードマンだけは判りました。できればこの顔ぶれにデーモン小暮閣下(いやいや、この人は鬼じゃなくて悪魔でした)や筋肉少女帯が混ざっていたらもっと愉しかったかも。 この手の映画は人によっては好き嫌いが別れるのは判りますけど、違うサイトでこの映画に罵詈雑言を浴びせているのがありました。「自分のせいでバスが事故を起こしたんだから、地獄で仲間と会ったら土下座して謝るべきで、此奴の態度は不謹慎極まりない」なんて感じで倫理観を振り回しています。まあこの人が言いたいのは、死をテーマにしたコメディは許せない、ということみたいです。どうもわが国には映画やTVの題材となると目くじらを立てる洒落が判らない人がいるんで、困ったものです。そういうところは、舞台演劇の方がはるかに自由でアナーキーなんだなと、改めて実感いたしました。私なんか、ラストのお婆ちゃんになった恋人にキスをするインコの主人公を観て、安易に生き返らせたりしないクドカンのストーリーテリングに仏教の輪廻感への彼なりの考察が感じられ、少しホロっとさせられました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-03-16 20:43:58)
743.  パシフィック・ウォー 《ネタバレ》 
初っ端の戦闘シーンを観て一気にテンションが下がりました。インディアナポリスって重巡洋艦なんだよ、この映画ではまるで戦艦みたいな図体でどうせCG使うならちゃんと実艦に似せてくださいよ。だいたい突っ込んでくる特攻機が開戦当初の明灰白色塗装のゼロ戦なのがおかしい。細かいことにこだわるな、っていう人もいるでしょうけど、こういうところを蔑ろにしている戦争映画は、たいてい映画としての出来もひどいのが多いもんです。あの『パール・ハーバー』はこの映画の逆で、登場するゼロ戦が戦争後期の暗緑色塗装だったことが思い出されます。撃沈シーンがまた突っ込みどころ満載。船体が折れるところなんてまるっきり『タイタニック』のまんまですし、これはひょっとしてギャグなのかとマジで首をひねってしまいました。漂流し始めてからはドラマが緊迫していくはずなんですが、個々の登場人物のキャラが描きこまれていないので盛り上がらない。トム・サイズモア以外の乗組員は誰が誰だか見わけもつきません。そして登場するシャーク・アタック、このサメのCGがまたショボすぎて、これはアサイラムの製作かと思いましたよ。 まったく、ニコジーよ、少しは仕事を選べよ(怒)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-03-15 00:04:16)
744.  TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)
出演しているハーバードの研究者がいみじくも語った「築地の仲卸は魚に情報を付与して商品としての価値を高めている」、なるほどこれは目から鱗、これほど的確に卸の役割を説明するとはさすがハーバード大学です。そのためには言葉というかコミュニケーションが大事な要素で、大勢登場している老若の仲卸業者が魅力的な男たちなんでほれぼれしてしまいます。そして築地市場は株屋の世界に通じるところが多々あり、言ってみれば仲卸は証券マンみたいな存在だと感じました。年内最終日には手締めをするのも同じですしね。客として仕入れにくる有名な料理人たちも仲卸を全面的に信頼して勧める魚を買う、これなんか証券マンと顧客との理想的な関係じゃないですか。 80年前の開設当初の築地の貴重な映像も流れて、ここが時代の最先端をゆく施設だったことが判ります。果たして移転した先でこの世界随一じゃなくて唯一の市場は、どういう姿を見せてくれるのか不安でもあり楽しみでもあります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-10 23:38:59)
745.  ジェーン・ドウの解剖 《ネタバレ》 
グロ耐性が低い人にはしんどい映画化もしれませんが、正直言ってしまうとこれは掘り出し物でした。前半は推理ミステリー仕立てで話が進み、後半は怒涛のホラー展開。低予算・B級にしてはブライアン・コックスやエミール・ハーシュといったそこそこ名が知られて俳優を起用しているので?でしたが、あの『トロール・ハンター』を撮った監督のハリウッド進出第一作だったんですね、納得しました。家業で解剖検視と火葬を営むなんて日本じゃ想像もつかない話ですが、アメリカのど田舎だったらこういうのもありなんでしょうね。そして怖がらせ方が実に上手い。死体の足首に鈴をつける由縁なんか、とても効果的な伏線になっています。カーブ・ミラーに映る人影や猫の死など、説明過多にならないストーリーテリングも好みでした。 でも何とも壮絶なのはジェーン・ドゥ、つまり死体を演じた女優で、文字通り全編にわたって全裸の死体で押し通してしまいます。もちろん死体だから身動き一つせず、解剖台に載せられる時と瞼をこじ開けられるところだけしか身体が動きません。もうこれなら別に女優を使わなくても精巧なダミー・ドールで撮影することもできたんじゃないでしょうか。まあここまでの死体演技(といっても動かないだけですが)を見せてくれる映画は正直初めて観た気がしますし、彼女の女優根性には脱帽です。
[DVD(字幕)] 7点(2018-03-07 22:43:34)
746.  ダンケルク(2017) 《ネタバレ》 
一週間・一日・一時間という登場人物三人の時間軸をラストに集約させるという戦争映画では観たことがないストーリーテリングが、いかにもクリストファー・ノーランらしくて斬新でもあります。空や海上の天気は晴れているのにダンケルク海岸は悪天候気味なのは可笑しいなんて、ピント外れのツッコミを入れていた自分でした。ダンケルク撤退の映画というと、自分にはどうしてもジャン=ポール・ベルモンドの『ダンケルク』が刷り込まれているんです。ノーラン版『ダンケルク』のファースト・シーン、ドイツ軍が撒いたビラを拾うところは、完全に1964年版のファースト・シーンへのオマージュになっています。あの映画はフランス軍側の視点で描かれ厭戦感に満ちていました。でも若いと言ってもノーランもやっぱり英国人でして、救助に向かう側の「戦いはこれからが本番だ」というジョンブル魂を前面に押し出しています。考えようによっては、この映画はマイケル・ベイの『パール・ハーバー』みたいな過剰なヒロイズムで撮るという手もあったわけですが、まあ知的なノーランがそんなバカなことする訳もないですけどね。ラスト、やれることはすべてやり尽くして海岸に着陸して捕虜になるトム・ハーディの不屈の面構え、これこそ英国人という感じでした。 戦闘シーンでは、とにかくノーランのスピットファイア愛が凄かったというのが感想です。今までの彼の作風とは違い、CGを使わず実写に拘るという姿勢でしたが、これも良し悪しでしたね。海軍の軍艦になるとさすがに大戦時の実物を撮影に使うのは不可能で、登場する艦艇はもろ現代の軍艦です。せめてこういうところにはCGを使って、第二次大戦の駆逐艦を再現した方が良かったんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2018-03-03 22:04:32)(良:1票)
747.  戦艦デファイアント号の反乱
ピーター・ウィアーの『マスター・アンド・コマンダー』が撮られるまでは、もっともリアルな帆船戦争映画とファンの間では人気が高かった作品だそうです。ナポレオン戦争真っただ中の英国VSフランスの帆船同士の戦いとくれば、やはり『マスター・アンド・コマンダー』と被るところは大ですね。 紳士的な艦長(アレック・ギネス)と有力なコネを持つサディスティックな副長(ダーク・ボガード)の対立と、劣悪な環境と過酷な体罰に耐えられなくなって反乱を企てる水兵たち、というこのジャンルの要素は漏れなく盛り込まれていて、『戦艦バウンティ号の反乱』を彷彿させます。もっともアンソニー・クェイルたち水兵が企んでいるのは、反乱というよりはストライキと強訴みたいなソフトな反抗なんですけどね。 この映画の優れたところは、イングランド海軍の悪習をリアルに映しているところです。特に冒頭の強制徴募のくだりはびっくり仰天です。これは水兵が足りなくなってくると街でぶらぶらしている若い男を捕まえて無理やり軍艦に乗せて水兵にしちゃうという驚くべき制度で、もう拉致以外の何物でもありません。そしてロイヤル・ネイビーお得意の恐怖のむち打ち、これもほんとにつまらないことで課せられる刑罰なのが、この映画でもよく理解できます。戦闘シーンもリアルで、敵艦に横づけして乗り込んで剣で斬りあうなんてまるでカリブの海賊です。まあ大英帝国海軍と言ってもその起源は勅許海賊ですから、その気質はこの時代でも色濃かったのかもしれません。戦闘シーンはもちろんミニチュア撮影ですけどかなりレベルが高い特撮で、普通に航海しているシーンでは本物の帆船を使っているのも素晴らしい。 結末はあまりにきれいごと過ぎるところが鼻白みますが、時代を考慮すればなかなかの佳作と言えるでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-28 18:24:15)
748.  正午から3時まで 《ネタバレ》 
とてもヘンな西部劇、という評価もある映画ですけど、実際に観てみるとなかなか知的なコメディでした。「人間は自分に都合の良いように記憶を書き換える」と言われていますが、まさにそこを逆手に取ったような無法者グラハム・ドーシーの数奇な生涯をご覧あれ、というストーリーです。冒頭のブロンソンが見る夢のシークエンスからして「なんかヘンだな?」と心ざわつきますが、その後の筋書きは(特に後半)意表を突かれること間違いなしのぶっ飛び振りです。そして随所にぶち込まれる下ネタの嵐。ブロンソンがインポをジル・アイアランドに直してもらう展開というのも目を白黒させられますが、ジルと再会したブロンソンが本人確認のためにイチモツを見せて納得させるところなんか、もう唖然です。ここまでくればイタリア艶笑コメディの西部劇版じゃないですか。でも恥ずかしげもなくこんな痴態を見せちゃうなんて、この夫婦はほんとにラブラブだったんでしょうね。 こんなカルト映画ですが主題歌の"Hello and Goodbye"はそのメロディを聞けば「あっ、この曲聞いたことがる」と反応する人がきっといるんじゃないかと思う名曲です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-02-27 21:47:41)(良:1票)
749.  エクスペンダブルズ2 《ネタバレ》 
スタローンとステイサム、“群れない孤高の漢”キャラだった二人ですが、このシリーズではコンビ芸がだんだんといい味を出してきましたね。前作の内容はすっかり忘れた状態で観てしまいしたが、別に支障がないぐらいで独立した映画みたいな感じすらします。でもシュワちゃんとブルース・ウィリスのとってつけたような絡み具合は、いただけない。スタローン・シュワルツェネッガー・ウィリスの三人が並んで悪党退治という図柄は、ファンにはたまらないサービスではありますけどね。でも彼らを完全に喰ってしまったのはヴァンダムの悪役ぶりです。彼も自分の需要がどこら辺にあるのかようやく自覚出来てきたのかもしれませんが、悪役じゃ主演を張れないというのは悩むところかもしれません。でもこれに懲りずに、これからも憎々しく残忍な悪人を演じて欲しいです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-22 21:29:33)
750.  ブレア・ウィッチ・プロジェクト 《ネタバレ》 
有名な作品ですけど、このたび初鑑賞。正直いってこれが『死ぬまでに観たい映画1001本』に載せられる出来の映画だとは思えなかったのですけど、POVというという画期的な映画手法の開発で世のカネのない映像小僧たちにチャンスと希望を与えた功績は大なのかもしれません。結局のところブレア・ウィッチとは何であったのかという解明はなかったわけですが、こういう投げやりみたいなストーリーでもアリなんだ、ってことを映画製作者たちに気づかせたことも、その後の映画の流れに影響を与えてくれました。得体のしれないウィッチよりも数百倍怖いのは三人の人間関係の壊れっぷりで、この手のPOV映画としては必須の要素ですけどさすが元祖だけあって、けっこうリアルです。 教訓:やはり女性に地図を読ませたらあかん(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-02-18 21:20:57)
751.  トータル・リコール(2012) 《ネタバレ》 
ヴァーホーヴェンのオリジナル版がなぜ今でもカルト的な人気を保っているのか、考えてみてください。フランケンシュタインみたいな大男がど下手な演技で地球と火星をまたにかける大活劇を見せてくれるのに、あのラスト・カットが象徴する「実はみんなシュワちゃんの妄想だったんじゃないか」と観る者の胸をざわつかせる不思議な世界感。こんな大事なファクターをばっさりと切り捨ててリメイクを製作したんだから、ただの平凡なSFアクション映画となってしまったのは当然の帰結でしょう。「リメイクなんだからオリジナリティがないのは当たり前」と製作者に開き直られても困りますが、でも、これほど引用というかパクりが多い映画も珍しいと思います。『ブレードランナー』から始まっていちいち挙げたらきりがないけど、地球と火星のお話しだったのをロンドンと豪州に置き換えたというスケールダウン感を補うために地球を突き抜けるトンネルでつなぐという奇想天外なアイデアも、『ザ・セル』の応用パクりなんじゃないの?しかし映像的にはかなり見ごたえがあるシーンではありました。でもその車輌(?)の外に出れちゃうのはなんかヘンです。あのトンネル内部には酸素があるんでしょうか。ふとそこで思い当たったんですけど、リオ五輪閉会式で話題になったマリオが東京からリオまで行った土管って、ひょっとして本作がアイデアのタネだったんじゃないのかな。プランナーが電通の人だからあり得る話だと思います。 この映画で特にバッサリと斬り捨てられたのは、オリジナルが持っていたあのグロ要素です。マサイアスなんてあっさり殺されるキャラなのは承知ですけど、本当にただのおっさんでしたからがっかりです。ビル・ナイのことですからなんかやってくれるのかなと期待してたんですけどね。でも、コリン・ファレルがロンドンに侵入するところで、ゲートの前にいるおばさんがオリジナル版のおばちゃん仮面とそっくりだったのがクスリとさせられました。あんな下らない仕掛けをストーリーとは関係なく仕込んでも効果が薄いんですよね、この監督のセンスのなさが偲ばれます。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-02-16 16:18:02)
752.  ソウ ザ・ファイナル 3D 《ネタバレ》 
ソウ・マラソン、ついに完走 (実は二回目です) ! さすがにラストを飾るだけあって、シリーズ中でも突き抜けたスプラッター度です。本作の例のオープニング・ゲームは、バカバカしさではこれもシリーズ中でも最高峰で、もうコメディの域に達しております。メインのゲームはゲーム生還者を騙るウソつき男を成敗するわけですが、密室と化した建物に閉じ込めて進行させる例のパターンも、もう拷問スプラッターのテーマパークのアトラクションみたいな感じですね。さすがにUSJじゃムリでしょうけど、どこかのテーマパークで、“ソウの館”って感じでやってみたら、流行るかどうかは別にしても少なくとも話題にはなると思いますよ。 完全に“ホフマン無双”というのが本作の主題みたいなもんで、「此奴のどこがジグソウの後継者なんだよ!」と言いたくなるモンスター・キラーぶりです。もう何が目的なのか、観てる方もですけどホフマン刑事本人も訳が判らなくなっちゃってます。死体袋に入って警察署に侵入してからのまさに阿修羅のごとき殺戮の嵐はモンスターとしか言いようがないです。最後にジルまであんな殺され方とは、彼女は最後まで残ると思っていたのに、ちょっとショックでした。けっきょくこのシリーズでは主要登場人物がほぼ全員死ぬという画期的なパターンを造ったわけですが、まさか唯一生き残ってシリーズにゲーム・オーバーを告げたのがあの人だったとは… このシリーズを総括すると、連続TVシリーズのストーリーテリングの手法を映画に持ち込んだということになるんでしょうね。TVドラマと違って、一話が年に一回しか観られないというのがちょっと特殊ですけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-02-11 23:59:06)
753.  弾丸特急ジェット・バス 《ネタバレ》 
70年代に流行ったパニック・サスペンス大作がひと段落してた頃、作るべくして撮られたパニック映画のパロディものです。などと言っちゃうと(でも他に言いようがないんです)といかにも志しが低いと感じますが、意外とムダに豪華なキャスティングではあります。と言ってもネッド・ビィーティやリン・レッドグレーヴなどの渋い顔ぶれですけどね。 プロットははっきり言って超おバカです。バス会社がなぜか社運をかけて原子力バス(!)を開発してNY→デンバー間のノン・ストップ路線を始めるという、バカバカしさ満開のプロットで嬉しくなってしまいます。それを劇中に説明がないんで正体不明の“アイアンマン”という大富豪が爆弾を仕掛けて妨害しようとします。“アイアンマン”と言っても例のアメコミヒーローではなく、なぜかいつも鉄の肺(そういや昔こんな医療器具がありましたね、たしかポリオ治療用だったかな)に入っていて顔だけ出して部下に命令するヘンな奴、これを名優メル・ファーラーにやらせるんだから泣けてきます。考えてみると、お話自体は『チキチキマシン猛レース』みたいな感じです。小ネタのギャグでくすぐりながら20分経ってようやく原子力バス・サイプロス号が登場、驚くことに二階建てバスを二台繋げて実走するプロップを造っちゃったんですよ。最後部にジェット・バスですからジェット・ノズルもちゃんとつけてあり、このモンスター・バスが走ること走ること。まあそれだけが見どころの映画ではありますけど。 このバスが走り出してからの車中で繰り広げられるギャグは、前半のキレがなくてグダグダしてるだけの典型的なB級コメディです。まあ若き日のストッカード・チャニングがエリザベス・テイラーにそっくりだったことを再認識できたことが、この映画の唯一の収穫だったかな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-11 01:18:30)
754.  ダイ・ハード/ラスト・デイ 《ネタバレ》 
出来損ないの映画だとは聞いていましたが、まさかここまでひどいとは想定外でした。まず、娘は第一作から登場してますけど、ジョン・マクレーンに息子がいたなんて設定自体が無茶苦茶かつデタラメもいいとこです。そしてそいつが父親も知らないうちにCIAのエージェントになっていたなんて、脚本書いててちょっとやり過ぎだと思わなかったんですかね。このゴリラみたいな若造がマクレーンの息子だと言われても、あまりに似ていなさすぎて笑うしかありませんでした。でも父親からは不死身特性だけはしっかりと遺伝されているのは判りましたけど、ラストでブルース・ウィリスに「マクレーン家の男は不死身だ」と言わせちゃうんだから、シャレにもなりません。ストーリーもこれまた突っ込みどころ満載で、モスクワから車でその夜のうちにチェルノブイリにまで行っちゃったのには、苦笑するほかはありません。その間の距離は優に1000キロはあるはずなのに、あれじゃ東名高速を飛ばして東京から静岡まで行ったみたいな感じですからねえ。そのチェルノブイリでの決戦も、例によって暗くて何が起きているのかさっぱりわからない映像ですから、ストレスがたまります。 そして最大の疑問は、これって本当に『ダイ・ハード』シリーズの最終作なのかということ。原題にはどこにも“Last”や“Final”という単語はないし、まるで『アルマゲドン』を彷彿させるようなラスト・シーンからも「まだまだやるぜ!」感がプンプンするんですけど…
[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-02-05 23:34:51)(良:1票)
755.  T2 トレインスポッティング 《ネタバレ》 
ご存知ダニー・ボイルの出世作、期待やリクエストがあったわけじゃなかったのにまさかの20周年での続編製作とは、ちょっとサプライズでした。20年経ってもベグビーはムショの住人、スパッドは相変わらずのヘロイン中毒、シック・ボーイは美人局で稼ぐ小悪党、とだれもが予測したような現状。20年前に仲間を裏切ってオランダに逃げたレントンだけは“人生を選んだ”のかと思いきや、幸福をつかみきれずにスコットランドに逆戻り。けっきょくこの20年間ですっかり大物になって、このままキャリアを積めばサーの称号もつきそうなダニー・ボイルだけが、“人生を選べた”ってわけですね(笑)。おっと、前作で紅一点の遊び好き女子高生だったダイアンも、しっかりやり手弁護士となっていたの忘れちゃいけませんでした。 そんなダニー・ボイルの「初心忘るべからず」という心構えがこの続編製作に彼を駆り立てたのかもしれません。また大陸から故郷に逃げ帰ってくるレントンの姿も、いわゆるブレグジットでEU離脱した英国の現状を風刺していると捉えることもありかなと思います。ストーリー自体は前作に感銘を受けてないと入り込めないんじゃないかと思います。ところどころで印象的に挿入される前作の映像ショットで判るように四人とも過去にとらわれ過ぎていて全然進歩がなく、ヴェロニカに「あんたらは昔のことに拘りすぎてて気持ち悪い」と言われちゃうのも当然です。でもその中でもスパッドがヘロ中から脱却し意外な文才を見せてくれたのが、唯一の救いだったかもしれません。このスパッド役のユエン・ブレムナーだけが、20年経っても全然風貌が変わってないんです、ほんとこの人は面白い役者です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-02 23:34:00)
756.  ソウ6 《ネタバレ》 
ホフマン刑事がどんどん前面に出てくるようになりました。そりゃジグソウの後継者なんだから当然のことでしょうけど、この人ジグソウに較べるとあまりにやることが雑なうえにお間抜けなので、腹が立ちます。考えてみりゃジグソウはあまりにも用意周到過ぎて辟易となるぐらいですから、ホフマン君の方がリアルな存在と言えるのかもしれません。 本作のゲームは、自分にはシリーズ中で屈指の痛さだった感じがしました。まるで『ベニスの商人』のシャイロックの要求みたいなオープニング・ゲームは、直視できないぐらいです。でも観続けていると疑問に思わざるを得ないのは、この冒頭に出てくる本筋に関係ないゲームは、いったい何なんでしょうね?単なる観客に対するサービスと解するしかないでしょう。ホフマン刑事のキャラも単なるサイコパスになってしまってますけど、彼の行動には何かウラがあるのかと観続けて来た者としては、がっかりです。あとアマンダの秘密やジルの共犯関係などは、いかにもシリーズ製作中の後付けという感じがプンプンです。ここら辺は、連続TVドラマシリーズの手法と一緒ですね。 ラストのサプライズはさすがに「そうだったのか!!」と唸ってしまいました。観客でこの人間関係を予測できた人は、果たしていたでしょうかね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-29 22:59:54)
757.  恐喝こそわが人生 《ネタバレ》 
題名からして凄いけど、これが東映じゃなくて松竹配給の映画だってことがまたすごい。このころは城戸四郎がまだ松竹に君臨していたはずなのに、ほんと血迷っていたとしか言いようがない状況だったみたいですね。監督が深作欣二で松方弘樹や室田日出男がメインとなるとまるっきり東映ヤクザ路線でございます。 当時としてはスタイリッシュな撮り方をしていますが、内容的にはピカレスクな青春映画という趣きも無きにしも非ずです。特に中盤までの雰囲気は、野郎が一匹多いけどアラン・ドロンの『冒険者たち』の様な雰囲気もあります。中盤で政界の念書を巡るゴタゴタに関わるようになってからはガラリと感じが変わってきますが、まるでアメリカン・ニューシネマの様なすべてが徒労に終わってしまう結末は悪くないです。あの血をだらだら流す松方弘樹の暗殺シーンが本当のゲリラ撮影だったとは、やっぱ60年代はとんでもない時代だったんですね。三原葉子・丹波哲郎・天知茂など新東宝の残党組が大挙してして出演しているところも、特筆すべきでしょう。と言っても、丹波のほかはいずれもワン・シーンだけというただのちょい役という可哀想な扱い。丹波だって映像になっているのは合わせて1分ぐらいですかねえ。新東宝が倒産してからずいぶん経っている頃なのに、ちょっとひどい扱いです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-01-27 22:29:00)
758.  ヒトラーの忘れもの 《ネタバレ》 
当時にはすでに地雷処理用の特殊戦車が運用されていたから、何百万個の地雷を処理するならこれを使った方が効率よかったはず。デンマーク軍はそんな戦車を持っていなかったし、他国から借りてくるのはコストがかかるのでドイツ兵を使って処理させた方がもちろん安上がりだったということでしょう。でもデンマークは大戦初期にドイツに降伏しているので交戦国ではないので、彼らドイツ兵はデンマークの捕虜ではないはず。つまり米軍か英軍の捕虜を貰ってきて作業させた感じで、これは一種の奴隷使役みたいなもので、どう考えてもジュネーブ条約に違反しているんじゃないでしょうか。戦争に勝ったら何でもありと言うのが、残念ながら国際政治の現実なんです。 冒頭からの少年兵たちの地雷処理のシーンは、緊張感がピリピリ伝わってきます。でも時がたつにつれてなれと言うか緊張感が薄れてくるのが映像からも伝わって来て、あのトラックごと大爆発につながってしまいます。彼らに対峙するデンマークの軍曹の人物造形が秀逸なので、この映画に深みを与えています。普通の脚本なら少年兵と軍曹が心を通わせるようになるというヒューマニズムが強調されるところですが、愛犬が爆死して雷に打たれたように軍曹の態度が一変するところには、いろいろ考えさせられます。「たとえ敵兵とはいえ、こいつ人間より犬の方が大事なのかよ」とも感じてしまいますが、この心情は犬を飼っている人には痛切に伝わるんじゃないでしょうか。戦争で心を閉ざしてしまった孤独な軍曹の、人間としての成長がこの映画の隠れた主題なのかもしれません。いい映画だったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-01-25 23:44:52)
759.  地獄のバスターズ 《ネタバレ》 
ご存知『イングロリアス・バスターズ』の元ネタですけど、ほとんど共通点はございません。逆に言えば、この映画からあの脚本を書けるタランティーノの才能には驚愕させられます。でもこの元ネタの方も、同時期に粗製濫造されていたマカロニ戦争映画とは一線を画す面白さがあるのは確かです。まあチープなオープニング・タイトルだけは、いかにもマカロニですけどね。 英語・独語・仏語のセリフ回しはきちんと使い分けられていますが、米軍将校が独語に達者だったりドイツ脱走兵が英語も喋れたりなど、さほどひねくり回した設定でもなく返ってご都合主義という印象すら観客に与えるかもしれません。でもここからヒントを得て、あの言語ミステリーの様なストーリーを考え付くタランティーノがやはり天才なんでしょうね。本作を面白くしているのは脱走囚人兵たちがドイツ兵の軍服を着た本チャンの特殊部隊を皆殺しにしちゃうところです。ドイツ脱走兵が「アメリカ兵だ!」と叫んで裏切ったと思われて射殺されるところなんか、よくこんな展開を考え付いたなと舌を巻きました。前半ではバスターズが射的のようにドイツ兵を殺しまくるシーンの連続で、いくら何でも無敵すぎるだろ、と突っ込みたくなりますが、最後に生き残ったのは二人だけだったので良しとしておきましょう。でもその殺され役のドイツ兵たちもいろいろ凝った死に方で、さすがマカロニ戦争映画だと感心しました。イタリア映画界にも日本の殺陣師みたいなスタッフがいるんですかね。列車がらみのアクションもどう見てもバスターズ役の俳優が実際に演じているみたいなのは、地味にすごかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-21 23:35:21)(良:1票)
760.  ペトロフカの娘 《ネタバレ》 
モスクワ駐在のアメリカ人記者と、故郷を離れてモスクワに不法滞在している不思議ちゃんなロシア人娘との悲恋です。この不思議ちゃんを演じますのが、我らがゴールディ・ホーンでございます。このころのゴールディは、そのキュートさがピークを迎えようとしていた時期なので、その殺傷力は半端ないです。彼女のキャラは『キャバレー』のライザ・ミネリみたいな感じで、政府の大臣からソ連では御法度のジャズ・ピアニストまで幅広くお付き合いする惚れっぽい女です。大臣の愛人なのに囲われ者的な暗さは微塵もなく、父親ぐらいの年齢差がある男でも心底惚れている感じが、いかにもゴールディらしくてイイです。実はこの大臣が度量の広いというか融通の利く男で、ハル・ホルブルック演じる特派員やアンソニー・ホプキンス演じる反体制的な体育教師ともみんな友達という感じで、この人間関係も『キャバレー』と通じるところがあります。 が、しかしですね、この映画は脚本の出来が良くありません。肝心のゴールディの魅力を活かしきれていないんですよ。不思議ちゃんのくせに突然に愛国者みたいな言動をしたりで、どうもキャラ設定がぶれてるんです。その半面、この映画のハル・ホルブルックは実に魅力的な男です。よく観るとオマー・シャリフを西洋人にしたみたいな表情が渋すぎです。この人は現在も現役の息の長い人ですけど、けっこうフィルモグラフィは豊富な割にはあまりに過小評価されてきたんじゃないでしょうか。 ラストでゴールディは身分証を持っていないことがばれて逮捕され、5年の流刑となってハル・ホルブルックとの永遠の別れになってしまいます。普通の国では「えっ、これが犯罪なの?」ということなんですけど、そこは共産主義国家の恐ろしいところです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-19 23:02:51)
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