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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2381
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1421.  豹(ジャガー)は走った 《ネタバレ》 
東南アジア某国の独裁者(明らかにインドネシアのスカルノがモデル)がクーデターで国を追われて日本に飛来してきた。三日間滞在してその後はアメリカに亡命する予定。独裁者暗殺を狙うジャガーと言うコードネームを持つ凄腕のスナイパーと、オリンピック出場経験がある警視庁一の射撃の腕前を持つ警部が、陰謀が渦巻くなか死闘を繰り広げる! この映画の宣伝コピーを書くとなるとこんな感じでしょうか。このジャガーなるスナイパーが田宮二郎、対する警部は加山雄三というのが東宝製作らしからぬ顔合わせです。そして陰謀をめぐらす総合商社の一員として加賀まり子がミステリアスなキャラで登場、ますます東宝らしくない顔ぶれです(笑)。 B級テイストの映画にしては珍しく豪華なキャストでけっこうキレ味がいい演出でもあるので、B級特有の安っぽさはあまり気になりません。何と言ってもそこは田宮二郎のクールなカッコよさのおかげです。まるでネイティブのように流暢な英語力にはもうびっくり、出来れば彼をデューク東郷にして『ゴルゴ13』を撮って欲しかったなと思わず嘆息してしまいました。ジャノメミシンのネオンサインから狙撃するシークエンスなんて、もう完全に『ダーティハリー』を先取りしてます。 対する加山雄三は意外とアクションと言うか身体の動きが鈍重で、イメージ悪くしてます。それでも銃に対する拘りは強く出ていて、大型ストックを装着したモーゼル・ミリタリーを使って田宮二郎と対決するなんて泣かせてくれます。加山雄三が撃たれて血しぶきが派手に飛び散るシーンなんかもあって、けっこうハードです。 でも脚本上のプロット構成の弱さはどうしても眼に付きます。加山雄三が警備陣と常に行動をともにしているなんて、警察を退職して職務上の制約から解かれて先制攻撃をかけるぞ、という設定が全然生かされていません。田宮二郎にしてもアメリカ人の姐ちゃんと仲良くなったりして、ちょっと脇が甘すぎます。あの当時の悲惨な邦画製作の状況ですから、まあこれくらいで上出来だったんでしょうね。 最後に疑問、豹は英語でパンサーなのになんでジャガーとルビがつくんでしょうか(豹とジャガーは別の生き物です)?
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-06-27 21:45:23)
1422.  女と命をかけてブッ飛ばせ 《ネタバレ》 
新東宝時代の宇津井健と言うと『スーパージャイアンツ』の恥ずかしいコスチューム姿が有名ですが、他の出演作にしてもどれもけっこう変なキャラばかり演じている様な気がします。良く観察してみると、この人演技中ほとんどまばたきしないんです。つまり彼は顔の表情でする演技が得意じゃなかったみたいで、そのためどの映画でも、単純で陽気だけど心の奥底では何を考えているのか窺い知れないアンバランスな人物という感じなんですよね。 さて本作では、新聞社のオートバイ便からスピードボートの操縦に商売替えしたスピード狂というあいかわらず普遍性が欠落したキャラなんですが、結論から言うと“またかよ”と言うのが正直なところです。このスピードボートがどこからみても競艇で使われているヤツで、このボートの開発がまるでトヨタや日産の新車開発みたいなノリで新聞が報道するという不思議な世界のお話しです。そんなにボートを題材にしたいんならふつうに競艇界を舞台にした映画にすればよいのにと首をひねるばかりです。 と言うわけでお話しと言うか世界観は相変わらず新東宝らしくぶっ飛んでます。女優陣はなかなかのレベルですが、気になったのは三条魔子がいつの間にかキャバレーのホステスになっちゃってるところでしょうか。この様に、登場人物で境遇が何の説明もなく変わってしまう(ひどい時にはいなくなっちゃう)のが一人か二人かならずいるのが、新東宝プログラム・ピクチャーの脚本上のお約束なんです。思うに映画会社が大部屋俳優を大量に抱えていた時代ですから、“使わなきゃ損”という根性で無理矢理押し込んで収拾がつかなくなっちゃったということなんでしょうね。まあこんなことは東宝など他の映画会社ではあり得ない、新東宝ならではの珍現象なんですけど。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2013-06-26 20:33:04)
1423.  イントルーダー/怒りの翼 《ネタバレ》 
A-6イントルーダーが主役の様なもので、その飛翔シーンが堪能できます。私はこの頃の米軍機ではA-6がいちばん好きで、そのスタイルはF-4ファントムなんか足元にも及ばないカッコよさです。でも、製造した会社が“グラマン鉄工所”と揶揄されるほどの頑丈な飛行機なのに、映画の中ではバタバタと撃ち落とされちゃうのが悲しい。まあこれがヴェトナム戦争の現実だったのかもしれません。 いくらJ・ミリアスが撮ったとはいえ、あまりに乱暴な内容にはびっくりします。軍法会議で裁かれたからいいってもんじゃないでしょ、命令無視して勝手にハノイを爆撃しちゃあ。このイケイケぶりは、製作当時は湾岸戦争の真最中だったことも関係あるんでしょうかね。R・アークエットも出てたけど、彼女の役なんてストーリーにはまったく必要なかったんじゃないでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 4点(2013-06-24 23:42:47)
1424.  ミスター・グッドバーを探して 《ネタバレ》 
そうか、このお話はJ・カーターが大統領になろうとしていたころのことなんですね。この辺りは過去50年でアメリカがもっとも荒んでいた時代ですから、登場人物たちもまともなキャラがひとりもいません。D・キートンの教師だって、いくらポリオを患ったハンデを持っているとしても、その行動には何も共感できる要素はありません。彼女のフィルモグラフィでは後にも先にもない様な脱ぎっぷりの良さですが、エロさのかけらもないところには監督R・ブルックスの冷徹な視線を感じます。またR・ギアをはじめ彼女を取り巻く男たちにもまともな奴はひとりも出てこないので、観ていて余計にストレスがたまります。 この映画を女性映画として観たら大間違いで、人間の闇と言うかアメリカ社会の醜悪さを描いた映画だというのが正解でしょう。ラストの死に行くD・キートンの顔がフラッシュの中でだんだん小さくなってゆくのがとても印象に残りました。
[映画館(字幕)] 6点(2013-06-23 21:56:59)
1425.  コレリ大尉のマンドリン 《ネタバレ》 
さすがモードの国イタリア、良く見るとカッコ良いデザインの軍服ですね、戦争には向いてないけど(笑)。“歌うイタリア兵”と言うところが強調されていますが、ドイツ軍でも日本軍でも軍歌を歌わせるのは団結力を高める統率手段で、これは世界の軍隊ではごくありふれたことです(もっともオペラを歌うってのは珍しいけど)。兵隊に引っ張られるのも人生、人生は楽しまなくちゃ損、という感じなのがいかにもイタリア人らしくて好きです。 それに対して「地震と戦争について語ろう」という冒頭のモノローグがあるように、戦争と天災を同列に考えるのがギリシャ人で、これは両者の辿ってきた歴史の違いがうかがえて興味深いところです。 あまり評判が良くない本作ですが、わたしはけっこう好きです。P・クルスは今まで観た彼女の出演作でもっとも垢ぬけないキャラでしたが、ラジー賞にノミネートされるとはちょっと可哀想じゃないですか。脇を固めるJ・ハートやI・パパスはいい味出しているけど、どうもC・ベールのキャラが曖昧かつ中途半端なのはマイナスでしょう。彼が戦後どういう境遇になったのかというあたりがスッパリ抜け落ちているので、N・ケイジが戻ってくるラストもイマイチ盛り上がりませんでした。 それにしてもエーゲ海の青い水と空は実に美しく、ケファロニア島に一度行ってみたくなりました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2013-06-21 20:47:05)
1426.  クロッシング(2009) 《ネタバレ》 
ふつうこういうプロットの映画ではラストでそれぞれの生きざまが交差(クロッシング)するのがお約束みたいなものですが、ものの見事に肩すかしを喰らわされました。でも観終わってから「こういうのも有りかな」と妙に納得したのも確かです。けっこう緊張感に満ちた映像つなぎで、中盤でW・スナイプスが撃たれるまでの数分間の編集にはかなりドキドキさせられました。 ドツボに嵌まってゆくダメ人間E・ホーク、潜入捜査のストレスでストックホルム症候群に陥ってしまったD・チードル、どちらも得意とする守備範囲の演技ですが、あえてわたしはあと7日に迫った定年を心待ちにする万年巡査のR・ギアに注目したいところです。今までの出演作で気障な洒落者みたいなキャラばかりだった彼が、ここまでショボくれて無気力な人物を演じるとはまったくサプライズでした。奥さんに逃げられて殺風景な部屋に一人暮らしのくせに、いい歳して性欲は旺盛で娼婦のところに入り浸り。その娼婦に求愛して思いっきり拒否されるところなんて、観ている方としても実に痛い気分になります。ラストのギアが高揚感もなく呆然と歩き去るシーンも凄く説得力があります。なんせ、警官在職中には遭遇しなかったであろう修羅場に、ただの民間人になって初めて飛び込んでしまったのですから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-18 22:07:58)
1427.  俺たちに明日はない
A・ペンが手掛けただけあってまるで絵に描いた様なニュー・シネマ、ニュー・シネマのお手本の様な映画です。銀行強盗の映像にコミカルなマウンテン・ミュージックを被せるところは、その後の色んな作品で模倣されて今やスタンダードな表現になっています。とにかくこの映画の凄いところは、F・ダナウェイと言う天才女優を世に出したことに尽きます。ラストにマシンガンでハチの巣にされる“死のダンス”は今観直しても全然色あせない衝撃度を保っています。続く70年代のハリウッドはまさに彼女の天下だったんですが最近はちっともお姿を見かけません、もう引退しちゃったのかな?
[映画館(字幕)] 7点(2013-06-16 21:45:09)
1428.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
どちらかと言うと客観的な眼で主人公を見つめる作風のイーストウッドにしては珍しく、ちょっと熱くそして青臭く物語を作っているなと感じました。この映画自体が盟友M・フリーマンの念願の企画であったからなんでしょうか。存命の人物でましてそれが政治家となるとなかなか映像化しずらいもので、この映画でもマンデラのダーク・サイドである奥さんのことは、娘は登場するのにほとんどスルーしています。そういうこともあり、映画自体は可もなく不可もなくと言った出来ですが、平凡な感動ストーリーというのが感想です。そして「スポーツも政治の一部である」ということが良く理解できる映画でもあります。 余談ですけど、こうやって考えるとキング牧師をテーマにした映画ってまだないですよね。キング牧師を演じてみたいという黒人俳優はきっと多いと思いますよ。もし映像化されたら、その大役は誰が射止めるのか想像すると楽しいですね。個人的にはF・ウィテカーかJ・フォックスかなと思ったりしますが(D・ワシントンはマルコムⅩを演っているのでちょっと無理かな)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-13 01:01:01)(良:1票)
1429.  ダイ・ハード2 《ネタバレ》 
監督があのR・ハーリンだけあって20分に一回は大爆発シーンがあり、それはもうやり過ぎと言えるレベルです。マクレーン警部も「ふつうこれは死ぬだろ」というシーンの連続で、ここまでやるともはやコメディの領域です。でもけっこう脚本は練られていて、自分なんかすっかり騙されてしまいました。テロリストのメンバーにはR・パトリックやJ・レグイザモといったその後ハリウッドで活躍する名わき役がいたりして、なかなかいいキャスティングです。細かく観れば粗も目立つストーリーですが、ノン・ストップ・アクションのお手本の様な息もつかせぬ編集なので、そこは上手くごまかしています。でもB・ウィリスさん、管制塔の中でいくらアレとはいえ短機関銃ぶっ放したら、ふつう即射殺されるでしょう(笑)。 おバカ映画の巨匠であるR・ハーリンの、今のところ最高傑作であることは確かです(彼の場合本作を凌ぐような作品を撮ることはおそらくないでしょう)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-12 00:39:52)
1430.  THE 4TH KIND フォース・カインド 《ネタバレ》 
へーえ、M・ジョヴォヴィッチはスタッフに騙されて出演してたんだ、それにしてもミラは最近ふっくらしておれ好みのいい女になってきたよな、以上終わり。  すいません、映画の感想になってませんでした。でも原題を訳すと『第4種接近遭遇』になると知っていたら、こんな映画絶対に観なかったと思うんですよ、ほんと時間のムダでした。 TV番組で「この番組はフィクションで実在の人物や団体とは何ら関係ございません」とエクスキューズするのをまるっきり逆手に取った様なプロットなんですが、その手法自体は『ファーゴ』の例を出すまでもなく“有り”です。しかしことUFOや宇宙人がらみになると、こういうフェイクをマジで信じちゃう人がいるから、いくら商売とは言っても罪つくりなことは止めて欲しい。 これで映画としての出来が良いならまだしも、矢追純一のUFO特番に毛が生えた程度なんですからねえ… アメリカ人はアプダクションと催眠療法が大好きだということだけは理解できましたが、シュメール語が実は宇宙人の言葉でその宇宙人が「私は神だ」なんてシュメール語でほざくに至ってはさすがに観ていて腹が立ってきました。 宇宙人ならぬ北朝鮮人に同胞を拉致されている日本人からすれば、「何を能天気なこと言ってやがるんだ!」とあきれるしかないですね。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2013-06-12 00:32:48)
1431.  クライシス・オブ・アメリカ 《ネタバレ》 
J・フランケンハイマーの『影無き狙撃者』のリメイクだそうで、原題は同じです。直訳すると“満州人の候補者”という感じで、オリジナルでL・ハーヴェイが中共軍に洗脳されるところからきています。そこを大胆に再構築して“Manchurian”を黒幕のコングロマリット企業の社名にし、邪悪な企業が米国を乗っ取ろうとするかなり陰謀論に軸足を置いたストーリーにしちゃいました。D・ワシントンがラストにあんな活躍(?)をするところがオリジナルのF・シナトラとは大いに違うところですが、洗脳のシーンはオリジナルに負けない不気味さを保っています。でも洗脳中に何で部下二人が殺されなければいけなかったのかが判りにくいし、その殺しの回想場面が二度ありますが同じ兵士が最初はビニールを被せられて窒息死、次では首を絞められて死ぬという明らかな違いがあるのはどうも理解不能です。 この映画の見どころはなんと言ってもM・ストリープとL・シュレイバーの不気味な超マザコン母子関係に尽きるでしょう。近親相姦まで匂わせるおぞましさ、やはりメリルが演じるとどんなキャラも生々しくなりますね。上院議員としての演技も迫力満点で、さすがM・サッチャーまで演じちゃう女優だけあります。 でもあんなリスクと手間をかけて息子を大統領にするよりも、まっとうに自分が予備選に出馬した方が手っ取り早くないですかね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-09 17:45:46)
1432.  危いことなら銭になる 《ネタバレ》 
スタイリッシュ、と言うよりかなりオフ・ビートなドタバタコメディです。脚本を書いた山﨑忠明という人、実は岡本喜八の傑作カルト『殺人狂時代』のオリジナル脚本家でもあるそうで、なんでも日活でボツにされたのが東宝で採用されて陽の眼をみたそうです。そしてこの人、アニメ版『ルパン三世』の脚本も書いていると知って納得しました。宍戸錠や浅丘ルリ子などのキャラが『ルパン三世』の主要キャラと性格づけが良く似ているんです。極めつけは宍戸錠が乗り回す珍車メッサーシュミットKR200、ほら、『ルパン三世』にも登場する小型タンデム三輪自動車ですよ! この映画、監督が監督なだけにかなりアンバランスというか妙な拘りが随所に観られます。コメディのくせしてけっこう無造作に人を殺すし、殺し方も血が流れるところを強調したりして生々しい。おまけにその死体を見て浅丘ルリ子が派手にゲロまで吐くし、なんと言うか、ヒロインがゲロ吐く日本映画ってちょっと他にはないんじゃないかな。でも本作の彼女は、始めから終りまでもうバルカン砲の様な猛スピードでセリフをまくしたてて、その滑舌の良さには感心しました。 それにしても、左ト全の贋札名人が香港から帰ってくるという冒頭の設定でオチが大体判ってしまいました(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-06-07 21:33:23)
1433.  黄線地帯 《ネタバレ》 
天知茂と三原葉子、この新東宝を代表する二大スター(?)を奇才石井輝男のイマジネーションの世界に投げ込んでトロットロッになるまで煮込んだという感じ、でもちゃんとハードボイルドしてます。前半の100円札を使った伝言ゲームの様なストーリー・テリングもなかなか面白く、テンポの良さもあって楽しめました。 そして何故か神戸にカスバがある!でもそこは本当のカスバを超越した異次元ワールドみたいなところだと思って間違いはない。路地を歩くまさに無国籍としか言いようのない怪しげな連中、雨に打たれて彷徨う吟遊詩人、なぜか着物を着ている墨を塗った様に黒い顔の白人女、うーんこんな日本なんて観たことがない、まるで『ブレードランナー』のLAみたいです。あの若杉嘉津子までもがダサい格好した怪しげなマダムになっちゃうんだから、恐ろしい。 天知茂の殺し屋も、蛇のようにクールなのかと思えば、卵の値段から己の不運な半生を嘆いたりする妙な屈折があるキャラです。対する三原葉子は、ライン・シリーズとしては唯一のカラー作品と言うこともあり、靴やドレスの鮮やかな赤が印象に残ります。彼女のちょっとずれたリアクション演技やひょうきんな表情がまた良くて、この役こそが彼女のフィルモグラフィ中のベストキャラだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-06-05 01:12:34)
1434.  セクシー地帯 《ネタバレ》 
石井輝男の新東宝ライン・シリーズの最終作。ストーリーは適当を絵に画いた様な代物で、ヌードモデルがお相手をしてくれるクロッキー・クラブ(なんじゃ、そりゃ)を売春組織が隠れ蓑にしているなんて実に新東宝らしくていいなあ。ライン・シリーズのミューズである三原葉子が『黄線地帯』に続いて可愛らしいというかとぼけたキャラを演じているのは嬉しいところです。考えてみれば、彼女の魅力を最大限に引き出してくれたのが、石井輝男のこのシリーズだったと思います。「私のサイズは、99・64・99よ」なんてセリフもありましたが、今で言うところの“樽ドル”という感じでしょうか。あと、露出シーンもなくいきなり殺されちゃいましたが、三条魔子も新東宝ビューティズとしてはけっこう好きなんです、わたくし。 新東宝の映画って女優はけっこう魅力的な人が多いのに、相手役の若手俳優が大根役者ぞろいと言うのが、ただでさえ低いクオリティをさらにおとしちゃってます。この映画の吉田輝雄もちょっとひどいレベルです。 特筆しとかないといけないのはサウンド・トラックで、クールなジャズがいかにも魔都東京という雰囲気を作っていて素晴らしい。音楽を担当したのは、♫蔦の絡まるチャペルで~の『学生時代』を書いた平岡精二なんですよ、なんでこんな大物ジャズミュージシャンが新東宝映画のスコアを担当したのか謎です。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-06-04 00:20:44)
1435.  アウェイク(2007) 《ネタバレ》 
術中覚醒のシーンを観てたら、局部麻酔で盲腸手術をした自分の体験が甦ってきました。麻酔が効いてるから痛みはないけど、メスがお腹を切開するのが良く判るんです。もちろん物音も良く聴こえていて、医者が看護婦に小言を言っていたのまで覚えています。まあ医者にとっては超簡単な部類とはいえ、局部麻酔で開腹手術をするのは盲腸切除ぐらいのもんでしょうけど。 だからもし本当に心臓手術中に麻酔が効かないで意識があったらとてつもない責め苦にあうことは間違いなしで、この映画は拷問系のホラーなのかと慄きました。でもあれではまるで幽体離脱している様なもので、術中覚醒と言うプロットがあんまり生かされていない様な感じです。しかしサスペンスとしたら実に良くできた脚本なのは間違いなく、なんでこの映画が不評だったのか理解できません。冒頭から伏線の張り方が上手で、登場人物たちのキャラ自体をどんでん返しの材料にしちゃうなんて実にお見事です。強いて粗を探すとすれば、医療過誤の訴訟を4件も抱えている医師が、あそこまでリスクを冒すかというあたりでしょうか。でも小品ながらテンポも良いし、観て損はないかと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-06-02 20:35:45)(良:1票)
1436.  フレンチ・コネクション2 《ネタバレ》 
この当時としては、珍しく成功した続編もの映画と言えるかも、でもオリジナルを超える出来ではないことも確かです。こういう傑作の二番煎じの様な仕事を引き受けるのも、J・フランケンハイマーが職人監督ならではのことでしょう。シャブを打たれてボロボロになったポパイ刑事の治療とその禁断症状に苦しむさまやヘロインを缶詰に仕込む過程を丁寧に見せるなど、ディティールを追求する映像に拘るフランケンハイマーらしい作風です。銃撃戦などのアクションはリアリティには欠けるけどオリジナルよりパワーアップしてるのは確かです。でもトロリー・バスに乗り込んだシャルニエ(このシーン自体がオリジナルの地下鉄シークエンスへのオマージュです)をポパイ刑事がひたすら走って追いかけて最後に射殺するまでを一気に見せてくれるところなんか、さすがフランケンハイマーと褒めてあげたくなります。 息を切らせながらもひたすら走るJ・ハックマンを観てると、この路線を選んでB・ウィリスやL・二―ソンの様なタイプのアクション・スターとして活躍する道も彼にはあったんじゃないかと思いました(笑)。
[映画館(字幕)] 8点(2013-06-01 15:51:33)(良:1票)
1437.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 
こけおどしのアクション映画が量産されていた80年代に、突如出現した“頭のいい脚本”で初めて撮られたコップアクション・ジャンルの金字塔です。 派手な画も多いのでカネかかっている様に見えますが、基本はこの映画良い意味でB級テイストなんです。B・ウィリスのランニングシャツが、シーンが替わった途端に下地がまったく見えないこげ茶色にまで汚れちゃうなんて、ふつう超大作映画ではあり得ないけど、そんなこともちろん誰も気にしない。今でこそ中年アクションスターの座を守り続けているB・ウィリスですが、そもそもこの作品に抜擢されるまではコメディ・ジャンルの人だったこともお忘れなく。つまりキャスティングには全然おカネをかけていないわけですが、その“安い”俳優たちがウソみたいにその演じるキャラにはまりまくっているのはもう奇跡としか言いようがありません。 中でもA・リックマンのH・グル―バーは、その悪役ぶりがあまりにリアルだったので、その後の映画に登場するテロリストのキャラに多大な影響を与えています。私もこの人はてっきりドイツ人だと永いこと誤解してました。実は素のリアクションだったというH・グル―バーの最期の表情も、“悪役の死にざまベスト10”というランキングがあれば上位に入るのは間違いないでしょう。
[DVD(字幕)] 9点(2013-06-01 00:34:07)(良:1票)
1438.  ひかりのまち 《ネタバレ》 
大都会で生活する庶民の日常を手持ちカメラで切り取った映像で見せるというタイプの映画は最近では食傷気味ですが、それでも本作は類似の映画とはちょっと一線を画している様な気がします。基本としてある三姉妹とその肉親や配偶者たちの物語と言ったところでしょうけど、この姉妹や母親をはじめとする女性たちがキャラとして正直なところ感情移入できないのですよ、男の眼からは。その反面、男性登場人物たちはみなどこか性格の弱さやだらしなさが目立つキャラばかりと言うのがまた面白いところです。そしてここがまたリアルなんですけど、美男美女と言える様な俳優を一人も使っていないというのも、ザラザラした質感の映像には良くマッチしてました。 金・土・日、三日間のなんかとりとめのない出来事を見せるだけかと思いましたが、劇中でひとりだけ素性が判らない若者の行動が映され、それがラストで実は三姉妹のもう一人いた男兄妹だったと判るところはシャレてました。
[ビデオ(字幕)] 6点(2013-05-30 23:06:54)
1439.  ラビナス 《ネタバレ》 
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』みたいに前半と後半ではテイストが変わってしまう映画。正統的なサスペンス・ホラーで始まったのに、途中からヴァンパイアかゾンビものみたいになっちゃいます。R・カーライルがまるで『28週後...』の高速ゾンビを先取りした様な暴れっぷりを見せてくれてなかなかの好演です。対するG・ピアースも彼が得意とするヘタれなヒーローと言うキャラなので安心して(?)観ていられます。 肝心のカニバリズム描写は特にグロいところもないのですが、実はいちばんグッときたのは冒頭の会食に出てくる妙に血なまぐさいレア・ステーキだったのは皮肉です。でもどうしても監督が『司祭』のA・バードなので、ラストなんかもカーライルとピアースのホモ的なイメージで閉めてきますし、もう彼女の趣味に走った感は否めなかったです。 そしてぶったまげたのはM・ナイマンの仕事とは思えない意表を突く陽気なサウンド・トラック、この先この映画はミュージカルになっちゃうんじゃないかと心配しましたよ。この辺りはD・アルバーンの色が濃く出ていたのかもしれませんね。
[ビデオ(字幕)] 5点(2013-05-29 21:20:27)(良:1票)
1440.  ピラニア 3D 《ネタバレ》 
元ネタがC級に近いB級ムーヴィーだから、これぐらい思う存分監督の趣味が爆発してもちゃんと観られる映画になっているところはお得です。エサになって喰われるのが男もいるけどほとんどが水着ギャルと言うのは実に豪華、なんせジジ・ババのたぐいはひとりも出てこないのがこれまたお得です。 R・ドレイファスの使い方からして遊び心が冒頭から全開ですが、個人的にはE・シューが三人の子持ちの保安官という設定にちょっと衝撃を受けちゃいました。そりゃ良く考えたら彼女も40代も半ばを過ぎた立派な熟女ですし、ティーンエイジャーの息子がいてもおかしくはないんですよね。『ベスト・キッド』や『B・T・F』シリーズの頃を知っているだけになんか複雑な気分です。まあ要は“そういうお前も歳をとっているんだぞ”と言うわけなんですね(涙)。その息子ジェイクを演じている若い役者、名前をスティーヴン・R・マックイーンと言います。そう、なんとS・マックイーンの孫なんです、まだ映画出演は少ないんですがこれからどう成長してゆくか楽しみです。
[DVD(字幕)] 6点(2013-05-27 01:09:45)
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