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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1801.  不思議な世界・未来戦争の恐怖 《ネタバレ》 
リチャード・レスターといえばケン・ラッセルといい勝負ができる英国映画界の鬼才ですが(もっともレスターは米国人ですけど)、そのフィルモグラフィの中でももっともカルトで奇天烈なのが本作でしょう。自分もいろいろと映画を観てきましたが、本作はその奇妙さではベスト5にランクインできる珍作です。 なぜか核戦争が起こってしまってロンドンは核ミサイル直撃されて文字通り蒸発、まあ世界大戦じたいは2分30秒で終結してしまったそうですが。そういう設定なので壊滅後のロンドンは地表には車の残骸や食器が散乱するほとんどなんもない荒地で、どっかのゴミ捨て場みたいなところロケしたみたいです。映画の雰囲気はそういえば『不思議惑星キンザザ』に似ているとも言えますけど、登場人物の奇天烈さと薄汚さははるかに凌駕してます。もう出てくる連中がヘンな奴ばっかり、そして見せられるギャグは下らないを通り越してシュール過ぎ、さすがに訳が判らず全然笑えません(でもBBCニュースのキャスターのくだりだけは傑作)。しかし放射能の影響で人間が部屋や家具といった無機物や動物に変化してしまうというのは、なんかカフカ的な不条理が感じられてちょっと面白かったです。登場人物の中でもラルフ・リチャードソンはなぜか“部屋”に変身しちゃいます、それにしてもサーの称号を持つ名優なのにこの人けっこう前衛的というかヘンな映画によく出てますよね。ローレンス・オリヴィエやジョン・ギールグッドに比べるとその傾向は顕著で、けっこう茶目っ気がある人だったのかもしれません。 本作はもちろん本邦未公開、本国でもあわやおクラ入りされかけたといういわくつきで、さすがのリチャード・レスターも好き勝手に撮ることはできなくなって以降は単なる職人監督としてしか映画界で生きることができなくなりました。それを思うと、我が愛するケン・ラッセルは死ぬまで好き勝手し放題できて幸福だったんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 5点(2016-12-03 23:21:15)
1802.  俺達に墓はない 《ネタバレ》 
松田優作と岩城滉一がコンビ、この関係は『傷だらけの天使』のショーケンと水谷豊みたいな感じです。岩城滉一がおカマというかバイセクシャルであるという設定も似ていますね。でもこの映画の松田優作はとぼけたセリフ回しはしてますがかなりの悪人です。冒頭からヤクザの事務所を襲撃するのに必要な銃を調達するために爆弾騒ぎを起こしてデパート強盗をやらかします。相棒の岩城滉一がと事務所に突入すると、金庫のやばいお金にに目をつけていた志賀勝に先を越されて2000万円持ってかれてしまいます。これが縁でコンビを組んだ優作と志賀勝とのけ者にされた岩城滉一が、次の6000万円強奪を巡って三つ巴の争いを繰り広げるというわけです。 Vシネマのご先祖にあたる東映セントラルフィルムの作品ですから、緩いところは満載です。志賀勝がヤクザの車から逃げ出すところなんか、「そんな間抜けなヤクザはおらんやろ!」と遠慮なく突っ込ませていただきました。低予算なんでとうぜん街頭ロケ多用なんですが、すれ違った通行人が「今のは松田優作だ」とあきらかに気が付くリアクションまでそのまま使われていて、ほとんどゲリラ撮影だったみたいです。でも当時の東映セントラルの作品には欠かせないカー・アクションだけはなかなか力が入っています。主役とは言えないにしても、これほど志賀勝が活躍(?)する映画は初めてのような気がします。全体的にハードボイルドというにはちょっと圧が低いような感じですし、あの結末は予想外としか言いようがないもので、ある意味予測不可能なストーリーだったんじゃないでしょうか。 それにしてもあの東映セントラルのマークは久しぶりに観たけど懐かしいですね、場末の便所臭い名画座なんかでこのロゴを何回観たことでしょうか。青春の思い出です。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-11-30 21:40:20)(良:1票)
1803.  1984(1984)
こんなに有名な原作なのに、いままで映画化されたのは50年代のハリウッド映画と本作だけというのは意外です。でも影響を受けた映画となるともう数知れずで、『未来世紀ブラジル』なんてもう完璧な『1984年』のパロディですからね。 さて『1984年』の唯一の完全映像化作品となる本作ですが、名優リチャード・バートンの遺作でありまたわが国で初めてヘアー解禁された劇場公開映画として知られています。ジョン・ハートにリチャード・バートン、陰鬱なストーリーには持って来いの二人ですからこの映画のキャスティングとしてはハマりすぎです。ヒロインはほとんど無名の地味な女優だし、これじゃ気分が上がる要素は皆無ですね(笑)。また全体主義体制の社会がマジで「こんな世界に生まれていなくてほんとに良かった」と安堵させられる代物で、昔のソ連や東欧諸国ではこんな映画を上映したら処刑か収容所送りは間違いなしでしょう。“ビッグ・ブラザー”はスターリンのカリカチュアとして有名ですけど、物語の中では実在するのか不明な存在として描かれているところはなかなか深いものがある思いました。 でもね、この映画を観て愉しめるかというと、それは全くの別問題。いろいろ考えさせられることも多かったですが、気分が落ち込んでいるときに観てはいけませんよ。
[ビデオ(字幕)] 5点(2016-11-12 22:18:59)(良:1票)
1804.  バッド・テイスト
素人感丸出しの俳優たちの下手な演技にまるでカーペンター親父みたいにチープな音楽(でもラストに流れるロックはちょっとカッコよかったな)、おまけに画面には女優が一人も登場しないといういかにもマニアが撮った自主製作映画という風情です。エイリアンもどっかのゆるキャラみたいな不格好さで、後半の救出劇はSWAT対テロリスト、というよりも好きものが集まってサバゲ―をやってる感じでしょうか。でもスプラッター描写だけは半端なくて親玉エイリアンを人間串刺し殺法で始末するところなんかは、こんなこと思いつくなんてやっぱピージャクは頭がおかしいとしか言いようがないです。完全に狂ってるデレクをあんだけ嬉しそうに演じてるのを観ると、これが後年オスカー総なめする大作を撮る人になるとは想像すらできないですよ。やっぱピージャクはオタクの輝ける星です。
[ビデオ(字幕)] 5点(2016-11-08 23:36:50)
1805.  ローヤル・フラッシュ 《ネタバレ》 
舞台は19世紀半ばの各地で革命騒ぎが煮えたぎっていた頃のヨーロッパです。アフガン戦争で、攻められた砦の中でひとり生き残ったがために英雄と勘違いされて有名人になった軽騎兵フラッシュマン大尉が主人公。その主役を張るのがマルコム・マクダウェルですが、意外なことにリチャード・レスターの映画に出演したのは本作だけだったんです。そこにビスマルクやローラ・モンテスそしてバイエルンのルートヴィッヒ狂王など実在の人物を絡めた、この頃のレスターがハマっていたドタバタコメディです。ビスマルク役がレスター剣劇には欠かせないオリヴァー・リードでございます。でもリチャード・レスターはこういうアクション・コメディの演出が下手というかはっきり言ってセンスがなく、最後までなんかモタモタしたまま行ってしまった感が強いです。『三銃士』あたりから始まった傾向ですけど、この監督は大掛かりなお話よりもこじんまりした世界でのシュールな笑いじゃないと本領発揮ができなかったみたいです。こういうところは、あのぶっ飛んだケン・ラッセルの方が上手だったと思えてなりません。 高貴な方のそっくりさんが登場というヨーロッパ王室ものの定番プロットもあり、途中から二役のマルコム・マクダウェルはそれなりに頑張っていたかと思います。この人が善玉というかヒーロー役を演じたのは70年代のこの時期だけだったみたいで、それ以降悪役やアンチヒーローに特化したのは正解だったんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 5点(2016-10-09 22:06:06)
1806.  何かが道をやってくる 《ネタバレ》 
“Something Wicked This Way Comes”といえば最高傑作と評する人もいるぐらい名高いレイ・ブラッドベリの長編小説ですよね。確かにダーク・ファンタジーですけど、これをディズニーが映画化しちゃったというのは微妙でした。ちょっとジュブナイルによりすぎてしまって、原作の持つダークさが薄れてしまっています。監督が怪談ものを撮らせたら凄腕のジャック・クレイトンですから、もうちょっと何とかならなかったのかと思ってしまいます。でもパム・グリア―姐さんの魔女だけはなかなか色気があってよろしかったです。 噂によると本作は現在ハリウッドでリメイクが撮影中とか。監督は『高慢と偏見とゾンビ』の脚本家なんだそうですけど、どうせならティム・バートンかテリー・ギリアムに撮ってほしかったところです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-10-01 20:41:37)
1807.  宇宙からの脱出 《ネタバレ》 
ジョン・スタージェスがこんなハードSFも撮っていたとは知らなんだ。まるで翌年に起こるアポロ13号事故を予言するかのような内容にはちょっと鳥肌ものです。 まず印象深かったのが、主任管制官を演じるグレゴリー・ペックです(ロン・ハワードの『アポロ13号』ではエド・ハリスが演じた役どころですね)。はっきり言ってこの管制官は驚くほど非情ですね。ペックがかつて演じた『頭上の敵機』のサヴェージ准将みたいなキャラというとわかりやすいでしょうけど、いやそれ以上の恐ろしいキャラです。前半のやり取りを観てると、この人始めっから救出に行くことは考えずこの事故をどうやって発表するかとか官僚的な対応しかしません。デヴィッド・ジャンセンの出した救出プランもデータを観ただけで不可能と却下しますし、大統領直々に懇願されてようやく動き出す有様です。まあ現実のNASAでも熱い松岡修造みたいな人間はそうそういるはずもないですし、これがリアルというものなのかもしれません。 前半はそういう不愉快な登場人物のせいもありあまり盛り上がりませんが、ハリケーンの目をぬって救出艇を打ち上げてからは俄然緊迫感があふれてきてスタージェスらしさが出てきます。酸素残量が救出艇が到着するまで持つかというサスペンスは最後の方では「到着まであと6分」を完全に映像とシンクロさせていて、まさにハラハラドキドキです。でもネタバレが過ぎちゃうのであまり詳しくは言えないんですけど、“酸素の残量を持たせるためにとられたある秘策”はとても後味が悪かったとしか言いようがありません。この辺りはキリスト教的な倫理観なんでしょうかね。 アカデミー賞をゲットしていますけど、宇宙空間で逆噴射したら炎が噴出したり船外作業したら音がしたりと特撮の科学考証はイマイチでしたね。判りやすくしたつもりなんでしょうけど、すでに『2001年宇宙の旅』が世に出た後ですからねえ…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-09-17 23:42:11)
1808.  モンティ・パイソン・アンド・ナウ 《ネタバレ》 
モンティ・パイソンは高校生のころにTV放映されていましたけど、しょうじき観るのが怖かったです。だってテリー・ギリアムのアニメーションがシュールすぎてあまりに不気味でしょ。友達にも同意見が多かったと思います。たぶんモンティ・パイソンに影響受けたと思うのはご存知『ゲバゲバ90分』ですが、こっちはギリで小学生でも理解できたかなと思います。その『空飛ぶモンティ・パイソン』の初期シリーズのネタをそのまんま映画として撮りなおしたのが本作。久しぶりに観たモンティ・パイソンはまあなんというか、いくら東京12チャンネルとはいえ良く地上波で放送できたもんです。本国じゃBBCで放送してたってのがまたすごい(とはいえ後期シリーズではけっこう検閲されてそうです)。しかしながら使われているギャグの中に「バカ歩き省」や「スペイン宗教裁判」という超有名なのがなかったのはちょっと失望でした。でも「死んだオウム」「木こりの歌」あたりからの後半20分は怒涛の勢いで圧倒されました。 やはりモンティ・パイソンは吹き替えで観るのが最高です。ラストのテリー・ギリアム吹き替え古川登志夫の「洒落だよ、シャレ!」の捨て台詞がまた素敵です。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-09-14 21:07:50)
1809.  原子怪獣現わる 《ネタバレ》 
怪獣映画の古典中の古典ですが、恥ずかしながら今回初鑑賞となりました。米国が水爆実験に成功した直後の映画で、初めて核と恐竜を結び付けた映画として記憶されています。とはいってもその核の知識は恐ろしく低レベルで、だいたい北極で水爆を爆発させたらおそらく氷のほとんどが溶けるか蒸発してしまって大変なことになっちゃいます。そして核兵器の実験をまるで科学の進歩みたいに描く神経は不愉快極まりなしです。まあ50年代のアメリカ映画にそんな文句を垂れてもしょうがないですけどね。ストーリーライン自体は後年の映画に影響を与えていることからわかるように、オーソドックスです。リドサウルスの造形と特撮は、さすがハリーハウゼンの仕事だけあって当時としては高レベルだと思います。原作はレイ・ブラッドべリの短編小説『霧笛』だそうですが、灯台が襲われるシーンあたりが原作の痕跡なんでしょうか。機会があれば『霧笛』も一度読んでみたいです。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-08-06 23:56:40)(良:1票)
1810.  火線地帯 《ネタバレ》 
脚本は石井輝男が書いていますけど監督はしてません。 “ライン・シリーズ”と言っても秘密売春組織がプロットになっていることと石井輝男が監督で三原葉子が出演していること以外に共通点はなく、そういう意味では純粋ないわゆる“ライン・シリーズ”とは言い難いところがあります。 ストーリーは100丁の拳銃の闇取引をめぐる陰謀に巻き込まれるチンピラ・コンビと謎の男天知茂を軸に展開します。今回の天知は軽妙なコメディ・ロールといった役柄で、この人はけっこう器用な役者だったんだなと感心します。ギャングのボスには何と田崎潤が起用されていて、その愛人はご存知三原葉子というわけです。彼女はいつものお約束の“X星人キャラ”、つまり悪の組織の一員だけど寝返って最後は命で償いをする、ってやつです。新東宝では悪の親玉には大友純(今回は敵対組織の親玉)の様ないかにもな俳優たちがキャスティングされるのが通例ですが、さすがに田崎潤だと風格がありますね。でも彼じゃあなんか立派すぎて見えてしまって、あまり悪辣な感じがしなかったですね。そうなんです、この映画については新東宝に独特な安っぽさや登場人物の奇妙さが消えていて、妙にふつうの映画っぽいんですよ。まあ同時期の日活の無国籍アクションに近いレベルまで倒産間際になってやっとたどり着いたかな、という感じですかね。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-28 22:47:33)
1811.  黒線地帯
新東宝のいわゆるライン・シリーズの中では、『黄線地帯』ほどのインパクトはないけどそれでもかなりテンポも良くて一般受けしただろうなと思います。考えてみると、三原葉子は天知茂と組むといい味が出るんですよね。これは石井輝男の脚本の功績であるのは間違いないです。この映画でも、天知茂が演じるトップ屋の軽妙で歯切れの啖呵は、聞いていて実に愉しいです。でも所々で急に天知の喋りが畏まった説明セリフになるところがあり、そこら辺は石井だけじゃなくて宮川一郎も脚本に参加していたからなのでしょうか。中盤にあるバーのシークエンスでは、言葉が喋れないホステスやモロにオカマと判るホステスが出てくるという不思議な空間で、いかにも石井輝男ワールドといった感じがして面白かったです。またカメラにもけっこう力が入っていて、新東宝にしては珍しく陰影のはっきりした画で登場人物のアップを撮っていて、石井輝男という人はけっこう画作りに拘った面も有ったんだなと再認識させられました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-26 22:11:00)
1812.  コマンド戦略 《ネタバレ》 
むかし良くTV放映されていたのでアレックス・ノースのメインテーマの旋律は頭に刻み込まれていますが、意外なことに未登録だったのでUPさせていただきました。 “悪魔の旅団”とドイツ軍から恐れられ(と言うのが定説ですけど、このニックネームは米軍がつけたものらしいです)戦後はグリーンベレーの創設の母体となった第一特殊任務部隊の活躍をネタにした戦争アクションです。内容的には史実とフィクションが半々と言うところですかね。この部隊は米軍とカナダ軍の合同部隊なんですが、米兵たちが軍刑務所から集めた犯罪者やあぶれ者で構成されていてまるで『特攻大作戦』みたいですけど、これはまるっきりウソです。対照的にカナダ軍兵士は品行方正で規律が厳しいことになってますが、これも見飽きたプロットです。この頃のハリウッドは、こういうゴロツキ部隊で戦争アクションを撮るのがひとつのパターンとなっていたみたいです。でも当時は元隊員がまだ健在だったはずで、彼らから抗議されたかもしれません。ちなみに『イングロリアル・バスターズ』のブラピはこの“悪魔の旅団”のショルダーバッジをつけていて、バスターズがドイツ兵の死体にカードを付けてゆくのも、嘘みたいな話ですけど“悪魔の旅団”が実際にやっていたことなんだそうです。 監督がアンドリュー・V・マクラグレンですから、前半はまるっきり西部劇みたいな感じです。ちゃんとお約束の酒場での大乱闘も用意されていまして、あまりのワン・パターンぶりにはもう苦笑いするしかありません。後半になってイタリアに舞台が移ってからはようやく大作戦争映画らしくなってきますが、偵察に行って戦車隊を含むドイツ軍を部隊ごと捕虜にしちゃうエピソードは、いくらなんでも話を盛り過ぎだろと突っ込みたくなります。クライマックスの断崖絶壁を登攀するところは撮影の苦労が偲ばれますが、肝心の戦闘シーンは見せかたが単調なので大掛かりなんだけど印象に残らないという残念なことになってしまいました。主演のウィリアム・ホールデンは可もなく不可もなくという演技ですけど、この役にはちょっと老け過ぎだったかなという感じでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-06-23 23:16:09)
1813.  アフター・アワーズ
『最後の誘惑』の製作が頓挫してスコセッシがへこんでいた時期に撮っただけあって、たしかにやさぐれ感が感じられます。それでもカメラワークやストーリーテリングにはいろいろ実験的な取り組みもあり、研究熱心なスコセッシらしさが感じられます。『キング・オブ・コメディ』がほとんどホラーだったので、本作では不条理でコメディを撮りたかったみたいですね。この頃のスコセッシにはまだコメディ映画では硬さがみられるんですけど、グリフィン・ダン以外の登場キャラたちはさすが“頭のおかしなキャラを撮らせたらスコセッシ”の定評通りでございました。ラストのオチも、これはスコセッシのアイデアではなかったそうですけど、けっこう愉しめました。 そう言えば、グリフィン・ダンがこの映画のだいぶ後で監督した短編を観たことがあるんですが、そのタッチは本作とそっくりでした。
[DVD(字幕)] 5点(2016-06-19 23:24:43)
1814.  2010年 《ネタバレ》 
確かに皆さんがおっしゃる通り、SFエンタテイメントとしてはまあ上出来の部類に入るんじゃないでしょうか。でもこれが『2001年』の続編だと言う眼で観たら、まあちょっと許せないですね、自分としては。良く考えると本作はアーサー・C・クラークの書いた「2010: Odyssey Two」の映像化なわけなので、この子供騙しというかスピリチュアストの妄想の様な結末は、クラークの耄碌の産物ということなんでしょうか。この映画でいちばん許せなかったところは、前作でのHALの反乱を政府役人がインプットした秘密指令のせいだとしたことです。判り易いのはたしかですけど、これじゃモノリスとHALの神秘的な関係がどっかに飛んでっちゃってますよ。あと何度もボーマンを登場させたこと、これじゃまるっきり彼が天国にいて天使かなにかのような存在になったとしか思えません。個人的には『2001年』の終盤のシークエンスには、キューブリックは宗教的な意味合いを持たせたつもりは毛頭なかったと思っています。それがこんな俗っぽいキリスト教的なストーリー・テリングになっちゃったら、さぞやキューブリックもご立腹だったんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-05-25 22:25:47)
1815.  提報者~ES細胞捏造事件~
そう言えばありましたね、ES細胞捏造事件って。当時の報道を見て、一教授のインチキ騒ぎでなんでこんなに国中が大揺れになるのか不思議でした、STAP細胞騒動と較べても将に桁違いという感じです。強く記憶に残っているのはインチキ教授が「なぜ韓国でES細胞の開発に成功したのか?」とマスコミに聞かれて「我が国には古来より金属の箸を使う文化があり、それが細胞作製技術に繋がったからです」と答えていたことで、私はてっきりジョークだと思ったらマジで語ってるみたいなので仰天しました。案の定その後に全てウソだったことがばれてしまったのは、皆さんご承知の通りです。 この映画はあのドロドロな事件を、一社だけ疑惑として追及したTVドキュメンタリーのスタッフたちを主役に据えてかなり綺麗ごとにまとめたな、と言うのが感想です。まあこの題材をエンタメとして映像化するなら、まあこれが妥当な手法でしょうね。ディレクターとアシスタントの関係などは、典型的な韓流ラブコメみたいで失笑させられましたけど。じゃあSTAP細胞事件を日本で映像化出来るかと言うとはっきり言って実現性ゼロですから、お隣の国の映画界の根性を少しは関係者は見習えと言っておきます。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-05-04 21:48:55)
1816.  スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい 《ネタバレ》 
本作は、ときどき出くわす「途中からテイストが変わって別の映画みたいになっちゃう」迷作のひとつだと思います。だいたいタッチからしてソダーバーグ・スタイルとタランティーノ風味をごった煮にした様な感じで、そこに登場人物たちの複雑怪奇な相関関係がプラスされるので、訳が判らんという感じです。要はこの監督、気持ちばかりが前に出過ぎて腕が追い付いていないということなんです。あのホテルに殺し屋たちが集まって来たらFBIがホテルを完全に封鎖しちゃって、それこそ『ザ・レイド』の雑居ビル状態になってみんなで殺し合う、という展開の方が面白かったんじゃないでしょうか。けっこう渋くてなおかつ派手なキャスティングですけど、この中でも知名度の高いベン・アフレックとレイ・リオッタが割とあっさりフェイドアウトしてしまうのはちょっと捻っていて面白かったです。まあレイ・リオッタはこの手の映画に出てくるとたいてい死にますけどね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-04-23 23:35:05)
1817.  ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー 《ネタバレ》 
マイフェヴァリットの『恐怖の足跡』系のカルトホラーということですが、うーん、ちょっと期待外れでした。いやね、作品自体の雰囲気は良いんですよ、冒頭とラストで女の子たちが“達磨さんが転んだ”みたいな遊戯をしているところなんてストーリーに関係ないんだけどなんか不気味な感じがします。悲鳴を背景効果音みたいに流すところなんて、Jホラー的な感性に通じるところも有りこれも雰囲気が良いです。でも後半の謎解きパートになるとあまりに強引な展開になってしまってダメですね。ここら辺の怖さは『恐怖の足跡』の足元にも及ばずと言うところです。 そう言えば同じく『恐怖の足跡』をパクった『シックス・センス』が有名ですけど、良く考えたらシャマランは“大事故から一人だけ生還”というプロットからすると『アンストッパブル』も本作のパクりと言えるんじゃないでしょうか。まさにこれぞ“パクりのドミノ倒し”、シャマランくんのパクり癖(というかイマジネーション)にはあらためて感心させられます。
[DVD(字幕)] 5点(2016-04-13 23:15:26)
1818.  マルサの女2 《ネタバレ》 
マルサ板倉亮子が闘いを挑むのは今回は今となっては懐かしい存在の地上げ屋軍団、前作が街のパチンコ屋だったんですから敵キャラもスケールアップしています。ただ伊丹十三自身もかなり力みかえっている感じで、本作あたりからそれまで伊丹映画が持っていた風味が消えてゆくのでした。■まず言及しておかないといけないのは今回の悪役である三國連太郎で、前作の山崎勉を意識しすぎていたのか暴走気味の演技です。板倉亮子たちマルサがもう単なる狂言まわしみたいなストーリーテリングになってしまい、これは失敗だと思います。“巨悪に挑む”という脚本の意図は判りますが、地上げ屋・政治家たちをあまりにグロテスクに描きすぎて、なんか出来の悪いアクション映画を見せられているみたいです。それ以上に鼻白んだのは大して映画を観ていないわたくしでも10箇所ぐらい指摘出来るほどの過去の名画からの引用というかパロディ・カットで、それがまたセンスが悪いんです。笠智衆が登場するシーンなんかは彼のキャラはまるっきり『東京物語』のパロディで、こんなベタなことして誰が面白がると思ったのか不思議です。■前作を凌駕したと唯一言えるのは本田俊之のサントラで、これはほんとに素晴らしい。のっけからサンバのリズムを多用して、バブルの頃の世相を暗喩している秀逸なセンスです。そして後半から使われ始めてラストにフルで流れるグルーミーなメインテーマは、邦画サントラ史上に残る名曲だと思います。■板倉亮子たちマルサは巨悪には手もつけられずに涙をのむ虚無的なラストを迎えます。でも撮影時には神のみぞ知ることだったんですけど、その後のバブル崩壊で地上げ屋・大手都市銀行・総合商社は壊滅的なダメージを受けたことを思うと感慨深いものがあります。このバブルの狂乱を具現化した様な混沌とした映画の中で、ただひとつ伊丹十三が成功したのは、「宗教を忘れた戦後の日本人が唯一信仰していたのはカネであった」という鋭い問題提起だったんじゃないでしょうか。■伊丹没後の現在では詮無いことですが、板倉亮子のその後というか現在の姿をもう一度スクリーンで観てみたいものです。まあ常識的に考えればすでに役所は退官して、税理士でもやっているという感じでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-04-04 23:00:45)
1819.  火山のもとで 《ネタバレ》 
メキシコ駐在の元英国領事とスペイン内戦帰りの弟、そして弟と不倫関係にあって一時失踪していた妻、物語はこの三人の会話劇みたいな構成です。妻が夫のもとに戻って来てその夜に夫婦が悲劇的な結末を迎えるまでのほぼ一日の出来事となりますが、お話しの内容自体は夫婦と弟の三人で死者の日のお祭りに出かけるぐらいが動の部分で、全篇通してまったりというか盛り上がりには欠ける展開です。アルバート・フィニーがアル中の夫なのですが、見てもちっとも愉しく無いですけど全裸になるシーンまである熱演です。まあこれはこれでオスカーにノミネートされたのは納得の演技ですが、妻役のジャクリーン・ビセットの演技がそれについていけてないのでイマイチの出来の映画となってしまいました。彼女は10代の頃の私のミューズでしたが、いかんせんその演技力の大根ぶりで大女優となることはかないませんでした。監督は巨匠ジョン・ヒューストンですけど、彼のフィルモグラフィで自身が脚本を書いていないのはたいてい映画としての出来が悪いですねえ。
[ビデオ(字幕)] 5点(2016-03-13 20:54:09)
1820.  血を吸うカメラ 《ネタバレ》 
この映画が『サイコ』と同時期に製作されたってことは興味深いですね。かたやヒッチコックは大ヒットを飛ばし名声をさらに高めたのに、可哀想にマイケル・パウエルは酷評&不入りでこれで完全に監督生命を断たれてしまったわけです。まあ確かに、犯罪スリラーとしても当時の基準からしてもオーソドックスというか古臭い撮り方であるのは否めません。ヘイズ・コードの制限が厳しかったハリウッドでは不可能な売春婦が被害者という設定があっても、女性被害者がひとりだった『サイコ』の方がはるかに扇情的なのは、ちょっと情けない。でも窃視症を病む主人公というプロット自体は、かなり時代を先取りしたアイデアだったと思います。まあ簡単に言えば“覗き趣味”というわけですが、この性癖はマイケル・パウエル自身を含めて映画人は大なり小なり持っている悪癖じゃないでしょうか。そう言えばヒッチコック御大もかなりの覗き魔だったそうです。この映画では実際の殺人場面はまったくないんですが、被害者の最後の表情にだけ執着する主人公というのが変態性を感じます。でもこの青年役の俳優には清潔感があり過ぎるのでミス・キャストだと思ったら、この人ロミー・シュナイダーの『プリンセス・シシー』シリーズでなんと相手役のフランツ・ヨーゼフ皇帝を演じていたオーストリアのアイドル俳優なんですよ。そんなアイドルをどう説得(騙す?)したのか英国まで呼んでこんなキャラを演じさせたとは、逆に皮肉たっぷりのキャスティングとも言えるでしょう。でも彼にはアンソニー・パーキンスみたいな陰が無いのはどうしようもないですね。
[ビデオ(字幕)] 5点(2016-03-10 23:05:41)
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