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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1521.  マリリンとアインシュタイン 《ネタバレ》 
うーん、正直言ってようわからん。てっきりマリリン・モンローとアインシュタインがふたりだけで繰り広げるシュールな対話劇だと思っていましたが、モンローの亭主のディマジオは出てくるは、そしてマッカーシー上院議員(らしき人)まで何故か絡んでくるという展開。各人の過去ショットが挿入されるけれどあまり効果的な使われかたとも思えない。T・カーチスのマッカーシーもどきなんて、果たしてこのストーリーに必要なのかと首を傾げてしまいました。モンローとアインシュタイン会話にはやたらと二人の時計が意味深なのですが、アインシュタインの時計がずっと8時15分でそれが広島に原爆が投下された時刻だということに、最後にやっと気がつきました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-11-29 21:10:21)
1522.  マンボ・キングス/わが心のマリア 《ネタバレ》 
A・バンデラスのハリウッド・デビュー作ですが、この映画のオーディションに来た時には英語が全然話せなかったそうです。とにかくこの映画の見どころは、セサールとネスター兄弟の熱いパフォーマンス、とくにA・アサンテが見せてくれる一世一代の熱演でしょう。マンボ・キングスがデビューするステージで魅せるアサンテのカッコよさにはもうほれぼれしてしまいます。私は『我が心のマリア』と言う曲は大好きで、オスカー主題歌賞にノミネートも納得の名曲だと思います。歌うアサンテにちょっと声量が不足しているのが残念ですけど、本職が歌ったらもっと素晴らしいのではないかな。 キャストもキューバンミュージックの大御所たちがぞろぞろ出ているし、D・アーネス役に息子のD・アーネスjrを使うなんて感涙ものです。まあ言ってしまえば典型的なミュージシャンの栄光と挫折物語なんですが、全篇に溢れるパワーはぜひ評価したいところです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-25 23:34:18)
1523.  人魚伝説 《ネタバレ》 
かつて邦画界のあだ花だった海女映画が、20年の月日を経て究極の進化形となって甦ったと言う感じです。原作は劇画なんだそうですが、本家新東宝の海女映画も青ざめるようなお話の壊れっぷりは、もう暴走機関車みたいです。『八墓村』状態のラスト45分は、白戸真理のぶっ飛んだ暴れっぷりがあまりにバカバカしくもう笑うしかありません。銛が一本であんなに人を殺せるわけないだろ、ふつう猟銃か日本刀を使わせるんじゃないかよ、などと文句を垂れるのは所詮虚しいこと。激しい運動のためほとんど過呼吸になりかかっている白戸真理の姿は、もう演技ではなく素のままを撮ったとしか思えませんでした。 そしてある意味とても貴重なのは、白戸真理が“洋上の飛田新地”として有名な渡鹿野島へ逃げるところでしょう。あの伝説的な島は実在するのです。むかし独身寮の旅行で渡鹿野島へ行く計画を立てたら、会社にバレて総務部長から大目玉を喰らった苦い思い出があります(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-11-22 18:56:04)
1524.  愛についてのキンゼイ・レポート 《ネタバレ》 
近親者がまだ生存している人の伝記映画は撮るのが難しいですね。キンゼイ研究所はまるで乱交クラブみたいで、やっぱ相当な変人だったことは確かです。『ビューティフル・マインド』ほどじゃないけど、この映画のキンゼイ博士はこれでもかなり美化されていると言う指摘もあるそうです。でも、ドキュメンタリーや記録映画とは違って、伝記ものは本質的には実在人物をテーマにしたフィクションなのであり、俳優の演技とドラマの内容で評価すべきものでしょう。その観点からはあまり成功したとは言い難いですね。 しかし史実通りなんでしょうけど、キンゼイ博士の調査手法は統計学的には意義があったんでしょうか?支援していた大学の学長が「彼のレポートは大学の宣伝になった」と図らずも言うシーンもありましたが、結局マスコミを騒がせたけど実は学問的にはあまり価値がなかったとほのめかしている様に感じました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-11-21 18:31:26)
1525.  ボーダー(2008) 《ネタバレ》 
デ・ニーロとパチーノ、これが最後の共演であると願いたいところです、と言いたくなってしまいました。両名優が『ヒート』以来の対決だと言うのに、メジャーではなくインデペンデント系映画だというのもまた驚きです。テーマも昔から何度も見せられてきた“街の掃除屋警官”もので目新しさは無し。『ヒート』とは真逆の結末と言うのも両雄のバランスを取っているつもりなんでしょうかね。この映画の脚本のユニークなところは、“名前のトリック”とも言うべきトラップを使っているところでしょう。デニーロ=ターク(愛称)=トム・カワン(本名)、パチーノ=ルースター(愛称)=デヴィッド・フィスク(本名)、ラストまでお互いどころか周囲の者まで愛称でしか呼ばないのでややっこしいです。外国映画の役名は覚えにくいよな、と感じているのは自分だけじゃなかったんだと気がつかされました(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-11-19 21:45:19)
1526.  クルーシブル 《ネタバレ》 
この作品、後味の悪さは自分が今まで観た映画の中では五本の指に入りますね。文豪アーサー・ミラーが自作の戯曲を脚色しているので、もう何と言うか、息もできないぐらいの重々しさに圧倒されました。D・デイ=ルイス、W・ライダー、J・アレン、P・スコフィールド、それにしてもこの顔触れはドンピシャのキャスティングとしか言いようがありません。 中世の魔女狩りには魔女と断罪して相手の権力や財産を奪うと言う面が強かったのですが、この北米植民地での魔女狩りはなんか毛色が違います。最終的に被告に死刑を宣告するのはP・スコフィールドなんですが、彼はよそ者の行政官でセイラム村にはなんの利害もありません。この人物が劇中ではいちばん不気味ですよね、何を考えているのか判らないんですから。村人を告発するヒステリー娘たちの言い分はなんでも採用するのに、W・ライダーが牧師の妻が魔術を使ってると讒言したときは鼻であしらって相手にしない。明らかなダブル・スタンダードで、きっとこの判事はほんとうは魔女なんて信じていなかったと思われます。じゃあなんで、という疑問は浮かびますが、ここにこそ清教徒信仰の深い闇があるのではと思います。 こういう連中の子孫がWASPとして現代のアメリカ合衆国を牛耳っているのかと思うと、嫌になっちゃいます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-16 19:38:51)(良:1票)
1527.  突然炎のごとく(1961) 《ネタバレ》 
引っ切り無しに流れるJ・ドリュリューの音楽と詩的ではあるが少々過剰気味のナレーションはこの当時のトリュフォーが良く使った手法で、これは好き嫌いが分かれるところでしょう。このナレーションは美しい修辞のセリフが好きなフランス映画の伝統を引き継いでいて、日本語に訳されていてもなんかいいですよね、言葉遣いが。 男女の三角関係がテーマの映画は多いけど、こういう風に三人がそれぞれ他の二人を愛するというのはなかなかユニークです。J・モローはもう完全に気まぐれな女神で、ジュールとジムは彼女に仕える祭司みたいなものです。とくにジュールは女神さまを満足させるためにジムを同居させてSEXまでさせちゃうなんて、普通に描いたらドロドロものです。そこをトリュフォーはコメディっぽく撮っているのは上手いと思います。 J・モローは不思議な女優で、監督がL・マルとトリュフォーでは雰囲気が全然違うんですね(個人的にはマルの映画のモローの方が好きですけど)。ストップモーションで表情を固定したり、歌を歌わせたり、鏡に向かって化粧を落としてゆくのをじっくり撮ったりして、いかにもトリュフォーらしく彼女をフィルムに残しています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-12 22:44:47)
1528.  世界大戦争 《ネタバレ》 
■「明るく楽しい」「不偏不党」がモットーである東宝が、SFとは言えよくぞここまでデスパレートな映画を製作したものだと感心します。あの当時は汚い核兵器である水爆の威力がほぼ頂点に達していた時期なので、あれだけ盛大にICBMを撃ちまくったらそりゃ死の灰が降り注いで全人類が滅亡するでしょう。ハリウッド映画ではよく“核戦争後の世界”というテーマがありますが、そう言えば邦画では皆無ですね。島国日本では水爆2~3発おとされたらもう逃げ場がないですし、放射能の恐ろしさを世界一に理解している国民ですから、当然です。■僧籍を持つ松林宗恵が監督ですから、根底には仏教的な無常観が感じられます。世界情勢の激変に巻き込まれてゆくフランキー堺親子という徹底的に庶民目線の作劇は、東宝特撮映画には珍しく乙羽信子が出演してることもあり、まるで新藤兼人が脚本を手掛けた様な印象です。二階で泣き叫ぶフランキー堺のシーンはあまりにも有名ですが、宝田明と星由里子が無線で「コウフクダッタネ」と交信するシーンでは観るたびに自分は不覚にも泣いちゃいます。流れ星みたいにミサイルが国会議事堂の上に飛んできてからの地獄絵図は、緻密なカット割りも功を奏して未だに強烈なトラウマとなっています。■この映画と言うか東宝という会社の限界は、「戦争は政治の継続である」と言われているのに、政治がまったく描かれていないところでしょう。ワルシャワ条約陣営を「同盟国」NATO陣営を「連邦国」と言い換えて国籍マークや軍服まで架空のものを使い、何をそこまで遠慮しなければならないの?と言いたいぐらいです。航空機や潜水艦などは当時の両陣営の実物をけっこう正確に摸しているのに、“ミグ”を“モク”と言い換えることまでしています。もちろん、アメリカやソ連と言った言葉はまったく出てこないので、なんで第三次世界大戦が勃発したのか理解不能です。登場する政治家は日本政府だけで、山村聡はじめ貫禄ある顔ぶれですけど、まるでバチカンかダライ・ラマみたいなご託宣を発するだけでどう見ても単なる傍観者でしかない。戦後の日本と言う国の国際的な位置づけからすると、この描き方もある意味リアルということでしょうか。■この映画が当時の観客にあまりに強い衝撃を与えたので、東宝は翌年に超能天気な『妖星ゴラス』を製作したんじゃないかと個人的に思っています。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-08 02:42:02)(良:1票)
1529.  ラスト・ショット 《ネタバレ》 
いま話題の『アルゴ』と同じ様なプロットですけど、思うにアメリカの捜査機関は映画製作をダシにした引っかけ作戦がけっこう好きなんじゃないでしょうか。おとり捜査自体が認められない日本では想像もつかないお話しですけど。 ちょっと脚本の出来が悪すぎですねー、見せたいのが、素人のA・ボールドウィンがプロデューサーに化けることでまき起こるドタバタなのかマフィアをはめるスリルなのか、どっちつかずなんですよ。マフィアを引っかけるのにあんな大掛かりなトラップが必要なのか説得力がないし、そのマフィアたちも全然迫力がない連中であっけなく捕まっちゃうし、もの足りません。T・コレットやJ・キューザックと言ったけっこう大物女優を使っているのに、彼女たちのキャラがとても下品なので監督の演出意図に首を傾げたくなりまた。レストランでT・コレットがコップにオシッコをためるシーンなんて、もうどこが面白いんだよと突っ込みを入れたくなりましたよ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-11-06 23:31:00)
1530.  セルピコ 《ネタバレ》 
アメリカでも賄賂を取らない警官の方が多数派だと思いたいけど、フランク・セルピコほど執拗にそれを糾弾した警官は稀有かもしれません。セルピコと言う名前は今や清廉潔白の代名詞みたいになっていますが、この映画では良く言えば変人、どちらかと言えば偏執狂的なセルピコの姿を包み隠さず描いていると思います。プライベートで交際している女性にエゴイスティックな態度を見せるところなんか、名匠S・ルメットの冷徹な映画の撮り方に感服してしまいます。この頃のA・パチーノは、男の眼から見てもほれぼれとする様な美貌でして、この美顔と鼻にかかった独特の声が何で今みたいなとてつもなく深い皺顔とだみ声になってしまったのか、人生とは残酷なものですね。 最近のハリウッド警察映画に登場する内部監察の刑事は、たいていはヒーローの邪魔をする嫌な悪役というパターンが多いのは興味深いところです。この映画のように真正面から警察の不正を告発するのは今じゃ受けないのでしょうかね。
[映画館(字幕)] 8点(2012-11-03 12:07:17)
1531.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 
同じ事件を8人の視点で描く、と言っても30分程度の出来事なのでスポットを当てる人物が替わるたびに同じシーンを違うショットで見せられると言うのは、能がなさ過ぎると思います。つまり観客が見せられるのは“違う視点”からは程遠い映像でしかないということです。『パルプ・フィクション』でタランティーノが見せてくれたような世界を期待していたので、かなり失望させられました。タラのテクニックと才能を再認識した次第です。テロリスト側の男たちがみんな同じ様な風貌なので、誰が誰だか途中から判らなくなってしまったのもマイナスです。 でも私が思うにこの映画の最大の失敗は、○○○が×××だったと言う現実には絶対あり得ないバカな設定でしょう。こんな風に不測の事態が起きたらどうやって世界に説明するのでしょうか、全体主義国家の独裁者じゃないんだからね。△△△が犯人の一味だと言うのもミステリーならば禁じ手でしょう、これならもうなんでもありの世界になっちゃいますよ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-10-31 20:50:11)(良:1票)
1532.  飛べ!フェニックス 《ネタバレ》 
不時着する輸送機はフェアチャイルドC-82パケットというマイナーな飛行機です。胴体が二本になっているツイン・ブームという珍しい型式が特徴ですが、原作者はこの姿を見て「これだ!」って閃いたのでしょうね。ちょっと飛行機に詳しい人なら、どうやってエンジンの後ろに計器をくっつけたんだよ、などと突っ込みたくなるところですが、フィクションとしては素晴らしいプロットであることは確かです。フェニックス号は飛行可能な機体として実際に製作されていますが、やはり空力的には不安定だったので墜落してしまい不世出の名スタント・パイロットだったP・マンツが撮影中に亡くなってしまいました。J・スチュアートは大戦時に航空隊に志願して爆撃機のパイロットをしてたくらいですから、適役と言えるでしょう。 この映画に出てくる男たちは、J・スチュアートを含めて人格的な欠点を持つ人間ばかりだってところが濃密なドラマ構成に繋がっています。H・クリューガーにやり込められてくさっているスチュアートは、まるで窓際の中年サラリーマンみたいで、全然ヒーローらしさがありません。それにしてもアルドリッジらしいところは、結果として卑怯で臆病な人間が生き残るという実にリアルな結末でしょう。極限に追い込まれた人間の醜さを、綺麗ごとで済まさずにちゃんと描いているところはさすがです。そして、あまり活躍しなかったけど、おサルちゃんが最後まで生き残ったのはホッとしました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-30 19:05:25)(良:1票)
1533.  ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録
「事実は小説より奇なり」とはこのドキュメンタリーのためにあるようなフレーズです。よく『地獄の黙示録』でのM・ブランドのモンスターの様な我がままぶりが語られますが、本作を観て真の怪物はコッポラだったのが良く判りました。まあ、良くぞ完成させたと褒めてあげたい。 L・フィッシュバーンが撮影当時は14歳だったと知ってちょっとびっくりしました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2012-10-29 20:51:00)
1534.  ウッディ・アレンの愛と死 《ネタバレ》 
W・アレン映画にしては珍しいコスチュームもので、ロシア軍とナポレオン軍の合戦シーンまであります(もっともTVのお笑いバラエティでやってるレベルですが)。だけども実際にはこの映画はアレンがスタンダップ・トーク芸を見せたくて撮った様なもので、のべつくまなく喋り続けです。私はこのアレンの芸は嫌いじゃないですけど、耐性のない人には堪らないでしょうね。そのアレンにしゃべくりで返すD・キートンが、ヘタなコメディ演技ですべりまくっていてちょっと無残でした。ギャグもヘタな下ネタのオン・パレードで全体的に学生の自主映画みたいな感じです。この映画のつぎに撮ったのが『アニー・ホール』とはある意味で凄すぎです。
[ビデオ(字幕)] 4点(2012-10-27 12:20:36)
1535.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》 
ヴァーホーヴェンは磔にされて復活したキリストのイメージをマーフィーに重ねていたそうです。でもそのキリストは、単に新しく生まれ変わったマシーンではなく、この世に残してきた妻子の記憶に苦しむひとりの男でしかなかったというわけです。マーフィーが空き家になった自宅を訪れるエピソードには何度この映画を観ても心が痛みます。 私には「こんな映画、今まで観たことない」と感嘆させられた映画の一本です。スプラッター度は製作当時ではハリウッド史上最凶だったのではないか、今観てもそのエグい描写は衰えていません。ルイス巡査のN・アレンもこの映画の時が最高に輝いていました。ヴァーホーヴェンの名を不朽のものにした映画史に残る傑作です。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2012-10-25 22:17:04)
1536.  ハートブルー 《ネタバレ》 
サーフィン・スカイダイビング・銀行強盗、落語の三題噺みたいなプロットでもちゃんとアクション映画になるとはさすがK・ビグロー、“ハリウッドの女J・ウー”の面目躍如です。『イレイザー』のシュワちゃんの5年も前に、パラシュート無しのスカイダイブをK・リーブスがやっていたとは知りませんでした。ここまでやると普通バカ映画と呼ばれるものですが、あまりにもアクション演出がキレまくっているので無茶が通ってしまいます。あのダイビング・シーンの壮絶な美しさは、その後本作を超えた映画がいまだにないと言えるのでは。大根役者の極北・K・リーブスも、この映画のP・スウェイジぐらいカッコいいキャラと絡めると、けっこう観られるもんですね。でもラストでキアヌくんダーティ・ハリーの真似をしてましたけど、あまり様になっていませんでした。 ここからは私の妄想ですが、邦題をつけた宣伝マンはきっと試写も観てなかったんですよ。資料にサーフィンとダイビングの文字を見て、「ん、ダイビング?じゃあL・ベッソンの『グラン・ブルー』の路線だな、『ハート・ブルー』ってのはどうだ」と言う感じです。ダイビングはダイビングでもこっちはスカイ・ダイビングだっちゅうの!
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-23 19:57:06)
1537.  勝利への脱出 《ネタバレ》 
第二次世界大戦の捕虜収容所脱走映画ってたいがいは実話ものだけど、この映画は珍しくフィクション。まあフィクションならもっと弾けるバカっぷりがあってもいいけどね。 それにしても、捕虜たちの服装が綺麗すぎて実感を損ねている。『戦場にかける橋』の英軍捕虜のズタ袋を被った様なボロボロの軍服とは好対照です、もっとも『戦場にかける橋』はビルマだからハダカでも何とかなりそうですが。ドイツ軍将校の軍服がまた考証が行き届いているのは感心したけど、騎士鉄十字章(喉元にぶら下げている鉄十字章)をつけた将校が多すぎるのはちょっと興ざめです。この勲章、全軍で7,000人しかもらってないんですから。でも、スタジアムでナチ党関係者はナチ式敬礼、国防軍の軍人は普通の敬礼ときちんと見せているところなどは印象が良かったです。 ペレをわざわざキャスティングした割にはあまりに見せ場が少なくてもったいない限りです。肝心の試合の見せ方が単調すぎると言うのはちょっと致命的で、サッカーに縁が薄いアメリカ人のジョン・ヒューストンがメガホンをとったのがそもそも失敗だったかも。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2012-10-20 20:50:45)
1538.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 
私の中では“はやぶさ”と言えば、“妖星ゴラスのJX隼号”と昔から決まっています。バンザイしながらゴラスに吸い込まれて散ってゆくクルーたちは、何と日本的なことか(そういやこの映画、やたらバンザイするシーンがありますが)。古今からさまざまなSF映画が製作されたけど、ここまで壮大で大乗的な視点の大法螺話は映画史に残る偉業です。高度成長期の日本のバイタリティは、なんと地球まで動かしてしまったんですから大したものです(笑)。 南極からジェット噴射しながら地球が動く画って、稚拙な技法かもしれませんが今の眼で観ても凄い映像です。東宝特撮ミニチュアワークの粋を凝らした南極での工事シーンは見応えがあり、建設現場のミニチュアから溶接の火花が見えるように撮っているのは感心しました。 あまりに不評な唐突に怪獣が出現するシーンも、ここで登場する航空機が後に『ウルトラマン』で科学特捜隊が使用するジェットビートルの原型になっていることは評価してあげたい。 この映画で異彩を放つのは、久保明と宇宙飛行士たちの異様なまでに高いテンションと陽気さです。彼らの描き方を観ていると、旧海軍の戦闘機パイロットたちの文化をそのまま持ってきた様な印象を受けます。「宇宙飛行士は駕籠かきみたいなものよ」なんてセリフまであった気がしますが、まだ日本ではアストロノーツという職業への理解がまだ浅かったのが伺えます。当時はアメリカではジェミニ計画が進行中でしたが、『ライトスタッフ』を観れば判るように、宇宙飛行士には知力体力ともに超人的な能力が必要だと言うことは想像を超えていたんでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-19 21:08:16)
1539.  戦火の馬 《ネタバレ》 
E・ワトソンやP・ミュランといった渋い俳優が出演していると言っても、この映画の主役はやっぱりサラブレッド・ジョーイでしょう。ちょっと驚異的なレベルの演技を見せてくれますが、CGテクノロジーが発展しているのでどこまでが実物の馬なのかとついつい詮索してしまいます(実はフルCGだったりして)。 スコセッシが『ヒューゴの不思議な発明』を撮ってますし、ハリウッドの二大巨匠が相次いで子供向け素材から作品を創作しているのは興味深い。二人とももう孫がいる世代だし、仏心が芽生えてきたのかな。 この映画は戦争を題材にしてますがスピルバーグの残酷趣味は抑えられており、馬とともに自然を美しく映すかに全力を注いだ観が強い。英国軍騎兵隊が葦の原から現れて突撃を開始するシーンは、さすがスピルバーグと言うイマジネーションだ。でもラストのあまりに鮮烈な夕陽はちょっとCG使い過ぎでやり過ぎの感は否めなかった。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-17 23:11:41)
1540.  少女妻 恐るべき十六才 《ネタバレ》 
まずは驚愕のトリヴィアから、なんとこの映画は昭和35年度芸術祭参加作品なんです!! さすがに受賞したわけではないみたいですが、恐るべし昭和30年代! 冒頭シーンでは明るい音楽が流れ、セーラー服の少女たちが校庭でバスケをしながらはしゃいでいます、まるで『青い山脈』か『若い人』みたいな雰囲気ですね。大騒ぎしながら校庭を飛び出し繁華街に繰り出した彼女たちは、一軒の喫茶店に入ってゆきます。開店前の店内にはケバイおネエちゃんがいて少女たちを叱ります、「商売衣装着て遊んでんじゃないよ、お前ら!」 何とこの娘たちはバリバリの娼婦だったんですよ。新宿駅東口のハモニカ横丁あたりが縄張りのヤクザが仕切っている売春組織で、組のチンピラがそれぞれのヒモになっています。娼婦とヒモで疑似夫婦というわけです。このヒモたちを定期的に“人事異動”させて担当する娘を変えるというのがビジネスライクで実に面白い。でもユキと五郎は真剣に愛し合うようになって、何とか組織から逃げ出そうと苦しみます。 この映画、予想外に丁寧に撮られていて、とくにユキと五郎の破天荒なカップルの恋愛は、同時期の松竹ヌーヴェル・ヴァーグを連想させるような瑞々しいタッチなんです。でも新東宝らしいダサさはもちろん健在で、客分として組に流れてきた殺し屋天知茂がやってくれます。天知のヘアスタイルがまた変でして、ビートルズをはるかに先取りした様なマッシュルーム・カットが全然似合ってません。堅気になって引退した仇敵が宇津井健こと“ハジキのブラック”、名字が黒木だからなんですがこのセンスが新東宝テイストなんです。そしてラストは新東宝お得意の無理矢理対決で、今回は“拳銃日本一”を賭けたガンファイトでした。 というわけで色々ヘンなところはありますが、最近観た新東宝プログラムピクチャーの中ではかなりいい味出している一篇でした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-17 20:23:03)
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