841. ショコラ(2000)
《ネタバレ》 宗教色の強い観方も出来そうですが、あまり深く考えない方が観賞後の後味はいいと思います。 「サイダーハウスルール」は黒人と白人の隔たりを強く描写した一方で、本作は保守的な町にやってきた幸せ配達人という、これまたオーソドックスな作品です。 「サイダーハウス」は予告編を観た時から、すごく満足しましたが、本作はジャケットと邦題タイトルの時点で観賞意欲が湧きにくいですね。ジョニーデップ、そんなに出ていないし。 チョコレートが禁断の果実なんでしょうか?(笑) 主人公に近づいてくる人達は皆、心に傷を負った人達。完璧な人格者とされる伯爵でさえ、その完璧を目指す人格のプレッシャーゆえに女房に逃げられているという設定。チョコ作りをしているヒロインと男と駆け落ちしてしまった女房の服に鋏を入れ切り刻もうととするカットは、何が罪で、何が許されるのかという、この監督作品ならではの上手い演出ではないでしょうか? ラスト、ヒロインの家に戻ってきたジョニー・デップが「まだドアがきしむか気になって…」というセリフは格好いいですね。 最近ハズレばかりが続く映画観賞で久々に素晴らしい作品に巡り合えました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-10-30 01:23:36) |
842. 新・刑事コロンボ/迷子の兵隊<TVM>
マンネリ化したエピソード。毎度お馴染みのしつこいコロンボには、もうウンザリ。他のレビュー同様、これ以上感想が書けない。来週も観ようと思う人がいるだろうか…THE END [CS・衛星(吹替)] 3点(2010-10-29 01:53:42) |
843. 理由なき反抗
《ネタバレ》 子供の頃観た時は内容を全く理解できませんでしたが、今回の観賞でよくわかりました。銃を持った少年プラトンは、まだ恋も知らない、ただ友達が欲しかっただけなんです。両親は養育費を渡せば親の責任は果たせていると考えていて、主人公のジムに精神病院に通っていることを打ち明け、孤独と戦っていたんです。そのジムの家庭も尊敬する親父がスーツにエプロンという、母の尻に敷かれている姿にウンザリして転向する前の学校でも今回と同じような反抗を繰り返してきたのです。転向する前に、どんな問題を起こしたのか描かれていませんが、冒頭の泥酔状態からトラウマを抱えていることは伺い知れます。 ところで、今回の観賞で「バック・トゥ・ザ・ヒューチャー」は本作をオマージュに使っていることに気付きました。 1955年の喧嘩はナイフや銃を出したりと危険一杯ですね。ジェームス・ディーンを魅せるためだけの映画と解釈している人が沢山いますが、刺激を感じないのは現在に至るまでに同じような作品を沢山目にしたからではないでしょうか?それでも、この作品には普遍的に続く親子のギクシャクした関係がしっかりと描かれていて、私の人生経験と重ね合わせることが出来た素晴らしい作品でした。でもチキンレースで死者が出た夜にラブストーリーっていうのはどうも…。監督は一夜の出来事にしたかったのでしょうね。私的には、そこに納得がいかず、10点にならなかった理由です。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-10-26 05:33:03) |
844. マラソン(2005)
《ネタバレ》 可でも不可でもない評価が沢山目についたが、私も同じ感想を持った。 しかし、日本で作られるテレビ局がスポンサーについたドラマよりは価値があると思う。 私自身、障害者で今は一人で生活しているが、自閉症の子供を持つ母親の苦労というものは想像以上に辛いと思う。 しかし、本作では、その母親の苦労は周囲からの冷たい視線ばかりが多く見られ、もっと他に辛いことはあるだろうにと、ツッコミを入れたくなる。 プールに溺れた母親の視線から映る息子の姿をきっかけにストレスが爆発したのだろうか?突然マラソンを否定する母親の気持ちがイマイチ感情移入できない。 実話、実話といえば感動すると思ったら大間違いだ! 本作の宣伝マンのセンスを疑ってしまう。 マラソンに再起してから、スーパーマーケットや地下鉄の駅、草原でシマウマと走ったりする演出は失敗だと思う。 私は見過ごさなかったが、駅でチカンされた女性と青年を殴った男まで応援していたのにはマイッた(笑)。 全編通して、父親、弟、コーチの描写が中途半端。実話にこだわらなくても、母一人子一人にしてしまえばいいかと思う。 [DVD(吹替)] 6点(2010-10-26 00:45:44) |
845. 新・刑事コロンボ/幻の娼婦<TVM>
《ネタバレ》 新・刑事コロンボになって3作目、ようやくまともなエピソードに巡り合えた気がする。 ネームバリューのあるオールドミス、隠れて浮気している恋人の口から出た自分への侮辱、そして女は化ける…この最初の設定はとても面白いと思う。 セックスカウンセリングが舞台ともあって世間では、このエピソード、賛否両論ではあるが、トリックの解明ばかりでなく、男と女の単純な心理描写がよく描かれていて、昔のコロンボに通ずるものがある。 しかし、新シリーズになってからというもの、毎回コロンボはいきなり犯人の前に出くわし、もうすでにコイツが犯人だということを前提に捜査を進めているようでならない。 加えてコミカルなシーンが多すぎて、肝心の捜査シーンがカットされているので、いつもコロンボと犯人は相棒のように一緒にいるようにもみえるのが残念。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2010-10-24 04:02:26) |
846. コンペティション(1980)
《ネタバレ》 ピアノコンペで最終的に残った5人の群像劇といいたいところだが、メインはリチャード・ドレイファスとエイミー・アーヴィングのラブストーリー。 ピアノの演奏能力が判断できない私たち観客も演奏の間に繰り広げられるドラマとキャラクターで誰が優勝するのか途中で分かってしまうのがマイナスな部分。 それに加えてドレイファス演じる主人公のヒロインに対する態度が気まぐれで勝手な行動が多く、私個人としては許容範囲を超えてしまっている。 優勝祝賀パーティーが盛り上がらないのはどうでもいいとして、ドラマ全体を通しても全く感動が伝わってこない。 ヒロインの教師役のリー・レミックはミスキャスト。彼女はもっと純粋な役柄を選ぶべきだと思う。 ドラマ自体薄っぺらい反面、ピアノ演奏は素晴らしい。 しかし、一年後には記憶から抹消されていると思う。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-10-24 01:51:36) |
847. 愛情物語(1956)
クラッシック映画が好きな私ですがタイトルがダサいので今まで敬遠していました。 辛口なこのサイトでかなり高得点だったので観ることにしましたが、今まで観賞しようと思わなかったことに後悔しました。 この映画が放送された数日前にもビリーワイルダー監督の「情婦」に出演していたタイロン・パワーですが、この作品のほうが魅力的に思えました。 「ハイジ」「ネロ」「マルコ」など、昔放送されていた世界名作劇場が未だに忘れられない人には、もってこいの作品です。 ミュージカルではないのですが、音楽の素晴らしさとギクシャクした親子関係のコントラストがとても素晴らしく描かれています。 「愛情物語」って邦題、本当に愛情の物語なんですね。 主人公は天国と地獄を行き来してラストシーン、誰があんな演出を思いついたのでしょう。 そういう意味も込め、自分自身忘れることのないように、私の10点の評価リストに入れさせてもらうことにしました。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-10-20 04:56:55)(良:2票) |
848. 新・刑事コロンボ/狂ったシナリオ<TVM>
マンネリ感は否めない。ここまでくると「古畑任三郎」と同じレベル。 コロンボは登場シーンから犯人が誰なのかわかっていたかのようだ。 まるで犯人はお前だというかのようなコロンボのセリフの数々。 私が思うに、「刑事コロンボ」の面白いエピソードの共通点はコロンボが犯人に会いに来る回数は3、4回がベストだ。 犯人に何度も訪れるコロンボ。あちこち落としてある被害者の私物…。 正直疲れた。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2010-10-14 22:58:53) |
849. アンドロメダ・・・
《ネタバレ》 最近「地球外生物の存在が確認(?)」されたニュースのせいか、とても興味深く観賞することが出来ました。 子供の頃、テレビのロードショーで放送された数少ないSF映画の一つで、当時はレーザー光線に感動しただけで、話の内容は全く理解できませんでしたが、今、再び観賞して本作のストーリーを理解できました。 ただ、対象物の弱点が意外にあっけないものだったので拍子抜けしてしまった感もあります。 自爆スイッチのキーを持つ資格が独身でなければならない点は笑えました。 それなりにスリルがあって面白いですが、娯楽映画として期待してはいけません。 眠れなくて目が冴えてしまって、どうしようもないときに観賞するのがベストだと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-14 03:14:47) |
850. ザ・プレイヤー
《ネタバレ》 渋谷の有名レンタル店で「家族で楽しめる映画第2位」に本作が並んでいました。 予備知識なしで観るのが私の楽しみなのですが、どうもジャケットのイメージと違い、冒頭から戸惑いを感じました。 ハリウッドの世界に特に興味もないので、これがリアルなのか私には判断できません。むしろパーティーなどでドラッグでもやってくれたほうが雰囲気が出るような気がしました。 映画の中で主人公がヒット作に必要な要素を沢山挙げる中で「ハッピーエンドが必要」と言ったことに、ヒロインが「リアリティーは?」と質問するシーンが本作の要(かなめ)になるのではないかと思います。 要するにヒット作と魅力ある作品の違いを訴えたいようですね。 ラストでブルース・ウィリスが出てくる映画のラッシュはメチャメチャ安っぽい作りでしたが、個人的には本作よりも、そちらの映画の方を観たいと思ってしまいました。 リアルタイムだったら新鮮味を感じたかもしれないけど、ハッキリ言って無駄なシーンが多くて、つまんなかったです。 [DVD(字幕)] 4点(2010-10-13 00:31:31)(良:1票) |
851. キング・オブ・コメディ(1982)
渋谷の有名なレンタルショップで、家族で楽しめる映画No1で20本近くがほとんどレンタルされていました。 小学生の頃に観賞したときは、なんてつまらない映画なんだろうと思いましたが、久々に観賞しても、何故この映画が1位なのか、未だに理解出来ません。 他のサイトでは「タクシードライバー」のブラックコメディ版と紹介していましたが、やはり笑わせようとはしているんですね。 英語が堪能でアメリカンジョークに爆笑できないと完全理解は無理なんでしょうか? 私は一度も笑えるシーンを見つけられませんでしたが、この主人公とグルーピーの二人の行動は大人しくバーテンダーに身を置いている黒人女性よりは、ずっと魅力的な人生を歩んでいるように思えます。 確かにやりすぎかもしれませんが、スターになるには、あれくらいの行動と勇気が必要なんじゃないでしょうか? 観賞した後に監督がスコセッシだと知りました。 「な~んか、アイツっぽいな…」とは思いました。 スコセッシ監督の作品はダラダラしていてドラマの振幅も狭いので私には相性が悪いのです。 そういう生理的に合わない監督って誰にでもいますよね? [DVD(字幕)] 5点(2010-10-12 18:49:32) |
852. ウエスト・サイド物語(1961)
子供の頃テレビで観て前半のダンスに感動しました。この映画の主演がジョージ・チャキリスと勘違いされるのは例の有名な片足を上げるシーンが必ずCMで使われるからではないでしょうか? 数年前に来日したジョージ・チャキリスは全くといっていいほど変わっていませんでした。 今回、この映画を放送する前に5,6分間、市村正親さんが熱烈に本作の素晴らしさを自分の体を使って訴えていましたが、あれはNHKの上手い手だなと思いました。 あの対談を観たら、その後に続く本編を観ない訳にはいきません。 度々タレントのタモリさんが、会話の途中で突然歌い出すというミュージカルが全然理解できないと言ってますが、それを聞くと私は必ず「ウエストサイド物語」を思い出してしまいます。 映画通の人が「あの曲はナタリー・ウッドが歌っているんじゃないよ」と言ってました。 空手をやっている友人が「あの蹴りでは相手には効かない」と笑っていました。 そんな人が周囲にいる中で、この作品の全てを感動出来る自分がいることに幸せを感じます。 この作品に足りないものは何なのでしょうか? 私にとって「サウンド・オブ・ミュージック」と並んで満点以上のミュージカル映画です。 観客の心を揺り動かす全ての要素が含まれていると思います。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-10-11 01:37:03) |
853. 新・刑事コロンボ/汚れた超能力<TVM>
《ネタバレ》 被害者と加害者が同じ刑務所にいたという過去をアメリカ軍やコロンボが最初に調べていないというのは、どうも納得がいかない。その刑務所暮らしをしていた二人が出所して超能力者やマジシャンになった経緯、そこに何の繋がりもない。 超能力とか科学技術なんてものは年々新しくなっていくものだから、ネタとして使われると作品自体古臭いものに変わっていく。その古臭さをなくすには、やはり超能力はインチキという結末でなければならないのだ。 ラストシーンで犯人に少しでも良心があればコロンボはギロチンで首が落ちていたはず。 それにしても、これだけの証拠(推理?)で第一級殺人というのは腑に落ちない。私の理解力がないからだろうか? [CS・衛星(吹替)] 5点(2010-10-08 00:11:07)(良:1票) |
854. テンプルちゃんの小公女
日本のアニメ「小公女セーラ」のDVDを全46話観たあとに観賞しました。 原作未読ですが、どちらを先に観るかで感想も違ってくるかと思います。 一年間ひたすら苛められる日本版アニメの「セーラ」と違い、当時有名子役スターのシャーリー・テンプル版はタップダンスや歌のシーンが多く挿入され、明るいカラーを出しながらも、戦時中のイギリスを舞台に、アフリカで戦死した父の通報を受けたセーラが、父は絶対に生きている!と信じ続けるという全く違ったテーマを描いています。 ストーリーは同じなのですがテーマが違うので比較できません。 私はどちらも好きです。 本作はアメリカで大ヒットしたそうですが、アニメ版も当時、日本とフランスで高視聴率を取ったそうです。 ただ本作はアニメでは重要なキーパーソンだったインド人の存在が何だったのか疑問に残りました。きっと原作では重要な役だったのでしょう。 今からでも遅くない。タイトルを「小公女セーラ」に変えた方が興味を抱く人は増えるかと思います。 [DVD(字幕)] 9点(2010-10-03 00:41:15) |
855. 囚われた女<TVM>
タイで麻薬密輸の濡れ衣を着せられた女性と、そのタイで行方知れずだった父が娘のために無実を突きとめようと悪戦苦闘する姿を同時進行で描いたテレビムーヴィーですが、まずはビデオのジャケットに騙されてはいけません。ニコール・キッドマンは表のジャケットのようなミステリアスな顔ではないし、裏ジャケの「ニコール・キッドマン、禁断のヌードが鮮烈に蘇るエロティック・ロマン」……嘘デタラメのキャッチコピーです。冒頭でシャワーシーンがあるのですが0,1秒乳首が見えるだけ。終始ロングスカートなので脚線美など全く見ることはできません。 ニコール・キッドマンが有名になったので過去の作品を掘り出して販売したようなものです。 作品そのものの出来栄えですが、やはりテレビドラマだけに「パピヨン」や「ミッドナイト・エクスプレス」のような壮絶なものもなく「チェーン・ヒート」のように看守にレイプされるなんてこともありません。 父親の追跡捜査と過去の記憶の葛藤が半分を占めていて、私には父親の方に感情移入してしまいました。 やはり、タイみたいな国では「真実は正義なり」とはいかないようです。 途中からエンターテイメントに変わっていきますが、2時間25分、テンポのいい展開で飽きることなく、なんとか観賞できました。 因みに、以前「女囚映画マニア」のサイトなんてものを偶然見つけて、覗いてみると管理人曰く「主人公の女は冒頭10分以内に刑務所に入らなければ駄作」と書かれてあったのを覚えています(笑)。本作はまあギリギリってところです。 「プリズン・ブレイク」の主人公は冒頭3分で刑務所に入っていましたけどね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-09-29 20:51:22) |
856. 荒野の七人
上映されてから今年で半世紀が経つんですね。もうテレビ放送で何度も観ていますが、民放でCM編集でカットされていても面白い作品です。 友人に勧めたことがあるのですが「もうオリジナルを観たから」と言われてしまいました。そういう捉え方をされるのが残念です。 「七人の侍」より優れている点もあると思いますよ。 壮大なテーマ曲、後にスター街道を走る個性豊かな俳優たちの名演。 そして何よりも、歩き方、視線の持っていきかたなど、細かい仕草、全身黒のコスチュームのユル・ブリンナーの存在。 久々にな~んとなく観てしまいましたが、やはり面白いものは面白いのです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-09-29 17:02:46) |
857. 君がいた夏
《ネタバレ》 ジョディ・フォスターの魅力を期待しての観賞ですが、ジョディの出演時間も少なくて何にも残らない映画でした。主人公の青年が昔を回想していく設定もサブキャラのストーリーが意味もなく挿入されていて、いったいこれは何がメインストーリーなのか混乱するばかりです。ジョディ演じる従姉妹が自殺した経緯も全く説明がないし、BGMをオールディーズにしただけでは時代背景は全く伝わってきません。ガッカリ……。 [DVD(吹替)] 3点(2010-09-22 19:55:36) |
858. フルメタル・ジャケット
《ネタバレ》 平均点が意外と高いので驚きましたが、冒頭の海兵隊の訓練シーンのセリフから吐き気がするという人も沢山いると思います。 私はキューブリックのファンなので偶然再生されたパソコンテレビで、この映画の世界観に、すぐにのめり込めました。二度目の観賞です。 前半の訓練シークエンスと後半の戦場シークエンスは別々の物語のようですが、改めて観直すと両方存在して初めてこの映画のテーマが見えてくるのに気付きました。 それは、この作品で描写された戦闘シーンが、あまりにも小さいステージにも関わらず、無残な戦争をしっかりと描いているからです。 実際に起こった戦争にも関わらず、この映画にはエンドマークをつけずに終わらせているところに不気味さを感じます。 [インターネット(字幕)] 8点(2010-09-19 05:38:48) |
859. 銀河鉄道999
石森史郎さんの脚本集を持っていて、本作について書いてありました。 当時アニメも観たことがなかった石森さんにとっては、原作本は同じエピソードの繰り返しで物語に一貫性がないという理由で一度は断ったそうです。企画者は青春映画を沢山書かれている石森さんにお願いしたかったらしいのですが、原作を無視して好きなように書いてもいいならという条件で引き受けたとの事です。 石森さんは、いい加減に書かれた原作を無視して、シナリオは「銀河鉄道の夜」をベースに書いたそうです。 仕上がったクレジットに、企画、原作、構成に松本零士さんの名前が書かれていたことにも愕然としたそうです。 どういう経緯で最後まで仕上がったかは書かれていませんが、石森さんは決して本作には満足していないようです。しかし映画を観る限り、やはり本作はテレビアニメを上手く脚色した内容で、セリフも含めて松本零士さんの原作に近いものになっています。 映画はテレビアニメに夢中だった人達を満足させることが目的だったでしょうから、石森さんの書いた通りのシナリオになっていたら、きっとこれだけの名作にはならなかったでしょう。 登場人物が多すぎますが、母親を殺された復讐と終着駅の星と戦う鉄郎という主軸はぶれていないので、とてもシンプルなストーリーです。 [地上波(邦画)] 8点(2010-08-14 02:29:10)(良:1票) |
860. プレイス・イン・ザ・ハート
《ネタバレ》 主人公が未亡人になったというメインストーリーと、姉の夫の浮気というサブストーリーに接点がないのが納得できませんでしたが、先の読める展開にも関わらず気持ちよく観賞することが出来ました。 私にとってサリー・フィールドは70年代、世界一美しい女優でした。 フォレスト・ガンプで年老いた役を目立つことなくこなしていて、本作は昔のお姉さんとおばさんの中間地点のような雰囲気を醸し出しています。 ダニー・グローバーが盗んだスプーンは、そのまんま「レ・ミレザブル」ですが、全体を通して「大草原の小さな家」を思い出しました。「遥かなる山の呼び声」にも似ています。 kkkもどきが出てきますが人種差別が目立つようには感じません。 むしろ、黒人と未亡人が同居していることに村人が何も思っていないことに違和感を感じました。 マルコビッチやエド・ハリスまで出演している名作ですが、現在DVD化もなく、CSで巡り合えた人だけしか感動出来ないのは残念な気がします。 ラストの教会のシーンは悪人も善人も同じ席で日曜礼拝を受けているところに、当時ではありえないと思いますが、希望を描きたかったのではないでしょうか? 私は、そこはあまり考えないで評価しました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-29 23:45:31) |