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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2381
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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141.  ストップ・メイキング・センス 《ネタバレ》 
80年代を代表するインテリパンクバンド“トーキング・ヘッズ”のコンサートを収録したジョナサン・デミの出世作にして伝説的傑作。内容は、ただただ“トーキング・ヘッズ”のパフォーマンスに密着するだけなのですが、コンサート・ドキュメント映画では最高峰の出来と言っても差し支えなし! “踊るニワトリ男”D・バーンがアコースティック・ギターとリズム用のラジカセを抱えてまだカラッポの舞台に登場し“サイコキラー”をひとりで歌いだす冒頭シーンのカッコイイこと。2曲目からひとりずつ他のメンバーが合流し舞台装置が運び込まれてゆく構成は、能舞台の影響があるみたいです。怪鳥のようなパフォーマンスを見せるD・バーンを緻密に計算されたカメラワークが追い続ける。カメラマンは『ブレード・ランナー』のジョーダン・S・クロネンウェスで、彼のカメラは観客の反応を無視してひたすらアーチストを追いかけてゆきます。コンサートやスポーツ試合はライブで見ていると却って舞台やフィールドで進行していることが判らないものですが、デミの緻密な画面構成はその後のライブ・フィルムに多大な影響を与えていますね。バンド内バンドとして有名な“トムトムクラブ”も登場し、ベースのティナ・ウェイマスのパフォーマンスが楽しめます。バンドって、女性がベースを弾いてると実にカッコイイですね。ちなみに、“米米クラブ”は“トーキング・ヘッズ”(というか“トムトムクラブ”)のパロディなんだなと改めて認識しました。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-06-20 20:20:00)(良:1票)
142.  ワイルド・アット・ハート 《ネタバレ》 
本作あたりから、リンチの映画は凡人の手が届かない次元に昇華していったのです。ニコジーとローラ・ダーンのバカップルぶりは、もうバカバカしいを通り越して神々しく感じられるほどです。でもこれでもかと立て続けに登場する脇を固める役者たちのぶっ飛んだ奇人・変態ぶりがもの凄くて、バカップルが実は一番まともに見えてくるから不思議です。でも自分には、リンチワールドとしてはまだバランスがとれた変態度で、役者の個性の見せ合いとして楽しませていただきました。それにしても、あの天使だけはなんとかして欲しかったですね…。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-06-04 00:51:15)
143.  バージニア・ウルフなんかこわくない 《ネタバレ》 
言葉には暴力性があることは承知していますが、同じフレーズでも「文字にして紙に書く」のと「言葉を音声として発する」のではコミュニケーションの手法としていかに性格が違うのかと考えさせられました。テイラーとバートンの血が出るような罵り合いは、まさに「セリフのボクシング」と呼べるのでは。たった四人しか登場人物がいないのに、四人ともオスカーにノミネートされて二人が受賞って、ちょっとすごくないですか? 四人の中でもテイラー・バートンの毒気にあてられて、冒頭とラストでは同じ人格とは思えないほどボロボロになっちゃうS・デニスの演技の上手さには感心させられました。ちなみに本作はハリウッド映画で初めて“Fuck”というセリフが使われた記念すべき作品だそうです。実際のところどこで使われたか気がつかないほどですが、まさか40年後には“Fuck”だらけの映画が量産されるとは、当時の観客は想像もしなかったでしょうね。
[DVD(字幕)] 9点(2010-05-20 20:56:42)
144.  ジャガーノート 《ネタバレ》 
この映画、公開当時は『ポセイドン・アドベンチャー』的な宣伝がされて自分はあまり食指が動かなかったのですが、じっくり鑑賞すると実は素晴らしい傑作サスペンスでした。そう、本作はパニック映画ではなくサスペンス映画、それもとびきり上出来な海洋サスペンスです。監督がR・レスターですから、冒頭からお得意のシニカルな撮り方が楽しめます。船内の描写にしても、豪華客船ですからおいしそうな料理がつきものですが、厨房で客の食べ残した料理を始末するところばかり何度も映しておしまい、さすがレスターさんやってくれますねー。そしてレスター映画には欠かせないロイ・キニアが可哀想な宴会司会者として笑わせてくれます。実際に荒天の海で巨大客船を使って撮っているのもたいしたものです。CGはもちろんのこと、VFXすら使用してないのですから。クライマックスは、あまりにも有名な「赤か青か」の選択なのですが、リチャード・ハリスのこのシーンでの演技は鳥肌ものです。ハリウッド映画なら俳優に汗だくにさせて演技させるのですが、ほとんど汗を見せずに黙々と爆弾に取り組むハリスには却ってリアリティがあるから不思議です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-05-06 02:34:50)(良:1票)
145.  ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ! 《ネタバレ》 
原題は『選挙』、高校の生徒会役員選挙なんですが、シニカルでブラックな視点で描かれていて、ひどい邦題からは想像つかない奥の深さに感心しました。リース・ウィーザースプーンの顔芸にまず苦笑、クリス・クラインの演技とは思えないバカっぷりもおかしかったけれど、マシュー・ブロデリックの小市民根性丸出しの小物ぶりを見て、これは彼しか演じられないキャラだと感心しました。これは意外な拾いものですよ。なんでも、リースの役は最初ソーラ・バーチだったが撮影開始直後に降板しちゃったそうです。きっと変な顔撮られて怒っちゃったんだろうな。
[DVD(字幕)] 9点(2010-04-21 01:33:23)
146.  オルランド 《ネタバレ》 
ヴァージニア・ウルフの小説は一昔まえには「映画化不可能」というのが定説だったのですが、近年映像化され始めてどの作品も秀作ぞろいだと思います。腕に自信があり原作を良く読み込んだ監督しか手を出さないからでしょうが、本作もサリー・ポッターの才能が余すところなくウルフの世界を映像化してくれました。役者の使い方も面白くて、冒頭にエリザベス一世が登場する場面があるのですが、やけに貫禄のあるエリザベス女王だなと思ったら、なんと男優が演じているんですね。男優がエリザベス女王を演じた映画がかつてあったでしょうか! 全編に漂うそこはかとないユーモアが心地良い佳品です。
[DVD(字幕)] 9点(2010-04-18 02:36:13)
147.  ロッキー・ホラー・ショー
昔、名画座で『ファントム・オブ・パラダイス』と二本立てで良く上映してましたね。今から考えると、豪華なプログラムですこと! この歳になっても、♪スィ~トトランシルベニヤア~を聞くとアドレナリンが噴き出しますよ。低予算とは思えないカラフルな画面構成の素晴らしさは現代でも全く色あせていません。武道館で上映して、みんなで米まいたり、“タイムワープ”を踊ったりしたら楽しいだろうな~。ミュージカル映画の中で一番好きかも。
[DVD(字幕)] 9点(2010-03-26 23:50:50)
148.  未来世紀ブラジル
ジョージ・オーウェルの『1984』をモチーフにしていますが、この映画の世界観はギリアム独特でいいですね。基本的に自分はディストピアSFが好みですが、数あるディストピアものでも本作は最高峰ではないでしょうか。まあこういう作品では、監督の提示するイメージが合うかどうかで好みが別れるものですが。登場人物たちのスーツや帽子姿を見ていると、この世界が赤狩り時代のアメリカをパロっている気がしますね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-03-21 01:16:51)
149.  独立愚連隊西へ 《ネタバレ》 
岡本喜八監督の最高傑作であると共に、日本アクション映画の金字塔! これだけ痛快な戦争アクション映画は日本では珍しいと評されますが、とんでもない、ハリウッド戦争映画にもこれほどの快作はないのではと思います。加山雄三は本作が映画初出演ですが、学徒兵上がりの将校らしい初々しさが出ていていいですね。相対するフランキー堺の八路軍将校もなんかあまり戦争やる気がなさそうで面白いキャラですが、良く考えると冒頭とラストしか出演シーンがないのですね。そう、実はこの映画の最笑のキャラは、堺は堺でも堺左千夫なんですよ。この人『ゴジラ』にも出演している東宝特撮映画に欠かせない名バイプレイヤーですが、そろばん占いに凝った変な兵隊を演じて大活躍です。『チッキショー』が口癖の佐藤允や、『責任とってくれるんだろうな』とすぐすごむ中丸忠雄も傑作なキャラです。まあとにかく一度観てくださいな、損はさせません!
[DVD(邦画)] 9点(2010-02-09 22:56:32)
150.  フォロー・ミー
名匠キャロル・リードの遺作となった珠玉の一品です。自分はミア・ファローが苦手なのですが、この映画の彼女だけは別人の様です。トポルと言う俳優も優しい眼と表情が素晴らしくて、とぼけたいい味出してます。そしてなんと言ってもテーマ・ソングの素晴らしいこと!イルカの名曲“Follow Me”は、絶対この映画にインスパイアされて出来たと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2010-02-06 01:57:05)
151.  マチネー/土曜の午後はキッスで始まる 《ネタバレ》 
この脚本書いた人、凄いなあ。キューバ危機でパニック状態に陥っている街でホラー映画をめぐって繰り広げられるドタバタコメディで、しかも『ギミックの帝王』ウィリアム・キャッスルへのオマージュになっている。こんな重層構造のプロットなのに、本作は違和感なく楽しめる作品として仕上がっています。音楽がいい、ジョン・グッドマンを始め役者がいい、しかも『B級映画愛』に満ち溢れている。こんな良作なのに知名度が低いというのは残念です。間違いなくジョー・ダンテの最高作でしょう。
[ビデオ(字幕)] 9点(2009-12-03 20:14:04)(良:1票)
152.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 
初めて観たときは、いい歳した大人だったのに本当に怖かった。本作が世に出たことで『モダン・ホラー』というジャンルが確立したと思います。もう製作されてから30年経とうとしていますが、『洪水のように血が噴き出すエレベーター』や『廊下の奥にたたずむ双子姉妹』といった衝撃シーンは全然色あせていません。この映画を観てシメントリーが人間の本能的な恐怖心を刺激することを初めて実感しました。超自然現象などこれっぽちも信じていないキューブリックがキング原作を映画化すれば、こういう映画になることは当然でしょう。伝説の『100回テイク』は一説では本作でシェリー・デュバルが体験したそうですが、インタビューで彼女は『キューブリックの映画にはもう出たくない』と真顔で語っているので笑ってしまいます。
[ビデオ(字幕)] 9点(2009-11-22 00:00:01)
153.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 
スコセッシという監督は、詩情やロマンのかけらもないマフィア映画を撮る人だなとつくづく感じました。米国では1960年代までマフィアの存在すら公的に認知されていなかったことを考えると、初期のマフィア映画は正面きって組織犯罪をテーマにすることに躊躇があって組織の疑似家族的な側面を強調して描くことが多かったと思います。これはちょっと意味合いが違いますが、日本の任侠映画に通じるところがあるでしょう。ブルックリンのチンピラの青春をテーマにして監督デビューしたスコセッシが、「人間の原罪」というカトリック的な作家性を発揮して、「人間は罪を犯す動物である」というテーゼでマフィア映画を撮ればここまで突き抜けた傑作になるのは当然でしょう。登場人物は男も女もみなろくでもない人間のクズみたいな奴ばかりですが、トミーが粛清されたと知ってジミーがおいおいと声をあげて泣くシーンが、劇中唯一の救いの様なシーンでした。
[DVD(字幕)] 9点(2009-09-08 23:07:18)(良:1票)
154.  ナイト・オン・ザ・プラネット
オムニバス好きな自分ですが、この作品が今まで観たなかでのベスト・オムニバスです。冒頭L.Aで夜が始まり、最後のヘルシンキで朝が来るという一夜の出来事なのですが、地球上ではこれだけのドラマが生まれたのですね。私には何も起こらなかったヘルシンキの話が意外と琴線に触れました。そしてジーナ・ローランズ、さすがいい味です。
[DVD(字幕)] 9点(2009-09-03 21:43:03)
155.  スカーフェイス 《ネタバレ》 
デ・パルマの作品としては最高傑作ではないでしょうか。この映画、不思議とデ・パルマ印の華麗な映像カットがないのですが、作品としてのパワーが群を抜いています。アル・パチーノの演技は言うまでもないのですが、このトニー・モンタナに絡む周辺人物たちがギラギラした悪党ばかりで、特にロバート・ロジアは「仁義なき戦い」の金子信雄を彷彿させるキャラで面白かったです。ジョルジオ・モロダーのやる気のなさそうな音楽が不思議とこの映画にはマッチしているんです。妹へのゆがんだ愛情が爆発するところからは、まるでギリシャ悲劇を観ているようなインパクトでラストの大銃撃戦まで一気に突っ走るところは、本当に「映画の神様が降りてきた」ような迫力でした。
[DVD(字幕)] 9点(2009-08-15 01:58:33)(良:1票)
156.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
ダーク・ファンタジーというコピーに見事に騙されました。私はこの結末はバッドエンドと解釈します。確かにオフィリアは生き延びることができても、フランコ政権下のスペインではおそらくメルセデスたちレジスタンスも含めて長くは生きられなかったでしょう。そもそも母親が大尉と結婚(というか妊娠)さえしなければ内戦の残り火とも言える残酷な闘争にオフィリアも巻き込まれることはなかったはずだし、彼女はきっと平凡な育ち方をして人生を過ごしたのではと感じます。子供には自分の人生を自由に生きてゆくことができる無限の可能性があるはずなのに、母親の愚行によってこんな悲しい結末に終わってしまったことに、思わず涙してしまいました。観終わってからの後味は、私には「火垂るの墓」に匹敵する悲しみがありました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-07-28 20:41:20)
157.  突撃(1957) 《ネタバレ》 
初期(雇われ監督時代)キューブリックの最高作です。塹壕の中をカメラが主観視点で進むシーンは、その後作られた第一次世界大戦を扱った映画で良く模倣されています。あの長回しで撮られた悪夢のような突撃シーンでは、カーク・ダグラスが前進するのと共にカメラも彼の姿を追って移動するのですが、ピントがあった映像(パン・フォーカス?)で映し出された周囲の惨状が余りにすごくて、非現実的な感覚すら陥ってしまいます。処刑シーンではキューブリックらしいシメントリーな画面構成が観られますが、その中でも意識不明の兵士を担架に縛り付けてまでして立たせるシーンなどは、軍隊組織の官僚性と非人間性に驚かされますが、かえって滑稽に見える感じもします。ラストの場面で歌うドイツ娘役はこの作品完成後にキューブリックと結婚するスザンヌ・クリスチャンですが、さすがのキューブリックも彼女の撮り方には愛情が感じられます。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-07-11 21:08:49)
158.  シカゴ(2002)
ボブ・フォッシー原作のミュージカルだけあって、フォッシー調の鋭角的な動作が見事なダンスが素晴らしい。ゼタ・ジョーンズを始め、どうしてこんな風に身体表現ができるのかと感嘆してしまいました。歌曲もまた切れがあって、中でもレネー・ゼルウィガーがここまで歌えるとはこれまたびっくり。個人的には今まで観た中で最高のミュージカル映画でした。できれば、ボブ・フォッシー監督の「シカゴ」を観てみたかったです。それは彼が亡くなってしまった今では詮無いことですが。
[DVD(字幕)] 9点(2009-06-17 20:13:59)
159.  空軍大戦略 《ネタバレ》 
間違いなく空中戦を描いた戦争映画の最高峰です。この映画の主役は、英国のスピットファイア・ハリケーン、ドイツのメッサーシュミット・ハインケル(エンジンだけはオリジナルでは無い戦後型ですが)4機種の航空機であると言っても過言ではないでしょう。それぞれの機体は塗装や機番などの考証も行き届いていて、この手のマニアからも高い評価を得ています。英独のパイロットが命をかけた死闘を再現しているのですが、空中戦シーンは壮絶さを通り越して、まるで華麗なバレエダンスを観ているような感覚になります。また英独のオールスター俳優陣がとっかえひっかえ登場してきますが、当時のアメリカ人ハリウッドスターを一人も使っていないところに、この映画の製作スタッフの意気込みを感じます。劇中ヒトラーとチャーチルがそれぞれ1シーンだけ登場しますが、ヒトラーは演説する後姿、チャーチルに至っては遠景でセリフもなしというところが面白いですね。歴史を作ったのは政治家ではなく、名もない飛行士や兵士だったのだということを訴えている気がします。「空軍大戦略」という邦題がこの映画の最大の欠点だと私は思っているのですが、これは今はなき水野晴郎氏がユナイト映画宣伝部時代に命名したそうです。
[映画館(字幕)] 9点(2009-06-11 23:45:06)
160.  狩人の夜 《ネタバレ》 
スタンリー・コルテスのカメラが素晴らしい。表現主義を取り入れたような室内の光と影の描写は息を飲みます。全編今まで観たこと無い様な美しいモノクロ映像で、特に水中の死体が映るシーンは実に不気味で美しかったです。1955年という製作年度にしては際どい題材で、偽物とは言え連続殺人鬼の牧師が主人公という映画はそれまでなかったでしょう。大根役者のイメージがあるロバート・ミッチャムに、こんなに怖い演技ができたというのも驚きです。確かにロバート・ミッチャムが逮捕されてからの展開には疑問符をつけざるを得ません。ヒッチコックが撮っていたら、どういうラストになっていたかなと想像してしまいました。
[ビデオ(字幕)] 9点(2009-04-13 21:13:22)
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