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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2381
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1741.  砲艦サンパブロ 《ネタバレ》 
この映画は、非常に地味だけど名作です。米西戦争でスペインから分捕ったオンボロ砲艦というプロットが渋すぎですが、本国は好景気に沸いているローリング・トゥェンティの時代に水兵をしている、しかも砲艦に乗せられて中国をウロウロしているという時点でサンバブロ号の乗員は艦長以下みんないわば負け組です。軍人とはいえ平凡な乗組員たちが、魔境中国の人間の営みを歯牙にもかけない歴史の渦にいや応なく巻き込まれてゆき、そしてあえなくすりつぶされてしまうのはあまりに悲しい。この作品が公開された当時はベトナム戦争はまだ泥沼化する前でベトナムに対する関心も低かったことを考えると、その先見性には感服してしまいます。 マックイーンはアクターズスタジオで学んだ経験があり本来は演技力も持っている人なのですが、この映画の演技でそれを証明してくれました。人間よりも機械を愛する孤独な男、このキャラは彼が生涯演じてきた役の典型でもありますが。 リチャード・アッテンボローと結婚する中国人メイリーですが、なんと『エマニュエル夫人』を執筆する前にちょこっと女優業もしていたエマニュエル・アルサンが演じているんですよ。このあと世界中をエロで席巻することになる女性にはとても見えないところが不思議です。
[映画館(字幕)] 9点(2011-06-22 17:23:49)
1742.  バンク・ジョブ 《ネタバレ》 
いきなりT・レックスの"Get It On"を流すところは、もう私たちの世代には反則技みたいなもので、いやでも期待が高まっちゃいます。この曲、21世紀のテンポで撮られた映画で使われても全然違和感がないところは、さすが名曲です。そう言えばなぜかミック・ジャガーがいかにもしがない銀行員という役でチョコッと画面に映ります。セリフもない役ですが、眼鏡をかけた若き日のジェームズ・コバーンみたいで、ちょっと可愛かったです。 映画の出来はこの監督にしては快心作で、これほどテンポ良く楽しめる銀行強盗もの映画は久しぶりに観たかなという感じですね。英国犯罪史上に残る謎の事件に独自の取材を加えてあり、事実と脚色の境目が綺麗に融合されています。ジェイソン・ステイサムがまた渋くて良いんですが、素人のわりにはあまりにキレ者過ぎるところと容姿が70年代っぽくないのが残念です、カツラぐらいかぶれよ! 強奪成功後のMI5、スコットランドヤード、そして闇の勢力との四すくみ状態はなかなか面白く、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』に通じるところがあります。 それにしてもいくら故人とはいえマーガレット王女やマウントバッテン卿が実名で登場するとは、しかも王女にいたっては3Pまでやらせちゃうとは、英国映画界も侮りがたしです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-20 22:20:12)(良:2票)
1743.  ザ・セル 《ネタバレ》 
ストーリー自体はよくある『羊たちの沈黙』の亜流なのだから、あとは奇抜なプロットを生かす「観たことのないような映像」をどれだけ見せてくれるかに期待するわけです、観客は。残念ながら例の「馬の輪切り」以外はその方面の好奇心を満たしてくれる画はなかったですが、この監督の美的センスの鋭さはたしかに素晴らしい。そして何よりも凄味があったのは石岡瑛子が担当した衣装で、自分はこれほど衣装に「凶暴さ」を感じたことはかつてなかったぐらいです。ジェニファー・ロペスのメイクにも唸らせられまして、夢の中でどんどん顔が変わってゆき、とくにスポーク仮面をかぶって登場したシーンは、まるで岩下志麻みたいな顔だったんですよ。 捜査ものとして撮っているのでどうしても理屈で割り切った様なお話しに落ち着いてしまったのは残念で、ここはリンチワールドの様な思いっきり不条理な世界を見せて欲しかったところです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-19 01:03:32)
1744.  パピヨン(1973) 《ネタバレ》 
公開当時はスティーブ・マックイーンの映画は必ず観に行っていたのですが、本作だけは例外。そのわけは、マックイーンがゴキブリを食べるシーンがあるという情報が宣伝にあったから。というわけで遅れること38年で初鑑賞、なんてことはない、観てみればそんなシーンはどこにあったの、って感じだったので拍子抜けしちゃいました。 でもさすがに泣く子も黙る悪魔島、あの独房暮らしはホント苛酷ですね~、独房入り2年だなんて凄い刑罰がほんとにあったんですね驚きました。思ったよりどぎつい描写は少なく、自由を奪われた人間がどんどん尊厳を失ってゆく過程は観ていてほんと恐ろしいものです。よく観てみれば脚本書いたのは“不屈の男”ダルトン・トランボなんですね、こりゃ彼にはピッタリの題材だったわけです。 とにかく、マックイーンと名優ダスティン・ホフマンのただ一度の共演がフィルムに残されただけでも感謝です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-18 09:38:07)
1745.  ルシアンの青春 《ネタバレ》 
この作品、ルシアンを肯定的に描いたということでフランスでは反感を示す批評があったとのことですが、このルシアン・ラコンムの空虚な青春のどこが肯定されているというのでしょうか? その空っぽで愚かな17歳の青春が痛いほど観る者に伝わってくるので、本作は切ない傑作となったのではないかな。 連合軍がノルマンディーに上陸する様な時期にゲシュタポの手先になるなんて、いくら17歳だったとはいえあまりに愚かすぎます。でも始めはレジスタンスに参加しようとして拒否されているのだから、運命というものはあまりに残酷なものです。ルシアン役のピエール・ブレーズはルイ・マルに発見されるまでは本当に木こりをやってた素人なのですが、無表情の内側にルシアンの無教養と無邪気さそして心の闇が見事に表現出来ていて、マルのたぐいまれなる演出力にはため息が出てしまいます。ブレーズは本作出演2年後には自動車事故で亡くなってしまうので、オーロール・クレマンと山奥で戯れる静かなラスト10分がとても悲しくなってしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-06-15 23:02:06)
1746.  マチェーテ 《ネタバレ》 
『マチェーテ』まさかの実写化!、正直言ってお待ちしておりました! 不法移民問題などシリアスネタを織り込んでいますが、あのフェイク予告編がこの作品のすべてを語っている様なもので、それだけあの予告編はよくできていたのだなと感心しました。そして予告編にクオリティを与えてくれたのが、デ・ニーロとセガールの起用でしょう。と言っても、デ・ニーロの芝居は勝手に暴走して好き勝手やってる感じでしたが。セガールが悪役やっている映画って、今まであったでしょうか?私は彼は絶対に悪人の方が似合ってると前から思っていたので、セガールの悪ボス姿が観れて満足でした。『エクスペンダブルズ』のオファーを蹴ったくせに『マチェーテ』には出るなんて、セガール、ちょっと見直したぞ! もっとも単にデ・ニーロと共演できるチャンスを逃したくなかっただけかもしれませんが。ふつうの状況では、デ・ニーロとセガールが競演するなんてあり得ませんからねえ。最後に、チーチ・マリンが思ったより活躍しなかったので、マイナス1点とさせていただきます。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-14 19:23:14)(良:1票)
1747.  アニー・ホール 《ネタバレ》 
人によって好みが激しく分かれるアレンだけど、『アニー・ホール』には彼の才気と映像および脚本テクニックが凝縮されていることは間違いありません。屁理屈が多くてユダヤっぽいセリフが臭いと最初は感じていましたが、何回も観ているとけっこう名セリフが多いんですよね。「私を入会させるクラブ…」はあまりに有名ですが、自分は「愛とサメは似ている。常に前進していないと死んでしまう」が好きですね、けっこう名言だと思います。そして、私はこの映画のダイアン・キートンほどリラックスして役を演じる女優は観たことがありません。本来彼女はそんなに器用な女優ではない気がするのですが、アレンの手にかかると軽やかなコメディエンヌに変身させられてしまうのですから、彼の女優を操る腕前は大したものです。でもあのキートンの歌だけはちょっと微妙でした(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-13 00:59:00)(良:1票)
1748.  赤い影 《ネタバレ》 
カメラマン出身のニコラス・ローグらしくて印象的なカットがてんこ盛りなんですが、全体を通して俯瞰するとはったりと思わせぶりが強すぎると言う印象が残りました。たしかにストーリーの背景に連続殺人が起こっている様な描写があり、この映画は推理サスペンスかと思って観てしまう可能性も十分ありますね。それも脚本が詩情を前面に出すのか、それともオカルト色を濃厚にしたいのか、どっちつかずになっているからだろうと思います。だから濃厚なラブシーンも激しく浮いちゃっているのが残念です。デ・パルマと組むとあれほど豊饒な世界を感じさせてくれるピノ・ドナッジオの音楽も、本作ではなんか安っぽく耳に入るのが不思議です。
[DVD(字幕)] 5点(2011-06-11 12:30:32)
1749.  ヒッチャー(1985) 《ネタバレ》 
脚本およびプロットはB級以下なのですが、ルトガー・ハウアーを起用したのでとてつもなく狂ったカルトになってしまったというところでしょうか。よく『激突!』との類似が指摘されますが、私はどちらかと言えば『ブレード・ランナー』のロイ・バディへのオマージュの方が強く感じられます(C・トーマス・ハウエルと対決するドライブインも『ロイの店』という店名でしたね)。このジョン・ライダーは超自然的な存在の様に見えながらも自殺願望が強い人間的な側面もあり、これは単純に脚本でキャラ設定が練り込まれていなかったかもしれませんが、かえってそこが本作の不思議な味わいに繋がっていると思います。個人的にはライダーは成仏できない幽霊の様な存在で、C・トーマス・ハウエルに再度殺してもらってやすらぎを得ようとしていたのではと感じています。C・トーマス・ハウエルがシャワー浴びてる間に、J・ジェイソン・リーのベッドにライダーが突然出現するシーンは、本作でいちばん怖かったところでした。 怖いと言えばなぜかハウエルを犯人と決めつけて追いかけまわす警察で、いったいあれで何人死人が出たことやら…
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-06-09 23:42:33)(良:2票)
1750.  テレマークの要塞 《ネタバレ》 
第二次世界大戦中、ノルウェーにあったドイツの原爆製造用のための重水製造工場を破壊する実際おこなわれた作戦がモチーフになっていますが、映画では大幅に脚色されています。この作戦は戦史の中でも知名度が低く今や忘れられた様な状態ですが、そもそもナチス・ドイツが原爆開発に成功する見込みはほとんどなかったからでもあります。ヒトラーは核物理学を「ユダヤ人の科学」として忌み嫌っていて、またどうも原子爆弾というものを理解していなかったふしもあります。何とか細々と開発は続いていましたが、どうも英国はドイツが原爆開発に成功する見込みがないことに気づいていたみたいで、それでもレジスタンスに犠牲を払わせても邪魔をしようとするところなぞ、大英帝国の執念深さは大したものです。 さて本作の特長は、レジスタンスの核物理学者に扮するカーク・ダグラスのジェームス・ボンドも裸足で逃げ出す超人的な活躍に尽きるのではないでしょうか。女癖は悪いは、片っぱしからドイツ兵を殺すは、爆弾を仕掛けたフェリーに戻って女子供を救助するは、ダグラスこそは“60年代のスティーブン・セガール”であると断言しちゃいますね。邦題も正しくは『テレマークの“沈黙の要塞”』というところでしょうか。 『スパルタカス』で監督をクビにした負い目がダグラスにはあったので、アンソニー・マンに出演を頼まれてふたつ返事で引き受けたのに、出来上がってみればまるで自分のプロダクションで製作した様なヒーローものになっちゃうとは、さすが“俺さま”ダグラスの面目躍如ですね。さぞやアンソニー・マンも頭を抱えたことでしょう(笑)。 
[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-06-06 23:06:18)(笑:1票)
1751.  ニコール・キッドマンの恋愛天国 《ネタバレ》 
まあ良くある詐欺邦題のひとつですけど、主役じゃないにしてもニコール・キッドマンはそこそこ活躍してますよ、『ジョン・レノンの僕の戦争』に比べりゃずっとましです。それよりも本作にはキッドマンの盟友ナオミ・ワッツも出演していることに注目で、今までに公開された映画の中でふたりが競演した唯一の作品という希少価値があります。 『恋愛天国』というのもひどい題名で、原題から言うと『恋愛ごっこ』というのが判りやすいかも。でも内容はとっても切なくほろ苦い青春劇で、ノア・テイラーとタンディ・ニュートンのカップルはなんか応援したくなるものがありました。後年のスーパー・モデルみたいなタンディ・ニュートンしか知らなかったのですが、本作ではちょっとふっくらしていて恋に背伸びしたがるティーンエイジャー役を好演していました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-05 20:39:04)
1752.  翼に賭ける命 《ネタバレ》 
まずこの時期のダグラス・サーク作品にしてはモノクロなのがなぜか不思議。題材からモノクロがふさわしいというわけではもちろんなく、単純にバジェットの問題なのだろうか。サーク映画の美しいカラー映像をこよなく愛する者としてはとても残念です。フォークナーという作家は『意識の流れ』を重視したジョイスみたいなタイプだと思っていましたが、こんなメロドラマの題材になる様な小説を書いていたとは知りませんでした。二人の男とひとりの女が生活を共にしていて、女が生んだ子供の父親がどちらなのか本当は良く判らないって、けっこう凄いシチュエーションじゃないでしょうか。おまけにどっちの男が結婚するかをサイコロを振って決めるんですから、いやはや何と言って良いのやら。こんなお話しをメロドラマにしちゃうんですから、そこはサークの真骨頂と言えるでしょう。撮影所の方針でメロドラマを撮りまくりましたが、舞台演出家からキャリアを始めたサークは文学にも造詣が深い教養人で、本当はメロドラマを撮るのは不本意だったそうです。本作もプロデューサーが介入しなければもっと違った文芸ドラマになってたかもしれません。まあ私とすれば、ゴージャスなドロシー・マローンを堪能できたのでそこそこ満足できましたが。スカートの中を丸見えにしてパラシュート降下を見せてくれるシーンには、思わず眼が釘付けでした(まさにプロデューサーの思うつぼにはまったわけです)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-04 01:38:18)
1753.  ロンゲスト・ヤード(1974) 《ネタバレ》 
この映画はその後の数あるチーム対戦型スポーツ映画に模倣され、ついにはリメイクまでされてしまった、まさに「偉大なオリジナル」ですよ。スプリット・スクリーンに始まってスローモーションで終わる試合の見せ方はもう完璧としか言いようがありません。フェアー・プレイも減ったくれもない荒技の数々、そして肉体がぶつかり合う音の迫力、まーこれぞ漢のドラマです。そうそう、「男」と言えば密告屋アンガーと便利屋がバート・レイノルズにラブ・モーションを送っているのに再見して気がつきました、明らかにこの二人はホモですね(笑)。もちろんレイノルズは無視してましたが、さりげない描写ながらけっこう繊細なアルドリッチの演出でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-31 19:17:57)
1754.  Mr.&Mrs. スミス 《ネタバレ》 
もうそれはくだらないんだけど、旬の監督がハリウッドの二大セレブを使ってキレまくりのテンポでぶっ飛ばしているから実に楽しい。普通の夫婦でもありそうな会話で思いっきり危ないギャグにしちゃうセンスがいいですね。夫「60人前後かな」妻「私は312人」、これってお互いの異性体験人数を告白してるみたいで、もう思いっきり笑ってしまいました。そりゃ女房が自分の5倍も数をこなしていたら、亭主なら誰でもめげちゃいますよね(笑) こういうシャレを愉しむのが大人の度量というもんですよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-29 23:19:56)
1755.  地獄へ秒読み 《ネタバレ》 
第二次世界大戦で敗戦直後のベルリンで、不発弾の処理を仕事とした6人の男たちを描く『ハートロッカー』をはるかに先取りした様なプロットです。でもこの6人は占領軍にとっては単なる復員してきた元ドイツ軍兵士で、任務に失敗して死んでしまっても構わないいわば捨て駒なのが現実。不発弾処理も爆弾一発につきひとりしか割り当てられず、装備もつなぎの作業服だけでヘルメットぐらい被らせろよと言いたくなるぐらいの軽装備です。監督がロバート・アルドリッチですからこの不発弾処理の過程を手に汗握るサスペンスとして見せてくれると当然期待するわけですが、それがこの映画、肝心のハラハラドキドキが全然ダメなんですよ。それはマルティーヌ・キャロルをフューチャーしてるので無理やりジャック・パランスとのメロドラマにしようとして見事に失敗しちゃったせいもあります。男くさい映画を撮らせたら天下一品のアルドリッチも、さすがにメロドラマっぽいお話しでは単なるヘボ監督だったんだと思いしらされました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-05-26 23:02:51)
1756.  裸の銃を持つ男 PART33 1/3/最後の侮辱 《ネタバレ》 
シリーズものはだんだんテンションが落ちてくるのが世の常なんですが、このシリーズは三作目の本作がいちばん笑わしてくれました。のっけから『アンタッチャブル』のパロディで、まず大笑い。でも本作の最大、そしてシリーズ最大の山場はやはりアカデミー賞授賞式へのドレビン警部乱入シークエンスでしょう。この授賞式、カメオ出演のプレゼンターたちがけっこう豪華だしお茶らけにしてはフェイクノミネート作品も良くできています。でも何と言ってもいちばん笑わしてくれたのは、知る人ぞ知る『キッチュの女王』ピア・ザドラが登場するシーンですね。この人いろいろ噂は聞いていたのですが、ようやく映像でお会いすることができて感無量です(すみません、このサイトでは本人どころか出演作の一本すら登録されてない様なコアな女優のお話しでした)。 昨年レスリー・ニールセンも天に召されてしまいましたが、「フランク・ドレビン警部よ永遠なれ!」
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-05-25 08:56:08)
1757.  突破口! 《ネタバレ》 
「組織のカネに手をつけてしまって、殺し屋に追っかけられる」というプロットは、そう、『ノーカントリー』がすぐ頭に浮かびますね。本作の殺し屋ジョー・ドン・ベイカーはそりゃアントン・シガーに比べられたら分が悪いですが、70年代ではけっこう不気味なキャラでしょう。凄いのは追っかけられるウォルター・マッソーの沈着冷静で狡猾な悪党ぶりで、『ノーカントリー』のジョシュ・ブローリンもマッソーの半分ほどの悪知恵が働けばひょっとしたらアントン・シガーに勝てたかも(笑)。いつものすっとボケた表情を崩さずにあれだけ敵の裏をかく仕掛けを繰り出すとは、ウォルター・マッソーほんと恐るべしです。ラストのなぜか離陸できなくなって地上滑走しかできなくなった複葉機と車の追っかけっこも、いろいろな伏線があった上での計算されたシークエンスなのが見事でした。 そういや同年に製作された『戦闘機対戦車』というTVMの快作がありましたが、どっちが真似したんでしょうかね。
[映画館(字幕)] 8点(2011-05-22 20:55:43)
1758.  裸の銃を持つ男 PART2 1/2 《ネタバレ》 
二作目ということもあり皆さんの評価もけっこう厳しくなっていますが、実はわたくしは一作目より面白いんじゃないかなと思ったぐらいです。一作目のエリザベス女王に続いて本作はパパ・ブッシュ大統領夫妻をいじめていますが(よく考えてみると、かみさんのバーバラに集中攻撃でした)、こういう権力を徹底的にコケにするコメディって我が国では映画化不可能というのが悔しいところです。下ネタ、映画パロディネタもだんだん調子が出てきたようで、これは三作目で頂点に達して大爆発します。やっぱり自分のお気に入りは「黒いそのまんま東」O・J・シンプソンで、もう絶好調です! 余談ですがわたしプリシラ・プレスリーってエルヴィスの娘だとずっと勘違いしてました(娘はリサ・マリーですよね)。プリシラはエルヴィスの元妻で、ということはこのシリーズでは彼女はほとんど40歳に近かったわけで、恐るべき若づくりですよ。整形とかしてるかもしれませんが、20代にしか見えません!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-22 13:38:20)
1759.  裸の銃を持つ男 《ネタバレ》 
冒頭、ホメイニ師が議長している世界独裁者会議(その中にゴルバチョフが交じっているところがいかにも80年代風味)ネタには、そのあまりのどろ臭いセンスに先行きが心配になってきましたが、その後は快調で安心しました。本作では続編ほど映画パロディネタや下ネタは目立ちませんが、アル・ヤンコビックの使い方は大爆笑です。そしてこの映画を観て初めて気がついた貴重な真実は、「そのまんま東は顔を黒く塗ったら、O・J・シンプソンになる!」ということでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-21 21:57:28)
1760.  カンザス・シティ 《ネタバレ》 
カンザス・シティが故郷のアルトマンが、彼なりの視点で懐かしい街にノスタルジーを捧げています。30年代ルーズヴェルト大統領時代のカンザス・シティはけっこう腐敗したギャングがはびこる怖い街だったみたいで、そういう場所に全米からジャズマンが集まってカウント・ベイシーやチャーリー・パーカーという偉大なジャズマンが育ったみたいです。だからアルトマンには故郷を懐旧させるのはずばりジャズとギャング、この映画には普通のノスタルジックさはなくアルトマンらしい乾いてハードボイルドな世界が展開されます。ギャングのボスはハリー・ベラフォンテ、こいつが笑えないユーモアセンスで冷酷なくせにのべつくまなくおしゃべりするのですが、ベラフォンテ、すっごい貫禄でした。ベラフォンテにチンピラの旦那を拉致されたジェニファー・ジェイソン・リーが、「毒には毒を」というわけで民主党の大物の妻ミランダ・リチャードソンを誘拐して夫を脅迫してチンピラ亭主を取り返そうとする。ベラフォンテのギャングに対抗できるのはなんと民主党が飼っているギャングだと言う発想がまた壮絶です。ボス・ベラフォンテは劇中ずっと「ヘイヘイ・クラブ」というジャズ・クラブに腰を据えているのですが、このクラブで延々と続くジャズパフォーマンスがこの映画の大きな見どころです。ジャズには疎い私ですが、製作当時の現役一流ジャズマンがカウント・ベイシーやレスター・ヤングといった面々を演じていて、中盤で見せてくれる“テナー合戦”はたしかに必見の価値ありです。狂言回しみたいなキャラでしたが、少年時代のチャーリー・パーカーも登場します。本作は『ナッシュビル』の様な音楽群像劇ではなくそれまでのアルトマンの作風とはちょっと異質なせいもあって公開当時は不評だったそうですが、私はけっこう楽しめましたよ。やっぱいちばん印象に残ったのはジェニファー・ジェイソン・リーで、神経質そうにしかめる顔は父ヴィック・モローにあまりに似ているので驚きました。
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-19 23:53:44)
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