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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2381
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1041.  凶悪 《ネタバレ》 
あの「上申書殺人事件」を、原作ノン・フィクションがあるとはいえここまで真正面から映像化した努力には敬意を表したいところです。ちょっと不謹慎ですけど、映画化されていない興味深い事件が日本にはいっぱいあるんです。無難な題材や原作しかチョイスしない委員会方式の映画製作が幅を利かしている腐った日本映画界では無理もないですけど、そこはえげつないハリウッドを少しは見習ってほしいものです。もう団塊世代しか覚えていない連合赤軍事件なんかを映画化する前に、オウム真理教事件を映像化するべきじゃないでしょうか。 本作はと言うと、誰もが身震いする様な凶悪をエンタテイメントにまで高めた傑作だと思います。よく『冷たい熱帯魚』と比較されていますが、趣味の悪いデフォルメが無い分本作の方が優れてるんじゃないでしょうか。リリー・フランキーの不気味な演技には身震いさせられましたね。どの登場人物にも感情移入させない演出も秀逸です。でも主人公・山田孝之の家庭生活までストーリーに組み込んだのはちょっとどうかなと思います。母親の世話を妻に押し付ける彼の内面の闇としたいみたいですが、はっきり言ってせっかくの緊張感を削ぐだけだし、だいいちあんなことで悪人扱いされたらたまらんぞ、と感じる人が多いんでは。でもラストの面会シーンは真逆の演出ですけど『天国と地獄』のラストを彷彿させてくれました、これは監督のオマージュかもしれませんね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-11-13 23:17:16)(良:2票)
1042.  海女の化物屋敷 《ネタバレ》 
本作が菅原文太の映画初出演みたいです。生前はけっこう本数をこなした新東宝時代のことをほとんど語っていない文太のことですから、このデビュー作は彼には触れて欲しくなかった黒歴史だったんでしょう。だしかに映画デビュー作ですけど、これを一周忌ということで放映されるとは、文太もあの世で苦笑しているかもしれませんね。 とはいえ主演はあくまで三原葉子で、彼女の恋人の刑事役の菅原文太は開始20分たってやっと登場する脇役でしかありません。お話は典型的な新東宝お得意の海女ものですが、新東宝の海女もので幽霊が絡むものは純粋な怪談ではなく、ヒロインを脅かす悪漢のトリックというのがパターンですけど、本作も定石どおりです。でも三原葉子のキャラが頭が切れる素人探偵というのは、ちょっと珍しいパターンです。悪役の沼田曜一がまた彼らしい怪演を見せてくれたのは期待通りでしたね。それにしても文太は刑事のくせして全然活躍せず、ラストの三原葉子たち善玉ヒロイン危機一髪のお決まりのシーンには登場すらしてなく、沼田曜一が自滅して終わりというのはちょっと情けない。新東宝時代の文太は壮絶なまで演技がド下手でしたから、これはこれで正解なのかもとすら思えてしまいます。 でもこんな映画にも思わぬ取り柄がありまして、私が観た新東宝海女ものではずば抜けて露出度が高かったんです。冒頭の海女の水中サービスショットでは、なんと海女のオッパイぽろりのシーンまでありました。だいたい海女の衣装が臍の上でぶった切ったTシャツみたいなものだけなので(他の海女ものではその下にブラジャーらしきものを着用している)、水に濡れるとその中身がスケスケというわけです。そうなるとなんで三原葉子が海女じゃないんだと口惜しくなりますが、悪漢に捕まって小舟で海に連れ出されるシーンではなぜか下着姿になっているという無茶なサービスも有ります。 こんなことで喜んでいる様じゃ人格を疑われてしまいそうですが、新東宝プログラム・ピクチャーを研究するにはとても重要なポイントなんで、ここは得点高いです(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2015-11-09 21:14:03)
1043.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
83年と言えば、当時勤めていた会社に初めてパソコンが導入された年だったんですよ。パソコンとは言え一人一台なんて環境になったのはそれから15年は経ってからのことで、当時は課に一台で機能もごく限られたものでしたが恐る恐る使っていたのが懐かしいですね。この映画が製作された当時じゃまだインターネットも開発されていないし、あのレトロな機具を観てると感無量です。20世紀の終わりに初めてパソコンを買ったときもまだ電話回線接続だったことを考えると、今やスマホの時代ですからテクノロジーの進歩は恐るべきものです。 本作は皆さんご指摘の通り『地球爆破作戦』への返歌みたいなものでして、80年代らしい楽観主義に満ちていてジュブナイル小説の映画化かと思ってしまうくらいです。軍人たちも強面ではあるけど危機回避に成功したしたときの喜びよう観てるとみんな善人ばかりで、この種の映画にしては珍しいパターンです。まあ難を言えば、戦争は政治の延長と言われるのに作戦室の架空シミュレーション画面だけであそこまで危機的状況になるのは、ちょっとヤリ過ぎの感があります。まあこの映画の肝は、コンピューター・ジシュアに○×ゲームで学習させるところにあるんですから、しょうがないかもしれませんね。けっきょくジョシュアも善玉だったというわけです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-07 21:47:43)
1044.  襲う巨大怪鳥/空の大怪獣Q 《ネタバレ》 
ラリー・コーエンという人は『フォーン・ブース』の脚本家でもあり、脚本を書かせたらちゃんと出来る人なのになぜか監督すると脱力系になってしまうという困ったお方です(そう言えば日本の橋本忍に似てますね)。監督作はほとんど自分で脚本も書いているのですが、悲しいかな演出力が無いので駄作になってしまうというパターンですけど、本作に関してはどう考えても脚本もヘボ過ぎです。まあ低予算なんで怪鳥の造形や特撮には元から期待なんかしてないのであまり苦になりませんが、だいたい大怪鳥Qとアステカの儀式はどんな関係があるんじゃ!と突っ込みたくなります。NYのクライスラー・ビルの先端に巣を作って飛びまわっているのに誰もその姿が見えないとはどういうこっちゃ!「それはQはいつも太陽を背にして飛ぶからです」なんて解説されても、誰が納得するかい! 宝石泥棒の一味の男が主人公みたいなものですけど、冒頭で宝石が入ったスーツケースを落として紛失しちゃうというのは、いかにもラリー・コーエンらしくてユニークな展開です。でもどうも気になるのですが、宝石泥棒と怪物の組み合わせというとどうしても『宇宙大怪獣ドゴラ』を思い出しちゃうんです。もしラリー・コーエンに会うことがあったら、「あんた『ドゴラ』をパクったろ」と詰問してみたいです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2015-11-04 23:14:45)
1045.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
妻帯者そしてかつて妻帯者だった人にも、ひとしく衝撃を与えることはもう私保証いたします。また嫁の立場から観ても日常生活の自分のトラウマを激しくかき立てることは間違いないでしょう。あくまで実際におこったスコット・ピーターソン事件をモチーフにしたフィクションですけど、これをデヴィッド・フィンチャーに監督させたというのが最良(観る人によっては最悪かも)のパフォーマンスを生んだと思います。 まずベン・アフレックですが、この映画の様な頼りない男を演じさせたらイーサン・ホークかベン公かというぐらいのハマり役です。でも実在のスコット・ピーターソンという人があまりに彼にそっくりなので、これ以外の選択はあり得ななかったでしょう。そしてロザムンド・パイク、映画の折り返し地点ぐらいでネタばれしちゃうんですけどあえて一言だけ言います。私の中で今まで映画史上最悪の悪女だった『蜘蛛女』のレナ・オリンを超えるキャラがついに現れた! けっきょく物語では警察や弁護士の捜査や調査は振り回されるだけでなんの効果もあげずカタルシスは皆無のエンディングとなるのですが、後味の悪さはフィンチャー作品のお約束なのでそこはまあ期待通りでした。それにしても東洋の某国の宰相は夫婦そろってこの映画を観に行ったそうですが、これもまた凄い話です(もっともあの二人は見た目は仲良さそうですけどね)。残念ながら二人の感想は公にされていません(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-11-02 19:55:12)(笑:1票)
1046.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 
冒頭から俳優がいきなり画面に語りかけ、「うわぁ、イーストウッドが大林宣彦をパクってる!」と驚愕しましたが、これは原作のミュージカル舞台に忠実な撮り方みたいですね。イーストウッドにしては肩の力が抜けた様な軽い撮り方も珍しいところです。随所に彼の遊び心が感じられ、TVで流れるのは『ローハイド』の若き日の御大の登場シーンというのは笑うツボです。だいたいからして、クリストファー・ウォーケンを起用していること自体が、“Can't Take My Eyes Off You”をフューチャーした名シーンがある『ディア・ハンター』を想起させてくれて面白いところです。ラストのカーテン・コールよろしく登場人物総出で繰り広げられるミュージカル・シーンには、もう鳥肌が立ちました。 フォー・シーズンズとなるとビートルズ世代の自分よりひとつ前の時代の音楽という認識でしたが、さすがに使われている楽曲はほとんど全て聞いたことがあるものばかりというのにはちょっと驚きました。なんせ『タモリ倶楽部』のあの有名なオープニング・テーマまで出てくるんですからね。 それにしてもオリジナル舞台と同じジョン・ロイド・ヤングの歌唱力は驚愕ものです。てっきりフランキー・ヴァリのオリジナル音源を使っていると思ってましたから、わたくし。また知られざるフォー・シーズンズの秘話も知ることが出来て面白かったです。ボブ・ゴーディオをメンバーに紹介したのが若き日のジョー・ペシだったというのはびっくりです。そう言えばペシは歌手としてアルバムをリリースしているほどですから、音楽の世界との関わりは深かったみたいです。 ここまで来るとイーストウッドには、ぜひ本格的なミュージカル映画を撮って欲しいものです。でも監督したわけじゃないけどその昔『ペンチャー・ワゴン』で痛い目に遭っているから、ちょっと無理かな(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-29 22:09:44)
1047.  青空娘 《ネタバレ》 
源氏鶏太が原作の人気ラジオドラマの映画化だそうですが、ストーリーは観ていて恥ずかしくなるほど通俗的でご都合主義です。でも、若き日の若尾文子の魅力を堪能するには、本作はベストに近いと言ってもいいんじゃないかな。妖艶で小悪魔チックな彼女は他の作品に譲って、もお少女漫画も白旗揚げる様なひたすら不幸な境遇にも明るく頑張り抜く彼女の笑顔は癒してくれます、ささくれだった心を。そして、誰が観ても「諸悪の根源はおまえだろ!」と言いたくなるダメな父親に最後に言い放つ口調は柔らかいけどキツイお説教、これは実に爽快でしたね。ここから若尾文子・増村保造の黄金コンビが始まったかと思うと、感無量です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-10-26 22:17:10)
1048.  ソルジャー・ブルー 《ネタバレ》 
私たちの世代には『ソルジャー・ブルー』と言えば残酷西部劇の代名詞みたいなものです。かつて一度だけ地上波で放送されたことがあり観ましたが、予想通りラスト20分はかなりカットされていたのは明白でした。今回DVDで再鑑賞して日本語吹き替えにするとどのシーンがカットされたのかが判ります、なぜかというと吹き替え音声が無く原語になっているからです。たしかにこれは当時でも絶対にお茶の間に流せない凄まじい映像ですね。部落中がナマ首ゴロゴロ状態なんですから、これは公開当時に観なくて正解でした。 キャンディス・バーゲンの若いころではこの映画がいちばん輝いていたと思います。前半のロード・ムーヴィー的なパートでは、いかにも原住民と生活をともにしてきた娘という存在感が良く出ていました。監督は西部劇のベテランであるラルフ・ネルソンですからニューシネマという枠に囚われないしっかりした撮り方だと思います。 この映画が開拓史とベトナム戦争の批判になっているのは明白です。でも、史実ではないのは判りますが、もしホーナス二等兵が密売業者のライフルを焼かなかったら、シャイアン族は騎兵隊に抵抗出来てあそこまで悲惨な目に遭うことはなかったんじゃないかという問題提起も感じられます。これは暗にリベラル派に対する当てこすりの意図があるような気がしますが、いかがでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2015-10-24 10:54:58)
1049.  アフターショック 《ネタバレ》 
“アフターショック”とは余震のことを意味しているのですね。地震が起こるまでの前半と、その後の地獄絵図が続く後半とのコントラストはなかなか強烈です。製作者がイーライ・ロスなだけあって凄まじいのかと身構えたら、グロは思ったよりおとなし目じゃないかと思います。ネタばれしちゃうと登場人物は全滅するわけですが、ということは『ファイナル・ディスティネーション』シリーズの変形ヴァージョンと言えなくもない。まああちらは死に方に拘り過ぎてしっちゃかめっちゃかになってしまいましたが、意外と登場キャラが創りこまれているので本作の方が映画としてのレベルは高いと感じます。『ハングオーバー』のアランかと突っ込みたくなる風貌のボンボン息子やチャラい奴かと思わせて実は娘思いのパパだったイーライ・ロス、そして忘れていかんのは何故だかちっとも役に立たない消防士とかです。反面、女優陣が今一つ光るものがない顔ぶれだったのは残念でした。 最後にひとつだけ突っ込んでおきたいのは、津波が到達するのが遅すぎだろ(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-10-23 21:12:10)
1050.  バック・トゥ・ザ・フューチャー
タイムトラヴェル映画で、劇中にタイムスリップした未来の同時点に生きているって、なんか初めての経験の様な気がします。30周年おめでとうございます。もうこの映画の内容なんて語り尽くされていますので今さらという感も強いですけど、とても頭の良い脚本だといつも思います。タイムトラベルについてもパラレルワールド理論はあえて採用されてませんが、パラレルワールドじゃこのシリーズの様なドキドキ感はとうてい出せなかったでしょうから大正解です。小ネタも効きすぎるほど盛り込まれているし、何と言っても80年代のワクワクした懐かしい雰囲気がイイですよね。30年前に青春まっただ中だった人、そしてもう青春が終わっていた人やまだ生まれていなかった人たち、全ての世代にこれからも愛される傑作であることは間違いないです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-10-21 21:34:08)
1051.  インターステラー 《ネタバレ》 
これはまさしくクリストファー・ノーラン版『2001年宇宙の旅』そのものという感じですね。その世界観というか滅びゆく地球環境の描写は、アメリカのド田舎の描写だけに簡略化して見せ、後はひたすら時空を超える宇宙の探検にシフトしています。相対性理論やらワームホールは名称は知っているけど正直あまり理解していない自分ですが、まあこの様な観せかたならば初心者でも大丈夫でしょう。「もしブラック・ホールに吸い込まれたらどんな光景が観れるのだろうか?」ということに昔から興味がありましたので後半の展開ではちょっと期待していましたが、そこはちょっと期待外れだったかなと感じました。四次元を通り越して五次元まで登場してくる展開には驚きましたけど、私なりの解釈ですとノーランは「五次元は愛だ」と言いたいのかなと思います。ここまで引っ張って来て結論はそこかい!と突っ込みたくなる衝動も有りましたけど、マシュー・マコノヒーが見せる絶妙な父性愛が良かったので気にしないことにします。またこの映画は小さな役にいたるまで豪華なキャストで、あの卑劣な(というか至極人間的な)キャラまでマット・デイモンをあてるというのも、かなり贅沢なことです。 まあそれでも突っ込みたくなるところも有り、あんだけ離れた地球とのデータ通信が速すぎないかといううこと、宇宙飛行しているのにアン・ハサウェイがきちんと化粧している(様に見える)ところです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-20 23:40:28)
1052.  おませなツインキー 《ネタバレ》 
40歳近い中年作家が16歳の女子学生とエッチして結婚しちゃう、ハイ、これは立派な淫行ですね(笑)。こんなお話しをチャールズ・ブロンソンとスーザン・ジョージの組み合わせで撮っちゃうというのがこれまた凄いです。なんせ小悪魔スーザン・ジョージですからねえ、当時20歳にはなっていたはずですけど16歳の女子高生でも無理はあまり感じられないコケティッシュさです。それを迎え撃つブロンソンは、髭の無いツルンとした風貌ですけどとても小説家には見えないというのは痛いです。でもおそらくブロンソンが主演したラブコメなんてこれだけでしょうから、貴重です。ふつうに撮ったらドロドロした感じになるプロットをライトなコメディに仕上げたのは、監督リチャード・ドナーの力量でしょうか。 物語の前半はロンドンで後半はNYが舞台になりますが、撮影監督が『ジョアンナ』も撮っているウォルター・ラサリーですからスゥインギング・ロンドンの雰囲気が良く出ています、とくに冒頭の女子高生たちが自転車で走るシーンは良かったですね。結末はちょっと予想外のビター・エンドだったんですけど、なんか爽やかな後味が残りました。
[DVD(字幕)] 6点(2015-10-18 22:24:03)
1053.  女王陛下の戦士 《ネタバレ》 
ヴァーホーヴェン監督の初期オランダでのまあ大作と言える一篇です。ナチ占領下のオランダ・レジスタンス活動を描いていますが、当時の女王まで主要キャラの一人として登場させているので、ヴァーホーヴェンらしいエロや無茶はほとんど見られません。この映画を思いっきり黒くしたのが、後に撮った『ブラック・ブック』というわけです。レジスタンス活動と言っても華々しい活動とはあんまり見られず、仲間内も裏切り者だらけというけっこうお粗末な内情も赤裸々です。でもオランダ人にも親ナチがいっぱいいたという事実に眼をつぶらない姿勢は評価してあげたいです。 原作がある制約も有りますが、ルトガー・ハウアーが全然ヒーローらしさが無いのも印象悪くしている原因ですかね。近眼で射撃もど下手、唯一の作戦も任務を果たせず一人逃げ帰ってくるという情けなさです。まあリアルと言えばそうなんですけど、なんか観終わってフラストレーションが残ってしまいますよ。これも監督があのヴァーホーヴェンだからというからなんでしょうかね。
[DVD(字幕)] 4点(2015-10-17 11:36:30)
1054.  黄金の眼 《ネタバレ》 
イタリアの人気コミックの実写化らしいんですけど、それをイタリアン・ジャーロの巨匠マリオ・バーヴァに撮らせるところが渋いです。それにしてもこの人、頼まれればなんでも監督しちゃうんですね、さすが職人です。 怪盗ディアボリックの盗みとそれを捜査するジンコ警部との追っかけっこというプロットは『ルパン三世』を彷彿されますが、どちらかというとフランスの『ファントマ』シリーズに近いテイストです。もっともこの怪盗は、仕事のときには眼の周りだけあいたウエットスーツになるだけで別に変装が見せ場というわけではないんです。コメディタッチとは言うものの警察の小者なんかはバッタバッタと殺しちゃうし、けっこう無情な奴です。でもコンビを組んでる金髪美人にはもうメロメロで、彼女が敵ボスに捕まっちゃうと命がけで救出に赴くというなんか純情な面も有ります。 バーヴァにしては予算が多かったみたいで、ディアボリックの秘密基地やガジェットなんかけっこう造りこまれています。また随所にバーヴァらしいキッチュな映像も散りばめられており、笑えます。エンニモ・モリコーネの音楽がこれまた絶妙で、テーマ音楽が妙に印象深く頭から消えなくなって困ってます(笑) まあ『黄金の七人』の洒落っ気には及びませんけど、それなりに頑張ってると思いますよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-10-13 20:43:52)
1055.  マンハッタン物語 《ネタバレ》 
ナタリー・ウッドのイタリア系はともかくとして、スティーヴ・マックィーンがギリシャ系(?)というのはちょっとムリ感がありますね、まあ映画の出来には関係ない話しですけど。 監督ロバート・マリガンが得意とする典型的な小品ですけど、良く練られた脚本なのでイイですよね。冒頭の無人のホールにだんだん人が集まって来て、実はそれは「ミュージシャン取引市場」だったと判るオープニングがイイですね。そこでいきなりマックィーンはナタリー・ウッドから「妊娠した」と告げられるんですけど、まあ撮影年代を考えればヒロインが中絶する展開になるはずもなく、ラストのオチはだいたい判るわけです。でもそこに至るまでの紆余曲折がなかなか秀逸で、走るぐらいしかアクションを見せないマックィーンの静かな演技が秀逸です。彼の出演作の中でもおそらくもっともアクションが少ないキャラだったと思いますが、「むく犬の様な眼」だと評された若き日の彼の演技が堪能できます。ナタリー・ウッドも良い演技なんですけど、あの人の良い若旦那をあて馬に酷使するところはいくらなんでも可哀想です。 観終わって気が付きましたが、けっきょく主要登場人物に悪人がひとりもいない映画でした。
[ビデオ(字幕)] 7点(2015-10-10 21:31:23)
1056.  スターダスト・メモリー 《ネタバレ》 
『81/2』を観たことがあってそれが好きかどうかによって評価が分かれるんでしょうね、もっともウディ・アレン嫌いの人にはとても耐えきれないでしょうけど(笑)。 冒頭の列車のシークエンスなんかは、『81/2』を意識して撮りました、ってのが濃厚に伝わってきます。フェリーニの様に映像に凝りまくるんじゃなくてしゃべくりに凝るアレンですので、『81/2』が好きな私にもちょっとくどいなと感じさせられました。でも映画と現実をごった煮にしたメタフィクションな構成は、本家フェリーニよりも洗練されている気がします。世界の高名な映画作家で“マイ『81/2』”を撮った人は多いけれど、アレンの場合はちょっと撮るには若過ぎたんじゃないでしょうか。 アレンの映画は絢爛たる女優陣の顔ぶれ観るのが愉しみなんですが、シャーロット・ランプリングはやっぱイイですね。友情出演のルイーズ・ラサー以外はみんな唯一のアレン映画出演ですけど、ランプリングが出るアレン映画をもっと観てみたかったです。セリフもないほんのチョイ役でシャロン・ストーンが出てるんですけど、どれが彼女だか判りませんでした(笑)。
[ビデオ(字幕)] 5点(2015-10-07 22:15:45)
1057.  キラー・スナイパー 《ネタバレ》 
もうファースト・シーンからぶったまげてしまいました。あのいきなり下半身丸出しで出てきたのジーナ・ガ―ションだと判ってこれまたびっくり。彼女もう50歳を超えてるんですよね、ちょっと太ったかなと思いますけど、監督のフリードキンと肩を並べるようなやさぐれぶりでした。考えてみるとほとんど5人の登場人物だけで物語が進行するというシンプルなお話しなんだけど、中身は実にエグイですね。バカ丸出しのホワイト・トラッシュ4人家族とはまるで対照的なマシュー・マコノヒーの不気味さ加減がまた絶妙です。ふつう殺し屋ならターゲットの死亡保険金で報酬を払うなんてバカな話に乗るわけないでしょうが、自身のロリコン趣味が抑えられなかったばっかりに破滅への道を突き進んじゃったわけです。ターゲットである母親を画面に出さず、最後に死体としてチラッと見せるだけという撮り方はさすがに上手いですね。食卓を囲んでからエンドまでの15分は、ほんと観ていてどうオチをつけるのか予想できない緊迫感に溢れてました。 いやはやこれは、40年前とはいえオスカー監督賞を受賞した爺さんが撮る映画じゃないですよ、これはイイ意味です、貶してるわけじゃなく褒めているんですよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-10-03 21:54:10)(良:1票)
1058.  サンセット物語 《ネタバレ》 
ナタリー・ウッドを主演に据えた『ウェスト・サイド物語』『マンハッタン物語』に続く『物語』三部作の第三弾、というのは冗談でして『ウェスト・サイド』以外は原題に“story”はなく日本の配給会社が勝手につけた邦題で、もちろん映画の内容に関連性はありません。でも『物語』以上に理解不能だったのは『サンセット』で、邦題を考案した人はどこからこの単語を捻りだしてきたのか一度じっくり話を伺いたい(笑)。 というわけで映画のプロット自体は邦題からは想像もつかない『スタア誕生』の様な手垢のついたバック・ステージものです。時代は1930年代(たぶん)でカリフォルニアの海岸でプロマイド屋を営んでいたデイジー・クローバーという15歳の娘がミュージカル・スターとして抜擢され一躍アメリカの恋人的な地位に登りつめるが、わずか2年で芸能界を去るまでがストーリーです。自分は60年代のナタリー・ウッドが大好きなんですが、この映画に出演した66年当時はその魅力が頂点に達していますね。さすがに当時28歳の彼女が15歳の役を演じるのは無理があるんじゃないかと思いましたけど、我の強い少女を違和感なく演じています。まあこういう奔放な女性キャラは素の彼女に近いのでやり易かったかもしれませんけど、この人の視線というか眼ヂカラの強さはずば抜けてます。映画の撮影シーンではウッドのミュージカルパフォーマンスが愉しめますけど、残念ながら唄は吹き替えです。実は『ウェスト・サイド物語』の“トゥナイト”を含めて映画での彼女の歌唱は全て吹き替えなんです、ダンスは素晴らしいんですけどねえ。 なんかこの映画の印象が悪くしてるのは、彼女を取り巻く映画界の面々たちの個性が活かされていないところでしょう。役名が同じで『ファントム・オブ・パラダイス』のスワンのモデルの様な撮影所のボスであるクリストファー・プラマーや母親役のルース・ゴードンはさすがに持ち味を出しています。でもこれが初の大役になるロバート・レッドフォードが、なんかヘンなんですよね。ウッドにちょっかいをかける気障な大スターなんですけど、こいつが何を考えているのかさっぱり意味不明ですし活躍もしません。ウッドと結婚しますが新婚旅行中に失踪してしまい、どこに消えたかと思えば何と男の愛人のもとに逃げてしまったのです。つまりバイ・セクシャルだったというわけですが、いくら駆け出しの頃とは言え天下のレッドフォードがホモのキャラを演じていたとはちょっとびっくりでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-10-01 22:00:46)
1059.  悪徳の栄え 《ネタバレ》 
ロジェ・ヴァディムの映画は全部観たわけではないですけど、特徴としてはとにかく“まず女優ありき”をモットーとしているところです。そして意外とオリジナルな脚本が少なく、ゾラやラクロといった古典的な作家の名作を現代に置き換えて脚色したストーリーが多いというとこでしょう。本作は題材をサド侯爵に求めてそのヒロインにカトリーヌ・ドヌーヴを引っ張り出してきましたけど、さて出来栄えはいかがでしょうか。 サドの『悪徳の栄え』と『美徳の不幸』をミックスして舞台をナチ占領下のパリに変更し監督は耽美的な映像が身上、これだけでもワクワクする様なプロットなんですが実は出来上がったのは退屈な凡作でした。正直言ってサド文学の映像化とはとうてい思えない生ぬるさに、「これのどこがサドやねん!」と激怒してしまいました。ナチズムとサディズムはとても親和性が強いと思うんですけど、登場する親衛隊の面々も何がしたいのかさっぱり伝わって来ず、これじゃ単なる“ナチごっこ”を見せられるだけでした。ドヌーヴは確かにハッとさせられる様な美に溢れていますが、まだ若いということを差し引いてもちょっと演技が下手過ぎですね。アニー・ジラルドにしても中途半端なキャラで、彼女のどこが“悪徳”なのか伝わってきませんでした。 後半古城のハーレムみたいなところに舞台が移ってからはかなり支離滅裂な展開で、城をフランス軍に攻められてナチたちとジラルドは全滅しますが、ドヌーヴだけじゃなくハーレムの女たちが皆救出されるというハリウッドも真っ青の超ご都合主義です。 けっきょくロジェ・ヴァディムのサド文学やナチズムに対する理解は、とっても底の浅いもんだったみたいです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2015-09-28 22:51:57)
1060.  くたばれ!ヤンキース 《ネタバレ》 
ブロードウェイ・ミュージカルの映画化でまだ雇われの身ではありますけど、随所にボブ・フォッシーらしさが出てますね。何と本人まで出演して踊ってるのにはちょっとびっくりでした。でも何と言ってもこの映画はグゥエン・ヴァードンの魔女ローラ、有名な“ローラのロッカー・ルームの誘惑”のダンス・ナンバーに尽きます。いかにも50年代ミュージカルといった感じのまったりした構成ですが、このロッカー・ルームとフォッシーとペアでマンボを踊るシーンには、ちょっと時代の先を行く様なセンスが感じられました。ヴァードンとフォッシーはこの後フォッシーが死ぬまで連れ添う夫婦になるのですけど、彼女の魅力を最大限に引き出せたのはやはりボブ・フォッシーだったんですね。
[DVD(字幕)] 6点(2015-09-26 22:22:23)
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