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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1997
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  裏切りのサーカス
原作未読で臨んだところ、やはり一度目の観賞では全体像を掴むことは無理だった。でも、二度三度と観直して、一つ一つの場面の意味が分かるにつれて緻密に織られた脚本の見事さに仰天する。2時間という限られた時間の中に隙間なく美しく整えられたプロット、意味深い場面の連続に集中力は必要とするけれど、とても面白い。 諜報部員を演じる俳優陣の、職業柄、顔の皮膚の一番上っかわだけ動かしているかのような曲者演技が素晴らしい。特に主人公のG・オールドマン。表情筋をほぼ動かさずして、暗い淵を覗いているような瞳の演技だけで老獪なスパイの孤独を滲ませる。 スパイが生身の身体を張って、国家の誇りをも代弁していた時代。冷戦下に行き交う謀略と、個人の愛情や屈折した思い。非常にとっつきにくい印象を受けるけれども、話の流れさえ分かればこんなに深くて味わい深いスパイ映画はそう無いだろう。 数多の名画と同じく、年月が経っても複数回の観賞に耐えうる名作だと思う。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2014-01-22 00:09:50)(良:1票)
2.  運動靴と赤い金魚 《ネタバレ》 
優しくて暖かくて大好き。そうそう子供の世界って大人にはわかってもらえなくて理不尽に怒られるよね・・怒るなよーアリ大変なんだぞっ でも理不尽づくしでもなくて、溝に靴落として泣いてたら近所のおじさんが助けてくれるし 担任の先生が教頭にとりなしてくれたりする。たまたま体育の授業があって運動靴に引け目を感じなくてすんだり、ここらの監督の優しい眼差しにじーんとする。妹、ひいては生活のために4キロ走るお兄ちゃん。泣かずに見られない。この妹 普段はヨメさんのごとく不機嫌顔が多いのだけど、笑うととても可愛い。弱冠7歳にしてラストで見せる「やっぱりそんなものよね」的な諦念の表情ときたら。幸せな展開を予感させる冷たい水と赤い金魚がきれい。お父さん早く帰ってこーい。
[地上波(字幕)] 10点(2011-07-19 15:38:39)(良:3票)
3.  ウォルト・ディズニーの約束 《ネタバレ》 
ああ そうなのか。P・L・トラヴァースという作家の人となりを知って、原作メリー・ポピンズの世界がやっと理解できたような気がする。本当に長年のつかえが取れた思い。 メリーは甘くない。「スプーン一杯のお砂糖」なんかでごまかさず、子供に現実を直視させ乗り越えさせる。(E・ワトソンの台詞)この厳しさは父性の強い英国の子育ての伝統なのかと思っていた。しかしトラヴァース女史は意外やオーストラリア育ちなのだった。そしてそこで幼い頃に敬愛する父の苦しむ姿を経験していた。 メリーポピンズの背景である女史の幼少期がしばしば挿入され、おとぎ話の骨格がよりわかりやすく肉付けされてゆく展開は見ごたえがある。そして、それ以上に私の胸を衝いたのはウォルトの、愛の少なかった子供時代の告白だった。「もう疲れた。辛く悲しい風に過去を思うのは。」 ディズニー映画の、幸福や希望への強迫観念めいた迷いの無さがどこから来ているのか判った。 スプーン一杯のお砂糖が人生に必要なこともある。 方向性に違いはあっても、子供たちの良き成長を願う二人が歩み寄った時、もう泣けて仕方なかった。 そして巨大なディズニーワールドを支える、たくさんのトップレベルの才能にも感銘を受けた。作曲、脚本、作画etc。皆全力を尽くして作品に貢献している。バンクス夫人の造型については作者本人よりも深く考察していたほどだ。 偏屈女史をなだめすかしながら、ストレス過重の仕事を完遂したスタッフにも、敢闘賞を差し上げたい。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-07-22 00:05:41)(良:1票)
4.  ウィリーズ・ワンダーランド 《ネタバレ》 
お金に追われて来る仕事は断らないニコラス・ケイジ。近年は出演作のクオリティとともに俳優としての評価が迷走している感がありましたが、自ら製作を買って出てこんな素っ頓狂なB級ホラーを作ってしまうとは。大したもんです。個人的に彼への評価が爆上がりしました。 何しろまれにみるストーリーの内容の無さ。悪魔付きゆるキャラロボットVSケイジ、それのみです。これがケイジが一方的にバカ強いので決着は割とあっさりとつく。じゃあ一体何をもってこのバカ映画が良いのかというと、無言の男N・ケイジのキャラのシュールさに尽きます。 クソがつくほど真面目で潔癖症と思しきこの男、1人で片づけるなんて無理でしょレベルに荒れたテーマパーク内をせっせと掃除し、突然襲い来る人形らに一切ビビることなく、それどころか過剰なまでにぼっこぼこに打ち倒す。 女の子を援けもするけど、休憩時間を遵守する方が優先するという予想斜め上の性格。 もう話の後半になると、このエナドリとピンボール大好きな変なTシャツを着た中年のおっさんに魅入られてること請け合いです。ただし一部の人に限るけど。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-10-10 14:39:53)
5.  雨月物語
私は日本人ですので、外国映画祭の審査員ほどにはジャパネスク・ロマンに「おおっ」とシビれたりしないのですが。でも、この映像の幽玄なこと湿度の高いこと、目を瞠りました。ストーリーは「まんが日本昔話」をいくつか合わせたようなもので、驚くほどの展開は無いんだけれど、件の名アニメを実写したらこうなるんだろうなあと思わせるほど雰囲気が似ています。 廃屋だったはずの朽木屋敷に誘われ、いつしか凛とした豪邸に落ち着いているとき、こちらもいつの間にやら幻惑されているのです。明かりの灯る夕刻や、先代の兜の発する気や、妖女そのものの京マチ子らに金縛りに遭わされました。怖く美しかった。 戦が庶民らにとっていかに苛酷であったか、その描写も容赦なく厳しい。里に残した妻が槍の犠牲になる場面は俯瞰ショットで音も無く、素っ気ないけれどとても恐ろしい。 妻が遭遇した残酷さ、弟夫婦らが辿る愚かさと不条理、そして主人公が出会う異界。「昔話」のテーマがてんこ盛りの、見事な映像作品でありました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-02-27 00:12:43)(良:1票)
6.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 《ネタバレ》 
ある一日が繰り返される不条理、という題材は他作品(三崎亜紀氏の小説)でも触れたことがある。まさか84年にうる星のキャラですでに発表されていたとは。後年読了した小説の方はシリアスな現実感がずっしりと腹に溜まる感じだったけれど、アニメはなんといっても“うる星”なので暗くはならないのね。あたるの「それがどーしたのよ」的ないいかげん主義とラムの「毎日が幸せ」がベースになった現状では、さくらと面堂だけが真面目になってもからーっと明るい不条理だ。 画が凄い。映画の奥行きを活かした画の巧みさ。真実を知るさくらのこちらを見据えるアップ(ここ長い。びびった)、忍が入り込んだ鈴の重なる迷宮場面の陶酔感。飛行機でみるみる宇宙空間まで昇って知る、この世の(フザケた)全貌が現われるさまはまるでカメラで撮ったかのようななめらかな動き。当時のアニメとして最高の技術をふんだんに盛り込んだ画の力が、押井哲学ともいうべき難解なテーマに説得力を持たせ、かつうる星ファンをも納得させる作品にしていると思う。
[DVD(邦画)] 8点(2015-02-15 23:54:47)
7.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
うわあー、面白ーい、頭いいーっというのが、観た直後の感想。こりゃ楽しい映画です。冒頭でさ、マキちゃんが指輪を売るでしょ、「3000円だね」「えっ、それ、婚約指輪なんですけど」「・・・じゃあ3500円」のやりとり。ここで私はおおっとのけぞり、良い映画だと確信しました。掴みはOKというやつです。ヤクザも絡むけど内田コメディの極道さんたちはあくまでとぼけているので、マジ怖なこともなく安心です。 なんせ話が展開するにつれ快感ですもんね。端っこの展開図から見せられて、組み上がるにつれ えっ こことここが繋がって、こういう絵になるんだあって この巧みさ、物語を観る喜びでいっぱいになれます。お見事!
[DVD(邦画)] 8点(2014-11-10 00:41:37)(良:1票)
8.  ウォリアーズ(1979) 《ネタバレ》 
チンピラ兄ちゃんたちの、小さい抗争劇に過ぎないのに、どんどんかっこ良く見えてくる。キレの良さに乗せられる。逃走中にメンバーが一人減り、二人減り、減るといっても銃撃されるとかでなく、逮捕されちゃうパターン多し。改造車をぶっ飛ばすわけでもなく、こまめに公共電車を乗り継いで走って逃げる、というのもなんだかスケールが小さい。でもこれがいいんだな。売られた喧嘩、やるなら拳で。一人ストイックにメンバーをまとめるスワン兄さんにシビれます。リッチなカップル相手に見事なメンチを切って男を上げてます。 いろんな“組”のバラエティに富んだスタイルが見てるだけですごく楽しい。キッスペイントの野球チームにはその弱さも含めて笑った。Tシャツ組もサイケ風なのも一様にオシャレ、でもローラースケートのオーバーオールスタイルはNGかな。 志も予算もさほど高みにない(でも熱意はいっぱいある)、この手の作品は大好きだ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-12-09 00:06:50)
9.  牛泥棒 《ネタバレ》 
集団が思い込みで暴走する恐ろしさ。思いたいことを信じる人たち。これは100年前の出来事などではないということを、米議会襲撃事件で我々は目の当たりにしたのでした。 私刑を先導するアジテーターがいて、その危険な明快さに乗っかる多数の人間。トランプが火をつけて暴徒が議会になだれ込んだ映像と同じで震撼します。 そしてもっと重大なのはこういうことがアメリカだけにとどまらないであろうということで。 良心俳優ヘンリー・フォンダの若き姿を見ながら人間の進歩の無さに呆然とするのでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-30 22:31:45)
10.  ウェルカム トゥ コリンウッド 《ネタバレ》 
すんごくスケールの小さいクライムストーリー。犯罪計画を立てるメンツがそもそも秘密を守れないわ、頭の切れもさほどでもないわ、共通して金が無いという連中なので途中で起こるハプニングもとても小市民的。だいたいW・H・メイシーが参加する時点で「あーこりゃ上手くいかないわ」フラグが立つってもんです。 女に惚れて計画をドタキャンする奴、決行当日に怪我のトラブルに見舞われる奴、高所恐怖症は足を引っ張る。図面の確認すら疎かなので目標位置がずれている。しかも決行時に判明等々、トラブルの小っささが目を覆わんばかりです。バカだなあーと半笑いで生温かく見守るのが鑑賞のコツです。 金庫破りのレジェンドとして登場するG・クルーニーまで阿呆っぽい。ご教授する金庫破りのテクとかユダヤっぽい変装とかが絶妙に雑。 当然のごとく計画は予定通りに運ばず、その結果が冒頭のアホ面なわけです。でもまあこの4名、2名は現状維持、1人は彼女ができたし、残る1人は妻の出所が見込めるしで最良とはならずともぼちぼちの見返りがあったのではなかろうか。この小っさい収束の仕方もまた小市民ぽくて嫌いになれない小品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-13 18:00:33)
11.  ウェイバック -脱出6500km- 《ネタバレ》 
いや凄いな。自由を得るために人間てここまでできるものなのか。実話ベースという説得力もあって感嘆しきりです。 自然の厳しさ過酷さ、雄大なことを余すところなく伝える映像の雄弁なこと。 疲労と怪我で脱落していく者たちのリアルな痛みと哀しさ。 ああ、自分なら脱落組間違いなし、と己の体力の無さを鑑みて震えてしまいます。せめて「死んだとしても自由な人間として死んだ」、この言葉を魂の救済としたい。 そうそう、正直誰が脱走に参加しているのやら紹介不足で人の見分けがつきづらい作品ではあります。そんな中序盤だけの登場であっても強烈な印象を残したM・ストロング。エド・ハリス曰く「人の願望を吸って生きる奴」であり、地獄の中にあって虚構で精神の均衡を保つ男。コリン・ファレルのような分かりやすい悪党とは一味違う屈折ぶりが心にねっとりと残りましたね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-03-23 00:10:07)
12.  美しき結婚 《ネタバレ》 
いやはやロメール作品にはレギュラー出演の「情緒不安定女子」のなかでも本作のサビーヌは真打ちですなあ。 情緒不安定によるヒステリーの度合いも既出のメンツより二割増し。根拠の無い自信がそこに加わって自己中暴走ぶりもロメール他作品をはるかに凌ぐ過激さです。正直引きます。 まあかなりデフォルメされた女子像ではあるのですけど誰でも少ーしずつサビーヌなのはたしか。彼女のイタさを受けて我が身を顧みましょう。 ところでサビーヌには恋愛相談のキーパーソンになる親友クラリスがいまして、この取り合わせ「レネットとミラベル」に良く似ています。片方は都会的に洗練されていて気分も安定、もう一方は垢ぬけなくて若干こじらせ気味気性。 クラリスの着こなし、素敵でした。パーティ衣装より普段使いのスカーフやコートの方がおしゃれ。ロメールの映画はモードや灯りの撮り方がいつでも眼福です。 さて弁護士から「大人のあしらい」でフラれたサビーヌ、立ち直りも早い早い。さっそく次のターゲットを決めたようでこのガッツ、ちょっとアッパレにも感じますね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-07-01 23:39:48)(良:1票)
13.  ウエストワールド 《ネタバレ》 
すんごく先進的な、逆に50年経った現在の方がより身近な恐怖に感じるテーマですね。 AIの暴走といえば1968年のSF金字塔キューブリックの「2001年宇宙の旅」を思い起こしますが、本作はテーマパークで起こる殺人事件という気楽さですので、件の名作が提起していた哲学的命題の解釈に悩むことは一切無く、見やすいです。 アメリカって73年当時で「テーマパーク」という娯楽施設のコンセプトがこうも進んでいたんですね。日本の地方都市に住んでいた子どものワタシにとって、当時娯楽施設は動物園に併設された遊園地かせいぜいデパートの屋上くらいのもの。ディズニー・ランドの情報を少女雑誌で読んでまさに夢の国だと圧倒されていた、そんな時代に今でも実現すれば大当たりしそうな過去世界体験型のテーマパークを(映画の中にしろ)創り上げ、それだけに留まらずコンピュータが人間の手を離れる恐怖をも織り込んだとはこりゃすごい。 やりっぱなしで後片付けせず、なラストもオチの無い怪談を聞かされたような恐さの余韻が残ります。 ユル・ブリンナーがターミネーターの原型だったとは知らなかったなあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-22 23:18:42)(良:1票)
14.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
コンピュータオタクの高校生が思いがけず軍のプログラムにアクセスできちゃって起こる大騒動。ありそうでなさそう、いやでもこの時代ならけっこうあるんじゃないか、と思わせる絶妙脚本ですね。なんせ自軍のコンピュータ画面の方を相手国の人間の言い分より信を置く。「ソ連の言うことなんか信じられるか」・・いかにも冷戦下の状況を反映していて妙にリアルです。 モニター画面の画はコンピュータが作った単なるシミュレーション。なのに緊迫するお偉いさんたち。同時進行でソ連側では「アメリカが勝手にパニクって言いがかりつけてきた」と思ったろうな。米国各空軍基地ではイキナリ将軍から直電かかってきて「なんだなんだ」と慌てただろうし、と想像するのも楽しい。いやAIがさらに進んだ現代では笑いごとではないか。 ‟フェリス”まんまのマシュー・ブロデリックが小賢しい顔つきで今作もハマッてますし、マシューのハラハラ脱出劇や高速で情報分析するコンピュータを見守るしかできない緊張感漲るクライマックスは見ごたえあり。さすがベテラン監督の手腕が光ります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-05 23:52:34)
15.  ウインド・リバー 《ネタバレ》 
まず、未だに先住民居留地なるものが存在するとはびっくり。やせた土地に追いやられ、米国社会の末端に置き去りにされたままのネイティブアメリカンたちがそこにいました。 アメリカらしく道路だけはどこまでも整備されて通っているし、四駆のクルマはデカくスノーモービルも行き渡っているようだけど、カメラが捉える地域の画は見るからに活気が無い。仕事は無いし犯罪は多く、捜査の手もまともに入らない。地元警察署長の台詞「孤立無援には慣れてる」が、背景の全てを言い切っていますよね。まず先立つ諦め。 風土は厳しいし、社会がこんなんでは登場人物らがほぼ全員激渋で重く暗い表情なのも無理ありません。だからFBI捜査官のE・オルセンをフロリダ育ちという南国者に設定したのかも。彼女の、この土地と真反対のさくさくした懸命さが作品のアクセントになりました。 実話ベースゆえ事件に大きなひねりがあるわけではないのだけど、排他的な雰囲気や閉塞感がまとわりつくこの地域のサスペンス風土に心がやられます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-01 23:50:52)
16.  ウォー・ドッグス 《ネタバレ》 
面白かったです。”ハングオーバー”で見せた脚本作りの巧さをいかんなく発揮できてる感じです。起承転結がキレイに決まってストレス無く観賞できます。畳み掛けるような展開と、納得行く落とし方。画も紛争地の現場などはリアルで緊張感もちゃんとある、一級品の出来です。 この作品、主役二人に肩入れも応援もできないというのが好感した作品では珍しいところです。小ズルそうなデブと間抜け面の白人アメリカン。仕事は武器商人。こいつらが武器調達に成功し、いい気になってくくだりはなんとなくイラーっとさせられます。あの奥さんもどうだ。あんな異常に豪華なマンション、まともなシノギで住めるわけないだろうが。気づけ。 で、半分トーシローなこいつらの甘ちゃん認識を吹っ飛ばすガチな闇商人のB・クーパーが良い仕事をします。ちょっと存在感から違うもんね。 ところで彼がカジノに現れてルーレットの卓に着いたとき、細身の黒いスーツ姿といい、おやあの4人組の不良先生か?と一瞬思っちゃったのは私だけじゃないよね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-11 16:39:11)
17.  ヴィジット 《ネタバレ》 
私は自他共に認めるシャマランの良い客でして、毎度彼の術中にハマります。今作もけっこうな数の「途中でネタが分かった」という声を耳にするともうびっくり。世の中聡い人って多いんだなあ。ワタシは素直なので最初っから姉弟目線で話を追います。祖母が奇行を見せ、祖父までなんかヤバイ、となってもお姉ちゃんと一緒に「お年寄りなんだからしょうがないよ」と思うのだ。地域の住人だって訪れてくれるんだから、病気の前はちゃんと社会性があったみたいだし、ホラお母さんだって「元ヒッピーの変人夫婦なのよ」って言うし。 これらの材料にすっかり手なづけられたワタシのような客は、その実態が判ったとき心底震え上がるのだった。いやーもう、怖いやらシャマランやるなーと感心するやら。 そしてまた、この頑張った姉弟の成長譚となっているのも心憎い脚本ではありませんか。二人とも去った父親の枷を振り切って前に進み始めたのですね。ちゃんと鏡を見て髪をとかす姉と、恐怖体験の克服をラップにのせて披露する弟。ちょっと他にないほど、微笑ましく感動的なエンディングに感じました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-04 23:55:41)
18.  ウルフマン(2010)
なんとなくタイトルからアメコミかと思ってたら、これが意外や意外、王道のゴシック・ホラーでした。 どう見ても中米顔のデル・トロに襟丈の高い英国貴族風の衣装がほんと似合わなくて、初めこそどうしようと思ったのですが、そこは高い演技力。エミリー・ブラントへの控えめな恋情が悲恋へと向かうにつれ、こっちも気持ちが入っちゃって格好はあまり気にならなくなりました。 ギャラの高そうな演技巧者らが情感溢れるお芝居を繰り広げて私好みですが、ストーリーは至ってシンプル。話はあっさりだけど、VFXも美術も力が入ってます。獣の殺傷能力の高さを克明に伝える襲撃シーンはグロテスクなほどで、苦手な方はやや観賞注意です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-21 23:29:44)
19.  ヴェルサイユの宮廷庭師 《ネタバレ》 
2016年はたくさん偉大なアーティストを失った辛い年でした。アラン・リックマンも逝ってしまった一人。長い演劇活動の最後に彼自らがメガホンを取った作品は、上品で格調高いラブストーリーでした。 17世紀のフランスにおいての女性造園家の奮闘が描かれているのかと思いましたが、公式サイトによるとサビーヌ・ド・バラは架空の人物だそうで、恋愛ドラマの主人公をわざわざベルサイユに持ってきた意味はといえば、やはり絢爛豪華な舞台装置が欲しかったんでしょうな。狙い通り、映像がとても美しい。豪奢な宮殿も、フランスの緑濃い森や田舎の一本道も。なんと英国での撮影も混じっているとのことですが、輝く陽光の下での庭園などは美術品のようです。 マダム・サビーヌについては資料も残っていないそうですし、あの時代に未亡人が誰の弟子でもなく、援護も受けず庭園技師として独り立ちしていたとはちょっと考えづらいなあと思ったのだけど、K・ウィンスレットが、芯の強い聡明な当時のキャリア・ウーマン像を見事に作り上げています。庭仕事イコール力仕事。ケイトの立派な二の腕やかっちりした肩幅なんかも、女性造園家の設定に説得力を持たせているような。 フランス貴族社会のお約束などろどろ恋愛模様もちゃんと織り込みつつ、マダム・サビーヌとル・ノートルの互いの想いはあくまで奥ゆかしく、英国人監督の感性を感じさせます。 名優アラン・リックマン、美しい作品を残してくれました。改めて合掌の思いです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-06-09 17:23:22)
20.  ヴァージン・スーサイズ 《ネタバレ》 
”ガーリー映画”の旗手なんだそうでS・コッポラは。そんなジャンルがあるとは知らなかったが。女子映画といっても、女の子の心理を解き明かしてくれるような作品ではなかった。姉妹のうち焦点が当てられるのは四女のキルスティンのみで、他の3人(生存の)は完全にお飾り状態。もっとも、各人の性格まで丁寧に踏み込むと”若草物語”みたく健全なものになってしまうのかもしれん。それは監督の狙いと外れてしまうだろうし。 なんとなく感じたこの映画の凄いところは、少女の抱く漠とした不安や苛立ち、不穏な空気をすべて映像で伝えてきてること。画は大変綺麗だ。すごく良いカメラを使っているのかな。 金髪の美少女らはもちろん絵になるし美しいけれど、その明るさと対になっている暗さの方がじわじわと脳に来る。支配欲の強い母親の統べる家、その暗さ。なぜパーティを地下室で?レコードは焚書扱い。たちこめる煙。末娘が飛び降りた窓、柵。こわい。 冒頭から頻出する、木を枯らした毒。街そのものを汚染していた有毒な伏線が、ラストで彼らの大人への出立を覆う。緋色の映像で。この不吉なこと。 青春の残酷や潔癖、無理解、いろんなキーワードが言葉でなく、映像で流れ出る。詳細に語らなかったことでぼうっとした怖さの手触りのみが残った。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-08-07 23:47:55)
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