1061. ヒューゴの不思議な発明
《ネタバレ》 あの時には狂気さえ帯びる男の激しい情熱を徹底的に映像化してきたスコセッシが、どうしてこんな子供向けっぽい大作映画を撮ったんだろう。と、疑問に思いながら鑑賞。結論から言えば、長くハリウッドで多くの映画作品を撮り続けてきた彼が、そんな映画への愛を一度総決算してみたような作品でした。十年後、百年後にはもしかしたら消えてなくなってしまうかも知れない、それでも自分の作品を観に来てくれる観客のために映画を撮り続けた自分へのエールのようなものを感じます。ただ、彼の持ち味が充分に活かされていたとは言い難く、なんとも平凡な作品へとまとまってしまったことが残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2013-03-24 18:41:18) |
1062. バトルシップ(2012)
《ネタバレ》 何の期待もせずに観たせいか、それなりに面白かった。頭を空っぽにして観るべき、ストーリーなんてあってなきが如しのお金だけはやたらかけた空っぽ映画。たまにはこんな映画を観るのもいいかもね。もうちょっとエイリアンにエグさがあればもっと良かったんだけど、それは好みの問題。リーアム・ニーソンと浅野忠信も良い感じでした。 [DVD(字幕)] 6点(2013-03-24 17:51:57) |
1063. 戦火の馬
《ネタバレ》 良くも悪くもスピルバーグ作品。過酷な戦場に翻弄される青年の人生と数奇な二頭の馬の変遷を巧みな演出で最後までドラマティックに見せてくれます。どこまでCGが分からない馬の演技もなかなか見応えがあり、リアルに再現された第一次大戦の戦場も(プライベート・ライアンほどではないにせよ)素晴らしい。ただ……、甘い。基本的には善人しかでてこないし、ほとんど誰も不幸にならないし、目を覆うような残酷シーンもない。最後まで家族で安心して観られる映画。そう意識して作られた映画だとは分かっていても、やはり僕には物足りなかった。 [DVD(字幕)] 6点(2013-03-24 17:44:44) |
1064. マネーボール
《ネタバレ》 スポーツ界の内幕にも、メジャーリーグにも、さらには野球にも全く興味もなく、ただブラット・ピットとフィリップ・シーモア・ホフマン見たさだけで鑑賞。面白くなかったらすぐに観るのを止めようと思っていたのだけど、手堅くテンポよく創られていて、ちゃんと最後まで面白く観れた。ただ、あまりにも優等生な感じに撮られていて、最初観るときに想像したとおりの、全く予想外という展開もなく印象的なキャラクターもいないので、野球に興味のない自分としてはすぐに忘れてしまいそうな映画でもあった。野球好きな人にはお薦めです(当たり前か)。 [DVD(字幕)] 6点(2012-12-08 21:40:21)(良:1票) |
1065. 127時間
《ネタバレ》 ダニー・ボイルもそろそろ巨匠の貫禄がついてきて、このような佳品を作れるようになったのかと感心してしまった。アウトドアが好きなノーテンキ男が誰も知らない岩場に腕を挟まれて、ただ独りぼっちで五日間を過ごしたという事実を、「よしどう面白い映画に仕上げてやろうか」という監督の余裕の遊び心見たいなものを調所に感じて、しかもそれがちゃんと面白いんだからさすがです。でも、やっぱりあの腕を切るシーンが必要以上にグロくてなんだか映画のなかで、そこだけういているような気がしたので少しマイナスで。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-21 18:35:10) |
1066. モールス
《ネタバレ》 途中まで「あれ、この映画観たことあるかも」という激しい既視感に捉われながら、それでもなんだか微妙に違うと思いつつ最後まで鑑賞。調べてみたら、あの途中であまりのつまらなさに半分寝ながら観た『ぼくのエリ』のリメイクだったのですね。あの独り善がりな原典と違って、今作はちゃんと観客目線も意識した作りになっているため、格段に面白く観れた。まあ、昔からよくある永遠に大人にならないヴァンパイアの恋愛モノといったらそれまでだけど、でも美しい少女が血に飢えると恐ろしいモンスターになるという設定は新しい。なにも悪いことしていない刑事を殺して血を貪った、そんな血だらけの彼女とキスをする主人公の少年の姿は、ぞくぞくするくらいアンモラルで美しい。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-08 21:17:38) |
1067. スーパー!
《ネタバレ》 試みとしては面白いと思うのだけど、やはりどうしても既視感が強い。正義のヒーローが現実の世界にいたらというテーマは、古くは藤子不二夫の漫画『ウルトラスーパーデラックスマン』でも描かれていたし、最近では『ウォッチメン』もそうだ。でも、あくまで最後まで駄目男として描かれる主人公と頭のイカれたヒロインという組み合わせは、辛うじて新しい。グロテスクな暴力とCGの使い方もなかなか。余談だけど、アメリカにも触手系アダルトアニメってあるんですね(笑)。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-08 21:05:02) |
1068. IN HER SKIN/イン・ハー・スキン
《ネタバレ》 実話を基にした映画ということで、ひたすら重たい話なのだけど、それでも見せ方が凝っているのでちゃんと最後まで飽きずに観ることが出来た。それぞれの登場人物の視点を章仕立てで見せる監督のセンスはなかなかのもの。そしてこの映画のポイントである、犯人の少女の情緒不安定な姿を演じたこの役者の力量は相当なものだった。まだ若い俳優だけど、もしかしたら将来キャシー・ベイツのようなバイプレイヤーになれるのではないだろうか。しかし、犯人の少女が仮釈放されるのが2013年予定。来年じゃないか。遺族や親族、何より犯人である少女のことを思うとなんとなく後味の悪いものが残った。 [DVD(字幕)] 6点(2012-10-21 20:18:40) |
1069. スパイダーマン3
《ネタバレ》 もうここまでくると、監督を始め俳優陣もスタッフもわざとやりたい放題やってますね。やっぱりこの映画の見所は、ブラックスパイダーマンでもサンドマンでもあるいは世界の平和を守るでもなくて、なにより世の女性からもっとも嫌われたヒロインであるMJとそんなどうしようもない女に振り回されて無駄に特殊能力を使っちゃうウジウジ男・スパイダーマンでしょう。いやぁこんなカップルに世界の平和が託されたと思うとやっぱり面白いね。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-23 16:23:57) |
1070. アリス・クリードの失踪
《ネタバレ》 主演俳優は三人のみ、舞台はずっとどこかの室内、新鋭監督がただ面白い映画を撮りたいという情熱のみを武器に低予算で撮った作品。売り文句にもあるとおり、今では大作映画を手がけている売れっ子監督もかつてはこのような作品でデビューを果たしている。確かに冒頭から始まる無駄な描写を徹底的に排除したスピード感溢れる展開には息を呑む。それに三者三様の愛憎絡み合う遣り取りには惹きつけられる。確かに面白くはあるけれど、上記の監督たちの作品(レザボアドックスやメメント、あるいはバウンドなど)と比べるとなんだか新しさに欠けるような気がしてならない。新人なんだから、もっと冒険してほしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-20 15:12:56) |
1071. バンク・ジョブ
《ネタバレ》 手馴れた手腕が光る、良く出来たクライム・サスペンス。実話を基にしながら、ちゃんとエンターテイメントとして肩肘張らずに最後まで楽しめる。主役を始め、いかにも英国の俳優然としたキャストも良い味出している。ただ、やはり新しさはないので面白くはあるけどあまり印象に残らないところが弱点かな。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-20 15:01:13) |
1072. ガフールの伝説
《ネタバレ》 あの奇才ザック・スナイダー監督が初めて挑んだ、ファミリー向けファンタジー映画。所々にこの監督ならではの映像センスを感じるけど、ちょっとその才気が十分に活かしきれていないような印象が残った。やはり、この監督のセンスは(色々と制約のある)大衆受けするようなエンタメ作品には合わないんだって。それでも最後まで飽きずに観れるところはさすがです! [DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 19:47:19) |
1073. アウトレイジ(2010)
《ネタバレ》 北野武の映画って、個人的に苦手だったのだけど、これはけっこう観ていられた(それでもその〝イタイ〟暴力描写は、やっぱり自分には合わなかったけれど)。どうしようもないヤクザ者たちの暴力の応酬が、次第にエスカレートしていって、最後はほとんどの登場人物たちが自滅していく姿を、独特のドライな映像で描く。なんだか花村萬月のある種の小説の世界を思い出してしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 18:58:52) |
1074. ニコラス・ケイジの ウェザーマン
《ネタバレ》 けっこうな閉塞状況にいると(個人的は)思える主人公なのに、その独特なユーモア感覚で最後まで明るく観れるというこの監督らしい作品だった。どうしようもない状況に陥った駄目男が、この状況を打ち破るためにアーチェリーの矢を構えるところはもっと悲惨な描写になっても良いはずなのに、そうはならず、最後まで軽妙な作風を維持するところが観ていて楽しい。最近、借金まみれで駄作にばかり出ているニコラス・ケイジに、スポンジボブがいつだって見守っていてくれているよって(余計なお世話だろうけど)言ってあげたい。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-27 19:41:05) |
1075. プリースト
《ネタバレ》 まぁ、これくらいの出来だろうと自分のなかで勝手にハードルを下げて観たせいか、そこそこ楽しめた。色んな映画(ブレードランナーやらアンダーワールドやら)の良いところをどうにかこうにか繋ぎ合わせて無難な出来に仕上がっている。後で知ったことだけど、監督は『レギオン』を撮った人だった。そのデビュー作では、人類の存亡を賭けた戦いが、最後まで田舎のレストランで繰り広げられるというお馬鹿な設定だったけど、今作ではそこまで破綻した設定は出てこなかったように思う(勝手にハードルを下げて観たせいかもですけどね)。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-27 19:04:01) |
1076. 生きる
《ネタバレ》 確かに力強い映画であることは分かる。黒澤明の才気が縦横にみなぎっているのも伝わってくるけれど、どうにも個人的にそれが説教臭く感じてしまった。良い映画だとは思うけど、個人的には他の黒澤作品のほうが好き。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-16 17:07:21) |
1077. サマーウォーズ
《ネタバレ》 80年代に大量に作られた、ドタバタラブコメの現代版のような映画。やはり新しいのは、そのネット上の世界を表すシャープでポップな映像美だろう。現実とネットの世界がシンクロし、夏休みに訪れた田舎の裏山と世界の危機が同時進行で収斂されていく演出は確かに見事だった。ただ、その余りに童貞中高生が夢見そうなラブコメ世界は、個人的に辟易させられてしまったのでこの点数。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-12 11:00:21) |
1078. コンテイジョン
《ネタバレ》 丁寧に作られたパンデミック・スリラー映画。豪華な俳優人の抑えた演技が緊迫度を増していて、ソダーバーグの手堅い演出が光っている。映画が始まってから約二時間、緊張の糸が途切れないのがすごい。ただ、それが余りにも優等生なつくりに仕上がっていて、幾分物足りないようにも感じる。この群像劇のなかにもっと一人くらい人間的な壊れたキャラクターが欲しかった。監督が過去に撮った傑作「トラフィック」に出てくる、子供のために麻薬を売り捌く母親のような。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-12 10:49:28)(良:1票) |
1079. グリーン・ランタン
《ネタバレ》 なーんにも期待しないで観たせいか、そこそこ楽しめた。これまで手堅いアクション映画を手掛けてきたマーティン・キャンベル監督らしく、今作もまぁ突っ込みどころは多いけれど二時間飽きずに楽しめる。宇宙規模の大戦争と、いけてない科学者の横恋慕を同列に扱うのはさすがにどうかと思うけど。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-29 17:10:16) |
1080. トゥルー・クライム(1999)
手堅く作られた、社会派サスペンス。イーストウッド監督作品としては、珍しくエンタメ要素の強い作品なので、比較的気軽に楽しめる。最後は少々ご都合主義に過ぎるきらいもあるが、最後まで緊張感を持って観ることができる良作。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-26 15:15:08) |