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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2380
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1721.  突撃隊 《ネタバレ》 
組織になじまない一匹狼だけど技量は抜群というと、同年に製作された『戦う翼』の爆撃機パイロットと思いっきりキャラがかぶるのですが、やっぱりマックイーンは将校じゃなくて兵士役が似合うんですよね、本作のマックイーンはえらくスリムで眼がギラギラしていてまさにオオカミという迫力です。マガジン三本をテープでくくったM3短機関銃は他の映画では観たことない使用法ですがいかにも実戦的で、私の中ではマックイーンのシンボルみたいなものです。ドン・シーゲルの無駄のないスピィーディな演出はB級映画のレベルを超えていますね。そう言えば、同じロケ地で撮ったんじゃないかと思うほどTVの『コンバット』に雰囲気が似てますね、音楽が同じレナード・ローゼンマンだったせいもあるかな。
[地上波(吹替)] 7点(2011-08-01 21:41:41)
1722.  スイミング・プール 《ネタバレ》 
この映画のオチはただただ“?”が頭に浮かぶだけでしたが、どうしてこうなっちゃうんだろうと考えてみると、ひとえに主人公サラ・モートンが「信頼ならざる語り手」であることが原因なんですよね。こういうプロットならば、南仏に行ってからの映像はすべてサラの主観で統一されなければならないのに、ところどころにジュリーの視点で撮られたショットが交じっているから余計に混乱してしまうんですよ。ジョー・ライト監督の『つぐない』も「信頼ならざる語り手」がストーリー・テリングしてゆくお話しで本作と似てますけど、『つぐない』は脚本家の手腕が本作のオゾンより格段に優れていて、原作小説を見事に脚色していて違和感はなかったと思います。また、筋には関係ないのにマルセルの不気味な娘が登場したり、ベッド脇から外した十字架がいつの間にか元の位置に戻っているなどのシーンには、“この世界はサラの妄想なんだよ”とオゾンが伏線を張っている様な気がしました。まあどちらにしても、騙されたという快感はあまり感じられないちょっと不思議な後味でした。 付け足しですけど、ロンドンでイギリス人同士が仏語で会話するのはなんとかして欲しかったですね。海外向けに英語の吹き替えも入れた方が良かったのでは。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-31 09:40:44)
1723.  インビジブル(2000) 《ネタバレ》 
エログロ番長ヴァーホーヴェンのハリウッド卒業(中退?)記念作で、“透明人間もの”というB級色あふれる題材で攻めてくるとはさすがですねえ。古今東西、“透明人間もの”として製作された映画の中でもたぶん本作がもっともヴァジェットを使っているんでしょうが、ヴァーホーヴェンにしてはグロは薄味、エロは中坊の妄想(というか、『青い体験』レベル)みたいでファンとしてはちょっと不満が残ります。そもそも映画前半で透明化と逆透明化のグロ味たっぷりのヴィジュアルを見せてしまった時点でやりたい事が終わっちゃってますので、その後のベーコンの暴れっぷりなんて付け足しみたいなもんです。しょせん生身の人間が単に透明になっただけだし、裸だし、そんな大したことができるわけないんですよ。そう考えると、ほとんど地下の研究所だけで展開するストーリーはまあ妥当と言えるでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-30 16:35:06)
1724.  JFK 《ネタバレ》 
自分は俗に言う「陰謀史観」というやつは鼻から相手にしないのですが、ケネディ暗殺だけはどう考えてもウォーレン委員会の公式発表はおかしいと思っています。オリヴァー・ストーンは「ケネディ暗殺が自分の青春を狂わせた」と信じているお方ですから、そりゃ私の様な半可通でもなっとくさせてくれる構成力というか力技で暗殺の陰謀を再現してくれました。でもその「虚実織り交ぜて」というのが曲者で、どこまでが事実でどこからがフィクションなのか判りにくいある意味「危ないプロパガンダ映画」としての側面も持っているのも事実です。ストーリーは後半クレイ・ショーという男の裁判が焦点になるんですが、こんな小物が有罪になってもどうケネディ暗殺の陰謀を暴くことになったのかが非常に判りにくい。もっともこの裁判シークエンスでのケヴィン・コスナーの論告は映画史に残る様な屈指の迫力で、最後の方なんかコスナーの声が喋り過ぎでかすれてくるぐらいですから。ストーンはこのシークエンスが撮りたいがために三時間もの長さの映画を製作した様なもんですけど、正直ぐいぐい引き込まれちゃって長さはあまり気になりませんでした。ラスト、ギャリソン親子三人が肩を並べて裁判所を出てゆくところをロングで捉えたショットは、『アンタッチャブル』を思い出させてくれました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-24 00:23:15)
1725.  最後の突撃(1944) 《ネタバレ》 
名匠キャロル・リードが第二次大戦時に撮ったプロパガンダ映画ですが、なかなかの佳作です。戦時中は米英の映画監督たちも競ってプロパガンダ映画を撮っていますけど(ジョン・フォード、ジョン・ヒューストン、フランク・キャプラ、フリッツ・ラング、etc)私が今まで観た中では最良のプロパガンダ映画だったと思います。ちなみに最悪はスターリンが撮らせた『ベルリン陥落』で、トラウマになるほど凶悪な映画です。 さてストーリーは招集された市井の市民たち8人をこれまた予備役将校のデヴィッド・ニーヴンが一人前の兵士に育ててゆくというプロパガンダ映画の王道ですが、8人がけっこう個性豊かに描かれているので訓練場面ばかりですが意外と退屈せずに観れます。ニーヴンは実は俳優になるまでは士官学校卒業のバリバリの現役将校だったそうで、大戦が始まると英国陸軍に大佐の階級で復帰しています。大佐と言うと連隊長の階級ですが、さすがに実戦に出ることはなく情報部などにいたようです。軍に入って将校を勤めたハリウッドスターは多いですが、ニーヴンの大佐が最高位ではないでしょうか。北アフリカに送られた彼らはドイツ軍と激戦になって「最後の突撃」に赴くところでこの映画は終わるのですが、まるで第一次大戦のときの様にゆっくり歩きながら敵陣に向かってゆく姿は、日本軍の玉砕・バンザイ突撃とは違って「勝って生き残るんだ!」というしぶといジョンブル魂が感じられました。 フランス人酒場の主人役でピーター・ユスティノフが出演し共同で脚本も書いていますが、この人脚本家としてもなかなかの腕前だったんですね、感心しました。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-07-23 17:24:51)
1726.  バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト 《ネタバレ》 
この映画のハーヴェイ・カイテル、もうとてもじゃないけど正気の人とは思えません。あのフルチン踊りには参りました。そしてあの……(以下あまりにもお下劣なシーンの描写なのでカットさせていただきます)。こういう奇行・蛮行を繰り広げる悪徳刑事の破滅に至るまでの数日間がテーマなんですが、カイテルの演技が実にリアルというか自然なので驚いちゃいますよ、本作に限って言えば完全にデ・ニーロを超えていますね。信仰を持っているのに日常的に悪事を働く人間の心理というのが初めて理解できた様な気がします。決して人に勧められる映画じゃないのですが、観てしまったらちょっと人生観が変わってしまうかもしれないほどのインパクトがある劇薬みたいな一篇です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-07-21 00:46:49)
1727.  ノウイング 《ネタバレ》 
ディスカバリー・チャンネルで太陽フレアがとりあげられていて、誕生から40億年の歴史を持つ地球は過去に太陽フレアに直撃されたことがあった可能性があると聞いた後だけに、この映画で描かれる地球滅亡はなんかリアルでした。ところがキリスト教文明の世界観では、人類も恐竜などの様に絶滅するときが来ると言うことはどうしても許しがたいことみたいですな。この映画のプロットはキリスト教で言うところの“携挙(キリストが再臨するときに信者を天につれてゆく)”をそのまま画にした様なもので、そっちの方に話が暴走し始めるとせっかく前半のオカルチックな雰囲気が吹っ飛んでしまいました。だいたい、あの数字が羅列された紙はこの映画で結局なんの意味があったんでしょうかね。最近のハリウッドSF映画は安易に宗教をモチーフにする例が多すぎるんではないでしょうか。そう考えると、キューブリックやスピルバーグは偉大だなとつくづく感じてしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2011-07-18 23:16:43)(良:1票)
1728.  ミニミニ大作戦(2003) 《ネタバレ》 
あのオリジナルをここまでテンポ良くリメイクできたというのは上出来です。無駄に大人数だったオリジナルの窃盗団を技能抜群の6人に絞ったのは最近のアクション映画の常道ですが、映画としてはオーシャンズ・シリーズよりまとまっているのは確か。音楽の使い方もセンスが良くて、オリジナルでクインシー・ジョーンズが魅せてくれたシャレた雰囲気を上手くアレンジしたなと思います。 まあ言っちゃなんですが、ミニを使って逃げると言うプロットに必然性がないのが難点ですけど、そういうお話しなので素晴らしいカーアクションに免じて許してやってください(笑)。あと一言、ブリッジャー役はやっぱマイケル、ケインを使って欲しかったな、オリジナルの役者をキャスティングするのはリメイクの礼儀作法ですから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-13 21:40:04)
1729.  普通の人々
時代は全然違いますけど、本作を観て私は小津安二郎の映画とついつい比べてしまいました。レッドフォードの演出は驚くほど繊細で、これが初監督とは思えません。ティモシー・ハットンはこの演技で見事初ノミネートでオスカー受賞しちゃったわけですが、どうも一発屋だったみたいで、近年は全然名前を聞かなくなっちゃいましたね。80年代以降でもっとも伸びなかったオスカー受賞俳優と言ってもいいんじゃないかな(ちなみに女優ではミラ・ソルヴィーノ)。なっとく行かないのはこの映画でオスカーに本当にふさわしい演技だったメアリー・タイラー・ムーアが受賞できなかったことで、実にもったいない。この人は本来コメディが得意分野ですが、ここまでシリアスな演技ができると言うことは評価が高いと思います。 ラストは家庭崩壊みたいな感じですが、不思議と暗さは感じなくて何か希望と再生の一筋の光が見えていると感じました。
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-12 00:41:58)(良:1票)
1730.  ミニミニ大作戦(1969) 《ネタバレ》 
シャレた泥棒映画は、やっぱり英国製がいちばんですね。実はリメイク版の方を先に観ちゃったのですが、新旧見比べるてみると泥棒グループの人数とそのグダグダぶりが大きな違いです。オリジナルの方はそのピリッとしない連中をユーモアたっぷりに描いていて楽しいし、あの大女フェチのピーチ教授なんかなんのために登場したのか忘れてしまうほどのおかしさです。とは言えいちばんけったいなキャラはノエル・カワードが演じる“刑務所の王”ブリッジャーで決まりです。看守を引き連れて自由に刑務所の外へ出ていくは、刑務所長の方がブリッジャーにへりくだって応接するは、この映画が撮られたときにはすでに英国演劇界の伝説になっていたノエル・カワードのセルフ・パロディみたいでした。ミニの突っ走るシーンでは展示場の屋根に上ってまた降りてくるところがすごかったですね。クインシー・ジョーンズの歌曲も良かったし大満足ですが、ラフ・ヴァローネがボスのマフィアが途中からどっかに消えてしまったのは脚本のアナでしょう。ラストに登場するとばっかり思っていましたので、拍子抜けしました。
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-11 23:48:03)
1731.  ガープの世界 《ネタバレ》 
ジョン・アーヴィングの映画化としては『ホテル・ニューハンプシャー』よりよっぽど成功していると言えるでしょう。現代アメリカ文学お得意の寓話仕立てではありますが、単純に観ればアンチ・フェミニズム映画であるのは間違いないでしょう。私には、男性として、職業作家としてロビン・ウィリアムスが母親や妻などの女性たちに翻弄されてゆく波乱万丈の人生が強烈でした。母親グレン・クローズが身ごもるエピソードは果たしてなんのメタファーなのか自分にはイマイチ理解できないのですが、冒頭とラストに出てくる赤ん坊を見ていると、人間という生物は男と女がいなければ存在できないんだなとしみじみ思いました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-10 23:54:51)
1732.  ザ・ブレイブ・ウォー 第442部隊 《ネタバレ》 
自ら監督・脚本・製作も兼ねているからしょうがないかもしれませんが、主演のレイン・ニシカワという人の演技がどうもいけません。見た目が40代のふつうのおっさんなのでいくら軍曹とは言っても他の兵士に比べてあまりに違和感があり過ぎでした。こんなに演技が下手なら主役は他の俳優にしたらもっと観られる作品になったと思いますよ。パット・モリタ(本作が遺作)、タムリン・トミタと日系人俳優がけっこう出演していますけど、ジェイソン・スコット・リーまでが日系人役で最初はちょっとびっくりでした。ところが観終わってみれば彼がいちばん印象的な良い演技だったのは皮肉なもんです。有名な「テキサス大隊の救出」をテーマにしているのですが、バジェットの関係かあまり戦闘シーンは盛り上がりませんでした。しかし211名を救出するために800名以上の日系人兵士が死傷するとは何とも言葉もありません。 そう言えばこの442連隊戦闘団の物語を渡辺謙が監督で映画化すると言う話があるそうじゃありませんか、期待しましょう。
[DVD(字幕)] 4点(2011-07-08 21:22:41)
1733.  スラップ・ショット 《ネタバレ》 
アイス・ホッケーはプロレスと並んでアメリカではプアー・ホワイトが熱狂するプロ競技なんだそうですが、その何となくマイナーな感じがポール・ニューマン以外の選手たちの顔つきに良く出ていました。ジョージ・ロイ・ヒルってたぶんアイス・ホッケーのファンなんじゃないでしょうか、なんかホッケーに対する愛情が伝わってくるんですよ。ですけどこれはそうとうレベルが高いおバカ映画であることも確かです。ニューマンの演じるコーチも策士なのかと思えば、どっこい単なる出たとこ勝負のおバカキャラみたいで掴みどころがない奴でした。“決勝戦は綺麗に勝とう”というのはこの手の映画では定石ですが、“スカウトが来てるぞ!”と聞いたとたんにラフスタイルに逆戻りというのはけっこうさわやか(?)な展開でした。それにしても見分けがつかないハンセン三兄弟と相手チームのアーネスト・ボーグナインの息子みたいな顔した選手、強烈なキャラでした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-07 21:57:51)
1734.  太陽を盗んだ男 《ネタバレ》 
世評が高い本作ですが、自分にはどうも肌が合わない、どちらかというかトンデモ系に分類してしまいます。“反権力”はいいんですけど、この映画の様な表現は70年代でもさすがにセンスが悪いと言えるのでは。脚本自体が団塊世代的な感性に満ち満ちていて、いかにもゴールデン街の飲み屋あたりで語られそうな発想が頭でっかちです。池上季実子のラジオDJとプロデューサー風間杜夫のあのバカバカしく紋切り型のセリフと、“マスコミ=反権力”という幻想がこびりついた行動にはほんと辟易しました。素人の教師が原爆を自作しちゃうという素晴らしいプロットなのに、この監督にはユーモアとかギャグを理解していないインテリ特有の欠点があって、せっかく沢田研二がそれまでの邦画にはないユニークなキャラを創造しているのに生かし切れていない。菅原文太の不死身ぶり(とは言え最後には死んじゃいますけど)はもうコメディの域に達しているのですが、なんでこれをギャグとして撮らないのか、その監督のセンスの悪さにはつきあいきれませんでした。良かったとしみじみ思ったのは、我が青春時代の新宿や渋谷の街がフィルムに残されていることです。
[DVD(邦画)] 3点(2011-07-06 00:38:36)
1735.  ダウンタウン物語 《ネタバレ》 
子供だけが出演するギャング・ミュージカル、しかも大半の子役が素人に毛が生えた程度の経験しかなくて歌は吹き替えとなりゃまさに学芸会映画かということになってしまいます。本作が初監督だったアラン・パーカー自身も「今頃になって言うのもなんだけど、よくあんなバカな企画を思いついたものだ」としみじみ語っているぐらいですが、くだらないと切って捨てるには惜しいセンスがあるんですよね。自分がポール・ウィリアムスが好きだってこともたしかですが、このまま大人のキャストで撮っても十分通用するギャグが詰まった脚本が良いんです。そしてジョディ・フォスター、そりゃ『タクシー・ドライバー』と同時期ということもありますが、その演技と妖艶さはもうずば抜けてますよ。意外なところではデクスター・フレッチャーも出ていて、この人ほんと芸歴長いんだなと感心しました。ラスト近くにジョディ・フォスターが顔にパイをぶつけられて吐き捨てるセリフ、「これがショウビジネスよ!」には思わず爆笑です。
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-04 00:30:04)
1736.  激突!<TVM> 《ネタバレ》 
製作された71年はアメリカン・ニュー・シネマの最盛期でスピルバーグも本作ではどことなくニュー・シネマっぽい雰囲気をパクっていますが、後半はとくに独自のスタイルで押し通してエンドまで持ってゆきまったく新しいジャンルの映画を作り上げてしまったのはもう天才のなせる業です。最後まで腕しか見せないトラックの運転手、すでに処女作で『JAWS』のスタイルを完成させているというのはただ驚くほかありません。エンコしたスクール・バスを押して“いい人”ぶって主人公マンのウラをかくシーンでは、もう完全にトラックが擬人化されちゃって観ているこっちまで鳥肌が立つ恐怖です。日本でもかなり早い時期にTV放映されていますのでスピルバーグのことは知れ渡っていましたが、まさかその後ハリウッドのキングになろうとは誰が予想したでしょうか。
[地上波(吹替)] 8点(2011-07-02 20:31:42)
1737.  レニー・ブルース 《ネタバレ》 
権力や権威にたてつく芸は、安易な様に見えて実際やりこなせる芸人は少ない。日本の芸能界を眺めれば良く判ります。この映画で接するまでレニー・ブルースという人のことは何にも知らなかったけど、こりゃほんとに凄い芸人ですよね。ダスティン・ホフマンの超絶的な演技のおかげかもしれませんが、ひょっとして実物を超えているんじゃないかな。最初は肌に合わないアメリカン・ジョークと思って観ていましたがだんだんレニーのというかホフマンの話芸に引き込まれてゆき、下品の陰にある鋭い知性に圧倒されてしまいました。レニーを逮捕しようと劇場で張っている警官まで笑わせちゃうんですから大したもんです。フェイク・ドキュメンタリーの形式をとった編集は今の眼で観ても斬新で迫真です。 カレン・ブラックと並んで70年代だけ活躍したヴァレリー・ぺリンの脱ぎっぷりの良さはほれぼれします。私の中では『レスラー』のマリサ・トメイと本作のぺリンは、オールタイム・ベストストリッパーです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-28 20:14:34)
1738.  こわれゆく女 《ネタバレ》 
追悼ピーター・フォーク、彼の死を報じるニュースはみな「刑事コロンボで有名な…」という枕詞で始まってましたが、フォークの役者としての真価が発揮されているのは本作ではないでしょうか。粗野で自分勝手な土方の親分なんですが、カサヴェテスの即興演出とのコンビネーションは絶妙で観ててとても演技とは思えない迫真ぶりです。そしてフォークの名演もかすんでしまうのが、ジーナ・ローランズの鬼の様な演技です。入院するまでの彼女の表情、とくに眼に注目してください。もう完全にあっちの世界に行っちゃった眼ですよ。最初カサヴェテスは舞台劇として制作するつもりだったそうですが、「こんな役を毎日できるわけないでしょ!」とローランズにバンザイされて映画になったとのことです。彼女が壊れてしまった原因としていわゆる嫁姑の問題が暗示されていますが、劇中フォークの母親役はカサヴェテスの実の母親で、つまり実の嫁姑が激しいバトルを展開してくれます。ある意味“究極的な迫真の演技”だったわけですね。これほど鑑賞するのに体力・気力がいる映画も珍しいですし、これほど赤裸々な人間模様を見せてくれる映画もあまりないでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-26 22:26:28)
1739.  フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 
我が“オールタイムベスト刑事アクション”はもう文句なしに『フレンチ・コネクション』です! この映画たしか公開時期は『ダーティ・ハリー』と思いっきりかぶっていた記憶がありますが、ハリー・キャラハンがマグナム.44なのにポパイはS&Wチーフ・スペシャル、しかも足首にくくりつけられるほど小型というのが対照的で面白いところです。 このポパイ刑事の行動、もはや人間ではありません、もう“犬”です。家族はいない、本能(ホシに喰らいついて離さない)のままに行動するだけ、ロマンスのかけらもなく性欲が要求すれば素人ねえちゃんをひっかける、激しい人種差別感情、アメリカ映画が生んだ最初のアンチ・ヒーローにふさわしいダメっぷりです。これも“映画を撮る狂人”フリードキンだから創れたわけで、あの迫真のカーチェイスの息を呑む迫力には狂気さえ感じるほどです。そしてまるで不条理、無常観がただようラストシーンとテロップがこの映画の本質をよく表しています。 フランケンハイマーが続編を撮りましたが、あまりに雰囲気が違い過ぎて私の中では本作とは無関係なスピンアウトという認識です。
[映画館(字幕)] 10点(2011-06-24 00:40:54)(良:1票)
1740.  砲艦サンパブロ 《ネタバレ》 
この映画は、非常に地味だけど名作です。米西戦争でスペインから分捕ったオンボロ砲艦というプロットが渋すぎですが、本国は好景気に沸いているローリング・トゥェンティの時代に水兵をしている、しかも砲艦に乗せられて中国をウロウロしているという時点でサンバブロ号の乗員は艦長以下みんないわば負け組です。軍人とはいえ平凡な乗組員たちが、魔境中国の人間の営みを歯牙にもかけない歴史の渦にいや応なく巻き込まれてゆき、そしてあえなくすりつぶされてしまうのはあまりに悲しい。この作品が公開された当時はベトナム戦争はまだ泥沼化する前でベトナムに対する関心も低かったことを考えると、その先見性には感服してしまいます。 マックイーンはアクターズスタジオで学んだ経験があり本来は演技力も持っている人なのですが、この映画の演技でそれを証明してくれました。人間よりも機械を愛する孤独な男、このキャラは彼が生涯演じてきた役の典型でもありますが。 リチャード・アッテンボローと結婚する中国人メイリーですが、なんと『エマニュエル夫人』を執筆する前にちょこっと女優業もしていたエマニュエル・アルサンが演じているんですよ。このあと世界中をエロで席巻することになる女性にはとても見えないところが不思議です。
[映画館(字幕)] 9点(2011-06-22 17:23:49)
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