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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1993
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 
これは絶対にネタばれ厳禁なやつ。なので感想のみにとどめようと思います。感想はまあ観ている間、めまぐるしく変わります。 「おや?下手くそか?」「なんじゃこりゃ」の前半を乗り越えてからの、怒涛の人間ドラマ、もう鮮やかでびっくり。 かくして中盤以降は「ああー、なるほど」「うわうわ」「そういうことかー」で脳内爽快感の大嵐。で、しかも終幕には涙ぐんでもいました。映画って、映画を作るって、いいもんだなあ。トリュフォーの「アメリカの夜」にも比肩する、映画愛に満ちた傑作が日本に誕生してうれしい。
[映画館(邦画)] 9点(2018-10-19 15:40:23)
2.  ガタカ 《ネタバレ》 
“ブレードランナー”から猥雑さを削いで、かちりと硬質な感じに仕上げた近未来の世界。基本色彩はブルー・グレー、濃い緑色の海やソーラー・システムが地平まで連なる中、朝日が金色に世界を染め上げるシーンなど、映像の美しさに見惚れる。加えてユマ・サーマンやJ・ロウといった、どことなくプラスチックな顔立ちの役者を配したのも、人工化が幅を利かす未来を描写するのに効果的。あ、でも清掃員という先端から外れた方面にはA・ボーグナインと人間味溢れた顔を採用してます。なるほど。イーサンとジュード、遺伝子工学に人生と心を挫かれた二人が、共に絶対的な壁を前に人間の可能性を賭ける。クールな映像でありながら、人間の心の潜在力を謳い上げる、なかなかに熱いものがこみ上げる一本。最後に意外やDNA万能主義に異を唱える人物がもう一人現れる、ここ良かったなあ。
[DVD(字幕)] 9点(2013-07-29 00:12:12)(良:1票)
3.  風と共に去りぬ
それこそご飯を食べる時間をも惜しんで読みふけった本です。頭に培ったイメージが、もう鮮やかにスクリーンに広がったときの驚きと感激。ビビアンの、完璧なスカーレット。細い眉と上を向いた睫毛、華奢な身体に強い瞳。グリーンのドレスが美しくて友人ときゃあきゃあとはしゃいだのが懐かしい。炎をかいくぐる馬車のシルエットは忘れがたいワンシーン。
[映画館(字幕)] 9点(2011-11-09 00:28:23)
4.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 
主人公はJ・ニコルソンにしかできない仕事。野卑で破天荒、写らぬテレビを前に実況を始めた彼に完全に肩入れして観ていた。自らの主張を是とする者同士の対立 舞台が舞台なだけに、暴力が陰惨で恐ろしい。死よりもひどい目にあう主人公。観客にもたらされる絶望の後のわずかな希望。エンドロールの間中ただ呆然と椅子に沈み込んでいた。
[映画館(字幕)] 9点(2011-08-31 00:21:04)
5.  狩人の夜 《ネタバレ》 
古いながら、独特の感性を持つサスペンスです。このセンスは当時としては先鋭的すぎたのでしょうか、評価が今ひとつだったというのは意外です。 幼気な子供が邪悪な大人と対決しなければならなくなる。しかも周囲の大人たちは頼りにならないというプリミティブな恐怖はサスペンスの王道と言いましょうか、作中でも名の出る「青ひげ」この名作を読んだ時の芯から震えが来るような、純然たる”怖い”という感情を思い起こさせました。 モノクロがその効果をいかんなく発揮している映像美もまた特異で、目の奥に強い印象を残します。水草のように揺れる母シュリーの髪、遠くに認める殺人鬼の黒いシルエットは絵画のよう。庭に忽然と、ぽつりとそこにいる殺人者。その存在の異様さ。 まるで暗号のように聖書の教えが作中あちこちに流れます。キリスト教の観点からの道徳を説いているのかと解釈しながら観ていたのですが、ラストでは村人たちが掌を返したようなリンチ寸前の暴動で、その寛容の無さを丸出しにしています。リリアン・ギッシュも辟易して避けて通るほどの。いやなんというか、ひとクセもふたクセもある、どこまで奥行きがあるのかわからないお話でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-20 00:19:55)
6.  カリフォルニア・ドールス 《ネタバレ》 
コロンボ警部でも、孫に物語を聞かせる祖父でもないP・フォークが口八丁のマネージャーを好演、実にしっくりきてます。ほぼ無名の女優二人のプロレスラー、ドールズの懸命さも良く伝わる人物描写のおかげで、ラストの大一番の大会までにはすっかりドールズびいきになってしまう。ここでがぜん輝くのが海千山千のP・フォークの根回し演出。投資とばかりに札びら切って、反則すれすれのヤラセ応援あり、過剰コスチュームあり。いや楽しい楽しい。資金源がイカサマ博打(とカツアゲ)というのもいかがわしくて良いですな。ストーリー展開は王道なれど、茶目っ気あふれる逸品であります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-05-06 00:21:55)(良:1票)
7.  カプリコン・1
カースタント、エアチェイス、国家の陰謀等が70年代の雰囲気のなかで派手に繰り広げられて見所満載。台詞も気が利いてて楽しいよ。「俺たちは死んだぞ」→「いい奴だったのに」もっぱらボケるのはO・J・シンプソン。風体からして堂々たる存在感だ。NASAを模したコントロール室の機器等もさすがに本家の協力あってちゃちさを感じない見事な美術。音楽もかっこいいし、娯楽映画としてはほとんど完璧。これ観るとやっぱり頭をよぎるアポロ11号・・、ほんとに月に行ったんだよね?もしかして??
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-13 23:56:49)
8.  カンパニー・メン 《ネタバレ》 
世界で一人勝ちしているように見えるアメリカも、いや市井のサラリーマンはこれけっこう大変なのよ、と居酒屋でしみじみおでんをつまみたくなるようなお話。どこの国でも“他人に評価される仕事”というのは自らのプライドと折り合いのつかないものだなあ。失職したばかりの頃は“この俺様が”気分でまだ元気があったのだけれど、ひとつひとつ“俺様気分”を打ち砕いてゆく現実のエピソードがリアルで切ない。何度も空振る面接、売らざるを得ない自宅に車、滞納発覚のゴルフ会員権。ついに我が子が自らゲーム機を手放すに至って、お父さんは俺様プライドを叩き割り、親戚に頭を下げてブルーカラーの仕事に就くのだった。うう(泣)。闘うお父さんを支えるのはやはり家族、B・アフレック家はよく頑張りました。対照的に悲劇を生んだ元管理職の彼の家庭、寒々しさが画面からも漂ってきそうだった。きついなあ。勤め人ならば誰でも可能性のある厳しい現実を、アメリカの実情も上手に紹介しながら心に響くドラマに仕立ててあります。日本の地方都市に住む身としては、あんな豪邸が一サラリーマンの分相応なのかと、そこはちょっと驚いてしまった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-08-15 00:25:40)
9.  カリートの道
カリート・ブリガンテ、アル・パチーノの色気が最高潮に炸裂している男。女が待っている列車に間に合ったその時の、銃撃戦をくぐり抜けてきた直後の笑み。一発でオチるなこれは。意外と言ってはナンですが縦横無尽のデ・パルマカメラに合わせるパチーノの身体のキレも相当なもの。身のこなしがゼロコンマ速い。す、素敵だ~。パチーノも上手いけど、S・ペンも忘れてはいけないんだった。ぱっと見ペンとは分からなかったけど、器の小さい成り上がり弁護士を見事な卑怯っぷりで熱演。この上手さにたじろがず、一歩も引かないパチーノもやはりえらい。(←贔屓)
[DVD(字幕)] 8点(2013-05-29 00:34:29)
10.  がんばれ!ベアーズ
スポーツコメディーの定番な展開ながら、ダメチームが数々の障害を乗り越えてガンバル姿はやっぱり楽しいな。口のへらないアメリカのガキどものキャラ立ちが見事。なかでもやっぱりテータム・オニール!“持ってる”子はなんだか纏う空気まで輝きが違う。12歳の子にすっかり魅了されてしまった。大人どもがマジになって大人気ないのも洋の東西問わないんだなー、と可笑しい。よし、みんなー、野球やろうぜ。バイクを捨ててバットを握るんだ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-28 17:22:25)
11.  カラオケ行こ! 《ネタバレ》 
面白かった!普通ではまず接点のない中学男子とヤクザの兄ちゃんが関わることで発生する事象の数々を、まあ上手に笑いに変換してます。強面のチンピラが腰低く中学生にビールを勧めてくる、ベタだけどその画ヅラに笑えます。口のあるキティちゃんはツボにはまっちゃった。 視点は中三の聡実なので15歳のリアルとともに物語は進行。ジュヴナイルな瑞々しさが本作の魅力の一つに感じます。彼が中学生活で心を注いできた合唱部の仲間や担当教諭らもキャラ立っています。めんどくさい後輩に、掛け持ちで所属する映画部という大事な場所。客観的に見られるようになってきた愛すべき両親。まだまだ狭い中学生の世界に突如ぐいぐい押し入ってくる別世界の大人。困惑する聡実を演じた斎藤くんは当て書きかのように違和感なしです。 「気の良い兄貴」的な懐っこい若頭狂児役の綾野剛は、(関西弁の難しさに足を引っ張られてる感があるけれど)魅力的な造形に仕上がってます。スタイルが良いのでちゃんとスクリーン映えしますし。でもでも、なぜに狂児がカラオケ大会最下位なのよ?序盤の「紅」だってわりかし上手じゃないですか?この場面はもっと音外してくるものと思ってましたのでやや拍子抜け。演出的にどうなんだろうとは思いました。 カタギの中学生には優しくても、ヤクザですからいつマジでおっかない側面を出してくるのかと内心冷や冷やしながら観てたのだけど、最後までハートフルな空気感でした。「カラオケ大会が終わったらLINEも通じなくなった」と聡実の台詞。ヤクザの自分がいつまでも未来ある15歳に関わっていては良くないと狂児が身を引いたのでしょうね。実にハートフルです。
[映画館(邦画)] 7点(2024-02-05 15:39:51)
12.  カセットテープ・ダイアリーズ 《ネタバレ》 
タイトル(オリジナル)からしてスプリングスティーンのデビューシングル。もはや映画がスプリングスティーンの楽曲で構成されているといっても過言ではないですね。歌詞も一々表示されるのだけどコレが主人公の置かれた境遇にどんぴしゃで、実話ベースと聞かされてなかったらレコード会社のプロモーションかと思っちゃいますね。 父親への反発、社会からの差別、追いかけたい夢。それに加えて恋と友情、とジャベドの10代は絵に描いたような青春グラフィティの記号であふれています。ありきたりといえばそうだけど、ロックミュージシャンに心を支えられて無茶ができるのはティーンエイジャーの特権で、誰でもちょっと身に覚えのあるあの頃を瑞々しく蘇らせてくれる作品でした。 上の世代のお父さんの苦悩もちゃんと説明してあるのも共感の幅を広げられていると思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-04-26 19:11:47)(良:1票)
13.  ガラスの城の約束 《ネタバレ》 
どこの家庭でも肉親の間の感情って愛憎交じるものかとは思うんです。毒親というキツめの言葉も昨今ありますが、本作の両親は「通常の社会生活からかなり逸脱した人」です。父母揃って「自由人」であるために、子どもらが成長するにつれて社会に沿って生きたいと思うようになると、彼らの障害になってしまう。ジャネットたちが気の毒で仕方がないし、親の責任を果たしていない二人には腹立たしさを覚えます。 けれど、子どもたちが幼少期の人格形成を成す時期に愛情を注いでいたのは間違いないのです。子どももそれに応えて、短いその一時期があの家庭の最も幸福な季節だったでしょう。子どもらが自立をしっかり志す大人に育ったのも良くも悪くも両親が影響しているとも考えられますし。虐待との厳しい言葉がこの両親にぴったりかというと疑問です。 可愛かった我が子が育つにつれ、自分に批判的になってゆくのもツライものだなあ、と親の立場から鑑賞しましたのでウディ・ナオミ夫妻に甘めの評価なのは自覚しているところです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-21 23:18:02)
14.  華氏119 《ネタバレ》 
何故トランプが大統領になり得たのか。その原因を民主党政権の時代にさかのぼって多角的に分析した本作は、これまで「怒り」をベースにしたムーア監督に「疲れ」や「絶望」も垣間見えてアメリカの闇が深まった感がありました。 ごりごりに「左」の監督が民主党への批判をも縷々織り込んで展開してみせるは拝金主義に陥った米政治の混沌ぶり。彼の故郷ミシガン州フリントの水問題のくだりでは、「新しいアメリカの象徴」として輝かしく大統領に就任したはずのバラク・オバマの骨抜かれぶりが記録され、かの地の住民ほどではないにせよ日本人のわたしも衝撃を覚えました。 ヒラリーが献金漬けなのは有名な話だし、政治信条など無いトランプは時に民主党以上にリベラル発言をしたりで場は混乱。結果「どっちも嫌」という有権者を大量に生むことに。 これまで漠然と「米国は民主主義のチャンピオン」と思っていたけれど、実はかの国でも未だ民主主義は到達すべき理想形に過ぎないのだという学者の指摘には、問題がそびえたつほどの山積なのだと思い知らされます。 すぐになど変えられない。でも声を上げないとどんどん専横がまかり通る事態になる。その恐ろしさを胸に刻んで、この国でも選挙には必ず行かなくちゃ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-18 23:31:07)(良:3票)
15.  ガール・オン・ザ・トレイン 《ネタバレ》 
全体像はテレビの2時間サスペンスとどっこいどっこいなんですが、画は綺麗です。車窓から広がる景色は広く奥行きもあって、映画的。 軸となる三人の女たちがうまく配置されていると思いました。三人の共通点としては一人の男に振り回されたことの他に、「わが子」に人生を大きく影響されてもいますね。子を授かりたかった、あるいは子を失ってしまった、そして子を守りたい。“母性”がスタート点となって最終的には命を失った者、人を殺めた者、と辿る人生は凄絶であります。まったくフリーの独身かつ子どもに興味のない女だったなら、あんなクズ男は一発殴って別れて終わりであったことでしょう。 女優陣が各々抱えた人生を演じきっています。トラウマがもろ顔に出ているメーガン、夫にそこはかとない不信を抱く、一見幸せ絶頂のアナ。怖いほどリアルなアル中レイチェルが迫力満点。エミリー・ブラントの美貌の荒れように凄みがあります。がさついた肌や目の周りの落ちくぼんだ感じは、ダイレクトに不摂生&精神不安定をこちらに訴えてくるので不安でざわざわしました。 失踪妻の夫の所に押しかけて、友人を騙って思い込みをご注進ときた日には妄想炸裂のヤバい人そのもの。うへえー、とすっかり引いたワタシはラストに至る展開を全く読めませんでしたので、けっこうたくさんの人が気付いたらしい真犯人にもしっかり驚きました。なので評価は高めにしときます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-26 16:49:07)
16.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 
移民問題がナショナリズムを煽り、極右政党が躍進している現在ヨーロッパにおいてタイムリーに作られた本作。初めのうちは笑って、最後には冷やっとするという、まさに制作の狙い通りの反応をしてしまった。 いや、総統さすがというか、どんな突っ込みにも質問にも堂々と揺るぎない政治信条で相手を論破しちゃうんだもんな。ほんとのとこ、実在の政治屋など小物にすら見えてしまう。おおすごく頼れるリーダーだ、とうっかり感想を抱きそうになって慌てた。 歴史学者の先生によると今の時代って30年代に似ているんだそうな。ヒトラー総統(比喩であっても)が戻ってきたとして、さてまた歴史は繰り返すのだろうか。映画はその答をこちらに投げて終わります。21世紀の我々は30年代の人々と違って、第二次大戦を知っている。またあの惨禍を繰り返すほどに学習能力の低い種であるとは思いたくないのだが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-11-20 17:08:52)(良:1票)
17.  カポーティ 《ネタバレ》 
ノンフィクション「冷血」は稀代のルポルタージュである。その著者であるT・カポーティの人物をなぞろうとすれば、この著作を手がけた5年余りに絞ったのはしごく当然と思う。 本人も認めているように、この作家と一家惨殺犯の一人、ペリー・スミスとは魂のありようが似ている。恵まれなかった子供時代、容姿へのコンプレックス、言葉への敏感な感性、決して埋められない孤独感。 新聞記事で事件を知り、彼らを「飯のタネ」にしようと思いつく作家。地元保安官は眉をひそめ、友人らも若干引き気味なある種の厚かましさをもって殺人犯らと交流を持つカポーティ。「飯のタネ」ではあるのだけど、一方でペリーへの親近感や同情といった自分の心に気付いて動揺する彼。嘘や誇張で死刑囚の気持ちを引き寄せ、かと思えばセレブらとの社交パーティではへらへらと空騒ぎ。 なんとも複雑で繊細な有名作家の姿を、名優P・S・ホフマンは見た目や発声の仕方、仕草に至るまできっちり再現してみせた。取材対象に近づきすぎて、その処刑の場に立会い衝撃を受ける作家。目を宙に泳がせたり、薄皮を一枚被ったように顔つきを捉えどころ無くしたり、表情筋のわずかな動きで作家の心の空疎なことを表現しつくしたホフマンに圧倒された。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-21 14:47:42)
18.  カレンダー・ガールズ 《ネタバレ》 
なんか、英国の人って裸になるの好きですよね。おっさんはもとより、王室のプリンセスからおばちゃんに至るまでよく脱ぐなあ、という印象があります はい。 ヘレン・ミレンを代表に、おばさんたち皆あっけらかんとして楽しそうだ。迷いなんてほんの一瞬。ヨークシャーの風景も目に美しく、イギリス人らしいヒネリの効いた台詞も粋です。“事業”が成功してちょっと天狗になっちゃうクリスと、それをやんわり制するマギー。夫たちや女性連盟のお偉いさん達といった背景もきちんと織り込んだドラマの奥深さも、英国映画らしいなあと感じました。 ただ、ワタシが最も注目したのはクリスの息子のこと。オカンが人前に裸を晒すなど10代男子には耐え難いことでありましょうし、息子を愛して止まない自分としてはわが身に置き換えてみると、うーわ絶対こんなことできねえ、と思いましたね。彼の社会生活がどれほど支障をきたすことか。そこらへん、息子さんに関しての回収が今ひとつおざなりで物足りなかったのでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-08-04 23:09:06)
19.  カイロの紫のバラ 《ネタバレ》 
アレン作の中でも評価の高い本作を初めて観たのは20代の頃だった。好きじゃなかった。先行きに希望を持って生きたい若い年頃にとって、この作品の背景の不景気のやり切れなさや、ミア・ファローの薄幸な雰囲気・顔立ち・細い身体なんもかもが気を塞いだ。 映画スターと銀幕の中で夢を見る。でもたったひととき。その儚さが美しいとは思えなくて、むしろ気を持たせただけのように感じて、こんな思いさせるなよ、と思った。だってラストの彼女の呆けたような表情に現実と立ち向かう意志があるようには感じられない。映画にうっとりした後は、ああこの人、また現実世界に戻るんだ、あの暴力亭主のいる安アパートに。パートの職も失って、ほぼ詰んでしまっているセシリアの現実がひりひりと心に痛くてカンベンしてくれ、と泣きたくなったものだ。 霞を食って人は生きてゆけない。その霞が養分となっていればまだしもだけど、セシリアのその後はどうだったろう。 最近、また観た。やっぱり苦かった。映画からちょっと元気をもらったくらいでは、セシリアの現実はきつすぎる。
[ビデオ(字幕)] 7点(2015-05-31 01:50:34)
20.  彼女を見ればわかること
女の数だけ、抱えているものがある。それぞれの人生がぽつりぽつりと語られてゆく、その語り口は素っ気なく感じるくらいに盛り上がりには欠けるけど、その虚構性の無さこそがリアルな現実というもの。登場する彼女らは皆、見知った女性たちのようだった。かつての同級生だったり、隣人だったり。 女優陣が皆熱演していて心地よいけれど、なかでも思春期の息子と二人暮らしのシングルマザーを演じたキャシー・ベイカーが頭一つとび抜けた演技と思った。新しい隣人に恋愛感情を抱くには難度の高い設定だったけれど、彼女の心情に無理なく添って観ることができたから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-03-10 00:40:17)
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