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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1992
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  ゴールデンボーイ(1998) 《ネタバレ》 
年老いた元ナチとアメリカ人の高校生男子。実に距離のありそうな二人が奇妙な関係性でえぐい心理戦を展開します。手にいやな汗をかきました。この関係は何だろうね。友情とはとうてい呼べない。でも互いに自分の一部を依存しあっているような。 わたしは初めのうち、小僧が年寄りに命令して従わせるのが不快でなんとなくじいさんサイドに寄って鑑賞していたのですが、衝撃のネコエピソードによって監督に超甘な考えを破壊されました。 元収容所副所長ですもんね、十代の子どもなんぞに手玉に取られるタマではなかった。次々と少年より先んじて手を打って出る老獪なこと。只者じゃないそのオーラ、イアン・マッケランの鬼気迫る演技に震えました。 対するブラッド・レンフロも青臭さと若い反骨心で見事に対抗しています。心の奥に性悪説の根っこを抱えているやばい十代。ラストの‶成長”ぶりの鮮やかなどす黒さったら、心胆を寒からしむるに十分すぎました。 主演二人に目を奪われがちだけど、脇のキャスティングもぴったりで話が締まりました。トッドの両親の見るからに凡庸なこと、生活指導教師のとんちんかんな熱血ぶり。皆すごく良い仕事してます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-26 17:56:00)《新規》
2.  コンドル(1975) 《ネタバレ》 
わあ、70年代ぽい。70'sのサスペンスものは何か空気からして重くて渋い。街並みのくすみ具合はフィルムが影響してるのかな。 いい具合に大人(中年顔)のレッドフォードとフェイ・ダナウェイが落ち着いた空気にハマります。後引かない関係がこれまたクール。 静かなれど冴えている演出も好み。罠と知らず救援と待ち合わせた路地の場面や、暗殺者と乗り合わせたエレベーターの緊迫感は一級品です。 暗殺者が拾い上げる手袋、通行人とすれ違いざまに咄嗟に切り替える外国語。一シーンがぴりっと印象的。電話回線を使った仕掛けもこの時代ならでは。 雰囲気、演出、役者陣は素晴らしく魅力的でした。だけどお話はさほど緻密でもなくて、CIAの伏魔殿ぶりを匂わせてざざっと終わります。まあこれも当時の「どうせCIAはヤバイことばっかりやってるに決まってる」という大方の世相を反映してるのかもしれないですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-02-28 23:02:17)
3.  コリーナ、コリーナ 《ネタバレ》 
よもやハッピーエンドになるとは予想しなかった。時代設定が1950年代でしょ?あの二人が一緒になるにはもっと苛烈な妨害が生じそうなものだけど、その辺はソフトに済ませて甘めな作りです。 ウーピーの器の大きさがハマっているし、子役が可愛くて上手いのと小悪人顔のレイ・リオッタが意外にもマイホームパパを好演しているのとで、甘さも許容できる「ちょっといい話」にまとまっています。 ウーピーの当て馬的に登場する白人の女たちが冒頭から何とも強烈なアクの強さで、なかなか残像が消えません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-02-02 17:21:55)
4.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 
「シン・ゴジラ」で怪獣モノから一気に垢抜けた感のあるゴジラ映画。シン・ゴジラも本作も、その時生きている人間社会のリアルを丁寧に描くことに成功していますよね。 三世代前の日本社会の情操を描くならやはり山崎監督でありましょう。映像技術の高さもあって、(まあちょっと小綺麗な気もしますが)焼け野原になった帝都の真に迫ること。例えば澄子おばさん。生来気の良い人である彼女であっても、家族を失う戦禍にあっては他者に当たらずにいられない。そして家が焼失しても、人はその土地で再建をするのだなあと感じ入りました。実際東京はそうして立ち上がってきたのでしょう。 敗戦直後なので戦力は米国に接収されてしまって残ってない。帝国軍は死んだ。米国もソ連を気にして動きたがらない。ならば民間人の俺らでなんとかしなければ、という戦後という社会状況をふまえてのシナリオには非常に説得力がありました。巨大水圧作戦で戦うとはあったま良いなあと素直に感嘆しました。 人間ドラマは正直時代錯誤なまでのベタなウェット感であふれているのだけど、むしろそこが戦後にハマってて悪くなかった。ワタシは伏線になど(たいてい)気付かないので終幕は泣けました。 そして画もゴジラも素晴らしい。邦画でこのレベルのVFXを観られるとは。ジュラシックパークと同年に角川REXを経験した身としては、この快挙にも泣きました。ゴジラを徹底して悪役にしたのも良かった。豪快かつ爽快なまでの破壊っぷり。尾の一撃で巻き起こる塵旋風の描写も、海戦での波のうねりも固唾を飲む迫力でした。 役者陣も良かったなあ。シン・ゴジラでドラマを壊したようなタレントがいなくて胸をなでおろしましたよ。もうね、中でも安藤サクラが凄い。客受けの悪い損なキャラを引き受けた神木もえらい。ベテラン吉岡や佐々木らも手堅くて安心して観られるこの幸福。 戦後の人情噺にゴジラをミックスさせるとは、時代は古くとも切り口が新しい。 不朽の名曲に乗せて新たに生み出された21世紀のゴジラ映画。65年オリジナル版に比肩する傑作が誕生したことは実に喜ばしい。
[映画館(邦画)] 9点(2023-12-02 15:17:13)(良:2票)
5.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 
オリジナルの「エール!」を観た後なので、どうしても比較になってしまうのだけど。いろんな点で米国版の方がデリカシーがあるというか、細やかさが感じられて観易く感じました。 まず仏版ではやや辟易した露骨な性関連の描写がぐっと控えめで、日本人のわたしにはこの位で丁度良かったな。 ろうの人たちにとっての通常である沈黙の世界についても、描写に織り込まれるさりげなさが米国版の方が秀でていて分かりやすい。ルビーと家族が手話でコミュニケートする時の無音、健常者の日常よりも大きい生活音、食卓でイヤホンは禁止だけどスマホの出会い系画面を皆で見るのはアリ、という独特なルールなど、ロッシ家を理解する助けになる描き方が上手いです。 米国版では「耳の聞こえない家族」のことを周囲の皆が知っている、という境遇のルビー。心無い同級生らの意地悪には胸が痛みました。この辺りのリアルさも作品の深みです。 校内発表会より後の展開はオリジナルとほとんど一緒なので驚きや感動は一割減してしまった。仕方ないことだけど。 漁船員組合のその後が気になるな。ロッシ家は乗船してくれる通訳者を見つけられたのかな。
[地上波(字幕)] 7点(2023-10-23 23:37:17)
6.  ゴーストライダー
うん、この手の映画はどういう基準をもって評価したら良いのかな。アメコミだけあってドクロやら(しかも火吹きっぱなし。何故)派手なバイクやら顔色悪い怪物とかの世界観は10歳の米国少年なら喜びそうだけど。 面白いかと聞かれると、悪をやっつける筋書きは定石通りでそんなに面白くもないです。 もっともわたしとて何でコレを観たかっていうと、出演作を選ばないオスカー俳優ニコジーの無節操ぶりを確認する、というだけの理由なんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-08-04 22:35:41)
7.  告発のとき 《ネタバレ》 
こんなに原題とかけ離れた邦題もないのではないか。これではジョディ・フォスター主演のやつかな、と勘違いしてスルーする人もいるだろうし、第一制作の思いが全然伝わらない。 トミー・リー扮する父親は古いタイプの軍人。かつての自らの軍人としての経験・信条が未だに生きていると信じていたのでしょう、息子二人も軍人になった。父は息子に語るのでした「共に戦線で命を張った仲間を裏切るはずはない」「お前はちょっと神経質になっているだけだ」。 でも現在の戦争は彼の時代と大きく様変わりした。父たるトミー・リーは大きく見誤っていたのです。 かつてエラの谷で英雄になったダビデの物語。(これが原題ですね)幼い子にトミー父が語ったような「勇気をもって戦えば勝利することができるんだ」的理想論はもう通用しない。 戦争はより複雑化して残酷になって人間の心を粉砕してしまうということを、ラストに息子の同僚に聞かされているトミー・リー。彼のひしゃげた顔はむごくて見ていられなかった。 トミー父の傍に地元刑事であるシャーリーズ・セロンを置いてサポート役にしていることが、観ている側の理解を助けます。彼女もまた、職務において自身の判断の誤りで悲劇を回避することができなかったという重荷を負っています。そして幼い息子の「なぜ王様はこどものダビデを行かせたの?」という問いに答えられない。 なぜ国家は若者を殺すのか。敵はゴリアテではなくなっているのに。国旗を逆さに掲げたトミー父の絶望を思うとやり切れない。 誰も勝者のないイラク戦争の一端を、静かに深く掘り下げた作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-07-23 22:29:44)
8.  コリーニ事件 《ネタバレ》 
ドイツ人資産家老人が殺された。犯人は逃げもせずに捕まるけれど、弁護士にも一切動機を話さない。導入部からして一級のサスペンスの様相。さらにその後の展開は予測不能かつ衝撃的でした。レオパルト戦車並に重量級の、まさにドイツにしか作れない映画です。 凡百の脚本ならば被害者のマイヤー氏が元ナチ親衛隊長であったことが判明したくだりで、状況は急転回し(傍聴席や検察側の動揺ぶりでも空気の変化は手に取るように分かる)‶1942年に何があったのか”を見せることでコリーニ氏の情状が酌量されて終幕となっていたことでしょう。 しかしここから話が二転するのには唸りました。 被告も若き弁護士(移民二世のトルコ人なんですね、これがまた)も観ている我々も、求めるのは「正義」のみ。戦後ドイツがずっと取り組んできた清算すべき課題が事件に大いに絡んでくるとは。ドレーアー法・・、知らなかった。衝撃を覚えました。 話の横糸となるライネン弁護士の人間関係も丁寧に織り込んであって、ドラマに厚みを持たせます。恩人を告発することの葛藤、恋人との亀裂、望まぬ師弟対決、とかなり盛りだくさんで穏やかじゃありません。そのうえ人種差別も顔を出します。 そしてフランコ・ネロの演技が素晴らしかった。台詞がほとんど無いにも関わらず、彼の瞳はあまりに多弁で圧倒的でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-06-14 23:46:39)
9.  恋する惑星 《ネタバレ》 
これは「映画」ではないですね。感性の表現をフィルムに落とし込んだ、90年代のミュージックビデオぽい映像作品です。 映画として鑑賞したならば、金城パートはお話として破綻してるしトニー・レオンの後半はフェイ・ウォンの住居不法侵入にストーカーの恐怖を抱いてしまうところです。 わたしは「アメリ」で鑑賞の仕方を間違って大失敗したのですが、今作は事前にみなさんのレビューで大体の作品味を押さえることができたので幸いでした。 ‶アート”の分野であると思って観れば、あら不思議うじうじ金城くんも独り言トニーも不思議ちゃんが怖レベルのフェイも皆生き生きと愛らしく見えてきます。 光の粒すら捉えている感のある映像は独特の魅力がありますし、若いということの手に余るようなどうにもならなさ、愛しさがよく伝わります。 90年代の香港の多人種で雑多なエネルギッシュなこと。かの都市の最後の自由な輝きを留めていることも、ノスタルジックな感傷を催しそうです。懐かしいといえばフェイ・ウォンの「夢中人」。綺麗な歌声は久しぶりに聞いてもやっぱりキュート。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-04-17 17:15:14)(良:1票)
10.  心の旅 《ネタバレ》 
善い人の愛のあるお話って皆好きだけど、上手くやんないとクサくなりがち。その点本作はベタではあるけど、心地よいハートウォーミングな出来となっていると思います。 オリジナル脚本を手掛けたJ・J・エイブラムスの力量もあるし、ハリソン・フォードの一本調子な表情が意外にも性格激変後のおっとりヘンリー像にハマった、とも言えます。 ヘンリーの性格変化に伴う人間関係の地殻変動描写がいいとこ突いてんなー、と思うのです。家族、特に娘ちゃんとのやり取りが図書館での小学生レベルのイタズラなど微笑ましくて巧いし、職場では良い味出す秘書のおばさんが好感度高いですし、家政婦さんもなかなかの存在感です。たくさんの周囲の人たちとのエピソードを描ける、これはやっぱりエイブラムスの人間観察力の賜かと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-12-03 23:01:45)
11.  殺したいほどアイ・ラブ・ユー 《ネタバレ》 
こんなに映画にうってつけな(?)事件が実際に起こるなんて、アメリカってのは実に奥が深いですな。こんな話脚本で書こうったってボツになっちゃうよ。撃たれたって死なないんだからね。 ‶あり得ない・リアルじゃない”というリミッターが最初から外れているだけあって、役者も制作陣ものびのびと仕事したんだろうなあと感じられますなんとなく。 リバー・フェニックスの青年期が見られてうれしい一本でもあります。「マイ・プライベート・アイダホ」の相方キアヌの強烈なダメキャラに比べると大人しくてつまんない役回りなのは残念。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-10-01 23:35:55)
12.  恍惚(2003) 《ネタバレ》 
*以下ネタバレしてます! E・べアールの露出度高めな娼婦ぶりだとか官能の側面ばかり話題に上った本作ですけど、実のところコレ夫婦の停滞期を迎えた中年女の屈折した心理の深い奥底まで潜り込んでいまして、ある程度の年齢と高めの映画鑑賞眼を要求される難しい作品だと思いました。 娼婦を夫に当てがってその内容を知る。屈折妻と娼婦の仲も妙に馴れ合って不可思議な友情らしき感情すら生まれるのがスリリング。またべアール演じるナタリーのキャラクターが、妙に雇い主のカトリーヌに対して義理堅い?ところも見せるものだから観ている我々もちょっとばかりナタリーに信を置いたりしてしまうのです。 こんなこんがらがった関係を自身で理解して演じるなど、アルダンとべアールクラスの力量のある役者でないと無理でしょう。そう、E・べアールでないとダメなのです。撮影当時38歳だろうと。(そしてちゃんと20代に見える!魔女なのかな) 本音では女として‶上から目線”だったナタリーは、プロのプライドを傷つけられたこともあってカトリーヌに嘘をついていた。終盤、二人の女としての立ち位置が逆転した時のF・アルダンの曰く言い難い表情ときたら。全編通してアルダンはほんとに微細で多彩な表情を見せるので、気持ちを読み解くのにかなりの集中を要しました。 フランス映画ってこと恋愛に関するとステージが高くて、恋愛ドラマの主人公はまず20代の我が国と成熟度が全然違いますね。今作のヒロインらと同年代のわたしはカトリーヌの気持ちは全然わかりません笑。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-06 23:13:43)
13.  恋の秋 《ネタバレ》 
美しいブドウ畑の田園風景とファッション。会話のやり取りから浮かぶ人物像。ここら辺はいつものロメールです。お得意の恋バナなんですけど、今作は登場人物らが40代なんですよね。それなりに人生経験を積んでるのに恋愛の仕方が20代と同じなのが、個人的にはちょっと痛いなあと思ってしまった。 意地を張るのも、思い切って行けないのも、若さがあるから初々しくてキラキラしいのでは。ぱっと見はおじさんとおばさんだもんなあ。やってることが、イザベル変じゃない?出会い系で人物を偽るなんてふつう相手は怒りますよ。嘘じゃん。相手の心を弄ぶことになるじゃん。中年ならそれ位わきまえてないと。 マガリもさ、結婚式に出席するのにニットとデニムの普段着で大丈夫なの?フランス人て服装のマナーには寛容なのかな。 中年に若者様式の恋愛ごっこをさせたロメール監督、ちょっと筆を誤ったかな?と思って観ていたのですが、いやいやラストシーンに超弩級の火種を撒いて終幕しましたよ。含みのあるイザベルの表情。今後の彼らのドラマにまだまだ一波乱あるんだろうなと思わせて怖いなー楽しみだなー笑。やっぱりただ者じゃないエリック・ロメールなのでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-22 15:39:13)
14.  コマンドー 《ネタバレ》 
シュワルツェネッガーが天下を取っていた頃の、シュワ筋肉映画ですね。何がしたいかって、筋肉を見せたいだけです。まあ客もシュワさんの筋肉を観に行ってるんだからwin winと申しましょうか。 やり過ぎなまでの筋肉無双ぶりにはもう笑ってしまうんですが、これが馬鹿らしさを突き抜けて清々しい。最近耳にしたんだけど冒頭の丸太は絶対に持てないそうですよ。 脚本なんかねえ、つっこむ意味もないほどにボロボロなんだけど、なんといってもしょっぱなのシュワの部下殺しの意味がわかんないなー。一人目のときはなんとゴミ収集員に擬装して襲撃してた。いやなんで。ターゲットがゴミ出しに出てくるのを待つ気だったのかな。でもゴミの日じゃなかったそうじゃん。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-12 23:59:02)
15.  go(1999) 《ネタバレ》 
多視点モノの秀作。傑作とまではいかないのは、一つ一つの話が他愛なさ過ぎるから。サイモンパートなんか馬鹿なうえ品も無い。お前らなんかどうにでもなれ、と突き放したくなる連中だもん。 薬の売買絡みでヤバイことになりそうな女の子がするっと無事に切り抜けたり、車に撥ねられたけどケガで済んだりとか、演出は怖いのだけどオチがユルイというセンスはなかなか絶妙に感じます。 ゲイの役者カップルのパートがユルさMAXで楽しかった。警官夫婦の妙な態度がまさかのマルチ勧誘(笑)。ひょっとしたらコレが銃や麻薬なんかよりコワいかも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-03 22:56:46)
16.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》 
‶巨大なもの”って人をわくわくさせる特性がありますよね。ダムとか空母とか戦艦大和とか鉱物採掘現場の巨大重機とか。巨大物好きにとって堪らないのが本作。コングもゴジラもその巨体を余すところなく画面に躍動させていて、胸が躍ります。 「大きさ」を伝える演出が随所で光ります。ビル群と比較させるのは定番ですが、ワタシが今作シビレたのは海でのバトル。コングの頭上から鼻先をかすめて降下したと思ったら、ゴジラの喉元をせりあがるカメラワークが素晴らしい。大海原にそそり立ち、ゴジラの横っ面をコングが張り倒せば、返す尾をしならせてゴジラが反撃。木っ端のような艦艇、周囲を旋回する戦闘機をひっつかんでゴジラに投げつけるコング(パイロットが脱出する人道的配慮アリ)と、デカい怪獣が大暴れする様は近年の怪獣映画の中でも屈指の爽快感に溢れています。 コングが顔つき性格ともにやけに「男前」なのは、そこはやはりアメリカ製だからでしょうか。ラストにコングを一瞥して「あばよ」的に海へ帰るゴジラもキャラ的に悪くはないですが、造形としてはわたしはやっぱりハンサムな「シン・ゴジラ」の方が好きかなあ。 惜しむらくは人間ドラマのパートがつまらな過ぎることです。観てるのが苦痛なくらいです。早くゴジラ出せよ、とずーっと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2021-07-05 23:51:28)(良:1票)
17.  心の旅路 《ネタバレ》 
なんとまあクラシカルな品の良さ。記憶喪失恋愛モノの原型ですね。展開も着地も予想できるベタっぷりですが、今どきやろうとしても突っ込みが入りそうなほどの奥ゆかしさ。 人物らが皆品下れず、苦労や困難に耐え忍ぶのです。登場時からずっと観客の「泥棒猫」視線を受けてきたキティ嬢の、まさかの潔い身の引きっぷりには驚きました。彼女の株が爆上がりした瞬間です。 そして構成の洗練されていること。古い映画にありがちな「だらだらして退屈」がありません。チャールズの記憶が戻った後はポーラには全く触れず、突然中盤に秘書として場に戻す。(ちょっとドアの画にタメがあるのが良いです)彼女の数年間の苦労についての描写を避け、さらりと台詞で語らせるのも「ああ苦労したんだねえ(涙)」とこちらの想像をかきたてる効果がありました。 何度も期待させてはポーラ(と鑑賞者)をがっかりさせる、じらし術のあんばいも程良かった。邦題でなんとなく敬遠してたけど、これは今も鑑賞に堪えうる立派な古典です。 それにしても妻の姿はおろか、スーツケースもネックレスも不発だったのにタバコ屋の婆さんが記憶の戻るきっかけって。いやなんでだよっとポーラの立場なら思うだろうなあ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-04-09 23:59:41)(良:1票)
18.  小悪魔はなぜモテる?! 《ネタバレ》 
コメディなのは重々承知しているのだけど、ほとんど笑えるトコはなかったな。十代の子が観たら面白いのかな。 いや分かりますよ。自意識で潰れそうな高校生の頃って‶悪ぶって”周囲から一目置かれることに心地よさを感じてしまうよね。・・けど女子の場合、やり過ぎてビッチ認定されてしまうと、注目されているようでその実ドン引きされてるわけで。ましてや金銭まで受け取って、となると「軽蔑」レベルまで評価が下がります。なんでフェイクなのにそんな不名誉なマネしてるのか、オリーブの気持ちがさっぱり分かんなかったです。 賢い子なのに友人が離れていくことが予想できないとはちょっと考えづらいですし、そもそもエマが地味で目立たないという設定が無理です。 現代の緋文字のヒロインはタフで打ち負かされないのよ、というメッセージなのかな?でもオリーブは何もしてないんだけどなー。緋文字と被ってるようで被ってないよね。 ヒロイン、わりとヒドイ境遇に次々見舞われる展開なんですが、徹頭徹尾軽くて明るい。可愛いエマが見たい人は楽しめるかも。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-11-28 23:32:08)
19.  コーチ・カーター 《ネタバレ》 
弱小チームを鍛えて優勝へ導く名コーチのありがち感動スポ根モノとはちょっと違いました。序盤こそ反抗的な荒れる部員と有無を言わせぬ強権的指導者、とステレオタイプでしたけど、S・L・ジャクソン演じるカーターコーチはバスケの技術だけでなく、人生全般をどう生きるかを説くのでした。 「勝ったからって調子に乗るな」「相手に敬意を払え」「奨学金に届く一定水準の成績を取れ」等々と、黒人ラッパーの如き忖度ナシのストレートな物言いでガツガツ来るのです。声も大きい。 まあ文化の違いを感じるというか父兄らにも「教育」の部分が浸透していないため、なんと彼らは「バスケをやらせろ」と猛抗議。やっぱり声が大きくて体もデカい。かの国で生きるには「自己主張」が強くないと押されてぺしゃんこになりそうですな。 お話はめでたくもコーチの熱き教えは部員らにちゃんと通じ、地区優勝は逃すも進学を果たす者もいたりで爽やかです。 にしても黒人である彼らの身体能力ね。ロッカールームでちょっとリズムをとるだけの上半身の動きのキレ、あれを見るだけでアジア人がバスケで敵うことなどとても無理な気持ちになりますね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-23 23:22:44)
20.  こわれゆく女 《ネタバレ》 
G・ローランズの神経症演技が鬼気迫るコワさなので世間は大いにどよめいたわけですが。わたしはメイベルを見ている間、既視感でいっぱいでした。この手の女の人は50年前に限らず、いつでもどこにでもけっこう居ますよね。ざっと思い出してみても、法事の場で突然小学生レベルの発言をして場を冷やす親戚のオバサン、役員会で反対意見を出されたら忽ち興奮して絶叫調になる園ママ、スーパーでカートを押しながらずっと自らの信条を大きめの声で独り言ちている中年女性、等々平均からズレている人にはけっこう遭遇してきました。だからメイベルは普遍的な社会の1ピース。そんなに特殊ではないと思うけれど、まあ周囲を困惑はさせますよね。 P・フォーク演じる夫は一般的あるいはそれ以上の「嫁には普通であってほしい」という願望の強い性格であったので、この二人ベストマッチではないと思います。もっと彼女に心を寄せて物事を見ていれば、子どもが裸で走っているのを見てもカッとならずに事態を正しく把握することもできたのです。実際子どもらは扮装ごっこの最中で楽しそうでしたよね?相手の親御さんはメイベルのノリについてゆけず迷惑してましたけど・・。 「なんでそんなに尻が大きいの?」などと言って人間社会を困惑させる人格。でも子どもらはママが好き。メイベルは生き辛さを抱えていても虐待親じゃないし、反社会的でもない。ゆるりと一息つけるラストが象徴するのは、メイベル「たち」のことを生暖かく見守る社会であれかし、という監督のメッセージにも思えました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-21 23:50:37)
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