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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1201.  ぼんち 《ネタバレ》 
雷蔵初の現代劇映画での主役だったんですが、撮影開始前には市川崑やスタッフおよび雷蔵本人までもがミス・キャストだと感じていたという信じられない逸話があるそうです。なるほど、髷を結ってない雷蔵がスクリーンに登場するのは初めてだったので無理もありませんが、 “喜久ぼん”を軽妙に演じきって雷蔵はまさに新境地を開拓したわけです。翌年には『好色一代男』の世之助で最高の演技を披露するのですから、やはりこの人は天才です。 市川崑は増村保造とは逆の作風で、日本的な様式美を尊重しながらも内容では現代的なモダニズムを追求する監督です。彼の視点からこの題材を料理すると、男と女はまるで違う種類の動物みたいに冷徹な眼で観察しています。焼け残った土蔵に喜久ぼんを取り巻いていた女たちが集まってくるシーンはなかなか強烈なインパクトがあります。そこで吐露される祖母の真情、つまり彼女らにとって商売は男の世界、本当に大事だったのは商売でも暖簾でもなくて女系家族として男たちを支配する生活が続くことだったんですね。 若尾文子と雷蔵はやはりゴールデン・カップルです。本作では二人の絡み芝居が多くて堪能させて頂きました。あの有名な女たちの入浴シーンも見事な演出で、京マチ子に越路吹雪まで一緒に入っているんですから最高です。気弱な女を演じる山田五十鈴というのもまた珍しい光景で、やはり女優のアンサンブルを撮らせたら市川崑はピカイチですね。テンポが速い編集術も物語のスピィーディな展開に良くマッチしていると思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-01 23:41:50)
1202.  メカニック(2011) 《ネタバレ》 
たしか一年ぐらい前に観たはずなのに、内容が全然思い出せませんでした。そこで改めて観てみましたが、けっこうソリッドな撮り方でジェイソン・ステイサムの近作の中では上位にランクして良いでしょう。ジェイソン主演の映画って、彼がどの映画でもまったく役作りしないので、ほんとどれも同じみたいになって記憶から消えてしまうんですよね。 冒頭の殺しが彼の魅力を最大限に引き出している感じがします。あのクールな手際良さ、プールの殺しから河に飛び込んで曳き舟につかまって逃げ切るところまで一気に見せてくれます。さすが元ダイビング選手だけあって水中アクションはお手の物ですよね。 ベン・フォスターもいかにもキレやすそうな青っぽさが上手く表現していたと思います。でも完璧をモットーとするジェイソンが、いくら殺してしまった友の息子とはいえあんな未熟者を弟子にするかと思いますが、まあこれはオリジナル映画が有るんで仕方ないですね。 我が国にも世界に誇る『ゴルゴ13』というコンテンツがあるんですから、せめてこの映画ぐらいのレベルで映像化して欲しいものです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-30 21:44:28)
1203.  デンジャラス・ビューティー
サンドラ・ブロックが弾けたというかコメディエンヌ路線をしばらく驀進することになった時期があったんですよね。豚鼻笑いやドリフのコントみたいなずっこけネタをしつこいぐらい見せてくれますけど、やっぱ後にオスカー女優になるだけあって上手いわ、感心いたしました。でもね、やはり元が美人だからミスコンで変身させるというのは画的にはインパクトが足りないでしょう。ここはやはり『モンスター』のシャーリーズ・セロンぐらいのレベルからレディーに逆変身という感じの方が良かったでしょう、でもそれじゃちとやり過ぎかな。 それにしてもアバウトな脚本だけどここまで愉しめたのはやはり脇にマイケル・ケインを持ってきた成果でしょうね。乞われればどんな映画にもホイホイ出演するというマイケル・ケインですが、作品数は少ないけど彼のコメディ演技はどれも絶妙なんです。とくにこういう毒のないコメディにはうってつけです。ちなみにもっとブラックなミスコンものコメディをお望みの方には、キルスティン・ダンストの『わたしが美しくなった100の秘密』がお奨めです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-28 22:44:45)
1204.  ダーティハリー3 《ネタバレ》 
「泣けるぜ」、もーこのセリフでハリーが何回ぼやいたことでしょう。でもぼやく度にまるで笑えないコメディみたいになってゆくところが情けない。相棒も今回は女性刑事になるところは、製作者の世間の風俗を手堅く織り込んでゆく抜け目なさを感じます。イーストウッドも劇中二回も相棒女性刑事に命を助けられるし、本作ではなんかいつものキレが感じられなかったです。人権第一の世相やフェミニズムを揶揄している脚本は第一作からの流れですが、こういうところが『ダーティハリー』がアメリカのリベラルな批評家から嫌われる所以なんでしょうね。 ラストのアルカトラズ島での対決にはもっと工夫が必要で、全然盛り上がらなかったですね。市長より先に櫓に登りきって吹っ飛ばされるバカな犯人には、もう笑うしかありません。だいたい市街から目と鼻の先にあるアルカトラズに隠れても、ふつう真っ先に警察がチェックする場所じゃないでしょうか。私はこれ以降『ダーティハリー』シリーズは映画館に観に行かなくなりました。
[映画館(字幕)] 4点(2014-10-27 21:41:49)
1205.  エンド・オブ・ホワイトハウス 《ネタバレ》 
警官・軍人・政治家・民間人をバッタバッタと殺しまくる地球侵略に来たエイリアンも裸足で逃げ出すような最凶テロリスト軍団ですけど、そのド派手なアクションよりもっとリアリティがないのがプロットなんですね。だいいち、北朝鮮にあんな大規模な攻撃を仕掛けるノウハウも度胸もないってことでしょう。アル・カイーダなんかに較べると米国本土に対する脅威は屁みたいな実力しかないですから、映画でどんなに凶悪なことをやらかしても実行される可能性は0なので米国人には身につまされることはなく、それこそエイリアンが暴れている様な感じでしょう。この映画もっともらしく撮ってますけど、脚本書いた人には東アジアや朝鮮半島の政治情勢についての基礎知識が欠けているみたいですね。大統領に権限が集中している韓国なのに首相が訪米して首脳会談するところなんて噴飯ものです。そして非常事態を説明する相手国の中にになぜか日本じゃなくてインドが入っているってのもヘンですよね。笑っちゃうのは韓国首相の随員がみんな北朝鮮の工作員だったってところで、おまけに首相もあっさり撃ち殺されちゃうし、この映画たぶん韓国内では上映禁止なんじゃないでしょうか。 ジェラルド・バトラーの無敵ぶりはレオニダス王が現代に再臨したみたいな感じです。残念なのは真っ暗な室内での闘いが多くて何やってるのか判りづらいところです。大統領夫人や息子とか奥さんとかそれっぽいキャラはいますが、伏線を全然張らない単純なストーリーなのでちょっと拍子抜けの感もありました。いちばんびっくりしたのは、映像での描写やセリフもないけどあの大統領は暗号コードをばらしたんですよね。もー信じられない、この腰ぬけめ(怒)! 『ダイ・ハード』のタカギ社長を少しは見習え!
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-10-26 00:30:56)
1206.  華岡青洲の妻 《ネタバレ》 
傍目には良好な関係を築いていたように見えた於継と加恵が、映画が始まって30分近くなってようやく青洲が登場した途端に息が詰まるようなバトルを始めるところがまた強烈。雷蔵・若尾文子・高峰秀子の壮絶な演技合戦は、もうこれは必見としか言いようがありません。高峰秀子がこんなに怖い女を演じてたなんて今まで知りませんでした、ほんと迂闊でした。華岡青洲という人は努力の天才でエゴイスト、そしてマッドサイエンティストだったんだなと言うことが良く判ります。 新藤兼人の脚本に冷徹な増村保造の演出なんだから、そりゃあ凡庸な映画になるわけがありません。麻酔が効き始めて悶え苦しむさまや二度の出産シーンなど、こういう題材でもきちんと若尾文子のエロティシズムを見せてくれるところは増村保造ならではです。そしてマンダラゲの畑の中に若尾がすうっと姿を消してゆくラストカットがまた素晴らしいんです。 昭和の女優の底力を堪能させてくれる一本です。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2014-10-24 22:29:22)
1207.  陸軍中野学校 雲一号指令 《ネタバレ》 
二作目になってだんだんスパイものらしさが出てきました。新型砲弾の戦線投入を阻止しようと破壊工作を繰り返す中国(?)スパイ組織と雷蔵の対決でございます。この映画の雷蔵はまるで警察官のように地道に捜査を続け、銃を撃つどころか最後まで格闘アクションすら見せません。ジェームズ・ボンドというよりマイケル・ケインのハリー・パーマーみたいな渋さと言いましょうか、それでもクールな雷蔵の魅力は圧倒的です。軍需成金に変装して芸者屋通いもするんですが、そこではまるで『好色一代男』の世乃助みたいな軽妙な芝居も見せてくれて愉しませてくれます。 中国スパイ組織のボスがなんで白人の神父なんだよ、とかそりゃ突っ込みどころも多いですが、あまり五月蠅いことは言いますまい。でも残念だったのは目立った女優が村松英子だけというあたりで、綺麗どころをもっと出してほしかったですね。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-10-23 19:48:28)
1208.  陸軍中野学校 《ネタバレ》 
陸軍中野学校では女の悦ばせ方まで教えていたって、史実なんですかね? もうこのシーンだけは爆笑するべきなんでしょうけど、マネキン使って講義してるところなんかは教える方も教わる方も大真面目なんでちょっとシュールな世界です。ちゃんとその後で芸者をあげて実習させるところなんか、さすが中野学校です(笑)。 この映画の雷蔵はもうクールで冷酷無比、時代劇で活躍した雷蔵ですが彼の数少ない現代劇を観るとほんとはこっちの方が向いていたんじゃないかと思うぐらいです。この『中野学校』シリーズのキャラは『ある殺し屋』の正体不明の主人公に通じるものがあり、実は『ある殺し屋』の塩沢は椎名次郎の戦後の姿だったという解釈もできますね。 すでにご指摘の方もいらっしゃいますが、私もヒロインは若尾文子の方が良かったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-10-20 18:50:49)
1209.  フロム・ダスク・ティル・ドーン 《ネタバレ》 
ご存知究極のハイブリッド・ムーヴィー、まるで一本で二本の映画を観た様な気分になれます(笑)。タランティーノとロドリゲスがコンビを組んだ映画の中では本作がいちばん面白いんじゃないでしょうか。冒頭の酒屋のシークエンスから、タラお得意の緊迫感あふれる展開で痺れてしまいます。東の三池崇史か西のロドリゲスかと言われるぐらいやり過ぎるロドリゲスの事ですから、後半のバンパイア編はもう無茶苦茶でございます。でもあのお店ティティー・ツイスターはバンパイアさえいなければ実に楽しそうですね。私もセス・ゲッコーじゃないけど毎日でも通いたいぐらいです(笑)。 でもいろいろ言われますけど前半のクライム・バイオレンスと後半のスプラッター・ホラーの相性は悪くないないので観終わってしまうと不思議と納得してしまうところもあります。ここら辺はさすがタランティーノ、バカやってる様に見えて深い計算のうえで書かれた脚本なのです(本当か?)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-20 17:57:23)
1210.  暴走機関車 《ネタバレ》 
黒澤明が投げた企画を形にしたゴーラン&グローバスのキャノン・フィルムの功績は素直に認めてあげたい。なんで監督がアンドレイ・コンチャロフスキーなのかという疑問はありますけどね。でも映像の随所にソ連の映画監督を引っ張ってきたという効果はみて取れます。刑務所の荒れっぷりや仕事に対する緊張感が不足している鉄道会社の社員たちの姿は、アメリカというよりも当時のソ連社会を投影しているみたいです。ジョン・ボイトを屋根に載せて機関車が突っ走るラストには、ソ連の映画作家が好む無常感に通じるものがあります。 黒澤のオリジナル脚本はもっと乾いたスリルとサスペンスを強調したものだったそうですが、それをアメリカ人がリライトしたら男と男の情念のぶつかり合いみたいな日本的なストーリーになってしまったというのも皮肉なもんです。出演者の中では半分ぐらい経ってようやく登場してきたレベッカ・デモーネイ、いつもの厚化粧とは打って変わってほとんど素ッピンみたいな田舎の芋ネエチャン風が良かったです、ほとんど活躍しなかったけどね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-18 01:46:00)(良:1票)
1211.  SUSHI GIRL 《ネタバレ》 
キワモノだと思ってましたが、“Diamonds Are Forever”が流れる実にカッコ良いオープニング・タイトルで「ひょっとして、これは」と期待が高まってしまいました。で、結論から申しますと、本作はちょっとした掘り出し物でした。 どっから観ても『レザボア・ドッグス』のパクりなんですけど、タランティーノ特有の時系列シャッフルとムダ話がない分進行がスピィーディーかつスマートなんです。ガラスの破片を詰めたソックスで顔面を滅多打ちにしたり歯をペンチで引っこ抜いたり、拷問のエグさは完全にタラを凌駕してます。まあ、あれしかないとは思いますけど、千葉真一の使い方もなかなか上手です。当然ながら出番のほとんどを全裸で身動きひとつしない“スシ・ガール”の女優も、なかなかのナイスバディで目の保養になりました。 でも見逃せないのは疑われて拷問される男で、これを演じるノア・ハサウェイは『ネバー・エンディング・ストーリー』でドラゴンに乗ってた少年役だった人なんですよ。タトゥーだらけのいかにも悪そうな中年になっていて、あの紅顔の美少年が、と嘆かずにはいられません。でももっと凄いのは拷問する側の悪漢にマーク・ハミルがいるんですが、こっちはもっと凄まじい変貌ぶりです。ロン毛のブロンドででっぷり肥えたその容姿は、フィリップ・シーモア・ホフマンかむかしのポール・ウィリアムスかと見間違えてしまいました(おまけにホモなんです)。 ルーク・スカイウォーカーがこんな姿になっちゃうなんて、私は悲しいです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-15 20:17:14)
1212.  謎の要人悠々逃亡! 《ネタバレ》 
まず邦題が最高の優れもの!誰のお仕事かは存じませんが(水野晴郎ってことはまさかないでしょう)、これほど映画の内容を的確に伝える邦題は滅多にあるもんじゃないです。 ヒッチコックが脱走ものを撮ったらこんな感じになるんじゃないかと思える洒落っ気が楽しいところですが、これも主演にジェームズ・ロバートソン・ジャスティスを使ったのが勝因でしょう。この人『ナバロンの要塞』などの主に60年代の戦争映画で良く見かける髭面のいかにも英国紳士という風貌の俳優ですが、主役を演じている映画となると非常に珍しいです。劇中で空軍将校に化けようとすると「空軍の規則では髭はNG」と言われて海軍将校に変更するエピソードがありますが、これは一種の楽屋落ちでしょう。実際この人の髭を生やしていない顔は映画では観たことないですから、髭は完全に彼のトレードマークなんでしょうね。 この映画で実行される脱走は『アルゴ』の作戦とほとんど一緒です。まさかCIAの担当者が本作を観て考えついた計画ではないでしょうが、まさに“事実は映画よりも奇なり”ということですね。ラストの敵味方の戦後の再会も微笑ましいし、こういう登場人物が誰も死なない戦争映画というのもまた良いもんです。
[DVD(字幕)] 7点(2014-10-12 23:42:50)
1213.  愛のメモリー 《ネタバレ》 
デ・パルマ映画の中でも屈指のぶっ飛びストーリーだと私は思います。詳しくは書けませんけど、もうあわや近親相姦になるところですからねえ(笑)。妻子を亡くした男の喪失感を前面に押し出した前半と、強引な急展開へと暴走する後半がかなりアンバランスなのも目を見張るところかもしれません。思うにこれは脚本にポール・シュレイダーが参加しているのが原因かもしれませんね。ヒッチコック大好きデ・パルマですからもろにオマージュと判るシーンも幾つかありますが、誘拐犯たちの意図がイマイチ不明なのに突っ走っちゃうストーリー・テリングも彼らしいところです。でも急展開の後で見せてくれるあのグルグル回るラスト・シーンは、映画史に残ると言う人もいるぐらいでさすがにグッとくるものがあります。これをマネしている映画はいっぱいありますからね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-10 18:29:57)
1214.  ワーキング・ガール 《ネタバレ》 
いやはや何とも、あのジョーン・キューザックの存在感というか厚化粧の凄さは強烈でございました。連獅子ヘアスタイルもさることながら毒々しいアイシャドウのメイク、もう荒事の歌舞伎役者そっくりです。メラニー・グリフィスもさんざん下着姿を披露したけど完全に喰われちゃった感がありました。 下積みキャリアウーマンの逆転サクセス・ストーリーといういかにも80年代らしさに溢れたテーマで、似た様なプロットの『赤ちゃんはトップレディーがお好き』(もっともこっちはエグゼクティブ・ウーマンがヒロインでしたが)に比べてみるとはるかに映画としての出来は上かなと思います。シガニー・ウィーバーが長を務める買収部門のフロアーが、良く見ると30人近くスタッフがいる様に見えるのに全員が女性というのはちょっと壮観でした、日本の証券会社では考えられないことですよ。そしてハリソン・フォード、この映画では三女優がオスカーにノミネートされたのに彼だけ無視され、まあそれも納得の平常運転の演技ですから。でも、ボタンをひとつも外さずにスルリとYシャツを脱ぐ妙技は、ワンシーンだけでしたけどなかなかレベルが高い技でした(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-07 21:47:41)
1215.  赤ちゃんはトップレディがお好き
そう言えばむかしDINKSという言葉が流行りましたよね、とっても懐かしい気持ちです。そして80年代にはほんのちょっと社会性をまぶしたラブコメが流行ったんですよね、この映画はその奔りみたいなもんです。 ダイアン・キートンを強引な展開で子持ちにしちゃってからの軽いというかご都合主義の極みの脚本、この手の映画は雰囲気を愉しむのが正解なんで気にしないことにいたしましょう。キートンのスーツ姿のキャリア・ウーマンというのも珍しいのですが、さすがにファッションセンス抜群の彼女だけあって見事な着こなしです。でもそのキートンもサム・シェパードも喰われてしまったのが、あのエリザベスちゃんの名演技です。この子は映画出演もこれだけで子役の道も歩まず普通の人になっているみたいですが、今では30代半ばというところ、どんな女性になったのかいっぺん見てみたいですね。
[ビデオ(字幕)] 5点(2014-10-04 20:56:16)
1216.  チューブ・テイルズ 《ネタバレ》 
なんてことない話なんですけど、第一話でデクスター・フレッチャーとジェイソン・フレミングのコンビが登場して思わずニンマリでした(それにしてもこの二人、主役張ってるわけじゃないけど色んな映画につるんで出てますね)。そこにケリー・マクドナルドが絡んでいて、おおこれは『ロック・ストック』と『トレイン・スポッティング』のコラボかと思わず見入ってしまいました。そして最終話、ロンドンの地下鉄が黄泉の国へと繋がっているなんていい話じゃないですか。 まあその間に挟まれたエピソードは大した印象は残りませんでしたが、俳優たちが監督したお話しもそう悪い出来じゃなかったと思います。邦画でも監督に俳優を起用したオムニバスがときどきありますが、たいがいメッセージも伝わらない様な無残なケースが多いことと比べるとユアンもジュードもボブ・ホスキンスも良いセンスしてると思います。 でもいちばん受けたのは第七話で、あの女性が驚愕の振る舞いに及んだとき、思わず自分も噴き出してしまいました(もちろんゲロじゃありませんよ)。いい歳してこういうネタに敏感に反応しちゃうなんて、精神年齢を疑われそうです。
[ビデオ(字幕)] 6点(2014-10-02 21:24:09)
1217.  沈黙の戦艦 《ネタバレ》 
大して熱心に観てるわけじゃないですが、セガール映画の中から一本選ぶとしたらやはりこれだよね。“人類史上最強のコック”ケイシ―・ライバックはいまやセガールが演じるヒーローの代名詞みたいになってるし、「お前ちょっとやり過ぎだろ」と言いたくなるほどの最強ぶりです。セガールを語るときにつきまとうのは彼のハリウッドでの不思議なポジションなんですが、この映画でも実物の戦艦ミズーリでロケをするなんて並みのコネじゃ実現できるもんじゃありませんよ。今や戦艦という兵器が地球上に存在しなくなってしまった現在、こういう映画はもう撮れないというわけです。でも主砲の一門だけとは言っても、あんなに少人数で簡単に発砲出来るもんなんですかね、まして照準して命中させるなんてね。まあそこら辺は深く突っ込むのはヤボというもんでしょう。 乗っ取り側のトミー・リー・ジョーンズとゲイリー・ビューシィのキレっぷりというか怪演がまた盛り上げてくれます。とくにゲイリー・ビューシィの女装まで披露する狂いっぷり、ここまで変態な士官を登場させればミズーリを貸してくれた海軍もさすがにいい顔はしなかったでしょうね(笑)。 まあテンポも良いし、「TVで放映してたらついつい観ちゃう映画」ランキングがあったら上位入賞間違いなしでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-01 22:14:32)
1218.  ジャッキー・コーガン 《ネタバレ》 
この映画は予備知識やネタばれ情報を知った上で観ないといけませんね、自分はどちらもなかったので「フィルム・ノワールと謳う割にはプロットや登場人物がなんか妙な映画だな」としか思えなかったです(笑)。つまり本作は『マージン・コール』と同じテーマの映画だったわけですね。街の片隅の酒場で開かれている賭場を証券市場のメタファーにするなんてベタですけどなかなか秀逸なアイデアかもしれません。でも最近はやりのタランティーノ風グダグダ会話劇を真似て、これほど失敗している映画もちょっと珍しいんじゃないですか。とくにジャッキー・コーガンとミッキーの二度ある会話シークエンスは、ほんとあまりのひどさにイライラさせられました。 各登場キャラが金融市場のプレイヤーのメタファーになっているのは理解できますが、何を暗示しているのか良く判らないキャラもいますね。とくにブラッド・ピットは何なんでしょうか。個人的な考えでは彼は良心としてのネットメディアで、彼が法に許されない正義の鉄槌を下したんじゃないでしょうか。かつてはキレ者で通ってたNYから来たミッキーは既存のTVなどのメディアのカリカチュアで、社会の不正を糺すには結局なんの役にも立たないということが言いたいのかもしれません、たぶん。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-10-01 21:41:03)
1219.  スリーウイメン/この壁が話せたら<TVM> 《ネタバレ》 
続編の『ウーマン・ラブ・ウーマン』を先に観ちゃったけど、こっちは中絶がテーマでレズビアンを扱った続編にあった明るさは全然感じられませんでしたしインパクトははるかに強烈でした。■50年代のデミ・ムーアは、もうストレートな悲劇としか言いようがありません。淡々とヤミ中絶の失敗までを描いていますが、どの角度から見ても主人公の置かれたシチュエーションは絶望を絵に描いた様な感じです。デミもこんな演技が出来るんなら、もっとこういうキャラを演じる映画に出た方が良かったんじゃないでしょうか、その後の彼女のフィルモグラフィを観ると完全に方向性を誤ったなと思います。■70年代のシシー・スペイセック編はちょっと一息つける感じが良かったです。彼女も夫も子供たちもみんな前向きに生きているところが良くて、新しい家族が増えるという経済的な試練をきっとこのファミリーは乗り越えてゆくだろうなと希望の光がありました。■そして衝撃のシェールの90年代編です。アメリカという国のダークサイドをマジマジと見せつけられて慄然とさせられます。このキリスト教狂信者たちはどうして他人の事にここまでちょっかいを出すんだろうか、ともう観てて不快極まりなかったです。あの驚愕のラストも凄まじかったけど、ここにはちょっと考えさせられるところもありました。あの女性だけで運営されている施設内で男性が登場するというところに、ちょっと類型的なフェミニズムを感じてしまうんです。自分には“あれ”をするのは女性であった方がより普遍的な人間性の闇を表現出来たんじゃないかとちょっと残念に思えるのです。■テーマといい表現方法の先鋭さといい、これがHBOのTVMだということはほんと驚かされます。アメリカのメディアは日本が到底かなわないほど奥が深いと思いしらされました。
[ビデオ(字幕)] 8点(2014-09-27 14:44:29)
1220.  ガントレット 《ネタバレ》 
もうこれは、脚本家の頭に「銃でガントレット(鞭打ち刑)をやる映画って面白くない?」という妄想が浮かび、それを無理矢理ポリス・ムーヴィーとしてシナリオ書いたら思いもよらず企画が通っちゃった、という舞台裏が透けて見える様です。ソンドラ・ロックの家やパトカーを腕ごなしにハチの巣にしてラストのガントレット祭りにまで持ってゆく呆れるほど強引なストーリー、イーストウッドが監督・主演じゃなければ単なるおバカ映画になるところでした。でも道路の両側からあんなに撃ちまくったら、たぶん三分の一の警官は流れ弾に当たって倒れると思いますがね。そしてイーストウッドたちを追いかける殺し屋たちの射撃の下手なこと、とくにヘリコプターのスナイパー、単発ライフルじゃなくってM-16みたいなアサルトライフルを普通使うでしょ、もうご都合主義なんだから! でもやっぱりこの映画が私は好きなんだよな。現代のセガールなんかの対極にある様な血を流し痛めつけられるイーストウッドの姿は彼の演じるヒーロー像の完成形と言えるでしょう。ゲップが出るほど銃弾が飛び交う映画なのに、イーストウッド自身は誰も銃で殺さないというのも彼のフィルモグラフィの中でも特異な一篇でもあります。
[映画館(字幕)] 7点(2014-09-24 20:30:35)
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