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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1361.  ファイナル・デスティネーション 《ネタバレ》 
ホラー映画のアイデアとしては、確かに平成になってからの作品では群を抜いたオリジナリティを持っていることは認めましょう。冒頭の飛行機事故の描写なんかも、恐ろしさでは歴代三位以内に入る墜落映像ですし、乗客の中に赤ん坊や障碍者がいるところをわざわざ観客に見せつける脚本の悪意には嬉しくなってしまいます。主人公の少年の行動を客観的に観れば、そりゃFBI捜査官でなくても生き残ったこいつが頭がおかしくなって連続殺人犯になったと思いますよ。ということで中盤までは不条理サスペンスの色彩まで感じられて良いんですけど、なんど説明されても理解できない死神の論理が出てくると頭を抱えたくなってしまいす。あちらの世界ではどうなのかは存じませんが、人間界ではこういう拘りに捉えられている人のことはパラノイアと呼ぶんですよ(笑)。 その後のシリーズ作ではやりすぎの世界に没入していってしまうんですけど、本作ぐらいの殺され方がちょうど良い(?)かもしれません。女教師の死に方がなんかいちばん悲惨な気がしましたけど、ラストの結局失敗してしまいましたが死神の“スネーク電線攻撃”も冷静に考えるとおバカの極みみたいな映像じゃないですか。のちのシリーズ作では顕著になってゆくんですけど、殺し方に凝りすぎるあまりほとんどコメディみたいになってしまいます。まあそれもこの映画の味なんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-05-10 23:39:15)(良:1票)
1362.  スターリングラード(1993) 《ネタバレ》 
“『Uボート』を凌ぐ製作費をかけた戦争大作”と公開当時に喧伝されていましたが、このスターリングラードという題材自体が冷戦が終わってドイツが再統一されてようやく取り組むことができたんじゃないでしょうか。ドイツ人に聞いたことがありますけど、スターリングラード戦は第二次大戦を知らない現代のドイツ人にもトラウマになっている悲劇なんだそうです、第二次大戦ではほかにも悲惨な敗戦があるにも関わらずです。 この完敗劇をひたすら前線のドイツ軍一小隊の目線で描いています。その部隊は酷暑のアフリカ戦線で活躍して休養の後に極寒のスターリングラードに送られるという劇的な設定ですけど、史実ではそんな部隊はありませんでした。でもそれはラストの凍死してゆく兵士の重いセリフにつながるところなので良いフィクションだと思います。徹底的に前線目線の脚本なので戦役全体の動きは観ている方にもさっぱり実感できず、気が付いたら包囲されているという感じですが、それもある意味リアルなんじゃないでしょうか。若きトーマス・クレッチマンが小隊長役で、この後にもたびたび演じることになる育ちが良いけどちょっと気弱なドイツ将校を好演しています。この将校がまた全編で勇猛な活躍などはいっさい見せず、途中からは軍装がボロボロになったうえに部下からもため口を訊かれるようになるのでどこにいるのかも判別不能になってしまいます。 彼らは物語半ばで懲罰部隊おくりとなってしまいますが、防衛戦に成功して原隊に復帰してからラストまでの展開がエピソードを詰め込み過ぎてちょっと緊張感を削いでいる感が強すぎです。とくに悪逆な中隊長の隠れ家でのエピソードなんかは、果たして必要だったんだろうかと思ってしまいます。そこでまたもやドイツ軍に捕まってベッドに縛り付けられた女兵士を一同が発見、「ここは階級順で行きましょう、少尉殿からお先に」という兵士のセリフには苦笑させられました。大真面目なんでしょうけど、こんな状況で軍規を持ち出すところがいかにもドイツ人らしいです。
[ビデオ(字幕)] 6点(2017-05-07 00:29:35)
1363.  アナコンダ
この間インドネシアでアナコンダの腹から人間が出てきたとニュースが流れていましたので、思わず観なおしてしまいました。動物パニックというかモンスター・パニックの王道という内容ですけど、CGが発達したおかげで撮ることができた映画だと言えますね。ちゃんとアマゾン、なのかどうかは判りませんが少なくとも南米の熱帯雨林でロケしているところは好感で、はさまれる壮大な自然のカットはやっぱ美しいです。キャストもムダに豪華ですけど、ジェニファー・ロペスやオーウェン・ウィルソンは今じゃこの手の映画には絶対出ないでしょうね、ジョン・ボイドは喜んでオファー受けるかもしれませんが(笑)。そうなんですよ、劇中のセリフにもありましたけど、アナコンダが完全にジョン・ボイドに喰われてしまってるんですよ。オスカー俳優が受賞後のキャリアでここまでの怪演を見せてくれたことがかつてあったでしょうか、たぶんこれからもないでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-24 23:18:34)(良:1票)
1364.  ブリッジ・オブ・スパイ 《ネタバレ》 
うーん、スピルバーグ&トム・ハンクスのコンビにしてはかなり平凡な出来の映画としか言いようがないんです。史実を淡々と追ったストーリーですけど、コーエン兄弟が参加したとは思えないひねりの脚本じゃないでしょうか。ハンクスが、事故の対象者を限定させて会社の利益を守っていた損保専門の弁護士なのにスパイ交換とは無関係の学生の釈放を東独と交渉することになる皮肉や、あまりに違いすぎるソ連と米国のスパイ容疑者に対する扱いなど、ストーリーテリング上の工夫は確かにうかがえますけどね。考えてみるとスパイ交換は米ソの政府が決めたことで、コートを盗まれたり東独の警察に一晩泊められたリの苦労はあったとしても、ハンクスがベルリンでしたことは単なる政府・CIAの代理人(あくまでパワーズの釈放に限ってですけど)としか見えなくて、彼の交渉術のどこが優れていたのかは判りにくかったです。でもオスカーを受賞したマーク・ライランスの演技だけは確かに良かったと言えます。彼の淡々として全編にわたって表情を変えない演技は、顔が似ているというわけじゃないけどなぜか國村準が思い出されてしょうがなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-21 21:59:44)(良:1票)
1365.  野火(1959) 《ネタバレ》 
これが現実だったんでしょうけど、日本兵たちの汚れっぷりは凄いもんですね。みんなひげ面で軍服だったとは想像もつかないようなぼろ布を身にまとい靴はボロボロ。最近の太平洋戦争をテーマにした邦画が観るに値しない大きな理由は、俳優たちをここまで汚くさせないところでしょう。船越英二なんか、もちろん役作りには力を入れたんでしょうけど、ひげ面に目ばかりギョロギョロさせていて真に迫っています。この映画はその船越英二演じる田村一等兵の彷徨を描いたロードムービーみたいなものです。教会のある村で出くわしたフィリピン人女性をいきなり射殺するエピソードなんかは唐突過ぎる気もしますが、その他の彼が出くわす人々や戦闘も、まるで田村一等兵が死ぬまでに見た幻想のように観ることもできるでしょう。ということもあって、人肉食というショッキングなテーマもちょっと薄らいでいる気もします。まあそこら辺が市川崑らしいとも言えますけど。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2017-04-14 22:32:30)
1366.  リーサル・ウェポン 《ネタバレ》 
シリアス系の『ダイ・ハード』コメディ路線の『ビバリー・ヒルズ・コップ』と並んで80~90年代に流行った三大ポリス・アクションのひとつがこの『リーサル・ウェポン』シリーズでございます。作風は『ダイ・ハード』と『ビバリー・ヒルズ・コップ』の中間といったところでしょうか、両作と相違するところはバディ・ムーヴィーとして撮られているところでしょう。続編からは次第にコメディ色が強まりますがこの第一作は思いのほかハードなアクションになっています。 このころのメル・ギブソンは若々しくて観てて気持ちが良いですね。リッグス刑事のキャラ設定は奥さんを交通事故で亡くしているところなど、セルフパロディを狙ったのかと思うほど『マッドマックス』に似てますね。でもセリフが極端に少なかった『マッドマックス』シリーズと違ってこのリッグス刑事はほんと良く喋ります(笑)。それまでの出演作では悪役や粗暴なキャラが多かったダニー・グローヴァーが超マイホーム人間だというのも、キャスティングの妙なんでしょうね。ストーリー自体はけっこう雑なんですけど、力業で勢いでまとめちゃった感が強いんですがポリスアクションとしては上出来だと思います。ラストのメルとゲイリー・ビューシィの警官に囲まれての対マンは、西部劇へのオマージュのつもりだったんでしょうかね?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-01 21:52:08)
1367.  ブラックボード 戦火を生きて 《ネタバレ》 
庶民の眼から観た第二次大戦のドイツの対フランス電撃戦を描いた作品。フランスの農村地帯が舞台なのに、ドイツから逃げてきた共産主義者の父子が主人公という設定です。そこに部隊からはぐれたスコットランド兵も一緒になって仏独英の三か国人が逃避行をするという展開になります。監督は『戦場のアリア』を撮った人で、彼はこの三国の戦争における関わりについてこだわりを持っているみたいですね。ただひたすら英仏海峡沿いのディエップに向かって逃げるだけといういわばロードムービーの様な味わいもあります。あえて血が流れる描写は避けて撮っているし、父と少年の再会をテーマにしたジュブナイル映画だともいえます。まあ父子が奇跡的に際会するくだりはご都合主義全開というか唐突過ぎる気もしますけど。 この仏独戦の時はフランス国内で800万人が故郷を離れて避難したそうですが、避難民の群れが道路をふさいで連合軍の移動が困難になり、正直言ってこれがフランスの敗因の一つだったと指摘する歴史家もいます。劇中でも民衆は状況もわからずやみくもに北に向かったわけですが、政府からの避難誘導は全くなかったようで行政の混乱ぶりがうかがえます。結果的には彼らは独軍の進路を超低速で先に進んでいただけだったことになり、草原で背後から現れたドイツ戦車が避難民たちを猛スピードで追い越してゆくシーンが実に印象的です。第一次大戦で4年も持ちこたえたのでまさか1か月でフランスが降伏するとは夢にも思ってなかったのは無理もありません。独軍は後の独ソ戦とは違ってこの時は住民虐殺などの蛮行は犯していないので、逃げなかった方が民間人の被害は少なかったんじゃないでしょうか。その点スターリンは独ソ戦では住民の避難を決して許さなかったそうで、驚くほど冷酷な方策ですが純軍事的にはこれが正解だったんでしょうね。でもこんな非道な決定をくだせる指導者は、歴史的にも珍しい存在なんじゃないですか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-26 21:50:19)
1368.  フッテージ 《ネタバレ》 
主人公がイーサン・ホークですから、まあだいたいの展開は読めたような気がします。この人が主役の映画で、ヒーローらしく雄々しく邪悪と闘うなんてキャラな訳はないですからね。過去のヒット作へのプライドは高いけれど、最近は著書が売れなくて破産寸前のノンフィクション作家なんてイーサン君にはピッタリの役です。マスコミには正義を求めて作家活動してるんだと大言壮語しているけど、頭の中はカネのことしかないという平凡さがリアルです。でも家族に内緒で未解決殺人事件のあった家に引っ越すなんて、ちょっと無茶すぎでしょ。想像してみてください、あなたが作家だったとしても世田谷一家惨殺事件のあったあの家に住むことができますかね? 実はこの映画の怖がらせ方の基本はこの事件のあった家に集中しているんだと思います。そのおどろおどろしい雰囲気も中盤に子供の霊が映るようになってからは一気にスケールダウンしてしまった感じがします。だいたいあの世の邪悪なものが、あんなに律儀に自分の犯行を8ミリ映像に残しますかね?それも60年代からきっちり10年ごとに。それに90年代以降では8ミリのフィルムなんてもう入手困難だったはず、まあそれは魔界の人がすることですから突っ込みを入れてもしょうがないですけどね(笑)。 サイコキラーものと思わせておいて実はホラーというひねり球でしたが、ホラーらしい雰囲気は出ていました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-21 23:56:24)(良:1票)
1369.  ダラスの熱い日 《ネタバレ》 
たぶん本作がケネディ暗殺陰謀説を唱えた最初の映画だったと思います。テーマがこれですからメジャーのマークがいっさい出てこないインディーズ映画で、おまけに反骨の人ドルトン・トランボが脚本を書いていますからもう全編ピリピリした緊張感に満ち溢れています。まるで8ミリ映画のように解像度の低いフィルムを使っているのは低予算のせいかもしれませんが、それを逆手にとって記録フィルムを本編に挟み込んだ構成はドラマ部分の緊迫感盛り上げに多大な効果を上げています。陰謀の黒幕は情報機関の関係者らしき人物たちがテキサスの石油王らしき人物を抱き込むというフィクションです。この図式は現在流布されている陰謀説のどれにも該当しないものですが、案外その陰謀説自体がこの映画にインスパイアされた妄想である可能性もあります。なんといっても強烈なのは「その後の三年間で18人の証人が死んだ、この出来事が起こる確率は10京分の1であると保険専門家は計算している」という最後のナレーションで、こんな衝撃的なことを淡々と語られたら誰もが陰謀説を信じてしまいますよ。その効果はオリヴァー・ストーンの『JFK』なんか目じゃありません。そう、『JFK』と違って陰謀側の行動を淡々と見せ続けるだけに徹したトランボの脚本の威力なんです。近年になって18人死亡説にはかなり怪しいところがあるということが研究によって明らかにされています、しかしプロパガンダとして考えるとこの映画の脚本の破壊力は絶大だと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2017-03-11 22:44:36)(良:1票)
1370.  陸軍中野学校 竜三号指令 《ネタバレ》 
軍事探偵ものとしてはかなりイイ線行っている出来じゃないでしょうか。シリーズ三作目となって市川雷蔵の背広スパイぶりも堂に入ってきました。地味目ではありますがメガネや万年筆といったスパイものらしいガジェットも登場したりして、雰囲気がでています。シリーズお約束の雷蔵の変装も、ちょっと地味でしたがちゃんとツボは押さえてらっしゃいます。ストーリーはもちろんフィクションですが、蒋介石との和平交渉やそれを邪魔しようとする参謀本部との対立など史実を上手く溶け込ませた脚本です。中国人役はがきちんと(たぶん)中国語を喋っているところも好感が持てます。細かいなと思ったのは杉本が顔を洗っていて中国兵に正体がばれるところで、中国兵曰く「手を動かして顔を洗っているからこいつは日本人だ!」なんだそうです。ということは、中国人はお椀にして貯めた水につけた顔の方を動かすってことなんですかね?ちょっと想像つかない図なんですけど… とはいえ突っ込みどころもちゃんとあります。ラストで死に際の黒幕が明かす衝撃の事実、つまりヒロインは日独のハーフだった!でも演じているのは安田道代、どう見たって両親は東洋人でしかあり得ないお顔なんですけど…
[CS・衛星(邦画)] 6点(2017-02-28 21:37:40)
1371.  悪魔の追跡 《ネタバレ》 
この映画はホラーものというよりもアメリカ映画特有のジャンルでもあるスモールタウンものといった方が正しいんじゃないでしょうか。でもわたくし的には並みのホラーよりスモールタウンものサスペンスの方がはるかに怖い話が多いんです。とくにテキサスの田舎のお話しはね。 四人が旅に出てから出会う人間は全員怪しいという設定は当時としてははかなり奇抜だったんじゃないでしょうか。劇中でケリーだけは出会う人達が不気味に見えてしまうわけで、その時点ではこれは彼女の被害妄想と見えなくもない撮り方ですけど、彼ら四人が出会う人間が男女ともすべて中年以上で若者が一人もいないというところで不自然さが満開です。まあこれはラストで襲ってくる面々を観て答えは出るわけで、かなりストレートな恐怖です。このプロットは70年代の若者世代が年寄り世代のに抱いていた不信感のメタファーになっているのかもしれません。結論としてはアメリカ(特にテキサス)の田舎は恐ろしい、ということでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-14 23:24:52)
1372.  殺し屋チャーリーと6人の悪党 《ネタバレ》 
何と言いますか、邦題には勘違いなのか確信犯なのかは謎ですが、ひっかけがいっぱいです。まず「殺し屋」なんですが、このチャーリー・ウルフというキャラは殺しも営業範囲の便利屋というのが正解でしょう。ムダにカッコよい狙撃ライフルを持ってますけど、だいたい浮気妻の尾行・張り込みをする殺し屋なんて初めて観ました(笑)。自分が手を下さなくて済んだといっても、ターゲットの生死を確認しないとは杜撰極まりない。そんなお惚けサイモン・ペッグですけど、劇中では無慈悲にバシバシと人を殺すからちょっと奇妙な味わいがある物語に仕上がっています。そして「6人の悪党」ですけが、これ6人全員を悪党と言い切るのはかなり無理があるんじゃないでしょうか、とくにムキムキ・マッチョのガソリンスタンド屋くんなんかはね。この6人の中で私にツボだったのはギャンブル中毒の歯医者さんで、『ハング・オーヴァー』シリーズの歯医者のスチュを彷彿させてくれて傑作でした。なんか欧米の映画では歯医者がコケにされることが多いんじゃないかと思うけど、気のせいかな(笑)。 総括しますと『ファーゴ』のようないわゆるスモールタウンものということになりますが、ちょっとオフビートさが足りなかったところは失敗でした。でもオーストラリアのピーカン天気の中で繰り広げられるドロドロな人間模様というのも、ちょっと珍しいかなと思いますよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-12-27 20:12:22)
1373.  カットバンク 《ネタバレ》 
アメリカ映画の中でもいわゆる“スモール・タウン”ものは最恐のジャンルじゃないかと自分は思っています。本作もその“スモール・タウン”のひとつですが、観てのとおりで『ファーゴ』によく似た物語です。 舞台となるのはカットバンクというスオール・タウンで、売り文句が「全米で一番寒い町」というど田舎ですが、町の入り口に変なモニュメントが建っているところは『ファーゴ』とそっくりです。誘拐と殺人の違いはありますが事件が主人公の狂言であるところは一緒、共犯者がネイティヴ・アメリカンというところも共通です。『ファーゴ』でフランシス・マクドーマンドが演じた役柄に相当するのがジョン・マルコヴィッチのシェリフというわけです。ビリー・ボブ・ソーントンは『ファーゴ』のハーヴ・ブレスネルと似たようなキャラということになりそうです。でも『ファーゴ』と決定的に違うところは、ストーリー・テリングにオフ・ビート感が皆無なところでしょう。その代り狂言が狂い始めてからは、ちょっと予測しがたい展開になってきます。そこに登場してくるのがダービー・ミルトンという不気味なオタクじみた男で、此奴が実に気持ちが悪い。演じるマイケル・スタールバーグは素顔はごく普通のイケメンなんで、これはかなりの演技力の持ち主とお見受けいたします。この男に届くはずだった小包が狂言殺人のせいで行方不明になってしまったのが、主人公の計画が狂い始めるきっかけとなります。 この映画の難点はいろいろとスモール・タウン的な要素をちりばめてはいますが、これが有機的な効果を上げていないところになるでしょう。主人公の植物人間化した父親やガールフレンドのミスコン挑戦など、伏線として使えるプロットなのにどうも上手く生かされていないし、オリヴァー・プラットの郵政監察官なんてひどくストーリーから浮いていた気がします。 ラストは『ファーゴ』と違ってちょっと救いがありますが、これはこれで良かったかなと思います。でも全体的に中途半端な脚本のせいもあり、これだけ芸達者を揃えているのでもう少し何とかならなかったのかと残念です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-11-17 22:10:59)
1374.  下宿人(1926) 《ネタバレ》 
主人公が初めて下宿屋を訪れてくるシーンは、その不気味さではけっこう有名なカットで今ではいろんなホラーもの記事で使われているの見覚えがある方も多いはず。それだけでも初期のヒッチコックがけっこう映像派だったことが理解できますが、サスペンスの盛り上げ方もなかなかのものかなと思います。“復讐者”と名乗る切り裂きジャックを彷彿させる殺人犯については単なる狂言回しだったというわけですが、そこが早めにわかってしまえばこの映画のサスペンスが台無しになってしまうわけで、そこはさすがヒッチコックだけあってよく判っておいでです。私の眼には、主人公の容貌が内村光良にしか見えなかったのがちょっと難点でしたが(笑)。 あと気が付いたのは主人公が群衆に追いかけられるところなんかはフリッツ・ラングの『M』にかなり似ているなということです。もちろん本作の方が先ですが、ヒッチコックはあのラングにも影響を与えていたのかと思うと、彼の偉大さを改めて認識する次第です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-30 23:57:35)
1375.  ハリウッドにくちづけ 《ネタバレ》 
なにこれ、メリル・ストリープ歌上手すぎでしょ。この人はほんとに天才女優としか言いようがありません。シャーリー・マクレーンの太ももチラリサービスつきの歌もすごかったけど、彼女の場合はこれぐらいやって当たり前の人ですから。これがデビー・レイノルズとキャリー・フィッシャーの母娘のお話だと言われてもピンときませんが、オリジナル・ストーリーだととらえた方が愉しめるんじゃないでしょうか。この母娘関係は『愛と追憶の日々』を思い出してしまいましたが、いまやメリルがこのシャーリーのような役どころを演じるような歳頃なんですから、光陰矢の如しです。 さすがにメリルもヤク中演技を見せるのは嫌だったのかもしれませんが、その方面の描写はほとんどなしです。そうなるとこのヒロインは別にヤク中じゃなくてもよくね、ということになるわけでそこがこの映画の弱いところになります。ジーン・ハックマンやらリチャード・ドレイファスなどけっこう贅沢な使い方で撮ってますし、バックステージものとして観ればけっこういい映画かなと思います。
[ビデオ(字幕)] 6点(2016-09-04 23:42:05)
1376.  フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白 《ネタバレ》 
ロバート・マクナマラといえばベトナム戦争を象徴するような人、たしか当時は「冷酷漢」「ファシスト」などさんざんな言われようでしたが、こうやって老いた姿を見ると意外なほど誠実で知的な人物のように見えます。彼の最大の功績(?)は戦争の運営に経営的な手法を導入したことでしょう。「戦争みたいな重要なことは軍人には任せられない」という名言を残したのはたしかクレマンソーだったと記憶していますが、その戦争をフォードの社長に指揮させたのはすごいことです(もっともケネディに請われて国防長官に就任した時点ではまだベトナムはアメリカの戦争とは言えない段階でしたが)。 前半はなんだか自らのサクセスストーリーを語っているだけという印象しかありません。それでもその中にも見逃せないポイントはあります。マクナマラは大戦中あのカーチス・ルメイの幕僚だったんです。口には出しませんでしたが、マクナマラはルメイの冷酷な戦争運営から絶対に影響を受けていますね。「彼は狂人だった」とまで酷評する部下までいるルメイを、さすがに好意的に語ってはいませんが決して否定していないところからも推測できます。ベトナム戦争についてはもう自己弁護のオンパレードです。彼の弁明で腹が立ったのは、東京大空襲やベトナムでの枯葉剤作戦について「一晩で民間人10万人を焼き殺してはいけないと規定している戦争法規は存在しない」「枯葉剤を散布することは戦争法規で禁止されていない」とシレッと開き直ったことで、「もしそういうことが法律的に禁止されていたなら、私は決して実行しなかった」とまですました顔で言うんですから、もう開いた口がふさがりません。観ている最中から「マクナマラとアイヒマンはどこが違うんだろう?」と真剣に悩んでしまいました。 この映画は“マクナマラが語る11の教訓”という構成になっていますが、この中で彼は面白いことを言っています。曰く「都合の悪い質問は無視する」。つまりこの映画の中でも彼は不都合な質問には沈黙していたわけで、それを許してしまった監督は厳しく言えば能力不足だったと言わざるを得ません。もし監督かインタヴュアーがマイケル・ムーアかオリヴァー・ストーンだったらと思ったりしましたが、それじゃあきっとマクナマラが拒否したことでしょうね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-08-31 22:40:14)
1377.  炎の戦線エル・アラメイン 《ネタバレ》 
エル・アラメインと聞くとマカロニ・コンバットの大作『砂漠の戦場エル・アラメイン』をすぐ思い起こしてしまいますが(歳がばれます)、あのど派手な映画とは程遠いもう地味なのが本作です。同じ負け戦としてはドイツ版の『スターリングラード』と雰囲気が良く似てます。まあイタリアの第二次大戦映画となるとほぼすべてが負け戦映画になっちゃうのが悲しいところですがね。 エル・アラメイン戦は、両サイドが完全に息切れ・補給切れになってエル・アラメインで陣地を造ってにらみ合い状態におちいってからの英軍の大反撃作戦です。ロンメルが得意とした戦車による機動戦と違って第一次大戦の会戦に近い力押し戦なので、モントゴメリーのような凡将でも勝つことができたと言っちゃうと言いすぎでしょうか。でも所詮イタリア軍はわき役・お荷物状態なので、最前線の状況をリアルに再現するとこういう地味なお話になってしまうんですね。でも自分はこの映画の雰囲気は嫌いじゃないです。『アラビアのロレンス』が砂漠の美しさを映像にとらえたすると、本作ではまさに砂漠の現実・恐ろしさが良く映されていると思います。そういえば主人公の志願兵は、冒頭でオートバイに便乗して登場しラストはオートバイを一人で運転して戦場から去ってゆきます。ここら辺は『アラビアのロレンス』のファーストシーンを意識した撮り方だったのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-08-29 22:36:10)
1378.  サスペリアPART2 《ネタバレ》 
『サスぺリア』の大ヒットにびっくりした東宝東和が、お蔵入りになっていた同じアルジェントの旧作を引っ張り出してきて無理矢理『PART2』に仕立てたという経緯はもうあまりにも有名。『サスぺリア』のようなオカルト要素は少なくて、伝統的なイタリアン・ジャーロをサイケデリック風味で再構築しましたって感じで、初めは未公開だったと言うのもまあしょうがなかったのかも。完全版は公開時にカットされたデヴィッド・ヘミングスと当時のアルジェントのかみさん(というか、アージアのお母ちゃん)ダリア・ニコルディとのラブコメ的なシークエンスを復活させてるみたいですけど、これはカットしたのは正解だったと思います(笑)。いちおうアルジェントはヒッチコックをイメージしたスリラーのつもりで撮ったみたいですけど、登場キャラが順番に消去されてゆくのだから、犯人は残ったあの人ってぼんやり観る主義の自分でもすぐ判るところはご愛敬。でも有名な機械仕掛けの人形がゴブリンのスコアに乗って迫ってくるシーンは、さすがにアルジェントの才気が迸っていましたね。その他にも随所に非凡なカットが散りばめられていて、まず映像ありきのビジュアル系映画と捉えた方がいいんじゃないでしょうか。あと犠牲者や犯人の死にざまのえぐいところは、『サスぺリア』なんて子供騙しと思えるほどです。この映画を観て勇気づけられて自作で真似した映画監督はうじゃうじゃいますしね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-21 22:35:47)
1379.  恋するリベラーチェ 《ネタバレ》 
確かに、ホモという要素を抜いて観ればごくありふれた恋愛痴話に過ぎないのかもしれません。でもまったくその気が無い身としては、その“ホモ”の世界を覗き観れることにちょっと引かれてしまうんです。マイケル・ダグラスとマット・デイモンの接吻やベッド上でのアレなんて正直気持ち悪いだけですが、ハリウッドを代表する(たぶんノーマルな性癖だったはず)両名優のホモ演技は称賛に値するんじゃないでしょうか。ダグラスなんてハゲ姿までみせるんですからねえ。じっさいリベラーチェとマイケル・ダグラスはメイクの力とはいえそっくりです。そして『オーシャンズ13』以来ですけど、ソダーバーグはデイモンの顔をいじるのがほんと好きです。 あと今回で確信するに至ったのは、ソダーバーグという人はやはりゲイだということです。彼はクレジットに別名というかペンネームをよく使いますが、彼が編集でよく使う変名はMary Ann Bernardという女性名ですからねえ。まあハリウッドにはそういう性癖の人はうじゃうじゃいますし、別に気にする様な事でもないですけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-09 21:48:05)
1380.  デッドガール 《ネタバレ》 
プロットもストーリー展開もかなり鬼畜系なんですけど、撮り方自体はしっかりしていて妙にまともです。ありふれた高校生活に謎のゾンビ女が紛れ込んできて、登場人物たちの人生がくるってゆくと言う感じの雰囲気が良い感じです。ラストはまるで禁断の夢オチみたいな終わり方ですけど、後半になってけっこう騒ぎが大きくなってるのに第三者がまったく登場してこない不自然さも含めて、これはダークファンタジ-だと捉えれば有りでしょう。そう言えばどこかこの映画のタッチがガス・ヴァン・サントの『エレファント』に似ている様な気がしてならなかったんです。一か所だけでしたが夕焼けに染まる鰯雲だけを捉えた短いカットも有り、これは間違いなく『エレファント』に影響されてるな、と確信した次第です。あと主人公が自宅にいるシーンが幾つもあるのに、なぜか母親がまったく登場しないところもなんかヘンですし、良く考えると脚本には色々仕掛けがあった様な気がしてなりません(もっともそれが成功しているかは疑問ですが)。
[DVD(字幕)] 6点(2016-05-29 21:33:44)
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