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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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421.  ファミリー・ツリー 《ネタバレ》 
この監督は何でこんなに哀れな中年を描くのが上手いのだろうか。主人公はどう仕様も無い状況に置かれている。妻には不貞を働かれ、長女はグレて訳の分からない奴と付き合っている、次女は妻に任せていたから今更どう接していいか分からない。そんな人生のどん底の男の捉え方が実に上手い。特に妻の不貞を知った主人公がハワイを無様に走り回り咽び泣くのをロングショットで捉えたシーンは、哀れさと可笑しさが絶妙に同居した名シーンだ。また主人公を演じるのが本来は二枚目のジョージ・クルーニーであることが面白さに拍車を駆けている。そしてハイライトとなる浮気相手との対面。浮気相手のスピアーの肩越しに主人公を捉えたショットは如何に主人公が矮小な存在で、妻に愛されていなかった哀れな夫であると認識させられる。つまり彼は何も持っていなかったのだ。原題『The Descendants』の通り主人公は自分がカメハメハ大王の末裔であることを何度も繰り返す。しかし親族会議の場で彼は何も得ていなかった自分を見つめ直して、自分に最後に残されたもの"血統"だけは失わんとしてあの決断をしたのだと思います。だから親族らに自身の決断を説明しようとする彼を背中から映し出したショットは不安が満ちていると同時に勇気と自信に満ちている様に感じるのでしょう。
[映画館(字幕)] 8点(2012-06-26 07:48:53)(良:1票)
422.  麗しのサブリナ 《ネタバレ》 
話だけ抽出すると単純なロマコメ、しかし只のロマコメとして片付けられない面白さが確実にあると思います。とにかく登場人物の心情や印象の変化が鮮やか且つ自然です。サブリナは最初から"女たらし"のデヴィッドに心底惚れており、基本的に終盤近くまでライナスのことは眼中にないように思える。しかし終盤のバルコニーで自然にライナスへの愛が示される。デヴィッドのキャラも秀逸だ。最初はところ構わずイチャつくボンボンで少なくとも好きになるキャラクターでは無いでしょう。お尻を縫合する羽目になったときは残酷ながらいい気味と思ってしまう位です。しかし最後に彼はたらしだけど人一倍の洞察力があり全てを見抜いていたことが分かります。しかも兄のことを大切に思っていることもそのシーンで瞬時に理解できる。一番複雑な心情を有しているがライナスです。彼の心情は徐々に華麗なサブリナに心奪われていくという役柄故に分かり易い。しかし彼も会社の経営者としての立場の為に、愛を貫くべきか、会社の経営を第一にすべきか、それよりも愛するサブリナの幸せを第一に考えるべきかという選択に迫られる。三人の一言では関連付けられない印象を持つキャラクターが、それぞれの心情を変化させつつハッピーエンディングに辿り着く様は観ていてホントに只々「巧いなー」と唸ってしまった。
[映画館(字幕)] 8点(2012-06-23 07:54:11)
423.  ジェーン・エア(2011) 《ネタバレ》 
まずこの物語の肝になるジェーン・エアのキャスティングについてですが、ミア・ワシコウスカを起用したのはベストな選択だったと思います。私はティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド」のアリス役としか知らないのですが、アリスを観た時のミア・ワシコウスカの第一印象は少女と言うより青年っぽいというイメージでした。簡単に言うと可愛いというよりはカッコいい、ベルばらで例えるとマリー・アントワネットでは無くオスカル、そんな感じ。ジェーン・エアはゴリゴリの男尊女卑がまかり通っていた時代に女らしさを排除したヒロインと言う型破りな発想で誕生した小説ですから、この物語の主人公は男に媚も売らなけりゃ、お洒落にも興味が無く、気高い人間でなければいけません。そしてそのイメージをミア・ワシコウスカは崩さずに演じ切っていたと思います。またアカデミー賞衣装賞を取っている通り、衣装に関しては非常にこだわりがあることが彼方此方に見て取れます。その辺りも良かった。なんせ登場する女性の殆どがコルセットでギチギチに固めた服を着ているのだ。豊満な胸よりかは、慎ましい胸の方が好きな自分にとっては観て良かった映画でした。
[映画館(字幕)] 6点(2012-06-18 23:05:11)(良:1票)
424.  幸せへのキセキ 《ネタバレ》 
この手の映画はちんまい女の子を可愛く撮った時点で勝ちだと思います。「アイ・アム・サム」のダコタ・ファニング、「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン、そして今作ではマギー・エリザベス・ジョーンズの様にです。とにかくミー家の末っ娘が可愛いんだこれが。動物園の生き物に夢中になっていると思えば、大人顔負けのシニカルなギャグを飛ばしたりもする。そのコロコロと変わる表情の豊かさを観ているだけで「OKー!」という気になってしまったのです(念の為に言っておきますが断じてロリコンではありません)。それから主人公の兄のトーマス・ヘイデン・チャーチの役柄も「サイドウェイ」の時の役と殆ど違わない様なキャラで観ているだけで笑いがこみ上げてきました。相変わらず何でも女が基準なんだな、お前は。お話も小さな世界のちょっと幸せな話といった感じで気楽に楽しめますね。もうお腹も出てきてオッサンな主人公が自身の生活への不満を虎の一騒動と同期させて描くのも上手いと思いましたね。主人公が基本的に自身の心情を吐露しないこともあり、ここの魅せ方の上手さは秀でていたと思います。ちょっと残念だったのは音楽の盛り上げ方でしょうか。とにかく泣きを入れるシーンでは感動的なテーマ曲が鳴り響くのでちょっとそのしつこさに辟易してしまった感はありました。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-16 23:17:13)(良:1票)
425.  香港国際警察/NEW POLICE STORY 《ネタバレ》 
04年の作品ということは、ジャッキーは御年50歳の時の作品。そう考えると年齢的にもキツいであろう激しいアクションを披露するジャッキーは相変わらず凄いですね。……とジャッキーは良いにしても、他の部分の酷さはどういうこと?まず犯行グループのガキんちょ達がなんであれだけ易々と銀行強盗を成功させたり警官を煙に巻いているかが分からない。あんなヘラヘラしてるだけで強盗できちゃうなら皆やってるよ!そもそもゲーム脳みたいな青少年たちの非行ってだけでも何時の時代の若者感だと閉口します(04年っていうとそんな感じだったのかなぁ)。しかも昔のトレンディドラマみたいな演出の連続はどういうこった。おちぶれた刑事を演出するのにウィスキーを片手に街を徘徊させたり、見せ場でカッタルイとしか思えないスローモーションを多用したり、都合よく警察が現れたり消えたり、ホントどう仕様も無いと思います。それから爆破シーンが漏れなくCGなんですよねー。ジャッキーが大物スターになって危険なスタントは難しくなったとは言え、あれだけあからさまにCGをバンバン使われると萎えます。ジャッキーの映画にイチャモンは付けたくないのですが、率直に言って面白くなかった。
[地上波(吹替)] 1点(2012-06-15 23:27:12)
426.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 
正直、ファーストシーンでテーマソングに合わせて延々とパリの街並みが映された時はどうしようかと思いました。「何故こんな旅行会社の販促VTRを撮ってるの?俺は映画館に"世界の街道をゆく"を観に来てんじゃないんだけど」と思っちゃった訳です。しかしその心配もオープニングだけで杞憂に終わりました。主人公は懐古主義というか1920年代のパリの芸術活動とパリの街並みが大好きっていう良い歳したオッサンです。彼は最後の最後にどの時代の誰もが懐古主義になりやすいことを知る。現代はモダン派に憧れ、モダン派は印象派に憧れ、印象派はルネサンスに憧れ、ルネサンスは……以下略、とどの時代だってそう。その中で「俺は俺の好きなようにやる、他人の評価なんて気にするな」とハッキリと言い放ったヘミングウェイが最も正しい芸術家の様に思える。そして主人公はパリに住むことを決心し異なる価値観を持つ恋人と別れ、自分自身の今現在の理想に向かって雨のパリを歩き始める。それはオープニングの様な一般的に誰もがステキ!と思えるような明るいパリでは無く、雨が滴る夜のパリなのだ。っと懐古主義の人間に見せたら完璧に嫌味になるような映画でしたね。かく言う私も今の映画は詰まらんとかたまに言ってしまう人間なので気を付けます。 それから主人公の彼女の役柄も良かったですね。彼女は憧れのパリを溺愛する主人公を理想主義者だとか現実を見ろだとかなじりますが、彼女も同じなんですよね。彼女はインチキインテリ男が言っていることは何でも正しいと思ってしまう。つまり理想しか見えていない。理想像の言うことは何でも正しく、たとえ正しくてもどこぞの物書きの彼氏の言うことは勘違いと決めつける。これは終盤まで理想の20年代を絶対視している主人公と全く同じです。 あと劇中のギャグの多くが当時の芸術運動を知ってないとチンプンカンプンなので、そこらへんは少し観客を選ぶ映画でしたね。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-10 18:01:37)
427.  アバウト・シュミット 《ネタバレ》 
哀れな中年を描いたらピカイチのアレキサンダー・ペインですが、個人的には彼のフィルモグラフィーの中で最も好きな作品です。とにかく哀愁漂う可哀そうな主人公を観ているだけで笑えるし、また泣ける。そしてそう思えるのはジャック・ニコルソンの高い演技力によるとことが大きいと思います。なんだかんだ言って大御所は凄いですね。この主人公は所謂孤独というレッテルを張られた良くあるキャラクターなのですが、それゆえに非常に感情移入してしまう。だって誰だって自分は結局孤独だとか思ってしまう時ってあるじゃないですか(無いって人もいるのかな?)。だからこの映画は"アバウト・シュミット"であり"アバウト・アス"でもあるのでしょう。終わった後に自分が所謂独り者であることに戦慄を覚えましたわ。
[DVD(字幕)] 8点(2012-06-09 13:40:45)
428.  ナポレオン・ダイナマイト 《ネタバレ》 
ダメ人間の巣窟の様な映画、しかし良いんですこれが。主人公サイドは主人公、親友、兄、叔父、更にはヒロインに至るまでダメ(というか情けない)人間ばっかり。もうそのダメっ振りは度を越していて薄ら笑うしかありません。その何とも情けない人間の情けない生活にツボれる人には良い映画だろうし、このオフビートな笑いに付いていけず憤慨してしまう人(そういう人がいるのも分かる)にはサッパリ面白さが理解できない映画でしょう。しかしまあそのダメ人間達の各々のエンディングが良いんです。ご都合主義と言われようがなんだろうがこのラストにはYES!と言ってしまうぜ!!
[DVD(字幕)] 6点(2012-06-05 01:03:37)
429.  ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 
一言で言ってしまうと陳腐だと思います、ストーリーに関しては。偶然に偶然が重なり人妻と親密になっていく前半部は特に都合の良いシーンの連続。しかも中盤から人妻の夫が罠に掛けられ殺されて、一連のマフィアの裏金事件に主人公が巻き込まれていく展開は何の意外性も無い。こんな言い方すると怒られると思いますが80年代の安物マフィア映画みたいだと感じます。主人公はどんどん報復に報復を重ね、死体の山が増えていく。しかしそこで往年のマフィア映画でありがちな復讐の連鎖が最後はかけがえのないものまで奪っていく様な展開にはなりません。そして最後に敵のトップを殺したら万事解決となりましたって、どう考えてもストーリーは陳腐です。しかし見ている間は非常に面白かった。何故かと言うと画面に映っているモノに只々目を奪われてしまったからです。オープニングから度々登場する夜の闇と同化したビル群、一転人妻とドライブをしている最中の夕陽(ラストの夕陽も同様に素晴らしい)、そして強烈な暴力描写の数々など目を釘付けにされるカットばかりでした。監督の意図はインタビュー等を読んでいないので解りませんが、ストーリー性を排して「俺はこんな映像を観客に見せたい」という気概でこの映画が製作されたならば、私はその意図に完全に合った観客だったんだと強く感じます。今も各シーンだけ取り出して観たい位だ。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-03 16:07:37)
430.  ダーク・シャドウ(2012) 《ネタバレ》 
全編にゴシックな雰囲気とナンセンスなギャグが織り交ぜられており、昔のティム・バートンの様な作品でした。最早お決まりのキャストが演技(というか顔芸に近い)で笑わせてくれ、今回はお色気に力が入っておりエヴァ・グリーンとベラ・ヒースコートはそれぞれ異なるエロさを見せてくれていたので結構楽しめました。ジョニー・デップとエヴァ・グリーンの三次元デストロイセックスは余りの下らなさに正直言って笑っちゃいましたし。ただしこれは脚本の問題だと思いますが、折角200年振りに地上に出たヴァンパイアという幾らでも面白くなりそうな話を完全に殺しちゃってましたね。劇場内でどこに笑いが起きていたかというと矢張りイギリス紳士風に喋る主人公が現代の物や価値観に面食らうシーンだったと思うのですよ。でもこの映画だとそれをそんなに引っ張らない。もっとヴァンパイアカルチャーギャップコメディとかいう中々見れないジャンルの笑いを観たかったなあと思いましたねー。それからどうでも良いことですが、ティム・バートンは最近は毎度毎度自分の嫁に酷い役を演じさせますね。今回なんてジョニデに口でしてあげた挙句に顔だけ出して海に沈められちゃうんだからスゲェ。最早そういう夫婦間のプレイなのか?
[映画館(字幕)] 5点(2012-06-03 00:59:25)
431.  ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ! 《ネタバレ》 
まず邦題がどうにかならんものですかね。原題の方を前もって知っていたので、やっと見つけた時に「分かるかこんな邦題!」と心の中で叫んでしまった。内容はと言うと非常に脚本が秀逸な作品ですね。伏線の回収の仕方が上手く序盤からグイグイ引っ張っていく。キャラクターに感情移入し難い作品になっていますが、これはこの映画の"選挙"が象徴しているものを考えると仕方が無いでしょう。恐らくですが、3人の立候補者と主人公はアメリカの色々なタイプの人間を表している。トレイシーは勝つ事で人生が手に入ると思っている上昇志向な中産階級、ポールは典型的なプロテスタントのワスプで基本的に頭はカラッポのスポーツマン、タミーはレズビアン(バイセクシャルかも)であるが故に反体制的態度を取るリベラル、主人公のジムは中産階級のセックスしか考えて無い馬鹿なオヤジってところでしょうか。個々のキャラクターがそのシンボルをめちゃバイアスが掛かった演技で表現されているのでまあ感情移入し辛いのも納得。様々な象徴の彼らがどういう風に干渉し合い、勝ち、負けていくのか。それを面白おかしく皮肉って描いたアレクサンダー・ペインの手腕に驚かされました。
[DVD(字幕)] 7点(2012-06-02 14:53:45)(良:1票)
432.  ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵 《ネタバレ》 
本作の原作の熱狂的ファンであり、原作の「ベルセルク」と同じヤングアニマルで三月のライオンを連載している羽海野チカがこの映画に関してコメントを寄せていました。氏曰く「残酷でなければベルセルクじゃない、だから映画を観るまでは凄く不安だった」そんな風なコメントでした。私も原作の一ファンとして同じ気持ちでした。グロく凄惨な戦場が描けなければベルセルクとは言えないと思う。漫画を映画化する中で過激な表現を緩めて原作のテーマを台無しにしてしまった例は多々あります(デビルマン、ドロロ、MW、etc...)。それに比べてこのベルセルクの映画化は作り手の残酷描写を出来るだけ緩めない努力が見え隠れする作品だったと思います。原作同様に血が吹き出し、首は素っ飛び、胴体は真っ二つになる。結構残酷シーンを真正面から描いていた点は素晴らしかった。オープニングからラストまで戦闘シーンはロード・オブ・ザ・リング(特に二つの塔)ばりの演出が続きますが、カメラを戦場で縦横無尽に動かす戦闘シーンは結構楽しめました。演出の変更も良い。途中でグリフィスが「俺は俺の国を手に入れる」と野望を語るシーンがありますが、原作ではグリフィスの背後に太陽があり後光が差すような演出です。グリフィスの神々しさを表すのには持って来いですが、さすがにアニメでキャラの背後に後光が差したらギャグにしかならんでしょう。そういう点は上手く変更して違和感が無いように演出しています。問題は舞台がミッドランドの宮廷に移ってからでしょう。戦闘シーンに全てをつぎ込んでしまったのか、人物の表情の動きが余りにも乏しい。シャルロット姫が出てくる場面は特に酷いかなと。それから言わずもがな3部作として作っているので一応見せ場をラストにもって来てはいるものの尻切れトンボ感は否めません。また上映時間が短いので本来ならば個々が魅力的に描かれている鷹の団の面々も1部では全然掘り下げていません。恐らく3部のハイライトとなる「蝕」は鷹の団のキャラクターが好きであればあるほどカタストロフィを存分に味わえることは間違いないので、2部ではジュドー、ピピン、リッケルト、ガストン、コルカス達もチキンと描いてほしい所です。また黄金時代編のストーリーをなぞるだけでなく、原作のテーマである「運命という因果に逆らう人間」をキッチリと3部までに描き切ってほしいと思います。
[DVD(邦画)] 6点(2012-06-01 22:13:58)
433.  サンセット大通り 《ネタバレ》 
もう古典中の古典、それ程の映画史に対する貢献度を含めてこの点数。劇中のノーマ・デズモンドとそれを演じるグロリア・スワンソンは現実と役柄の境遇が実に重なっている。16歳から映画に出演し、デミル監督に見いだされ、恋多き女優だった点まで全て同じです。だから観ていて彼女の演技が鬼気迫るのも当然なんですね、だって事実なんだもの。こういった手法で役を演じたグロリア・スワンソンは近年に作られた「レスラー」のミッキー・ローク、「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンの原点といって良いでしょう。そして何よりこの映画は"間の悪さ"の演出が素晴らしいと思います。ジャンルではドラマに分類される映画ですが、個人的にこの映画は完全にホラーだと思います。最初は大女優の家に忍び込んでしめしめを思っている主人公が、段々と彼女に飼われているような感覚に陥ったり、脚本家志望の若い女性といい感じになりかけるところでいつも邪魔が入ったり(しかも車のクラクションや電話のベルでそれを知らせるので非常にドキドキする)、とにかく間が悪いシーンが多く画面がいつも不安感と焦燥感に支配されているような印象を強く感じました。そして最後はサイコ物になってしまうというオチまで完全にホラー。劇中でサラッと最近は精神異常者の話が流行りだという台詞が出てきますが、その台詞がラストで回収されると思っていなかったので尚更驚きました。実は死んでいた主人公がナレーターというのは、やや反則気味の手法と思いますが、コメンタリーを聴くと更に最初から主人公が死んでいたのが観客にハッキリと分かるオープニングを態々変更したらしいので、態とじゃないならそれほど目くじらを立てる必要もないかなと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2012-06-01 03:32:40)
434.  三十四丁目の奇蹟(1947)
全編に渡りユーモアが溢れていて飽きさせません。そして全ての役者がとても良く、特にクリス・クリングル演じるエドマンド・グウェンと、想像を信じない少女スーザンを演じる子役ナタリー・ウッドの存在感はおっきかったですねー。後半の裁判沙汰はそんなバカなというような内容ですが、頓智が効いており普通に面白かったです。サンタの実在を証明する無理難題にあの答えは見事!と言うしかありません。
[DVD(字幕)] 8点(2012-05-30 00:57:30)
435.  サイドウェイ 《ネタバレ》 
いや~、面白かったです。アレクサンダー・ペインの映画は初めてでしたが、これほどまでに中年男性のダメ人間振りを面白可笑しく描ける人は貴重ですね。最初は冴えない中年のポール・ジアマッティを親友のトーマス・ヘイデン・チャーチが励ましながら旅をしていきジアマッティのトラウマが消えていく人情ものだと思っていたのですが、全く違いましたね。最後までダメ中年のダメーな人生を描いていてホントに救いが無い。それでも最後にでも「死ぬほどの人生なんて無いな」って思わせてくれる辺りのバランスが良いですねぇ。
[DVD(字幕)] 7点(2012-05-28 20:53:13)(良:1票)
436.  メン・イン・ブラック3 《ネタバレ》 
画面に飛び散るモノはヌルヌル、映画の出来もヌルい、ヌルヌル映画。キャストの印象は凄く良いんですよ。主役のウィル・スミスは相変わらずあのフザけたテンションを維持してますし(あの歳になるとちょっとは落ち着きそうなもんだが……流石!)、もう年齢的にはアクションがキビしいトミー・リー・ジョーンズは早々に消えてジョシュ・ブローリンにバトンタッチ(表情が非常に似てる!)、大女優エマ・トンプソンもチョイ役ながらも存在感たっぷり。改めて言いますがキャストに関しては良かったと思います。残念だったのは脚本・演出です。まず、この映画では長年のパートナーであったKが敵の謀略によって消されてしまいます。誰もKのことを覚えておらず、覚えているのは主人公のJのみ。これは主人公のJからすると物凄い恐怖ですよね。疑心暗鬼になりもっと周りにその不安を撒き散らしても良いのに、この映画ではOを通してアッサリとタイムトラベルでKの存在が消されたことが分かってしまう。もっとパートナーの喪失感をしっかり出した方が絶対にJに対して感情移入もしやすくなったんじゃないかと思います。それからエマ・トンプソン演じるOの存在。彼女はこの黒スーツを着たオッサンとキモい宇宙人しか出てこない映画の中で唯一の花です。実際に過去のKとの恋愛を匂わせるシーンもある。なのに何故彼女をヒロインとして育てないのか、理解に苦しみます。彼女が危険に晒された時、普段人間味を全く表に出さないKが同僚という垣根を越えて行動するって方が感動的じゃないですか?もったいないと強く感じましたね。極め付けはラストの鉄骨上のバトル。高所でキーアイテムの奪い合いなんて絶対にハラハラする筈なのにこれが全然ダメ。敵にキャラ付けがキチンとされておらず、バトル自体がどうでも良く感じてしまった部分もありますが、それ以上に演出がヌル過ぎだろう。Jを掴んでも投げても態々鉄骨上に落としてくれる敵はフェアというより只のアホにしか見えない。しかもJが色々やっているときにKは一切映されずアクションのテンポが死んでしまっている。そこは二か所のアクションが交差して展開しないと!何で別々で適当に終わらせるのか。そもそもこのシリーズ自体がヌル目の映画であることは判ります。1作目からオフビートな笑いで人気でしたからね。しかし最低限ハラハラさせる場面ではそうさせないと、外しにすらなってませんよ。
[映画館(字幕)] 3点(2012-05-27 21:15:05)(良:1票)
437.  アイアン・カウボーイズ ミーツ・ゴーストライダー
アキ・カウリスマキのシュールな部分だけが前面に出てしまったような印象を受けました。というか正直全然面白くなかった。
[DVD(字幕)] 3点(2012-05-18 00:19:56)
438.  ラヴィ・ド・ボエーム 《ネタバレ》 
フランスのボヘミアンたちの生活と恋を描いた作品。墓に原作者のアンリ・ミュルジェールの名前を出している辺りに「ボヘミアン生活の情景」への並々ならぬ思いを強く感じます。この時代のカウリマスキ監督の映画は登場人物がものすっごく惨めなんだけど優しい人間として描いており、ただ現実の厳しさに喘ぐ様も同時に描けている点が好きです。
[DVD(字幕)] 7点(2012-05-12 22:21:19)
439.  ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン 《ネタバレ》 
"史上最悪のウェディングプラン"というのは日本での副題ですが、その文句に偽りはありませんでした。アメリカ味たっぷりのコメディ映画では観客が若干引くほどの下ネタが連発されることはありますが、登場人物の殆どが女性の映画で同じことをやっているので衝撃度は大きかったです。ただその数々の下ネタがストーリーを上手く進行させるために入れられていることに作り手のクレーバーな姿勢を感じます(やっていること自体は物凄く頭悪いですが)。例えば主人公は親友のウェディングプランを企画していく中でとんでもない失敗を繰り返し、それが主人公の信用を落とし"自分は親友である"という自信がどんどん失墜していく。数々の下ネタを観てると「確かにこれは信用されなくなって仕方ないわ」という気になってしまう。この辺りが、下品なギャグが所謂出オチになっている映画とは違う所ですね。またメインの女性全員が様々な個性を発揮しまくっており、キャスティングの上手さを感じましたね。特に主人公を演じるクリステン・ウィグの体の張り方には完全にノックダウン、ファンになっちゃいました。なんというか女性版ベン・スティラーみたいというのが第一印象。脚本も兼任している辺りもベン・スティラーと同じく、頭が悪いことしてるんだけど、実際はとても高度な技術に裏付いているって感じ。最近ではナタリー・ポートマンやルーニー・マーラなど脱いだりで体を張る美人女優はいますけど(日本にはそれすらもいなくなっちゃったけど)、ここまで下ネタで体を張る美人女優さんはちょっと思い当りません。ここまで劇中で頑張ってたら「マジで幸せになってくれ!」って思いましたもん。
[映画館(字幕)] 8点(2012-05-09 08:17:02)(良:1票)
440.  ル・アーヴルの靴みがき 《ネタバレ》 
アキ・カウリスマキ監督の作風にやや変化が観られ驚きました。今までの氏の作品では何も持ってないダメ主人公がダメながらも苦しみ抗い希望を手にする映画が多かったように思うのですが今作は少し違う。主人公は最初から嫁さんがいるし友達もいる。ただ心がどうも子どもなだけ。そしてイギリスへの不法入国を試みる黒人少年を守りきることで父性、大人として生まれ変わるという今までの作品のその先をやってるのは面白かった。でも演出面では普通に後退してるんじゃないでしょうか?モネ警視とかいう無能刑事が黒スーツに黒手袋というアホ丸出しの恰好なのはいつもの外しのギャグだとしても、外に出るのは危ないとか言われてた黒人少年が一場面では普通に主人公と外歩いてたり、隣人が警察に黒人少年の居場所を密告するシーンではご丁寧に新聞の記事まで画面に入れて電話させたり、終盤では何故か警察が船の居所を突き止めたり、今までの画面で語り登場人物に言葉で語らせない氏の作風からはかけ離れているし、脚本にもはっきりと穴があり過ぎると思いました。
[映画館(字幕)] 6点(2012-05-06 00:22:18)
050.38%
1171.29%
2362.73%
3584.40%
4977.37%
518313.90%
621116.02%
733925.74%
823517.84%
91138.58%
10231.75%

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