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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2381
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1221.  バレンチノ 《ネタバレ》 
ケン・ラッセルお得意の芸術家伝記映画の掉尾を飾る一編、そりゃあルドルフ・ヴァレンチノだって立派なアーティストですよ。物語はヴァレンチノが死んだときの伝説の騒動から始まる。死せるヴァレンチノに別れを告げに来る彼の生涯をかき回した三人の女の回想という形式は、『市民ケーン』方式というかオーソドックスな伝記映画ですな。でもケンちゃんのことだからありふれたスタイルのはずがなくどんどんと飛躍してゆくのはお約束ですけど、ギリ70年代の彼の作品は80年代以降の訳の分からなさが大爆発する作風に比べればはるかに観やすい。それでもラストの新聞記者とのボクシング決闘のシークエンスは、何の映画を見せられているのか戸惑わされるのは必定で、さすがケンちゃんと褒めてあげましょう。サイレント時代の映画スターだけあって当時の撮影風景は今の眼からすると奇妙で、無声なのを良いことに「右向け、左向け!」みたいな感じで監督が終始俳優に声をかけているところが面白い。ミシェル・フィリップスを始めとする女優陣は美形揃いで、醜女好きなこの監督にしては珍しいことです。せっかくルドルフ・ヌレエフを使ってヴァレンチノを演じさせるのだからもっとダンス・シークエンスが合ってもあってもよさそうなもんだけど、どうもケンちゃんはそっちの方は興味がなかったみたいです。ケン・ラッセル・マニアの自分としては刺激が足りないかなという感じで、まあ可もなく不可もなくというところでしょうか。
[ビデオ(字幕)] 6点(2023-07-07 23:06:47)
1222.  最後の決闘裁判 《ネタバレ》 
このストーリーはまさに中世フランス版#MeTooという感じでしたね。人妻が夫以外の男を「あの人はイケメンね」と言っただけで裁判で糾弾されるとは、なんともはやです。この頃は全世界でこんな感じだったんでしょうけど、さすがに「強姦では妊娠しない」という説には唖然とさせられました。こんなトンデモを聖職者が大真面目に言うんですから、凄いですよね。ということは、マルグリットがレイプされた直後の妊娠は、当時は夫であるジャンの子種ということになっていたんでしょうね。DNA鑑定はおろか血液型すら認識されていなかった時代ですから調べ様もないですけど、ル・グリの子である可能性だってあり得たんじゃないでしょうか。そういうことも考えられたので、マルグリットが被害を訴えたときに「ル・グリをお前の最後の男にはしない」とジャンが反応したんでしょうね、きっと。 誰が観たって『羅生門』をモチーフにした脚本であることは明白ですけど、三人のストーリーには基本的な事実には齟齬がないところが『羅生門』とは決定的に違うところでしょう。つまり誰も嘘を言っていない(ル・グリがマルグリットは自分を受け入れたと勝手に思い込んでいるとして)ということになってちっとも『藪の中』ではない、こうなってくると『羅生門』スタイルのストーリーテリングにした意味がない様な気がしました。ただ一つ違和感があったのは、ジャンの言いつけを無視して義母がマルグリットを一人にして外出した日に都合よくル・グリが彼女を襲いに来るところで、普通はウラがあるというのが定石ですよね、なんか肩透かしを喰らった気分です。 演じるマット・デイモンとアダム・ドライバーにしても、どっちも違う面で傲慢なキャラで、とても感情移入できないところが返って良かったと思います。室内での撮影はろうそくの灯だけが照明のような感じでちょっと観にくいのが難点ですが、屋外もすべて曇天下で撮影していて陽光が皆無、でもかえって中世的な雰囲気は出ていたかと思います。 そういやリドリー・スコットはデビュー作でも決闘がテーマだったし拘りというか原点に戻った感じですけど、調べるとフランス本土での最後の決闘裁判が行われたのは、この映画の史実のなんと150年後の1549年だったそうです。この映画のタイトル、まさに「看板に偽りあり」でした(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-06-18 22:42:10)
1223.  ロックンロール・ハイスクール 《ネタバレ》 
ロジャー・コーマン製作総指揮、ノン・クレジットながらジョー・ダンテも演出に参加した、あの伝説のNYパンクの雄ラモーンズが唯一出演した劇場映画、もっともラモーンズの面々は演技するんじゃなくて演奏しているだけなんだけどね。まあストーリーはよくある学園モノといっちゃあ観も蓋もないけど、ラモーンズが登場してからはノリまくったパーティ・ムーヴィー状態。ラストは高校生たちが校舎を爆破してしまうという超アナーキーな展開。生徒たちを管理して締め上げようとする女校長が悪役だけど、彼女の側近というかしもべのような二人組(ヘンゼルとグレーテル!と呼ばれているが、男です)の変態ぶりが強烈でしたね。あと唯一の生徒たちの理解者である音楽教師を、やはりコーマン一家のポール・バーテル(『デスレース2000年』の監督)が演じています。校内で妖しい企業を運営している男をロン・ハワードの実弟クリント・ハワードが怪演していますが、この兄弟って恐ろしく似てないですね。まあラモーンズ好きなんて今はけっこうなお歳の方々が多いんでしょうが、ファンにはたまらない一編であることは確かでしょう。しかし現在はオリジナルメンバー四人(つまりこの映画に出ている四人)は皆他界してしまっているとは、残念なことです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-16 22:50:47)
1224.  天国から来たチャンピオン 《ネタバレ》 
そうか、天国にはコンコルドに乗せられて超音速で行っちゃうのか、コンコルドはとっくの昔に引退してるし現在ではどの旅客機に乗せてもらえるのかな?やっぱエアバスなのかな。それより劇中でウオーレン・ベイティの演じるジョー・ペンドルトンが告げられる本来の命日は2025年3月20日、あと2年なんですね。現在85歳とけっこうなお歳になっているベイティ、もしこの日付が本当の命日になったらバズるかもしれませんね、すいません不謹慎をお許しください(笑)。 “古い革袋に新しい酒を詰める”じゃないけど、この映画は41年の『幽霊紐育を歩く』のリメイクなんですね。本来はボクサーが主人公だったのでモハメド・アリを起用して撮るはずが大人の事情でポシャり、アメフト選手に設定変更してベイティ自身が主演することになったそうです。彼は大学時代はアメフトの花形選手だったそうで、どうりでプレイ姿がさまになっているわけです。お話し自体もハートウォーミング+ラブコメの路線が強調されて、そこが本作の成功に繋がったのかな。別人の肉体に乗り移ってもベイティ自身が演じるという手抜きというか苦肉の策みたいな撮り方、これは自分には最後まで違和感が拭えませんでした。でもコーチや恋人にジョー・ペンドルトンの魂を感じさせたのに、ジョーとしての記憶は霧消して天国に召されてゆくラストは切ないもんですね。クラリネットをフューチャーしたデイヴ・グルーシンのテーマ曲にもジンと来るものがあります。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-03-16 23:00:03)
1225.  ホワイトハウス・ダウン 《ネタバレ》 
『ダイ・ハード』はアクション映画のスタイルを劇的に変え、その後は立てこもり型の『ダイ・ハード』的なプロットの映画は山ほど製作されましたが、本作ほど恥も外聞もなく同じ展開の映画を平気な顔して撮っちゃうとは、さすがにローランド・エメリッヒですね。ほんとナカトミビルがホワイトハウスに変わっただけで中身はほとんど一緒、登場キャラもすべて『ダイ・ハード』のキャラに簡単に紐づけできるし、チャニング・テイタムが最後には変色したランニング・シャツ姿になるところなんて笑うしかないです。でも裏切った警護隊長にジェームズ・ウッズを持ってきたことは大正解、何を考えているのか理解できない不気味な男を演じさせたら、この人の右に出る者はいません。そして『エアフォース・ワン』あたりから大統領自身がテロに巻き込まれて否応なく闘うというジャンルも登場してきましたが、この手の映画に出てきた合衆国大統領の中でも、ジェイミー・フォックスはずば抜けて情けない感じでした。最後にはカッコよいところを見せましたが、『ダイ・ハード』でブルース・ウィリスが見せてくれたボヤキ芸まで踏襲してますからねえ。これは当時のオバマ大統領を揶揄している悪意があるんじゃないかと思います。 荒唐無稽と言ってしまえばそれまでですが、アクション映画としては退屈しないんじゃないかと思います。とは言えラストでチャニング・テイタムの娘が大統領旗を振って空爆を中止させるところなんかは、やっぱエメリッヒの映画だよなあ。そして『インデペンス・デイ』に続いてまたもやホワイトハウスをボロボロにしたところも、この人なんか拘りがあるのかしら(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-03-04 21:42:06)
1226.  知らなすぎた男 《ネタバレ》 
とぼけたキャラを演じさせたら右に出る者がいないビル・マーレイが真骨頂を見せてくれます。この頃のマーレイは、80年代の演技から臭みが抜けてきて、現在の様に枯れきった境地に達する前のいわば全盛期だったような気がします。徹底的におバカな主人公がスパイとして大活躍するというのはMrビーンの原型という感じですけど、ローワンアトキンスの『ビーン』とこの映画が同年の製作だというのは興味深いところです。原題からしてパロっているヒッチコックの『知りすぎていた男』とは、ほとんどどこも被らない内容というところもふざけている。最後までマーレイが勘違いしたままで終わっちゃうところも、ある意味いさぎよいかなと思います。でも冷静になるとシュールなほどバカバカしいストーリーなんですが、やはりビル・マーレイ抜きでは成立し得なかっただろうな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-01-25 22:07:51)
1227.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
前半部は謎めいた展開で引き込まれますけど、中盤から伏線回収というか謎解きが始まると突っ込みたくなるところがだいぶ出てきます。まず言えることは、諜報員ルイ・ベルナールの行動が謎というか穴だらけなんじゃないでしょうかね。ジェームズ・スチュアート夫妻に接触してくる動機もなんか辻褄が合わないし、あんなに群衆でごった返している広場でスチュアートに出会ってダイイング・メッセージを残すなん偶然が過ぎるでしょ。彼はロンドンの公安部が差し向けた諜報員らしいけど、誰にも漏らしていないはずの息子が誘拐されたという情報がスチュアート夫妻がロンドンに到着する前に公安が把握しているというのはどうしてなの?誘拐犯夫婦がスチュアートたちに接触してきた理由に至っては理解不能。まるでベルナールがスチュアートに死に際に接触するのを予知していたみたいです。 とまあかなり穴が見える脚本ですけど、名匠ヒッチコックの手にかかるとけっこうハラハラドキドキさせてくれるのが憎い。ジェームズ・スチュアートはもちろんマッチョな活躍を見せるヒーローというタイプじゃないので、こういう冷静なようでいて役に立たない行動で右往左往するキャラがイメージ通りです。やはり奥さんのドリス・デイの方が序盤から鋭い観察力を見せる名探偵みたいで、悲鳴で要人暗殺を防ぐし最後は『ケ・セラ・セラ』を歌って息子を救い出すし、もう大活躍ですよ。二階で息子が吹く口笛があんな遠くまで響くってのは、ちょっと盛り過ぎですけどね(笑)。 ところでヒッチコック御大はどこで顔を出してましたかね?判らんかったなぁ…
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-01-22 21:50:11)
1228.  モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン 《ネタバレ》 
モンティ・パイソン製作の最大の問題作と言えば本作。もともとパイソンのくどい英国ギャグは日本ではウケがイマイチだったうえに宗教をテーマにしていたので大して話題にもならなかったけど、記録を見ると西欧では普通に公開できた国はほとんどなかったみたいです。でもよく観ると、この映画はキリスト教というよりも宗教自体が持っている狂信性や当時の党派性に執着した左翼陣営、そしてユダヤ人そのものに対する強烈な皮肉が感じられます。そもそも主人公ブライアンはイエス・キリストの隣家に生まれた別人で、チラッとですけどイエス自身が説教しているシーンもあるぐらいです。つまりブライアンはイエスが活動していた時期にいた全くの別人という設定ですが、キリスト教信者たちにはこういうシャレは通用しなかったわけです。まあこれはキリスト教だからこの程度で済んだわけで、これがイスラム教のマホメットだったらおそらくパイソンのメンバーは一人残らず暗殺されていたでしょうね(笑)。 割とパイソンは好きな自分ですが、この映画のギャグには胸やけがさせられたところが多かったです。マイケル・ペイリンの吃音というか滑舌の悪さが強調されるギャグは彼の得意芸ですが、宗教的とは違う意味でコンプライアンスにうるさい日本の地上波ではもう放映不可能でしょう。でもブライアンが苦し紛れにする説教(?)にはけっこう含蓄のあるセンテンスもあり、ここはさすがインテリ集団モンティ・パイソンと評価されるところでしょう。ラストで歌われる“Always Look on the Bright Side of Life”は名曲、今や英国人に愛されるポピュラーソングになっているそうで、フォークランド紛争で撃沈された駆逐艦シェフィールドの乗員たちが、救助を待つ間に歌って頑張ったという実話にはなんかほっこりさせられます。
[ビデオ(吹替)] 6点(2023-01-07 22:30:41)
1229.  小さな巨人 《ネタバレ》 
「お前はコウモリ人間かよ!」と突っ込みたくなる、先住民と白人の世界を行ったり来たりというか右往左往するダスティン・ホフマン。121歳になるまで生きたあげくに語る人生は、波乱万丈につきますけど色々な経験がどれも決して幸福に繋がったわけではないところが、いかにもニューシネマ的ですね。彼の半ばホラ噺としか思えないような生涯は、米国西部開拓史の闇を暗喩したナラティブ・ヒストリーとなっているのが特徴。先住民の虐殺も、『ソルジャー・ブルー』ほどではないにしても、かなり赤裸々に描いています。でもそれぞれのエピソードがかなりなコメディ調の演出で綴られているのが、なんか可笑しい。チーフ・ダン・ジョージが演じるシャイアン族長はもう素で演じているとしか思えないし、やはり最後の“死の予行演習”には荘厳さと可笑しみが混在していて、彼じゃなきゃ出来ない演技です。生き別れになった姉や妻と都合よく再会できるのは笑うしかないですけど、シャイアン族の妻であるサンシャインと子の死はさすがに悲痛でした。ワイルド・ビル・ヒコックやカスター将軍が狂言回しの様に使われていますが、個人的には詐欺師で危ないことばっかりやってて最後には海賊キッドみたいな姿になってしまうマーティン・バルサムが傑作でした。他のレヴュアーの方が指摘している通り、やはり本作は『フォレストガンプ』に多大な影響を与えているんじゃないかと確信します。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-11-18 22:35:37)
1230.  ヨーク軍曹 《ネタバレ》 
公開されたのは41年だけど米国が参戦したのは真珠湾攻撃をくらった12月、つまりまだ戦争状態ではなかった頃なので戦意高揚プロパガンダ映画と言うよりはキリスト教プロパガンダをメインとしたヒーロー映画とみるのが適切でしょう。まあルーズベルト大統領は何とかして大戦に参戦して英国を助けたいと苦心していた時期でしたから、製作するにあたって忖度というか裏工作があったかもしれません。そう言えばヨーク軍曹が凱旋してから世話をする地元テネシー州選出の下院議員はコーデル・ハル、すなわち当時の国務長官で日本に最後通牒ハル・ノートを突き付けたご当人、ストーリーテリング上は登場しなくても別に差し支えないキャラだったので、なんか意味深なものを感じます。 前半はまるで西部開拓時代の様なお話しです。1910年代でも南部の田舎ではここまで素朴な生活だったのかと驚かされます。ゲイリー・クーパーは当時すでに40歳、20代のアルヴィン・ヨークを演じるにはちょっと老けてるような印象ですけど、朴訥なキャラはクーパーに適役だったんじゃないでしょうか。アルヴィン・ヨークが若い頃はゴロツキの嫌われ者だったというのは意外でしたが、史実通りとはいってもそんな男が聖書通りに行動するような信仰を持つようになったとは驚きで、それこそ「神のなさることは理解できない」ですね。ここら辺の無理ゲー的な展開ですけど、ジョン・ヒューストンも加わっている脚本が丁寧なので、意外と納得できるのがなんか不思議です。でも厳密に言うと、アルヴィン・ヨークは良心的兵役忌避者ではなくて“信仰心から戦闘に参加するのに躊躇した人” という分類に入れた方が妥当でしょう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-11-09 22:27:32)
1231.  モンキー・ビジネス 《ネタバレ》 
“モンキー・ビジネス”は俗語ではいわゆる“悪戯(いたずら)”という意味なんだそうで、文字通り実験用チンパンジーがやらかした悪戯が驚異の若返り(というか精神退行)新薬を誕生させるというプロット、いやタイトル・ロール前の何度も撮り直すケイリー・グラントの意味不明気味の登場シーンからしてこの映画自体が悪戯みたいな感じですけどね。チンパンジーのルドルフ君とエスターちゃんから始まるキャストたちのテンションの高い演技、中でもケイリー・グラントとジンジャー・ロジャースは相当な怪演。とくに幼児帰りしてからのグラントは、まるで早回しで演技しているかのようなスピードの身のこなしです。そして誰もが見惚れてしまうのは、ブレイク直前の時期のマリリン・モンローのナイスバディとそのキュートさでしょう。彼女はコメディ映画ではほんと輝いた女優だったんですね。ストーリーはもうカオスとしか言いようがないのですが、妙にしんみりさせたり教訓じみたところがないのは良かったです。ちょっと驚いたのは、この映画は日本未公開だったんですよ。アメリカでは“ Top 100 Funniest American Movies” にランクインしているぐらいなのにね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-10-31 22:08:42)
1232.  イット・フォローズ 《ネタバレ》 
最近よく見かける“若者系ホラー”の一種かと思ったら全然違いました。のちに『アンダー・ザ・シルバーレイク』を撮るデヴィッド・ロバート・ミッチェルが監督および脚本を書いただけあって、デヴィッド・リンチ風の不条理ホラーでした。 監督は否定しているらしいけど、セックスすることによって相手にうつせる怪奇現象となると、大多数の観客は性病・エイズの類のメタファーだと感じるでしょうね、実際わたくしもそうでした。盛りのついた大学生ぐらいの年齢層のコミュニティならば「“やつ”につけられている」と気づく前に次々とうつって行って、また最初の一人に戻ってきたりして(笑)。たしかにリンチ的な世界線なんだけど、それでも「なんか辻褄合ってないなあ」と感じさせられる部分も見受けられます。最初にジェイにうつすのはヒューなんだけど、なんでこの男はこの怪現象の大まかな仕組みを知っているのだろう、またわざわざジェイをこん睡させて椅子に縛り付けてまでご親切に教えてあげたのかは雑過ぎるところかなと感じます。わざわざ偽名を使って家まで借りてジェイに接近したのに、大して遠くもない場所に住んでいることがあっさりバレてしまうのも、なんか間抜けな脚本。いっそのこと最後まで正体不明で、以後登場しなかった方が面白かったんじゃないかな。舞台となる町は湖畔でジェイの家には大きなビニールプールがありラストは室内プールで展開される、どうもこの監督は“大きな水たまり”になぜか拘っていて、こういうところがリンチ感が強いところです。まあそれが何故なのかは結局理解不能ですけど、こういうところも似ている。 自分がこの映画でいちばんゾッとしたシーン:ジェイがヒューの仮寓で家探しをしているとき鏡に映った自分にびっくりする。「なんだ鏡か」とホッとして画面左に移動してフェイドアウトするのだが、鏡に映る彼女は右に移動してゆく。一瞬のことなんだけどその後のストーリーになんの繋がりもなくて、もちろん撮影のミスでもない。これに気づいた人は少ないかもしれないけど、こんな撮り方をする監督、こいつはヤベー奴なのかもしれない…
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-10-25 23:25:28)
1233.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 《ネタバレ》 
過去三作で敵役はIMF内部の裏切者でしたが、本作ではいよいよ満を持して世界的陰謀をたくらむ悪が登場。でもそれがスウェーデン人の物理学者の妄想的な陰謀というところが?なところです。けっきょく観通してもこの“コバルト”なる悪役の背景は理解できませんでした。“もと特殊部隊員の物理学者”なるぶっ飛んだ設定のキャラらしいのですが、その設定を活かしたイーサン・ハントとタイマンを張れるほどの腕っぷしの強さはイイとしても、何気に強面の部下を操っているしスペクターみたいな組織のボスみたいな感じでとても個人の暴走とは思えません。そういうところもあって全体的に詰めの甘い脚本で、そこにロシアのFSBまでが絡んでくるから真剣にストーリーを追うとどっと疲れます。いろいろと突っ込みたくなる要素に事欠かないけど、ラストの核ミサイルが発射されてから阻止するまでのシークエンスだけは、あり得な過ぎてもう笑ってしまいました。まあ簡単に言えば、ミサイルが発射されれば現実には合衆国は即座に探知して成功するかは別にしても迎撃しますから、いくらIMFが解体されていると言ってもそれは軍の仕事です。ましてどこの都市かは知らないけど高層ビルの先端を削ったところまで落ちてきて無力化成功、ってまさか核ミサイルが砲弾みたいな着発信管だと思ってるんじゃない?核は広島・長崎の頃から上空で爆発させる兵器です。 そういうディティールに拘ることを放棄した代わりに、アクションはもうアイデアてんこ盛りでキレは抜群ですね。ドバイの世界一の高層ビルでのトム・クルーズの見せるアクション、これスタントなしだったなんてちょと信じ難いです。この人は高所で跳んだり登ったりするアクション演技に拘っているような感じで、“逆高所恐怖症”と言うような高いところで危険な行動をするとアドレナリンが噴出して快感を感じる病気なのかな(笑)。 この映画は11年前の製作ですけど、ロシアが暴走し始める現在のような状況では、ロシアと米国の情報機関が仲良くというか共闘するような映画は今後撮られることはないんでしょうね。そしてロシアが徹底的に悪役となるウクライナ戦争をテーマにした映画が遅かれ早かれ登場するんじゃないかな。そうなればウクライナのゼレンスキー大統領はきっとジェレミー・レナ―が演じることとなるでしょう、だってこの二人そっくりじゃないですか。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2022-10-04 18:02:02)
1234.  スノーピアサー 《ネタバレ》 
永久機関(?)で走り続ける列車内という円筒形の空間だけで展開する『マッドマックス』だと思えば、間違いない。いわゆるディストピアものではありますが、すべてをノアの箱舟みたいな列車内だけでストーリー展開させるアイデアは、なかなかユニーク。だけどお話し自体が『マッドマックス』の持っていたようなヒャッハー要素が無いので、ただ暗いだけのSFという印象は否めませんね。唯一ヒャッハー感があったのは相変わらずの怪演を見せるティルダ・スウィントンぐらいですかね、でも最後まで残れなかったのは残念至極です。導入部から暫くはモタモタした展開なので「ババを引いたかな?」と思いましたけど、反乱が始まってからの展開でかなり持ち直してきました。なんでここにソン・ガンホが顔を出しているの?と思ったら、監督はポン・ジュノだったんですね、そりゃ出ますわ。ラスボスがエド・ハリスでなんか『トゥルーマン・ショー』を思い出してしまいました。もうちょっと拘って欲しかったのはSF的なディティールで、列車が永久機関を動力にしていることはまあ理解しますけど、その部品として小児が手動でなんかしないといけないというところは、まったく意味不明でした。ラストで生き残った二人が見るシロクマは、果たして希望と絶望のどちらの象徴だったんでしょうか、こういう一見投げ出したような幕の閉じ方は好きです。 この映画の中ではやたら片腕を失う話が出てきますが、切り落とした腕を喰わせる老人の話しなんかもあり、これはキリスト教的な寓意があるんでしょうかね?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-09-12 22:26:36)
1235.  モスラ(1961) 《ネタバレ》 
それまで爬虫類や鳥類をモチーフにしていた東宝特撮の怪獣でしたが本作ではついに昆虫・蛾をモンスター化に挑み、ここにゴジラ・ラドン・モスラの東宝三大怪獣が出揃うことになりました。■モスラの造形は歴代東宝怪獣の中でも群を抜く色鮮やかさが特徴で、日本怪獣映画史の中でも特異な存在と言えるでしょう。昆虫をモチーフにした怪獣は日本映画ではもちろん初めての登場、ハリウッドにも存在しないことはないけどこれほど巨大で現物を活かした設定のモンスターはありませんでした。そして初の善玉(?)怪獣であるというのもトピックスになるでしょう。もっとも本作でのモスラはまだ“人類の味方”などという陳腐な存在ではなく、小美人を救出するという刷り込まれた本能に従ってただ突き進む社会性昆虫的なキャラです。当然なことですがモスラのその行動により多数の犠牲者が出るわけですが、そこに間接的に触れるセリフとして「多くの人が不幸になります」という言い方をしている。「死人がでる」という事を決してセリフにしないところがいかにも東宝らしい。■幼虫から繭を経て成虫に変態してゆくというそれまでの特撮技術ではハードルが高い撮影に挑んだ円谷特撮陣のチャレンジ精神には、素直に敬意を表したいところです。青梅街道を南下し渋谷を経て東京タワーまでばく進してゆくモスラの幼虫は、二十分の一で組まれたセットの中を複数の人間が巨大なモスラの着ぐるみの中に入って演技するという新方式。成虫はもちろん操演ですから、さすがに中島春雄もスーツ・アクターとしての見せ場はなかったみたいです(笑)。『ゴジラ』以来となる本格的な東京破壊シークエンスとなりましたが、出来たばかりの東京タワーを惜しげもなくぶっ壊すとはさすが東宝特撮。『ゴジラ』のときとは異なった東京西部からの南下ルートを採用しているところなんかは芸が細かい。でも太平洋を北上していたモスラがなんでダム(小河内ダムがモデルみたいです)に出現するのかが意味不明、途中から海底を掘り進んできたのかな(笑)。■音楽面では伊福部昭じゃなくて古関裕而が起用されていて他の東宝特撮とは明らかに異なるサウンドが聴けます。そしてあの有名な『モスラの歌』、これは本多猪四郎たちの作詞を東大のインドネシア人留学生が現地方言で訳したという話が定説となっています、つまり♪モスラ―ヤ、モスラーは実はインドネシア語なんです!■あくまで個人的な感想ですけど、この映画は実は反米映画なんじゃないかと思います。ロリシカ=アメリカ合衆国・ニューカーク市=NYなのはミエミエですし、ネルソンはじめロリシカ人は邪悪で極悪非道、ロリシカ大使館も当初はネルソンたちの利権を保護しようと圧力をかけてくる。そして住民がいることを確認もせずにインファント島を巻き込む核実験をしたあげくに、後は知らぬ存ぜぬを押し通す。製作されたのは安保闘争の余韻が残る61年ですし、“不偏不党”がモットーの東宝までもが時代の雰囲気に迎合しちゃったのかな。成虫モスラがニューカーク=NYを壊滅させるシークエンスには、日本の当時の観客は内心では喝采を叫んでいたかもしれません。でも、ラストで小美人を連れて飛び去ってゆくモスラをフランキー堺たちと一緒に手を振って見送るニューカークの人々、都市を壊滅させられたのに笑って見逃すはずないでしょ‼太平洋戦争で散々な目に遭ったのに、まだ米国人の執念深さ・復讐心を理解していないみたいです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-09-09 23:25:50)
1236.  ジャンヌ・ダルク(1999) 《ネタバレ》 
公開当時は「なんでまたリュック・ベッソンがジャンヌ・ダルクを?」と違和感がありましたね、ベッソンの奥さんがミラ・ジョヴォヴィッチだったし。しかし製作同年の99年には二人の二年間だけの結婚生活は破綻しているし、この企画は別れる女への惜別かはたまた火あぶりにしたかったぐらいの憎しみの現れだったのか? 手足がもげて首が吹っ飛ぶスプラッター要素が強いドロドロの中世史劇ではありますが、ジャンヌ・ダルクという世界史でも稀な謎に満ちた人物の存在に精神分析学的なアプローチで迫ったところはいかにもベッソンらしい。もっともこの部分はジャンヌが捕縛されて処刑されるまでのラスト三十分で、それまでの二時間続いた中世劇とのストーリーテリング上のアンバランス感は否めませんね。そこで登場するジャンヌの良心の化身という存在をダスティン・ホフマンが演じているというのは違和感が半端ないですけど、斬新なキャスティングだと好意的に受け止めたいです。彼の役柄は、ジャンヌの内心やはたまた神の声と言うのにはちょっと違和感があるし、いわば近代以降の理性が擬人化された存在だと考えた方がしっくりします。そしてこの三十分のミラ・ジョヴォヴィッチの憑き物が取れていった様な表情が良いですね、前半のいつも怒鳴っているような険しい顔つきからなんか可愛いとすら感じてしまうところまで変化してゆく、ミラ・ジョボヴィッチなかなか良い演技です。 けっきょくジャンヌはシャルル七世などの王家にはいいように利用されて見捨てられたわけですが、やっぱイングランドの手先になってジャンヌに火刑を宣告した教会がいちばん醜悪。この映画では教会はいったんジャンヌが改悛したので許したのに、イングランド側が男装させて魔女としてジャンヌを処刑させたと史実とは微妙に異なる責任転嫁をしている。当時のローマ法王が直接関与したわけじゃないだろうけど、ベッソンめローマ教会に忖度して日和ったかな?だいたいからして、二十世紀になってからやっとジャンヌを列聖してるぐらいだから、カトリック教会も後ろ暗いところがあったんだろうな。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2022-09-06 23:06:56)
1237.  おかしな二人 《ネタバレ》 
ジャック・レモンとウォルター・マッソーのコンビと言えばすぐにこの映画が思いつくものですが、いわゆる典型的なシット・コムでいかにも連続TVシリーズにはうってつけの題材です、じっさいにTVシリーズ化されましたけどね。舞台劇の映画化だけあって延々とレモン&マッソーの掛け合いが披露されるわけですが、さすが芸達者な二人なので安心して愉しませてくれます。もっともこのユダヤ的なしつこくて濃ゆいダイアローグが苦手という方には拷問みたいなものかもしれませんけどね(笑)。けっきょくこの二人はホモではないけど模擬夫婦みたいな関係で、生真面目だけど料理上手で異常に潔癖症なレモンといかにも無頼派で享楽的なマッソーが角突き合わせることでお互いの奥さんが彼らに愛想を尽かせたのが、観ている観客には良く理解できるようなストーリーテリングなのです。この別れた女房達を画面に登場させず、電話だけでやり取りさせるところが面白い。「人の振り見て我が振り直せ」じゃないけど、さんざんやり合ったけどハッピーエンドのような形のラストではどう見てもその性根は治っていない、つまりまったく進歩していないようなのがツボなのです。いろんなエピソードを重ねて多少なりとも人間的成長をという王道的なストーリーにするには、やはりシリーズ化するのが最適なんでしょうね。まあそれがコメディとして面白いかというのは、別問題ですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-07-05 22:43:56)
1238.  スタング 《ネタバレ》 
やっぱB級はこうじゃなくっちゃねえ、何も考えさせない・突っ込ませない絶叫マシーン映画です。“なんで巨大蜂モンスターが出現したの?”という問いに“庭に散布する肥料にホルモンを混ぜたからかな”というアンサー、“この映画は50年代モンスター映画のリメイクか?”という疑問が湧くぐらいのいい加減な理屈、もうサイコーです。いわばこのモンスター蜂の産みの親であるボンクラ息子シドニー君、どうしても懐かしの宅八郎にしか見えず気色が悪いことこの上なし。B級モンスター映画と言えばこの人、ランス・ヘンリクセンご老体もしっかり顔を見せていますが、近年では珍しい暴れっぷりです(結局はお約束通りの途中退場でしたがね)。ケータリング屋のカップルのポール君、チャラい奴かと思いきや危機モードになると突然に頼れるファイターに変貌するのが面白い。でも満身創痍になって収容された救急車の中でヒロインとエッチし始めるのは、さすがチャラ男でした(笑)。ヒロイン娘のツンデレぶりも良かったです。モンスター蜂はもちろんCGですけど、造形や動きにはあまり安っぽさは感じませんでした。刺された獲物から成虫が飛び出してくるのは、寄生バチのモンスターというわけなんですね。 期待しないで観ていたからこれぐらい愉しませていただけたら、まあ満足です。屋敷内の攻防あたりの脚本にもたつきが無ければ、もっと加点してあげたのにね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-06-27 20:50:03)
1239.  ロック・オブ・エイジズ 《ネタバレ》 
ブロードウェイのヒット・ミュージカルの映像化ですけど、80~90年代のアメリカンロックのヒット・ナンバーを並べただけでミュージカルになっちゃうというのは驚きとは言えなくもないです。その分、ストーリー展開は予測がすぐついて実際その通りのお話しになるというのは、ちょっとベタ過ぎるかな。使われるナンバーは、ガンズ・アンド・ローゼス、ボン・ジョヴィ、ジョーン・ジェット、そしてジャーニーと来れば私らの世代には懐かしい懐メロ・ロックのオンパレードですけど、若い世代にはこれがかえって新鮮に聴こえるんでしょうね。主人公ドリューがスカウトされてヒップ・ホップ・アイドルとして売り出されるというところは、音楽シーンの移り変わりを揶揄しているようで面白いところです。ギンギンのメタルが流行っているので設定は80年代かと思いきや特に触れられていないけど現代のお話しみたいで、なんか時空を超越した不思議な世界観みたいな感じもします。 私も観るまではすっかり勘違いしてましたが(騙されたというほうが適切か)、トム・クルーズはわき役的なキャラなんですね。ところが演じるステイシー・ジャックスなるロック・スター、もう「もしトム・クルーズが俳優じゃなくてロックの道に進んでいたら、きっとこういうスーパースターになっていたろうな」と素直に感じてしまう違和感のなさ。劇中の歌唱もすべてトムの生歌、相当な猛練習を重ねたみたいですけど、やっぱハリウッドの大スターですからそのポテンシャルは底知れないものがあります。まあかなりの怪演であることも確かですけどね(笑)。そして出番が少なかったがキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、年齢を重ねたとはいえそのダンスのキレは半端ない。せめてトムぐらいの見せ場を造ってあげて欲しかったところです、実に勿体ない…
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-06-21 22:46:42)
1240.  シャッフル(2007) 《ネタバレ》 
物語は木曜日から始まる。リンダは娘たちを学校に送ってから、日常家事のルーティーンに戻る。留守中に出張中の夫・ジムから留守電にメッセージが残されていることを知るが、直後に保安官が訪問して来てジムが昨日に事故死したことを知らせる。 終いまで観て我に返ると、この導入部の木曜日の展開に辻褄が合わないことに気が付かされます。前日に残されたメッセージに気づかなっかったということはまあ現実でも良くあることでツッコむところじゃないですが、その内容はリンダが曜日シャッフルの渦に巻きこまれた状態での火曜日の行動の結果であり、メッセージを残している最中にリンダが電話をかけてきている。でも木曜日の彼女は前日に普通にジムを出張に送り出している冷めた夫婦関係のままだとしか思えない。ということに気づいちゃうと、この映画のプロットがますます理解しがたくなっちゃいます。こんな理不尽な曜日シャッフル現象に“なぜこうなるの?”なんて問いを投げかけても意味ななく、それこそ神様の悪戯ということにでもしておけばいいです。“大混乱の末最後に夫婦の愛が再確認されて新しい生命を授かりました”と言うのが脚本家の意図するところなんでしょうが、 “ジムが事故を免れる”というハッピーエンドや、“ジムの代わりにリンダが事故死する”という疑似ハッピーエンドで閉めなかったところだけは評価したい。 “頑張れば運命は変えることが出来る”というハリウッド映画で定番のテーゼからは逸脱しているけど、たまにはこういうのもイイんじゃないでしょうか。 さすがにサンドラ・ブロックはいい演技を見せてくれるけど、この映画じゃ彼女の無駄遣いなんじゃない?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-06-18 22:22:42)
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