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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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101.  思い出のマーニー 《ネタバレ》 
美しく素晴らしい映画でした。余り期待値が高くなかったので、観てそのアニメーションとしての技術の高さに驚きました。アニメーションの技術の高さとは、一つ一つのディテールが細かいという話ではなく(勿論それも素晴らしい水準)、主人公の心理やストーリーとしての起伏を映像として呼応させるという意味に於いてです。 オープニングから度胆を抜かされました。主人公・アンナは他者に混じるのが嫌で、でもそういう風に思っている自分も堪らなく嫌という、12歳の心情を非常にリアルに反映したキャラクター。彼女がスケッチブックに鉛筆を押し付け、ボキッと折れる。他愛の無い他人になんにも危害を及ぼさない行為の中に、彼女が抱える鬱屈した思いが込められている。そんな彼女は喘息の療養のために田舎に向かう。どこまでも続く様な平地を進む電車はこの映画が決して激しい起伏に富んだ派手な作品ではないことを印象付ける。画面前面の雲は暗いが、奥の主人公が向かう先の風景は光に満たされている。彼女が進むべき道を見事に映した名シーンだと思う。こういう風景を描かせたらやっぱりジブリは他のスタジオとは一線を画しているなと思います。 ストーリーも主人公が子どもから大人への一歩を踏み出す話と割り切っていて良かったです。近年のジブリは『ハウルの動く城』や『借りぐらしのアリエッティ』や『崖の上のポニョ』などテーマの描き方が散漫(若しくは放棄)になっている作品が多いと思っているので、"主人公の成長"という要素のみに絞った作りは非常に好みです。 所謂ドッペルゲンガーものでありつつも、終盤にはちょっとした捻りがあったりと、中々先を読ませ切らない作品になってますね。米林監督の次回作にも期待したいところです。
[映画館(邦画)] 8点(2014-08-02 12:26:24)
102.  怪獣大戦争 《ネタバレ》 
本多猪四郎がメガホンを取っていることもあり、終盤の街でのゴジラ&ラドンの大暴れは見応えがあります。また人間ドラマも子ども向け映画にしてはちょっとほろ苦いテイストとなっており、水野久美演じる(美しい!)波川とグレンとのロマンスが良い塩梅です。ニック・アダムスは「バラゴン」でもそうでしたが結構いい演技しますね。 ゴジラのシェーは絶対笑っちゃいますよね、あんなの。個人的には作品の個性として受け止めてます。ああいうアホみたいなゴジラが観れるのもこの作品の魅力(?)。
[DVD(邦画)] 7点(2014-07-27 22:30:27)
103.  ゴジラ対メカゴジラ
音楽が中々良いです。ちょっとマンボ調&沖縄の伝統音楽とのミックスが意外と戦闘シーンにあっている。但し、唐突に始まるキングシーサーの歌には思わず笑い転げてしまった。しかも最後は微妙なところで切れてるし。せめて最後まで流してあげましょうよ!
[DVD(邦画)] 4点(2014-07-25 22:46:42)
104.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
まず今現代にゴジラを一から作り直した作品として実にクレバーな構成だなと思いました。日本映画史に残る54年版(所謂初代)『ゴジラ』においてゴジラは人間など塵に等しいと言わんばかりに大暴れする一種の神や天災のような存在でした。その後、ゴジラが子ども向け映画としての地位を確立するとゴジラは人類の新たなる脅威と戦う、結果として人類の味方として存在するようになりました。今回のハリウッドリメイクはその二つの要素を上手く融合させており、ゴジラのファンにとっては納得できるものではないでしょうか。 また基本的に怪獣の見せ方がとても効果的で素晴らしかったです。閃光弾が空を照らした先にゴジラの全身が映されるシーンや、ゴジラのあの(エメリッヒ版ではなくオリジナル版に近い)ド迫力の咆哮、海からの登場シーンや、サンフランシスコでのMUTOとの対峙、そしてMUTOの首を掻っ切り勝鬨を挙げるシーンなど、怪獣映画やロボット映画にお馴染みの見栄の切り方は本当に格好よく怪獣王を捉えていた。 しかし不満点も多々あります。一番の不満はハッキリ言って主人公です。正直、彼が絡むシーンが本当に邪魔。とうとうゴジラとMUTOが向かい合い「うおぉ!怪獣大決戦だ!」と思ったら主人公サイドに話が移り、怪獣たちの戦いはひとまずお預けとなる。もうね、非常にガッカリしました。そういうシーンが随所にあります。ハイライトとなるサンフランシスコに話が移ってもその傾向は続き、怪獣の戦いが遂に存分に見れるのかと思うと主人公の奥さんが避難場所に逃げ込むのと同時に彼らの大暴れは見れなくなってしまう。主人公が空から降下する場面でも時間が夜であり、また人間である主人公の目から戦いが映されるのでジックリ見れない。最近の『クローバーフィールド』等の怪獣映画ではPOV的な映像が多用されるのでトレンドなのかも知れませんが、個人的には『パシフィック・リム』みたいにしっかりと大格闘を見せてくれる方が好きです。 随所にゴジラフリークを喜ばせようとしている工夫は感じられるし、怪獣映画への愛も感じる映画ではあります。しかしながら主人公絡みの人間ドラマをもっとタイトかつ丁寧にして、家族愛よりも何より怪獣愛を優先していたならば更に高い水準の作品になっていたかも知れない可能性は捨て切れません。
[映画館(字幕)] 7点(2014-07-25 22:29:53)
105.  七年目の浮気 《ネタバレ》 
『七年目の浮気』という中々直接的なタイトルですが、実際には堂々とした浮気は起きない。主人公はなんだかんだ言っても配偶者を愛していて、大それた行動は取れない上に、勢い余って取ってしまった時は本気で焦る。そして妄想力逞しい。つまり世の中の大体の人間のソレなのですね。 そんな主人公の二階の住人が何とマリリン・モンロー、あの完璧なプロモーションとちょっとアホ可愛い性格に終始翻弄される主人公は、可也笑えました。 初回と全く違う深刻な状況で繰り返されるラフマニノフの第二番や、鏡の中の顔が見る見る老ける時に言及されるドリアン・グレイの肖像など、洒落が良く効いています。 ただ、舞台劇を映画化したにしても全編にわたり主人公の独り言が延々と続くのはやや違和感を感じました。ビリー・ワイルダーは他にも様々な舞台劇を映画化してしますが、今回はそういう他作と異なり完全に舞台をそのまま映画として撮ったという感じ。
[DVD(字幕)] 7点(2014-07-20 07:12:07)
106.  ことの終わり 《ネタバレ》 
神性が介在する不倫話。サラの日記によりことの真相が明らかになる場面には引き付けられたし、神を信仰し愛する男から遠ざかろうとするサラと、逆に神に怒りを抱く主人公の対比も中々良かった。しっかし矢張り気になるのがあのラスト。神性にはどうやっても勝てなかったことを表現する為に、あの奇跡が描かれていることは、まあ判る。でも正直、アザが消えたシーンを観た時の私の感想は直球に言ってしまうと「キモッ」でした。神が現実世界で奇跡を起こす類の映画は他にも色々ありますが、やっぱり自分の肌には合いません。 それから基本的にメロドラマが得意でないので、少し低評価になってしまいました。
[DVD(字幕)] 4点(2014-07-18 20:32:47)
107.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 
中々に面白い作品でした!まずトム・クルーズが演じる主人公・ケイジのキャラクター造形が良いです。私が好きなトム・クルーズとは『M:I』や『トップ・ガン』では無く、『マグノリア』や『ナイト&デイ』の様なちょっとイッちゃってるキャラクターを演じた時なのですが、今回もそれに通じる面白さがあるというか、イケメンを演じることが多かった彼のセルフパロディでしょうか。 だって主人公は軍の広報担当官で露骨に戦場に出るのを嫌がる様な、明らかに主人公の器では無い男。それを甘いマスクのトム・クルーズが軽薄な感じで演じるから面白い。 とてもユニーク且つ斬新だなと思ったのが、この映画が持つテレビゲームを再現したかの様な設定、と本来それと相反する筈の"出会いの素晴らしさ"とか"命の大切さ"の描写があったことです。一部の識者(?)が「テレビゲームなんて娯楽があるから現代の若者が命を軽々しく考えるようになった」とかトンデモ論が聞かれなくなって久しい今日ですが、本作は「ループを繰り返す→必然的に主人公やヒロインの死が軽くなる」という流れを主人公がヒロインの度重なる死に対して懊悩するという描写で見事にその軽さ(ある種ストーリーとしての欠陥)を補完していると思いました。実際、やっぱりエミリー・ブラント演じるヒロインの数々の死に様を観ると遣り切れない気分になるんですよね。エミリー・ブラントの演技も大変良かったと思います。 ちょっと残念というか勿体ないと思ったのがこのループものの利点、主人公がいくら死のうが物語は終わらないという設定をあまり効果的には使っていない事だと思います。冒頭のギタイからのフランス奪還作戦は、ビジュアルや地理的状況をパッと観て判るとおり傑作戦争映画『プライベート・ライアン』の冒頭のノルマンディー上陸作戦のオマージュなのでしょうが、それを参考にしたにしては戦闘の描写がイマイチだったと思います。『プライベート・ライアン』では手足がちぎれ飛ぶわ、内臓が飛び出すわ、銃撃でズタズタに引き裂かれるわ、戦争の悲惨さを克明に描いていたと思うのですが、本作でも折角主人公がいくら死んでも構わない設定なのですから、もっと観客に「こんな戦場に行きたくねえ」と思わせるだけの画作りでも良かったのではと思います。そちらの方が主人公の当初の感情、戦場にどうしても行きたくない心情も理解し易いですし。
[映画館(字幕)] 7点(2014-07-17 21:07:44)(良:1票)
108.  フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 
想像を映像化するのが映画だとすればこの映画は映画ではありません。塵芥が散らかるブルックリンの街並み、起伏の少ないストーリー、逃げる悪人の背中に銃弾を浴びせる主人公、そして爽快感のまるで無いラスト。あらゆる場面が単なる刑事ドラマとは一線を画しています。ただ、だから面白くないかというとそんな事は全く無く、リアルにはリアルの見せ方があることが良く分かりました。簡単に言えばリアルだからこそ何が起こるか判らない面白さです。リアルなのだからストーリーが定石通りに進む保証などない。屋上で突然射殺されかける主人公や、それによって巻き込まれて死亡する全く無関係の女性、電車の中であっけなく撃ち殺される車掌。緊迫感と若干の不快感が耳に残る音楽も相まって、事態がどう転ぶか、誰が命を落とすのかが全く読めない。そこにこの物語としての面白さを感じました。 また語り草となっている暗殺者が乗る電車とポパイが運転する車のチェイスシーンは素晴らしい。
[映画館(字幕)] 8点(2014-07-01 19:11:45)(良:1票)
109.  南極料理人 《ネタバレ》 
冒頭の「お前が強くなるしかないんだよ!→麻雀」のくだりで掴みは完璧。それからも南極観測所という極寒の地ならではのギャグが大変面白かった。あと職場の描き方が素晴らしい。普通に考えたら男だけの職場で、家族にも恋人にも会えずに1年以上を過ごすのは本当に過酷と思います。しかもやっぱり職場だから色んな人間がいる訳で、ズル休みする奴もいれば、折角忙しい中で手伝ってるのに悪態つく人もいる。でもそんな生活の中で「なにか面白いことを詰まらない生活から探そう!」という姿勢を忘れない主人公たちが本当に魅力的でした。節分したり、かき氷したり、野球したりね。多分こういう姿勢がないと職場ってのは本当に詰まらない場所になってしまいますから。 家族との話もベタながら、主人公の嫁さんが実は主人公が南極に行ってから元気がないのが娘によって語られるのには、ちょっとホッコリ。ラストで人ごみの中で抱き合う一家の姿は印象的でした。生瀬勝久演じるちょっと気難しい技師のおじさんが関係が拗れていた筈の奥さんと最後に抱き合うシーンも良かったです。 あと何より日々の食事が本当に美味しそう!映画の後半では、劇場内で何度か「グ~~」という腹の虫がどこからか聴こえてきた。
[映画館(邦画)] 7点(2014-07-01 08:04:02)
110.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 
問題作であることは間違いないものの、私はこの映画を支持したいです。『下妻物語』『嫌われ松子の一生』で築いた中島哲也ブランド、『告白』でかなり趣を変えたものの、支持者は多い。私が観た劇場には平日であるにも関わらず可也の人数が入っていたし、その主な客層は幅広い年代の女性でした。 今回の映画は少なくとも今までの中島哲也の作品みたく可愛らしいビジュアルは無い。若しくは、可愛くてもそれは狂った世界を表現するためのツールに過ぎない。拳・脚・金属バット・銃・ナイフによる暴力、シャブやコカインをキメるティーンネイジャー、売春を強要される少年・少女たち。まあそりゃ拒否反応を示す人も居ますわな。 但し、今までの中島哲也ブランドで獲得した観客を捨てても、作りたいものを作ったであろう監督の制作姿勢は支持したいし、個人的にはインモラルな映画は基本的に好物ですので、終始面白かったです。脚本も良く練られていて、割と項数が多い原作のある部分を省略したり、一つに纏めたりと、そういう原作との差異を確かめながら観るのも中々。 しかしこの映画のビジュアルを100%支持する気持ちにはどうしてもなれません。暴力やセックスをポップな感覚で描くという手法は今ではよく見られますが、やっぱり凄く軽い感じに見える。痛みがこちらに伝わってこない。聞き馴れた言葉ですが、ファッションとしての暴力やセックスという印象がかなり強かったです。なのであまり心を鷲掴みにされる様な力は残念ながらこの映画からは感じられませんでした。 加奈子のキャラクターが原作とかなり変更されている(簡単に言うと極端に頭がどうかしちゃってる娘になっている)のも残念な点でした。
[DVD(邦画)] 7点(2014-07-01 07:18:28)
111.  300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~ 《ネタバレ》 
続編とは言え監督は変わり、ザック・スナイダーは脚本・制作としての参加です。戦闘シーンでスローモーションが多用されたり、一連の殺陣を連続したスローで繋いでいく手法など、前作のアクション演出を踏襲しているのは判るものの、やはりその魅せ方は本家の方が格段に上だと思いました。前作はキメの画で止まってくれていたのに対して、簡単に言っちゃうと無暗矢鱈にスローになっている気がしました。あと終盤のテミストクレスの船上での単騎駆けのシーンは予算が尽きたのか知りませんが、ちょっとCGがショボかった……。折角の最大の見せ場の一つだったのに勿体ない。 あと基本的にストーリーが弱いと思います。ビジュアル先行のシリーズなのだからそんなに凝った話にする必要は無いかと思いますが、海戦を描くにあたって両者が知恵を絞っての対決に見えないので今市盛り上がりに欠けます。具体的に言うと、片方が勝利する戦闘ではもう片方が異様にバカに見えてしまう。アルテミシアの部下の無能っぷりとか必要なかったのではないでしょうか。アルテミシアの有能な部下をテミストクレスがそれを上回る智謀で叩く方が良いと思います。 あとアルテミシアが序盤で血が滴る敵の首級を掲げますが、多分これはワイルドの『サロメ』を意識してのことでしょう。愛した預言者が自分の物にならず、結果として斬首してしまう悪女の代表・サロメ。本作でもアルテミシアがテミストクレスを誘惑しちゃったりするのですが、そこらへんのドロドロした関係をもっと濃厚に描けばお話ももっと面白くなったかなーとも思います。 ちょっと許せなかったのが役者の完全な棒読み演技ですね。多分アクションシーンに力を入れているからこその手の抜き様なのでしょうが、主要キャスト以外は基本的にどっか遠くの方を見つめてセリフを喋ってるだけ。腹筋の割れ具合だけでキャスティングされた訳でもあるまいに、流石にもう少し……ねぇ?
[映画館(字幕)] 4点(2014-06-22 18:57:49)
112.  8月の家族たち 《ネタバレ》 
原作が舞台劇ということもあってか基本的にオクラホマの一つの家が唯一の舞台となります。ハッキリ言って話自体はとても地味だと思います。父親の葬儀をきっかけに実家に帰ってきた娘たちと、叔母、そして薬物依存症の母親が延々と口げんかを繰り広げる、ただそれだけですので。 但し、描かれている内容が普遍的なのでその物語がズシンと心に響きました。分かった風に言ってしまうと“ふつうの家族でいることの大変さ”を描いた作品だと思うのです。誰でも家族は仲が良い方が良い。しかし家族の関係の全てが順風満帆に進んでいる人間が一体どれほどいるでしょうか?不仲、両親の浮気・離婚、相続問題、将来の親の面倒、etc……。家族のトラブルは挙げればキリがありません。本作もそういう結構普段考えるのは面倒な家族の問題を扱っていて、ある程度恵まれた家族関係を保っていると自分では思っているとは言え、かなり物語にのめり込んでしまいました。結局、家族の関係ってのは紐で繋がっていて手繰り寄せれば直ぐに相手に届く様な簡単なものではなく、ゴム紐で繋がっているような物だと思うのです。家族を理解しようと、愛そうと努めても、逆に相手から攻撃を喰らったり、離れていったり、反発したりしてしまう。この映画の登場人物はそんな風に延々と衝突して自壊していく。普通の映画ならば最後に家族が元通りになりました、若しくは元通りになりそうです、と希望を持たせて終わると思いますが、本作は「家族はそんな簡単に直るもんじゃない」と言わんばかりに崩壊したまま終わりを迎えるのも個人的に現実的で良いなと思いました。そんで延々とネイティヴ・アメリカンのお手伝いさんを邪険に扱っていた母親が、家族が一人として居なくなった途端に彼女に縋るのも中々感慨深いですね。たった一人になったときしか家族のありがたみは判らないものなのでしょう。良くある話ですが失って初めて失ったものの大きさに気付く。 あとは豪華キャストによる演技合戦が何より魅力的ですね。メリル・ストリープとジュリア・ロバーツは売れっ子になってからお綺麗な役が多かった故に、年老いた姿で母娘を演じたガッツは称賛に値します。普段、イケメン役が多いベネディクト・カンバーバッチが情けない中年男を演じてるのも新鮮味があってちょっとツボでした。色んな大俳優のちょっと違った演技の幅が観れる作品でもあると思います。
[映画館(字幕)] 8点(2014-06-22 00:56:45)
113.  キングピン/ストライクへの道 《ネタバレ》 
ファレリー兄弟の映画では過去トップクラスにダメダメな主人公であり、精神的にもダメだった主人公が遂に自分の力で過去を克服しようとする、割とキチンとした主骨があるコメディ。そんな主人公演じるウディ・ハレルソンも魅力的なのですが、もうこの映画の誰が最高って、ビル・マーレィでしょう!正にクズの権化を嬉々として演じており最高です。しかもスッゲー悪い奴では無く、とにかく姑息で根が腐ってる卑怯者というのが、ビル・マーレィに非常に合っています。もう彼の振る舞い一つ一つが最高で最低で最高でした。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-06-13 21:59:00)(良:1票)
114.  グランド・ブダペスト・ホテル 《ネタバレ》 
相変わらずのウェス・アンダーソン。開始10秒で「あ!ウェス・アンダーソンの映画だ!」と思わせる個性は流石です。シンメトリックな画面構成、細かな横パン・クローズアップ・ロングショット、豊かな色彩感覚、何ともシュールな登場人物たち、また今回はスラップ・スティック・コメディであるのでウェス・アンダーソンの気の抜けた様な洒脱なスタイルと相性は良かったと思います。ただ、何時もウェス・アンダーソンの映画で思うことですが、あれだけ多くの登場人物に有名俳優をキャスティングする意味があるのかと考えると正直疑問です。今回もレイフ・ファインズ、ウィレム・デフォーはいいなぁ~と思ったのですが、他は別段記憶に残らない演技でした。というか演技力を存分に発揮するだけの時間が明らかに無い人が一杯いる。でもやっぱり映画を観ている方は「ジュード・ロウだ!エイドリアン・ブロディだ!オーウェン・ウィルソンだ!ビル・マーレイもいる~」とか思う場合もある訳ですよね。そこであれだけ出番が少ないと正直拍子抜けいうか、勿体ないなーという気持ちが強いです。ウェス・アンダーソン映画の常連だからと言えばそれまでなんですけど、なんでこれだけ豪華キャストに拘るのか謎です。
[映画館(字幕)] 7点(2014-06-08 23:48:53)
115.  MONSTERZ モンスターズ(2014) 《ネタバレ》 
はい、クソ映画です。少なくとも私はクソ映画だと思いました。……でもこの映画、面白かったんです。恐らく監督が力量のある方なので各場面が間延びしていないのと、主演二人がどちらも良い役者さんなのでそれなりに見応えのある場面に見えるのが影響していると思います。但し、脚本はどうしようもないクソです。口汚くて申し訳ないですが、クソです。こんな脚本の内容を真面目に演じている役者さんには心底同情してしまいます(そこが面白い部分だけど)。 ストーリーは一般的な日常で異能の力を持ったキャラクターが戦う、というありがちな内容ですね。私は真っ先に大ヒット漫画『デスノート』を連想しました。この映画もその路線でいけばもっと面白くなったと思うんです。 まずキチンと能力のルールを観客に示すこと。見るだけで操れるというのなら、「ビデオ映像の人間ではどうなのか?」「目線を外してから何秒後に元に戻るのか?」「具体的に身体のどの部分を見られるとダメなのか?」「操れる人数・時間に制限はあるのか?」等々、ルールが判らないと戦いは楽しくありません。導入が難しいのなら、終一が最初に警察に打ち明けるときに、「そういえば近年似たような強盗や殺人が発生している。被害者の証言から犯行の規則性をある程度推定した」とか何とか言わせて警察にルールを説明させてもいい。 あとは警察をあんな無能集団として設定するんじゃなくて事態をかき回す第三者として設定したほうがいいと思います。体が常人より遥かに丈夫な終一にとっては、銃撃は致命傷にはならない。だから敵もろとも警察に強制排除してもらえるように仕組むとかね。色々アイデアはあるのに、大変勿体ない。 本来なら脚本家さんには次回作は頑張ってくださいとか言うべきなんでしょうけど、この酷さは自己反省や自己分析なんかではどうにもならなそうなので、とりあえずシナリオ学校か何かに行き直すのが良いかと思います。近年稀に見る珍作ですから。監督と役者が比較的まともだったのが唯一の救いでした。
[映画館(邦画)] 5点(2014-06-08 23:24:51)(良:1票)
116.  メリー・ポピンズ 《ネタバレ》 
う~ん、素晴らしい!ミュージカル映画が好きなのにも関わらず今まで観てなかった自分を叱りたい。「チム・チム・チェリー」、「お砂糖ひとさじで」、「凧をあげよう」等々、一度聴くと忘れられない名曲達、ディック・ヴァン・ダイクのキレの抜群のダンス、ミュージカル映画として素晴らしいことは言うまでもありませんが、ストーリーも実に良いです。 ディズニーらしく夢を子どもに与えることの大切さ、それを知り変わっていくお父さん、ラストの「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス!」には笑いとともに感動してしまいました。 映像は今見ても新鮮で、コウモリ傘を差しながら空からフワフワ降りてくるメリー・ポピンズや、部屋に浮きながらのティータイム、画の中でのペンギン達とのダンス、煙突掃除たちのアクロバティックなダンス、どれも見ごたえ十分。ミュージカル好きなら観て絶対損は無いはずです。
[DVD(字幕)] 8点(2014-06-07 14:17:21)
117.  ムーラン(1998) 《ネタバレ》 
ハッキリ言ってかなり期待外れだった作品。アニメーションの快楽、脚本の練り方、共に中途半端でとても良質な作品とは思えません。 アニメーションに関しては、中国画風になったり、キャラクターデザインが明らかに旧来のディズニー映画にありがちな画とは違っていたりと、ハッとさせるものもありますが、その魅せ方が今市で強いインパクトを伴わない。単純にアニメーションとしての魅せ方が下手な部分も多々あり、例えば雪山でフン族の一軍に強襲されるシーンですが、ここは舞台設定のみならば『ライオン・キング』のヌーの群れが襲い掛かってくるシーンと良く似ています。但し、同作の方はヌーの大群が主人公の見えない所に居て「これが襲い掛かって来たら大変だ!」と観客をハラハラさせるのに対し、本作はいきなり何の前触れもなく大群が押し寄せてくる。謂わば溜めの無いアクション。これじゃあドキドキしない。 脚本に関しても同様でどれも教科書通りの設定を盛込んだ為に、結果全てが中途半端にしか機能していないと思います。ムーランと将軍の息子との大して必然性の無いロマンス、典型的なサイドキックとして無理矢理詰め込まれている風のドラゴンと幸運のコオロギ、全然魅力的でないムーランの戦友三人、紋切型の悪役像、どのキャラクターも背景の描き込みが希薄だと言わざるを得ません。
[DVD(字幕)] 4点(2014-06-06 23:29:11)
118.  シンデレラ(1950) 《ネタバレ》 
ディズニー・プリンセスの中でもクラシックと呼べる作品でしょうが、その為か現在のプリンセス物と比べるとやや物足りなさを感じた点が多かったです。ネズミ達と意地悪なネコの追いかけっこも楽しいとはいえ、基本的にシンデレラの物語の中核に関わってくるのは終盤だけですので、そこまでのシーンのそれはかなり冗長に感じました。そのシーンでシンデレラという物語が一々止まってしまうと言いましょうか。それから美しい心を持った者は容姿も美しく、憎まれ役は醜くというパターンはエンタメの謂わば基本ですが、シンデレラを虐める継母と、特にその娘二人が不細工に描かれているのはやや単純な発想ではないかと思います。今のディズニーですとこの悪役にもドラマを持たせるのでしょうが、本作は基本的にはそういう配慮も一切ありません。 但し、そういう不満点を吹き飛ばしてくれたのが素晴らしいスコアの数々。特に「So This is Love」の美しさは頭一つ抜けている。魔女のおばあさんが登場する楽しい雰囲気の「Bibbidi-Bobbidi-Boo」も良い。
[DVD(字幕)] 5点(2014-06-02 22:27:06)
119.  7番房の奇跡 《ネタバレ》 
ジャンルは"ハートフル・コメディ"とでも言いましょうか、とにかく甘ったるいコメディ映画です。知的障がい者の父と無垢な娘との愛情に冤罪事件が絡んでいく。舞台は基本的に刑務所なのですが、その刑務所の描き方が甘い甘い。序盤ではある程度規範を保っているらしく見える刑務所のシステムが、娘が刑務所に居るのが露見してからは、規律もクソもない状態になってくる。つまり現実感が一切なくなっているように思えました。またディテール甘さが随所で目立ちます。刑務所に消火器すら無かったり、刑務所でヘリウムガス(少なくとも気球を浮かべる程に軽い気体、何リットル必要なのか)を手に入れたり、これ等も現実感の排除に一役買っている。 お涙頂戴と言わんばかりに感傷的な音楽が随所で鳴るのにもやや辟易。私がこういう甘ーい物語に人一倍拒否反応を示しているからなのかも知れませんが、とても上質な映画とは思えませんでした。 刑務所の7番房のキャラクターはみんな立っていたのが唯一の救いでしょうか。
[映画館(字幕)] 5点(2014-06-01 22:04:11)
120.  パンドラの約束 《ネタバレ》 
反原発派から原発推進派に転向した環境運動家の姿を捉えたドキュメンタリー。私はこの映画の難点というか、ハッキリ言って駄目な点が2つあると思います。 まず1つ目は映画としての見せ場に乏しいことです。私はドキュメンタリー映画であっても見せ場、簡単に言うと抑揚は必要だと思っているのですが、この映画では基本的に幾人かの活動家の「私がなぜ意見を変え推進派になったか」が延々と語られるだけ。一部で過激な反原発派の行動が映されたりしますが、そこを除いたら如何にもお行儀の良い作品となっていて、正直に言って欠伸が出るほど詰まらなかったです。 2つ目はバイアスがかかりすぎていること。まあ想像つく通りこの映画は如何に原発が安全で、低コストで、地球に優しいかを懇切丁寧に説明してくれます。そういう目線で映画を作るのも別にいいのですが、余りにアンフェアじゃないので腹が立ってくる。ある場面でチェルノブイリ、スリーマイル、福島、3つの原発事故で死者は殆ど、少なくとも民間人では皆無であると語られます。逆に地球温暖化が原因による死者は途轍もなく多いとも……。原発事故による死者数で議論になるのが関連死もそれに含まれるのかということですが、この映画では上記の通り原発事故による関連死はゼロとカウントされています。それに対し、地球温暖化による死者は関連死をカウントしている。地球温暖化による直接死など定義しようが無いので当たり前です。 つまり反原発派の行動をテロ行為と評す一方で、この映画こそが非常にバイアスが掛かった議論で地球温暖化への恐怖をまき散らしている。"テロル"を以て"テロル"を糾弾している。これ程に馬鹿馬鹿しい話はない。
[映画館(字幕)] 3点(2014-06-01 21:50:47)
050.38%
1171.29%
2362.73%
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4977.37%
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