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1.  TENET テネット 《ネタバレ》 
ムチャクチャだな~  【ネタバレ】  でもまあ「時間の矢の逆行」を概念としてはっきりうちだしたのはエラいんでないかい?(ありそうで今までなかった?) ずいぶん投げやりな感じで、説得力はまるでないし直感にも寄り添わないがなw。 挟撃作戦などもう少し説明してもよさそうなもんだが、早口でわざとごまかしてる、ように見えるのはマイナス点。  ラストもほとんど夢オチと変わらん。ただ現状ではそうせざるを得んのもわかるんで、だからこそ量子とか物語にしにくいわな。  でもまあ、みんなでおそれずチャレンジしていって、少しずつ真実に近づいていくしかないだろうな。 おれも、あなたも含めてな。
[映画館(字幕)] 5点(2020-10-09 06:49:02)
2.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
時間のストレッチ体操 【ネタバレ】 最近の説によると、恐竜には羽毛があったそうだ。なんでかはよくわからないらしい。そりゃそうだ。羽毛なんて空を飛ぶ時ぐらいしか必要がない。変温動物であるはずの恐竜にはそもそも暖を取る必要があるとも思えず、よしんばあったとしてもたんに長い毛でよいはずで、あんな複雑な構造を持つものを生やす必要がない。ひょっとしてムチャクチャ暑かったから巨大な羽をはやして扇ぎたかったのかもしれんが、非現実的である。  ならばこういう仮説が成り立つ。ある日、彼らは空を飛ぶ何かを見た。それを見て「自分も空を飛びたいと想った」。そして、どのようにすれば空を飛べるかを何万年も、何十万年も考え続けるうちに突然変異で一本の羽が生えたのではないかと。そしてまた何百年もかけてそれを全身に増やし、胸筋を大きく鍛え上げ、ついに数メートルだけ宙に浮かぶことに成功したのではないかと。  時間は不思議である。エントロピーは常に増大するはずなのに、「進化」だけが流れに逆らい続ける。まるで大きな流れの川の中で、なにかの拍子に(例えば底に大きな岩があることが原因で)そこだけ流れが滞り、逆流している一筋の流れのようだ。  突然一本の羽をはやして生まれた恐竜は、自分にだけなぜそのようなものが生えたのか理解できない。周囲にいる同時代の恐竜たちの中にも、理由がわかるものは一匹もいない。しかし、恐竜にも共同無意識のようなものが存在していたとすれば、その理由や目的を「時代を超えた視点で」全体としては理解していたはずである。  ごく極小の部分において、エントロピーはループすることがある。その「逆方向に進む局面」こそが進化である。つまり進化とは、じつは方向性を逆にした退化なのだ。かつて空を飛べていたものが、種を切らして滅亡した。その逆が、かつて海や泥の中に沈んでいたものが、やがて空を飛んだ、という進化の系統樹である。  モノリスという角張った「人工物」を見て、猿人は大腿骨の使い方を覚えた。それは同時に、彼が肉体を進化させるのでなく、「モノ」との関係性を深化させることで結果的に進化する道筋を得た瞬間だった(ただし肉体の一部として、どう見ても彼の日常には過分な容量を誇る脳を、どういうわけか彼はすでに得ていた)。  (以下略)
[インターネット(字幕)] 9点(2020-05-06 21:12:54)
3.  ミッドサマー
はいはい。  あなたがとても才能のある人で、みんながモヤモヤモヤモヤ感じてることをすごくうまく映像化できるということはよ~くわかったから、今度はもうちょっと役に立つもの撮ってね。
[映画館(字幕)] 7点(2020-04-12 21:26:02)(良:1票)
4.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
まんまやんけ。  【ネタバレ】  しかもほぼ同じ内容の感想文が巷に溢れている。なんか寒いなw  私は古い人間なのか、「こんなんありますけどどうでしょう?」と正解なしに世に問うのが映画の本筋なんじゃねーかというのはある。こんな誰もが同じところに導かれる話はやはりプロパガンダの亜流であり、もっといや洗脳だ。  だからぱっと見の個人的評価としては、この映画は『グムエル』や『スノーピアザー』よりも下である。これこそ賞取り映画でしょうという感じ。  しかしまあ、事と場合によってはそのような装いが必要にもなろう。なにしろこの監督はあの『殺人の追憶』を撮った人だ。あんなもやもやをもやもやしたままで傑作へと導ける人が、こういうものをあえて撮ったということに意義がある。  「リスペークト!」や「無計画が最善の計画」とかいうセリフにこめられた、オッサンたちの敗残者魂みたいなもの、これらは現実には世に露出することはない。いや、なかったというべきか。タブーとして自らの贖罪の箱の中に仕舞い込み、言語化できないよう巧妙に仕組まれてきたもの。もし言うことができたとしても、なぜかその途端に生活面でプッツンしてしまうもの。しかしそれらはもはや臨界を超えつつあり、ほんの少しのきっかけで自暴自棄な「個人テロ」のおそれもでてきた(ホンマか?)。んで、慌てて表層意識に置きましょうとか考えた? これ以上法人税率さげれませんっ、もし下げたら死人が出ますみたいな? あれ何書いてんだ? 『世界的に』『いっせいに』同じようなデモが起きる、といった国境を超えたわざわざしい共時性がなんだか薄気味悪いが、それは気にしちゃいけないところなんだろう。  ま、これから何が起きるか、そして個人がどこまで冷静に主張できるかだわな。 ひょっとして宗教臭く丸めこまれちまう可能性もあるが。それだけは勘弁。
[映画館(字幕)] 7点(2020-01-29 06:25:49)
5.  ジョーカー
グダグダじゃねーか。
[映画館(字幕)] 4点(2020-01-29 06:24:11)(良:1票)
6.  天気の子 《ネタバレ》 
ぎゃははははっ。  《ネタバレ》  気色が悪いとしか言いようがない音楽とか絵柄のセンスだが、ラストの「もっと自分を肯定しなさいっ」メッセージがすべてを吹き飛ばす。こんな物語はこれまで日本になかった。あらゆるエピソードもわざと大雑把に描いておいて、骨太の論理構築力によってすべてをぶっ飛ばす! ええどええど新海誠。これからも悲しみなんぞ描かんといてくれ。このまま行けるとこまで突っ走れ!
[映画館(邦画)] 8点(2019-10-06 22:38:00)
7.  ハンターキラー 潜航せよ
Netflixのお絵かき番組に飽き飽きした人は、今すぐこれを見に映画館へ走れ!  やっぱこれだよこれ! 浪花節こそ人生だ!!!
[映画館(字幕)] 9点(2019-05-12 19:33:13)
8.  万引き家族 《ネタバレ》 
 私が間違っていました。どうもすいませんでした。すばらしい映画です。  【強烈ネタバレあり】 (中略)  本来の日本の社会とは、この映画に出てくる柄本明の駄菓子屋さんのように、わかって いても事情を汲んで見逃す人たちの社会である。逆に飴を与えるなどし、時間をかけて 本人の気付きを待つことらへんに、落とし所を見出していたはずである。  そう、この映画はじつは祥太という少年の「気づきの映画」でもあるのだ。   「妹にはさせるなよ。これ」秘密のサインであったはずの、指をくるくる回す行為まで 見抜かれていた。  そのショックにより、少女の誘拐が世間で騒がれてすらまだ動き出さなかった、映画に おける「仮家族の物語」が、ようやく静かに動き出すのである。なんといきなり土砂降り の雨が降り出すのだ。このことは、この映画がじつは、タイトルに反して家族でなく 「少年を主観とする映画」であることの、最初の証左となる(映画とは量子だ!)。  ほぼ同時に安藤サクラは職場をクビにになり、フランキーとの交合に慰めを求めること になる。さらにその夜、花火大会の「音」だけを聞いて家族たちは「もう、(この物語 も)終わりだね」とつぶやくことになるのである。  (中略)   「最後の思い出」、と思ったかどうかはわからないが、家族は唐突に海へと向かう。  この場面において、海辺で遊ぶ家族を目で追いながらなにか言いたそうに口を動かす 樹木希林の「最期」のショットは強烈だ。  彼女は何を言いたかったのだろうか。いや、言おうとしなかったのだろうか。   希林の死後、少年は両親が犯罪を犯し、その年金やへそくりを搾取する様子をも目の 当たりにする。  気づきを経た少年は、もうそれらの行為を容認できない。そのことはフランキーから 車上荒らしに誘われても、参加しないことによって示される。少年は迷い始めた、という より、両親に対する明確な疑問を持った。   次の展開点のきっかけをもたらしたのは、またしても柄本明である。「忌中」という 字を読めなかったにしろ、駄菓子屋が休みであることを知った二人は、しかたなく二人 だけでスーパーへと向かうのである。  入店前、「ここで待ってて」と言ったにもかかわらずスーパーに入ってきた妹が、 見よう見まねで指を回し、万引きする素振りを見せる。それを見た少年は、ついに 「仮家族の物語」を自ら破壊することを決断するのである。   結果的に一家は拘束され、安藤サクラの「おたふく風邪泣き」という名シーンを経て、 仮家族は解散させられる。   サクラは面会に来た少年に対し、はじめて駐車場で出会った時の状況を伝え、フラン キーに対し「この子は私達とじゃだめなの」とつぶやく。彼女は少年の変化を見抜いて いたのだ。  少年は翌日、ラス前のバスのシーンで、フランキーに「わざとつかまった」と告白する。   バスの座席に座った少年は、フランキーの呼びかけにすぐには振り返らなかった。その 後しばらくたってから振り返るのである。ということは、少年にはフランキーの声が じつは聞こえていて、あえて無視したのだ。   なんというリアル。ごく僅かな動きと表情のみで、もう二度と会わないという決意の 固さを示した!     このように、この映画はけっして(一部で批判されているように)万引き行為を擁護 するような映画ではない。むしろ逆に、悪事に対する模範的な回答をしている映画だと 言うこともできる映画である。   少年がスイミーの物語に関して「でもそれじゃあ大きな魚が可愛そうだよね」と言った ように、現実は物語的明快さでは捉えきれない面が多々ある。映画はその多義性によって、 世の中のそうした面を逐一描写できる。   「複数の事象」を並行して示すことにより、世の中の複雑さ、価値観の多様性を同時に 示すことが可能な芸術が映画なのだ。観客である自分と、スクリーンの自分(たち)の 複数の視点や価値観や時空間が「同時に存在」していることが「実感」できること。その ことこそがまさに映画の快楽なのだ。   忙しいスケジュールの中、こんなにいろんな意味で最高級の映画を作り上げてしまった 実力には感嘆するしかない。  この監督は我が国の誇りであり、宝である。  おめでとう、そしてありがとう。  私も自分のいる意味について多少勇気をもらえました。   最後に、蛇足。先述したようにある立場からすればやむを得ないことかもしれないが、 ヒステリックな荒らし行為によってこのすばらしい映画の価値を少しでも損なうことは、 どうかなるたけ避けていただきたいと思う次第である。
[映画館(邦画)] 10点(2018-06-20 18:59:55)(良:2票)
9.  レディ・プレイヤー1 《ネタバレ》 
 この圧倒的な才能は、見事なまでに「見て快いもの」だけを峻別し、つなぎ合わせて魅せてくれる。   【ネタバレ】   悪いが「ブレードランナー2049」あたりの、不愉快なものをほぼナマで見せてしまう監督とは 真逆なのである。しかしそれは時に虚しい。    なぜならバーチャルでつかむ幸せは、現実ではない、という真実を覆い隠してしまうからだ。  幸せになれたとしても、それは宝くじ並みの確率でしかない。  この映画をまともに解釈すれば、そんなふうになってしまう。  見た目の快楽はごまかしじゃねーか。  普通の人はそう気づくはずだが、それに対するエクスキューズはなく、放置のままである。    その点、マンガではあるが「いぬやしき」ラストシーンでの、「僕は夢を実現するために機械に  なったんだ」とかいう叫びは、かなりいい線いっていると思う。  ぜひハリウッドに輸出して、まともな監督に映画化してもらいたいと思う。    未来は悪いことばかりではない、と思う。
[映画館(字幕)] 6点(2018-06-13 10:00:34)(良:1票)
10.  パシフィック・リム:アップライジング 《ネタバレ》 
 電脳共産主義だかなんだか知らんが、このクオリティのものを大量生産できるんなら別にいいじゃねーか。なあ?   【ネタバレ】   なんにも考えず楽しめりゃいいのよ。   ところであのラストを見てふと思いついたんだが、富士山のマグマ溜まりの上らへんに原発をあえて作るというアイディアはどうだろうか?  攻撃すると世界の終わりになるわけだから、中国だろうがアメリカだろうが事実上手出しできなくなる。  むろんもし攻撃したらここ破裂さすぞというブラフを普段からかけまくるのである。  核武装と同程度の抑止力になるんじゃないだろうか? 名付けてザ・スカンク作戦。   憲法改正も不要である。関係者各位にぜひご検討いただきたいものである。
[映画館(字幕)] 7点(2018-05-02 21:05:42)
11.  三度目の殺人 《ネタバレ》 
 「忖度」→自己犠牲→神? 【ネタバレ】  あきらかにそういう撮りかたしてたよな。最後らへん。一回しか見てないけどよ。   こりゃあかんよ。「忖度」という言葉がなぜ今の時代のキーワードなのか全然わかってない。つか、生まれつき空気を読めない人に対し、おまえ普段迷惑かけてんだからみんなのために私刑犯して、低級な人間から神様に昇華して死ね、じゃーまるで権力者の思うツボじゃねーか。   法律は忖度と対峙する。すべての人間の平等性を確保するために「法」とは生まれ存在するのだ建前上は。法律家はだからあくまで真実を追求しなければならない。そのへんをまるで足蹴にして、あまつさえ法制度を逆手に取って自己満のうちに死にましたじゃ、法に対する侮辱というか、こいつ何言ってんだ、なんて思われるだけだわな外人にゃ。   日本人はなぜ忖度するのか? 断言するが、宗教的コミュニティによる(会社・階級を超越した)馴れ合い社会を維持するためである。いじめや不正はその中で「安全に」行われる。したがって仕事ができる人間よりも、馴れ合いを「絶対に」堅持できる人間が重要視され出世する(旧貴族が無難である)。そりゃ~当座はうまくいくかもしれんが、長期的には組織は当然劣化する(つーか、してしまった)。しかしこんなことバラすわけにいかんし(なんせ悪いこといっぱいしてきてるわけだから)、戦争によるリセットも不可能だし、さてどうしましょ? というのが今の時代じゃねーの? 会社も、政治も。   盲人が象を撫ぜるんじゃなくて、「群盲が」象を撫ぜてわからんわからん言ってる、わかるはずの「目明き」は排除しちまっただどんすんべ? と善人ヅラした馬鹿どもが脳天気に呟いてる、そういう状況が問題化してるんだぞ今は。   それをまるで必要悪みたいに描いて。まったく何十年も古いっての。『白痴』。忖度すなわち賤民制度の肯定。   映像的なことをいえば、つくづく才能のない監督だという印象は変わらん(わかってたけどよ)。世の中の些末をしつこくほじくりだす脚本力はすげーとしか言いようがないが、しかしそれも売れてだんだん周囲にコントロールされはじめたか、あるいは年食ったか。   この監督は救いを神になることに求めてしまった。一方で、本物の神に似たものがもうすぐ具現化しようとしている(世界中のすべてを監視する、あるいは全人類の一生分の思考量を一瞬ですますものの現出)。こんな時代をこの監督が思考するのは「とても無理」だろう。もう期待できん。   これからは、日本流の「不正隠し」はできなくなるかもしれん(外人に全部バレる)。優秀な移民が来れば、大多数の「他人の言葉で喋っていればよかった」無能どもをいったいどうするのか?   リベラル(犠牲の尺度)をどうあらたに引き直すのか? 日本はなぜ周辺との融合(止揚)を頑なに拒否するのか。なんでそんなに自信があるのか。 それとも自ら滅びを選んでいるのか。   な~んてカッコつけていってもしゃーないが、しかし今の時代、みんな多少なりと感じていることを書いたまでで、そういう時にこのての(体制の「温存」に与するような)古臭い思考の映画を見て腹がたったので、あえて苦言を呈させていただく。
[映画館(邦画)] 2点(2017-10-22 05:17:47)(良:1票)
12.  メッセージ 《ネタバレ》 
ゲソ星人つまんねーし。 【ネタバレ】 他の映像もアイディアもべつにぶっとんでねーけど妙に印象には残る映画。 つーかこの映画のキモは「人は過去のことだけを記憶しているわけではない」とかじゃねーかと思うんだが、そんなケッタイな話みんな面白いと感じるのかな。SFファンにゃ馴染みだろうが。 『君の名は。』でも感じたが、「3次元の人間には理解できないことを無理くり納得させる」ことに腐心してる感じ。そういう時代に突入したか。 ま、おりゃ身に覚えがあるけどな。はっきり言って。 あと宇宙人による分割統治うんぬんで、中国への露骨なラブレターありw。
[映画館(字幕)] 7点(2017-06-20 00:12:19)
13.  シン・ゴジラ
 評判どおりの面白さ。シン・階級社会へ。
[映画館(邦画)] 8点(2016-09-21 00:47:04)
14.  バケモノの子 《ネタバレ》 
なんかジブリに似てきてね? 【激バレ注意】 前は輪郭線がもっと太かったような。あと絵柄とかなんとなく。気のせいかな? 真似してほしくねーんだが。 だって今回で話作りのセンスがパヤオよりも数段劣ることがはっきりしたし。  この話で出てくる「人間のみが作る心の闇」というのがよくわからない。バケモノやバケモノの世界がどういうものかもよくわからない。結果、胸にストンと落ちないので面白いだけで終わる。感動には程遠い。当然観客の心の内に化学変化なぞ起きようがない。そんなの後継者とは呼べない。  闇とは何か。私が無理くり解釈すると、「親族内の関係性だの「こうであるべき」といった同調圧力に屈することでその人独自の好奇心だの攻撃的センスだのを自ら抑圧してしまい、内側に爆発の種を作ってしまうこと」を言ってるんじゃねーかと思う。対してバケモノの世界とは、そうした抑圧が薄い、本当の自分を素直にさらけ出してもいいかもしんない(だって周囲もそうだから)世界のことね。昔の下町にはあったかもしんない場所。  完全性を目指すことは才能を持つ中でも一部の者にしかできないんで、たとえ自分を抑制できても全的な才能がなければやがて闇を暴発させてしまうことになるんだけれども、できない同士で互いに補い合えばもっと高みに行けるかもしんないよ、とかいうことを言ってるわけだ結論としては。違うかな?  でも私に言わせりゃ、それじゃあ凡庸なんだ凡庸。宗教に入って「ともだち代」さえ払えば幸せになれますよと言ってるのとほぼ同じじゃねーか。そんなのダメだ。  確かに現実の日本じゃ欲望を抑圧してマネキンと化すゲームがいたるところで行われているが、それによってできた「心の闇」は、絶対的不利な立場の者に対する「イジメ」によって発散されているのだ。実行の中心にいるのは間違いなく宗教である。そこに問題意識がなければ本当に優れた創作者とはいえない(肯定してはならない)。  パヤオが偉いのは、そうした陥穽に陥ることを(おそらく意識的に)回避して、別の次元へと昇華させるという力技(?)ができたからだ。社会、自分、他者(集団意識)によって作られるどうしようもないトリレンマを、ブレイク・スルーできるような気にさせてくれたわけね。んで、多くの観客の心の闇を解放したと。  前作から続いている、作品を貫く鬱のトーンは、突き抜けられない作者の鬱と同期してるんじゃねーかという気がする。ムチャクチャやって宗教や集団意識なんぞ蹴飛ばしてしまえばいいと思う。才能あるんだから、着地点は自分の身勝手すぎる欲望の果てに置けばよいのだ。判断するのは観客に任せておけ。おれが読み取っちゃる。  ちょっと書きすぎたかな。ま、一緒に見たハリウッドの大作より10倍おもしろかったことは事実だけどね。
[映画館(邦画)] 7点(2015-07-30 08:21:30)(笑:1票)
15.  アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
あーつまんねー。 これじゃあ落書きみたいなアメコミ立体化しただけじゃねーか。メカだけがいやに細かい造形だが。  向こうじゃこれでうけてんのかな? ひょっとして意識的に支持率下げたいのかとすら私は思うが(某政党みたく)。
[映画館(字幕)] 3点(2015-07-30 08:20:10)(良:1票)
16.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
おもしろいよ  【ネタバレ】 終わり、てな映画だなあ。  ラストはいくらなんでも伏線不足じゃね? あと主人公の血がハイオク云々とか、いろいろよぐわかんねかった。 凝った車とファッションとカーアクション、あとギターとか青色LEDとか、外面だけ見て楽しい、とかホントに思ってんのかおまえ! みたいな。  昔のやつちょっと変えただけじゃねーか。  いつのまにやらバカを装うのが正しいという時代になってきたな。いいのかね。やっぱ両極に分けたいんやろかね人間を。わしゃなんかヤ~だけどね。
[映画館(字幕)] 6点(2015-07-10 20:34:54)
17.  海街diary 《ネタバレ》 
数年前より絵面はずいぶん凝ってるなあ。  【ネタバレ】 この人が売れてるんなら、それは喜ばしいことだ。  こう言っちゃなんだが私は相当に育ちの悪い人間なので、こういう親族内での気の遣いあいみたいな話はよくわからない。わからないがしかし、桜のトンネルも花火も、「自分や妹みたいな不幸な子供を作るのが嫌で自分を犠牲にして」幸せになりそこねたお姉ちゃんも、なんかどこかで見たことあるような(ないような)。あれは現実だったか、それとも映画だったか。 全体がそうした「見かけほあほあ」した幸せのトーンにあふれていて、これが日本のまったりだみたいな。どうせ50年たったらばあさんなんだから、そう力みなさんな、みたいな。  感情の起伏なし(そもそも健康な四人娘の話じゃ暗くなったりしようがないが)。 決してとんがった映像は撮らないけど、うまくなった是枝の、一周回ってワンみたいな話(なんじゃそれは)。  一番印象に残ったのは広瀬すずのサッカーテクかな。
[映画館(邦画)] 6点(2015-07-10 20:33:24)(良:1票)
18.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
わりとミもフタもねー  【ねたばれ】 だらだらだらだら中東の紛争は続く。イスラム国だの何だのと、事態は解決どころかややこしさを昂進させている。敵はもしかして勝つことでなく、ゲリラ戦を「やり続けること」に活路を見出してるんじゃないか、と思えるほどである。  911でやられた味方を守るため、ヒロイズム・マッチョイズムで「正義の守護神」を引き受けたはいいが、いつまで続くのもう疲れてきたよ。どこもかしこもちょっといいかげんにしてほしいんだけど。だいたい終わらせる気あんのこれ? な~んて思っちゃってるアメちゃんも、少なからずいることだろう。  「蛮人を殺すことに後悔はない。仲間を守れなかったことにこそ悔いがあるんだ」とかいうセリフのあと、主人公はまさにその元「仲間」に殺されてしまうわけだが、そこにブーメラン的メッセージを見出すとかいう封建的な作りにもなってないと思う。ドリルで子供殺したりする様は間違いなく「蛮人」だし、それにスナイパーを撃つ時のゴルゴ13みたいな演出は、あっさり命中して終わりで反映画的淡白さ。主人公も身も蓋もなく女子供殺すわけだし、きっと現実の戦場は、映画な物語など関係なしにどうしようもなくリアルなんだ、とそういうことなんだ、たぶん。(んで、神様は蛇足で落ちをつけるのが好きなんだ、つーところまでリアルだ)。  戦争をリアルで日常の職業とする、ということの異常さを、こんなふうに(一部の)アメリカ人はちゃんとわかっている。かといって「世界の警察」の座を降りるわけにもいかん(志願者は無尽蔵だろうし、それに「正義」を「多国籍」軍に委ねるには、ちとまだ無理があるような気がするからだ)。  しかしまあ、この先もこの一国が正義ヅラをし続けることが、やや古臭くなりはじめたことは確かなのである。長期戦になること必定のシリア情勢に加え、ウクライナ&ロシアである。さらに中国の膨張は止まず、10年以内にGDP抜かれる・ほっといていいの? 加えて半島では考えられん刃傷沙汰ときて、相対的に弱いアメリカ? が漏れ出し始めちゃってんである。  では、地球の平和はいったいどーオムツされるのか?  バランス・オブ・パワー? ハイパー兵器? んで日本核武装? とかいうところまでいくと思うツボかもわからんが、まー一度、ヒマな時ぐらい思いを馳せておくんなさいお父さん、てな映画。 
[映画館(字幕)] 7点(2015-03-08 21:34:19)
19.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 
スーパー8点のスーパー映画である。以下略
[映画館(字幕)] 9点(2011-09-12 22:31:26)
20.  奇跡(2011) 《ネタバレ》 
(略) ごく大雑把に言えば、この映画はこの一人の少年の成長譚だ。序盤、「意味わからんわ」と彼は繰り返しつぶやく。なぜすぐにでも噴火するかもしれない火山の麓に住まなければならないのか。なぜわざわざ坂の上に学校を作るのか。父親や弟と離れ離れに暮らすという非日常的な状況に置かれた彼は、それでも長男らしく現実主義者である。目の前にある問題をまず解決することが「生きる」ということだと心得ており、少しでも矛盾を感じればそれを口に出さずにいられない。 (略) いっぽうこの映画は、人に対する思いやりの場面を多く映しだす。教室で、家で、図書館で、保健室で。それらは大人から子供たちへの気遣いという形だけではなく、博多ステージにおいては子供同士のそれとして見られる。あくまで日常的な行為として、ごく自然にやり取りされるそれらの振る舞いは、結局この映画のほぼ全編において描かれることになるのだが、監督はなぜそのことにこだわったのだろうか。 (略) トンネルの上に並び、いよいよ彼らがすれ違いの瞬間を迎えようとした時、兄の心の内に去来したのは過去に見た様々な情景だ。木の芽や、火山灰や、自販機の下で 100円玉を発見した時の感動や、肩に触れた先生の手の力強さや、きれいなコスモスの花や、犬っころの死だ。もし火山が大噴火すれば、それらすべてが灰になり消え去ってしまうかもしれない。そう悟った時、彼は「家族より世界を選んだ」のである。この地球上で、あらゆるものが生きて動いていることじたいが奇跡なのであり、いろんな場所で、それらと自分とたまたま邂逅することが、もうすでに奇跡なのだ。むろん自分もそのような奇跡の一員であり、自分と同じように他者も、地球上のいろんな出来事も消してしまってはならないのではなかろうか。兄はそう気づいたのである。  この映画、はっきり言ってたいしたショットはひとつもない映画だが、このフラッシュバックだけで千年生き永らえる価値を得た。そのくらい素晴らしいシーンである。 (略) ラスト、兄は風に指をかざして「今日は積もらへんな」とつぶやく。彼はもう境遇に文句をいうことはない。「意味わからん」の意味を理解しかけ、なんとか自然と共存していくことを選んだのである。実にきれいな終わり方であり、例の震災さえなければみごとな良作として心に残ったことだろう。 (略)
[映画館(邦画)] 8点(2011-09-12 22:30:20)(良:3票)
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