1021. 下宿人(1926)
私の大好きなスパイク・リー監督の「サマー・オブ・サム」という映画が、この映画をそのまんま下敷きにしていたのにビックリしました。私の他に気づいた人いませんか? 是非、本作と合わせて鑑賞してみてください。面白い発見が沢山あります。本作は、サスペンスのジャンルかもしれませんが、やはりヒッチコックは面白い人間像を作る監督なんだと痛感しました。 公開当時は無声だったようですから、音を消してみるのもいいかもしれません。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-19 00:05:05) |
1022. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」のリメイク情報を何年か前に知ったのですが、本作の鑑賞後、確認してみたら、スタローン主演で作られるとのことです。皆さん、観たいと思いますか? 私はもう結構です。 とは言っても、この作品も「狼よ~」そのまんまです。地下鉄のシーンとかも、まんまだし。 未見の方は是非、本家ブロンソンを先にご覧になってください。 それにしても、犯人が指輪は彼女に渡して、犬の面倒もちゃんと見ていたのには笑えました。 R-15指定なのは何故って思ったのですが、まさか、最初のジョディと恋人のセックスシーン? それと、ジョディが、どういう経緯で、携帯で暴行シーンを見ることができたのか? もう一回観て確認する気力はないので、分かる人、教えてください。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-18 03:32:58) |
1023. マンマ・ミーア!
《ネタバレ》 サントラを聴いた時は、凄くいいと思ったのに、映画だと凄く下手な歌に感じたのは何故なんでしょう? 一回目は吹き替えで鑑賞したのですが、歌も吹き替えの人たちが歌っているのかと思うくらい、違和感を感じなかったです。 ミュージカルって、ストーリーの辻褄にこだわらない方がいいと思います。 その点は考慮して素直に楽しめましたが、ラスト、おばちゃん三人のメドレー2曲は衣装も含めて、ちょっと寒かったです。思わず目をそむけてしまいました。 日本のおばちゃんたちに影響及ぼしかねないので、ほどほどにしてもらいたいです。 [DVD(吹替)] 6点(2009-07-09 02:04:15) |
1024. 男はつらいよ 寅次郎忘れな草
浅丘ルリ子「リリー」第1弾。 マドンナの設定を寅さんと同じような性格にした山田監督のセンスは凄いと思う。 単純な展開かもしれないが、当時、娯楽映画を期待して映画館へ足を運ぶ人たちにとっては、この作品は充分満足できたのではないだろうか? 今回、浅岡ルリ子がマドンナ役を演じた作品を4作品連続して鑑賞したが、私にとっては本作が一番であった。 二人は似ているようで、生い立ちは全く違う。 そこに胸を詰まらせるセンチメンタリズムを感じずにいられなかった。 90分程度で、これほどの映画を作ってしまう山田洋次監督、一番油が乗っていた時期である。 [DVD(邦画)] 8点(2009-07-08 01:50:50) |
1025. 歩いても 歩いても
ディスクのタイトルの下に、原作、脚本、編集、監督という肩書で名前が出ていたので、よほどの自信作なんだろうなと思って鑑賞しました。 確かに面白い。女性監督には出来ない計算された伏線がいっぱい詰まっている。 最近の映画は、のんびりしたストーリーでも、2時間を平気で超すものが多くて嫌気が刺していたが、約110分、なんとか最後まで鑑賞出来た。 複線もしっかり、セリフもちゃんと含みを持たせて、なかなかとは思ったが……。 正直言わせてもらうと、山田太一、倉本総、向田邦子のドラマを見つくした私には「もう、こういう映画はいいかな……」という感想しか残らなかった。 ホームドラマを見たことがない人にとっては新鮮さを与えるかもしれないが、同じような映画は過去に山ほど作られていることを訴えたい気持ちになる。 [DVD(邦画)] 5点(2009-07-08 00:35:54)(良:2票) |
1026. マレーナ
男と女の根っからの「本音」を描き切っています。主人公の少年を一番理解しているのは誰か、人物全てがユーモアたっぷりに描いていて、何度鑑賞しても飽きない映画です。 コメディではありませんが、全編、可笑しくてしょうがないです。 男性と女性の感想が全く違ってくる映画ではないでしょうか。 女性は、どれだけマレーナに…いや、それよりも、美しいマレーナに嫉妬する女性(おばちゃん)たちを自分に重ね合わせることはできるのでしょうか? 女性の方々に言いたい! マレーナに罵声を浴びせる女たちは、貴方たち、女性を映している鏡です。素直にそれを認めましょう。 この監督は鑑賞する側に皮肉な投げかけをしていますが、私は監督のそういう感性が大好きです。 しかし、こういったテーマは、日本では企画の段階で却下されるでしょう。 正直に生きる男性のみが賛同する映画だと思います。 因みに、ディレクターズ・エディションのDVDは、少年が想像するマレーナとのエロシーンが約10分追加されたものです。といっても私にはカットしなければいけないほどエッチなシーンとは思えませんでしたが……。 少年役の子はこの映画だけ出演して、また一般人(高校生)に戻ったということですが、一番綺麗だった頃のモニカ・ベルッチとあんなことができるなんて、全く「やりにげ」状態に思えてなりません。嗚呼、うらやましい……。 このバージョンには、吹き替えがないのが残念ですが、通常バージョンでもスケベさは充分伝わってくるのは監督の技量だと思います。 [DVD(吹替)] 10点(2009-07-08 00:20:08) |
1027. 活きる
《ネタバレ》 まず邦題を「生きる」にしなかった日本側の考慮が結構ですね。 こういう大河的ドラマは、役者のイメージセンスを考えてか、ある程度年代が進むにつれ、歳を取らないメイクになってしまうのですが、本作は充分考えて作っていますね。 笑ってしまったのが、主人公の男性は若いころはスキンヘッドなのに歳を重ねていくうちに、所謂波平カットになって、横の髪が生えていくのですね。 ちょっと意地悪な言い方ですが、コン・リーは、やはりハリウッド映画に価値を重んじているのでしょうか? 鑑賞後に、仲代達也主演の「人間の条件」を思い出しましたが、人の生と死を重ねて接していく人生にしか、本当の生きる価値を見出していくしか道はないのでしょうか? ちょっと長い上映時間ですが、テンポがいいので、とても鑑賞しやすい映画です。 人間ドラマが好きな人にお勧めです。 当時、管轄に引っ掛かって上映できなかったのが不思議でなりません。 やはり、中国は古い体制が根強く残っているのですね。 [DVD(吹替)] 8点(2009-07-01 00:00:49) |
1028. 白痴(1951)
う~ん……何となく期待し過ぎたのか、鑑賞後の印象は、可もなく不可もなくといったところです。 森雅之演じる青年は「白痴」というわりには、立派な事を沢山言っているし、「白痴」という病気(?)がこの程度のものなら、私の周りには「白痴」以下の人間が沢山います…というと、そ~か! ラストの久我美子のセリフはそれが言いたかったのか。 レビューなんか書いている時点で、私自身も反省しなきゃいけない。 しかし、全編、今の価値観というか、常識が違い過ぎるせいか、感情移入しづらいです。 本作は、50年代に作られたソビエト映画の匂いがプンプンします。原作(本)以上に影響を受けているように感じました。 原節子さんと三船敏郎さんは、役にはハマってますが、観る者の期待を裏切っています。観客は、こういう二人を観たいとは思わないはずです。 長い映画なので、時間に余裕がある人はどうぞ。 [DVD(邦画)] 5点(2009-06-20 00:03:12) |
1029. さらば、わが愛/覇王別姫
《ネタバレ》 決して美しいとか雰囲気だけで作ったものではなく、ちょっと疲れるけど、シナリオが細かすぎるほど丁寧さを感じました。 刃物研ぎの声が嫌な兆候を感じさせるところから、もうドキドキ…。 レスリーチャン演じる蝶衣がコン・リー演じる菊仙を女郎だと蔑むシーンがありますが、蝶衣自身、女郎から生まれたという出生も皮肉めいたものを感じます。 始まりの方で、師匠が話した覇王別姫の語りを含めて「定められた運命には逆らえない」という言葉が印象に残りました。 激動する時代の流れに転がっていくしかない中国の人たちに心底同情しました。 幼少の蝶衣の六本指のシーン、菊仙が首を吊ったシーンは一度目の鑑賞では、描写が短すぎて、よくわからなかったです。 それと途中から人物が歳を取らなくなったので、50年の歴史は感じませんでした。(笑) ラストシーンの二人は何歳なのでしょうか? 11年ぶりに再会して自刃してしまうのは、私的にはちょっと感情移入しづかったです。 因みに字幕は省略しすぎです。吹き替えでの鑑賞をお勧めします。 [DVD(吹替)] 8点(2009-06-16 19:12:46) |
1030. Ray/レイ
《ネタバレ》 オリバー・ストーンが作ったような映画でしたが、全然疲れませんでした。(苦笑) レイのファンで、本作に不満を持つ人はいないと思います。 大ファンの私には、レイ・チャールズを知らない人には、どう推薦していいのかわかりません。 いい音楽はいい音楽! 監督の音声解説で知りましたが、ジェイミー・フォックス自身で歌っているシーンもあるようです。それと、レイ本人からシナリオをわい曲するなと注意を受けたそうです。(それ以外、監督の音声解説はあまり聴く価値ありませんでした) テロップで年代が出てくるので、1964年で、もしかしてビートルズが登場するのかと思いましたが、レイには何も影響なかったようですね。 時代背景を金を掛けずに製作しているのはたいしたものです。 「金掛けてるんだぞ!」とCGばかり自慢する映画が大嫌いな私には、とても好感が持てました。 これ観終わった後、「ブルース・ブラザーズ」のあのシーンを観たくなりました。私と同じ気分になった人、きっとどこかにいると思うんですけど……。 レイ本人が完成したものを観ることが出来なかったのが、ちょっと悲しいです。 [DVD(吹替)] 8点(2009-06-14 10:50:46) |
1031. ターミネーター2
テレビで放送されていると、ついついラストまで見入ってしまいます。 完全版と通常版の違いを私は知りませんが、テレビ用の編集なのか、カットが多すぎるし、CMに入るタイミングが悪すぎます。 「え?! なんでここで切るの?」って感じです。 「アイル・ビー・バック」は吹き替えにすると、腰が抜けそうになります。 「すぐ戻ってくる」じゃ、名セリフとは言えませんね。 決して違和感のない吹き替え陣ですが、本作は字幕で観た方がいいかもしれません。 [地上波(吹替)] 8点(2009-06-14 05:43:39) |
1032. 庭から昇ったロケット雲
《ネタバレ》 先日「世界最速のインディアン」を鑑賞して、とても満足しました。 本作も夢を追い続ける中年男性の半生が描かれているのですが、正直「ウ~ン…」と唸ってしまう満足度半分の感想です。 我が子に「夢を追い続ければ必ず叶えられる」それを教えたい情熱は分かるのですが、私的には、夢を追いかけるのは魅力的ですが、それを叶えるかどうかは、それぞれの人生に定められた素質、運命が掛かることなので、本当に宇宙へ行ってしまうのは、どうなのかなと考えてしまいました。 このお父さんは、自分の夢と子供の将来、どちらが大切なのか、私には理解できませんでした。 昨今、わが子に幼少のころから英才教育をさせているのが頻繁に目につきますが、成功しているのは、ほんのごくわずかなんだということを忘れてはいけません。 テレビというものは、成功した例しか報道してないことを念頭に置くべきです。 子供達も主人公のオヤジのためだけに生きているような設定なので、人間味が感じられません。友達とかはいるのでしょうか? 余計なことを考えてしまいます。 全体的に都合よく事が運び、都合よく都合が悪くなって、都合よく成功した。そんなストーリーでした。 「世界最速のインディアン」が私にとって満点の映画だっただけに、なぜこんなにも印象が違うのか…。 出来れば、両作品を観比べて皆様の感想を聞かせていただきたいです。 追記、「庭から昇ったロケット雲」は副題でしょ? 「アストロ~」では検索できませんでした。 [DVD(吹替)] 5点(2009-06-14 05:23:58) |
1033. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 完全群像劇。話題は終始人種差別。通行中の自動車の衝突も含めて、このタイトルにしたのは言うまでもありませんが、もう少しヒネリを加えたタイトルにすべきですね。 私はアメリカに行ったことはありませんが、本当にこんな世界があるのでしょうか? でも、登場人物全てにそれなりの理由があり、それが正論にも感じられるから不思議です。 ただ、全てが同じような内容で群像劇の割には、バラエティーがないというか、マット・ディロンが黒人女性を助けたところは涙してしまったけど、他は「お涙頂戴」的で感動まではしなかったです。 でも、テンポがいいのであっと言う間に観終えることができました。 前半は汚い言葉のオンパレードですが、それだけ後半を美しく描く作り方は上手いです。 マット・ディロンは久々のグッドジョブ! でもダイエットしなきゃダメだよ! 「アウトサイダー」しか知らない人には、そのうち誰なのかわからなくなるでしょう。 [DVD(吹替)] 7点(2009-06-14 03:45:09) |
1034. 題名のない子守唄
同監督の「マレーナ」がよかったという理由だけで予備知識なしで鑑賞しました。 トップシーン、仮面を被った全裸女が三人並ぶという、異様な世界に驚きましたが、現在と過去(回想)が同時進行する展開。 散りばめられた伏線は一度鑑賞しただけで理解するのは難しいかと思います。 「マレーナ」もそうでしたが、本当は3,4時間くらいの長尺に編集したかったのではないでしょうか?話しが飛び過ぎています。 「マレーナ」や「アレックス」以上に男尊女卑を訴えられそうな、えげつないシーンがテンコ盛りですが、しっかりと母性愛のテーマが伝わってきます。 あまり話題にならなかったようですが、是非「完全版」の再発を希望します。 [DVD(吹替)] 7点(2009-06-14 03:29:05) |
1035. 黄色い大地(1984)
《ネタバレ》 「黄色い大地」って本当に黄色い土なんですね。それに川の水も… 女の子が卓球の福原愛ちゃんに似てたような気がしたけど…製作から25年も経っているから、演じた彼女も40近いのではないだろうか? 民謡を問わず、人に影響を与える芸術というのは、やはり「不幸」からしか生まれないのだろうか? 見方を変えると不幸と引き換えに授かったものが、あの民謡なのだろうか? 少女が抱いた、軍隊に入るという小さな希望、叶えてあげたかったな。 14歳で結婚? 少女の赤いヴェールを捲る、あの黒い手と少女の潤んだ瞳は残酷すぎました。 昨今、漫画やドラマの映画化ばかりが目立つ日本映画は、以前はこのような作品も頻繁に作られていた。 それが今葬り去られようとしているのが、とても悲しい。 テレビで流れる映画のCMで、映画を観終えた客が「チョー感動した。面白かった。イエ~イ」なんてVサインしているとムカついてくる。これって奴当たりですね、スミマセン。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-30 02:56:48) |
1036. 龍城恋歌
《ネタバレ》 チャン・イーモウを追いかけて鑑賞。 シナリオは、紙芝居屋のおじさんが背伸びして書いたようなレベル。復讐と恋愛と懺悔を無理矢理ごちゃまぜにして……。 女優さん、メッチャ綺麗です。 本当は私も1点だけど、女優さんに免じて4点。 でも、よくこんな映画で、賞なんか取れたよな……。 [DVD(吹替)] 4点(2009-05-30 02:52:42) |
1037. 至福のとき
《ネタバレ》 冒頭から、金も仕事もないのに結婚願望だけは強い中年オヤジを、どうしても理解できなかった。 主人公の少女は誰が見ても可愛いだけに、そこにワイセツな行為に及ぼうとする人間が全く現れないのも、違和感を感じさせる。 監督が、少女を下着姿で歩かせたのは、観客の反応を伺うために意図したことは絶対である。ホント、この監督はエロいと思う。 以前、日本でも新札紙幣が出回ったとき、盲人のマッサージ師が騙された事件があった。その女性は真っ白な紙きれを撫でながら「酷いことをする人がいるんですね…」と哀しげな表情で俯いていたが、私は、たとえ、この少女が紙キレであることを最初から知っていたとしても、それを善意と謳ってマッサージをさせている、この連中を許すことができない。 この少女が残した「至福のとき」という言葉は、彼女自身が過去の人生経験と比べた上で感じたのであって、私たち観客が、失業者達の善意(偽善行為)と繋げてしまうのは安直な考えだと断言したい。 少女と中年オヤジの、それぞれの不幸と感謝の気持ちが、お互い伝わらないというエンディングは、私個人の考え方にとてもマッチしていた。 少女と中年オヤジの関係がウソの会話のみで繋がっている…これだけが、この映画を評価する唯一の点である。 ホント、ここまで自然体でウソばかり並べる映画って、意外と少ないんだよなあ…… 悪いことばかり書いてしまったようだけど、テンポやユーモアも悪くないし、いろいろなことを考えさせてくれる映画ですよ。 [DVD(吹替)] 7点(2009-05-29 04:46:27)(良:1票) |
1038. あの子を探して
《ネタバレ》 学校から突然いなくなった子供を探す13歳の先生。児童が一人でも少なくなったら、賃金が貰えない。でも、映画の中では、その理由はあまりハッキリさせず、探し続ける賢明な少女の姿だけが描かれている。町へ居なくなった少年も含めて、子供たちはただ生きることだけに必死なのだ。 チョーク一本にどれほどの価値があるのか、痛いほど伝わってくる。 前列左に座っている少女は要チェック! ちょっとした仕草がめちゃくちゃ可愛い。 映画とは関係ないが、先週、中国のある田舎の18歳の少女のドキュメンタリー番組を観た。この番組は5年前も少女を追いかけていて、高校に行けず仕事の手伝いに明け暮れていた少女は、同情した日本の視聴者の協力で高校進学できたものの、今は勉強についていけずに中退して、仕事もなく、村では居心地悪い存在に扱われている。 本作は10年前の作品だが、中国が北京五輪で盛り上がろうと、貧しい農村の現状は今も全く変わっていないのが、とても悲しい。 この映画にはメイキングDVDが存在するが、その中で、チョイ役の女の子が、この映画でギャラを貰って家族のために家を建てたいと言った言葉が、とても切なく思った。 映画自体は決して暗いだけのストーリーではないので、メイキングも含めて必見! [DVD(吹替)] 10点(2009-05-21 13:36:01) |
1039. ペパーミント・キャンディー
《ネタバレ》 物語がさかのぼっていくアイデアは、今となっては斬新さは感じられません。 「そういえば、最初どんなだったっけ?」と、もう一度見直したくなります。 純粋な青春時代が20年経って、全く違う人間に変わってしまうのは誰にでも起こりえるかもしれませんが、特に、この映画のポイントになる「光州事件」を知らない日本人には、私も含めてイマイチ心に打つものが薄くなってしまうのではないでしょうか。 若い女性を誤射してしまったトラウマと初恋の女性を、クソ真面目な性格でごまかしながら生きていく主人公の姿がとても痛々しい。行き当たりばったりで抱いた女に見せた涙がとても純粋なものに見えます。さぞかし朝食の約束を果たしたかっただろうに…。 自転車の漕ぎ方を教わった女房が、自動車の運転を教わった男と浮気していたのは、いかにも映画的で面白かったけど、そんな女房が主人の心境をどこまで知っていたのかは全く描かれていないので、ものすごく気になりました。 しかし、この映画は主人公だけを描いた一人称のストーリー。私も現在線路に立った主人公と同じくらいの年齢なので、もし自殺する時って、もうどうでもよくなっちゃうのかな…って改めて考えさせられました。 「誰かを道連れに死んでやる!」と叫んだら、その相手が初恋の相手なんだから、たまったもんじゃありませんよ。 残念ながらペパーミントキャンディーという小道具の効果はあまり感じられませんでした。 それから、BGMで、リッチーブラックモアズ・レインボーの「キャッチ・ザ・レインボー」が使われていたのは、マニアックな選曲でニヤリとさせられました。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-19 09:03:17) |
1040. グーグーだって猫である
《ネタバレ》 友人が勧めてくれたのがきっかけで鑑賞。DVDの宣伝で「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」が流れた時、初めて監督が誰なのか知りました。 私にとって「ジョゼ~」はなかなかだったのですが、本作は、そのスタイルは残っているものの、メリハリが全くなくなったように感じます。 原作未読なので、他のレビュアーが書かれているギャップというものはわかりませんが、キョンキョン、上野樹里、外人のエピソードが、最後まで上手く絡み合っていかなかったように思います。 こういう良くも悪くも「ど~でもいい話」って、評価を得る理由は、観る側の「その時の気分」が一番左右されるから難しいんですよね(笑) でも一つ一つのシーンは丁寧に作ってありますよ。アイサポーターで確認してみてください。 [DVD(邦画)] 6点(2009-05-06 19:01:26) |