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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1997
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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581.  クリード チャンプを継ぐ男 《ネタバレ》 
ロッキーシリーズの新作かと間違った予想で観てしまった。これはロッキー新章でなく、主人公はドニーなのだね。ロッキーはセコンドとして脇に退いているけど、でも画面に映ったときの吸引力はさすがにスターです。年をとった武骨な優しさに渋みも加わっての存在感は、どうしても若武者を食ってしまうオーラがありました。 新世代の若きチャンプの人生を新たに織り成そうという意気込みはわかります。でも、ロッキーの若い頃と比べるのは酷でしょうが、人生=ボクシングへの熱量、画面からあふれ出る生活のリアルといった話の厚みがかの名作よりぐっと劣ります。だってさあ、ドニーはかっこいいもん。しゅっと引き締まった筋肉美、賢そうな顔つき。ガールフレンドは美人の歌姫、何不自由のない養母宅での育ち。どこにも客が共感し得るハングリー要因が見当たらんのですよ。イタリアの種馬ロッキー・バルボアの野暮ったさ、不器用さを愛したファンにはぴんと来ない造型の主人公なのでした。 ワタシがどっと落涙した場面はドニーがなんとか敗けずに試合をやり遂げたシーンではなく、ロッキーがフィラデルフィア美術館の階段をやっと登りきり「誰か階段を足したな」と冗談をとばすラスト。ああ一緒に年をとったんだなあとしみじみし、心から老ロッキーに労わりと感謝の念を覚えましたよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-29 21:24:13)(良:1票)
582.  プリデスティネーション 《ネタバレ》 
*ネタばれしてます。未見の方は御注意。や、あまりに予測不可な話だったので、もっと説明がほしくて「えっこれで終わり?」とエンドロールを眺めながらうろたえた。でも録画していたのを幸いに何度か観返してみるとちゃんと全部言い尽くしているんですよね。伏線もすっかり回収してて謎を残さない。 ぐるぐると還って始まりも終わりもない物語を巧みに整理できている構成力は満点です。 ちょっと物足りないのは仕組みの説明に終始していてドラマとしての広がりが無いこと。タイム・パラドックス系の他作品に見られるような、他者(両親とか殺し屋とか)が関わってきてそこから事件スタート、という展開じゃないので「ああ、そういうことだったんだ」で感想が終わっちゃう。登場人物がほぼ一人の話なのでそれも仕方ないのですが。 あとねえ、個人的に腑に落ちないのが「自分」に恋するかなあ~というところ。子供まで作るかなあ。わが身に置き換えるとどうにもキモチ悪くてちょっとそこはノレなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-07-26 00:15:26)(笑:1票) (良:2票)
583.  鋼の錬金術師
私は原作の愛読者であるので、この映画への酷評をたくさん耳にしたうえで、心してハードルを下げて観賞しました。 やっぱり「漫画を実写にする」ことの難しさ、を克服できていないです。そもそも二次元の紙の上で紡がれる物語世界にはそこでのみ了とされる様式があり、読者は暗黙のうちにそれを理解して世界観を受け入れます。しかし、漫画のコマをそのまま生身の人間が絵のとおり再現しようとすると強烈な違和感が生じます。語尾を「~じゃ」で終わらせる博士や「ざます」オバサンが現実世界ではほぼお目にかからないように。そのキャラクターのエッセンスのみを生かすべく、一旦三次元向けに変換が必要かと思うのですが、それができていない。アジア人の顔に乗っかる金髪は目にうるさいだけだし、台詞回しに至ってはギザギザ吹きだしのままデカイ声を出すのみのアイドルの大根ぶりはちょっと見ていられません。 原作は全27巻に及び、土地や民族の歴史を織り込んだ深みのあるお話です。そもそも2時間に収めるのは無理なのです。映画「ハリー・ポッター」は各巻ごとの制作だし、「ロード・オブ・ザ・リング」だって三部作なのです。そこをなんとかやれと言われれば、最初と最後を無理やりくっつける、こういうやり方しかないのかもな、とも思います。脚本はむしろすごく頑張ったのでは。 ファンを納得させる出来ではないにしろ、でもこの映画わりと「まじめに」作られた感があり、キャスティングなどは原作のイメージを損なわない役者を揃えています。辛口ファンも認める松雪泰子はもとより、タッカー役に大泉洋とはナイスな起用でした。こんなにハマるとは。マスタング大佐にディーン・フジオカも私的にはアリなのですが。あの年齢で前髪ありの髪型が様になる役者が他にいるとは思えない。 それに映像技術のレベルの高さも良かったな。架空のヨーロッパぽい土地の風俗は漫画のままだし、ダーク・ファンタジーの雰囲気を損なわないようにグロテスクな怖さも綺麗めに描写していますし。アルの動きはまったく滑らかで、”そこにいる”かのように感じながら観られたのは素晴らしかった。かつて「REX」が「ジュラシック・パーク」と同時期に公開され、わが国の映像技術レベルの哀しさをひしひしと噛みしめた頃を思うと隔世の感があります。 ということで、いろいろ引いたり足したりで5点。甘いかな。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-07-23 00:41:16)
584.  MAMA(2013) 《ネタバレ》 
お化けがついてきちゃう、というよくあるパターンに「切なさ」をプラスしたところが、凡百のホラーとはちょっと一味違います。 かつて迫害されて我が子を失ったMAMAの、まあ人違いかつ筋違いな執着母性がこのオバケの本質。凶暴な振る舞いも、わが子を守るためと思えばMAMAにも一分の理がありましょう。 叔母さんの身体を乗っ取ったのも、この世での「本体」が欲しかったのかもと考えると、あのかくかくした動きには哀れすら漂います。MAMA、ソレ上手くいってないよ・・。 全体の落ち着いた色彩やトーンはいかにもギレルモ印。才女のイメージが強かったジェシカ・チャステインが気のいいロック姐御を演っててびっくりしました。演技力の幅の広さを感じましたね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-18 20:03:01)
585.  アナザー・カントリー
美麗な英国男子総動員ということで当時の腐女子の間で大騒ぎになってたもんです。ブリティッシュな様式美は感じ入るばかりで、わーキレイ、美しいーといったミーハー目線でしか捉えられず、舞台となる英国のその時代背景や貴族社会の特性を浅いながらも学んだのはずっと後のことでした。 時は1930年代、大陸ではファシズムが台頭し、英国では政治はまだまだ貴族が仕切るものであり、一方でケンブリッジ・ファイブと呼ばれるスパイの存在も不穏に影を落とす。特権階級の主人公らにとっては価値観が大きく揺らぐ時代だったのは間違いありません。 狭い貴族社会の中でパブリックスクールの十代ですら出世競争に神経をすり減らす美しきボーイズ。繊細で悩み多い季節をきらきらと演じた若き俳優陣の瑞々しさは普遍の青春群像と言えましょう。 ああそしてやっぱり特筆すべきはコリン・ファースの美貌。キングスマンも好きだけど、この映画に出て若い輝きを永久に残してくれたことに誰にか分からないけどとても感謝したくなるのでした。
[DVD(字幕)] 6点(2019-07-15 23:57:43)
586.  ザ・ファーム/法律事務所 《ネタバレ》 
ザ・スター、トム・クルーズを主人公に、周りをベテラン巧者で固めたうえ監督は社会派の名匠というまったくケチのつけどころのない一本です。もっとも過剰に手をかけた料理が必ずしも美味しくないのと一緒で、本作もいやー面白かった!と興奮するほどのものではなかったですな。ソツの無い娯楽映画です。 キラッキラのトムの仕事ぶりはいつもながら可も無く不可も無く、下手ではないけどおお、と感心するほどの芝居ではなく評価しづらい。周りがG・ハックマンにエド・ハリスにD・ストラザーンときては、そっちに目が行ってしまいました。兄役のストラザーンをもっと出してほしかったな。 原作は未読です。だから、出演作品では必ずスーパーな活躍を見せるトム・クルーズがいかにも現実的でセコイ抜け道を選んで了とするとは意外でした。まあたしかにFBIのやり方に全人生を委ねる義理は無いですもんね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-13 19:38:22)
587.  幸福の条件(1993) 《ネタバレ》 
女房を一晩100万ドルでヒヒ爺に売れるか、ってミもフタもなくストレートにお下劣な発想の、それ以上でも以下でもないお話。キャストにレッドフォードとあったので、ええーアメリカの良心がエロじじいを演るの??と驚愕したんですが、あーやっぱりレッドフォードはどこまでも紳士でして、このシナリオから想像される品下れた人格ではなかったです。つまり、もうプロットが破綻しちゃってるんですよ。だって大金持ちなうえイケメンで良い人なんだよ?こんなん圧勝じゃん。レッドフォードを選ばない女がいるとは思えん。 設定崩壊の割を食ったのが若い夫の方で、セレブ紳士への劣等感から嫉妬の塊になって嫁に手を上げるわ、女房が身体を張った100万ドルを勝手に使っちまうわで、ひとつもいいとこなしのひどい役です。W・ハレルソンも良く引き受けたなあ。こんなやつにさあヨメが操を守って提案を蹴ったとしても、その後生活が困窮した折々に「あのとき100万もらっておけば」とかごちゃごちゃ言い出すんだよ。まとめますと、あり得ないうえにオチも納得いかない変な映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-07-11 20:30:03)
588.  人生タクシー 《ネタバレ》 
いや、いいですねえ。イランは80年代にパーレビ元国王妃の援助で良質の映画作品をたくさん作れるようになったと、キアロスタミ監督がインタビューで語っていましたけど、その血脈が受け継がれているような本作は寡黙だけど雄弁な一本です。 イラン社会の今を切り取って見せるため、たくさんの市民の声を拾うべく監督が出したアイデアが自らタクシー運転手になるというもの。これが低予算で目的達成大成功なのでした。 泥棒横行、死刑は多いし女性の権利もとても低い。映画の上映には厳しい規制があったりと表現の自由も制約されているようで。でも登場するイラン市民が明るくタフなので、暗さ、辛さを観る者に押し付けることがないのです。 監督の姪っ子はキュートで口が達者。スカーフを被っていたって、自分の意見はハッキリずけずけ表明しちゃうのだ。金魚鉢おばさん二人の、大阪オバチャンも真っ青の厚かましさには笑ってしまう。口悪いし。金魚も絶対大丈夫だな。イランの生き物だもんな。 ラストはまさかのカメラ泥棒。いやちょっと。油断も隙もないったら。困ったもんだ。だけど見終わったら愛すべき人たちの国だなあ、とつくづく精神的な近さを感じるのはなぜだろう。イラン映画はいつでもそんな作用があります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-08 19:01:02)(良:1票)
589.  ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
ハリーポッターのスピンオフ的なイメージを抱いてましたが、新作としてとても楽しかったです。 魔法世界を描くCG技術には今さら驚嘆すべきものはないけれど、舞台となる1920年代のニューヨークは落ち着いた色彩で纏められており、この雰囲気がまず良かった。 主人公と逃げた魔法動物の追いかけっこを本筋として、街で連続する不可解かつ物騒な事件を横糸に絡ませたストーリーはきちんと謎解きになっていて面白く出来ていると思います。もっとも、真相から目を逸らせるミスリードのプロットはハリーポッターシリーズと同じじゃん、という指摘もありましょうが。 そしてこの映画の一番の功労者はエディ・レッド・メインでしょうな。彼が与えたニュートの造形すなわち動物オタクの優男キャラは100%完璧で、彼以外の配役はもはや考えられない。ハリポタシリーズ後半ではおじさんぽくなってしまって高校生に見えづらかったダニエル・ラドクリフよりも物語の主人公への理解度が高いと思われます。 エディの繊細なことと、魔法動物の奇想天外なことに心掴まれたワタシはそういえばかつてポッタリアンだったのでした。魔法の世界観にノレるタイプには楽しみなシリーズができました。ニフラーにプラス1点。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-04 17:10:22)
590.  ジェーン・ドウの解剖 《ネタバレ》 
ストーリーは特にヒネリの無い密室ホラーでした。いわくつきの魔力を帯びた死体(元魔女?)が原因で皆死んじゃう、となかなか凡庸であります。ほぼわーとかぎゃーとか叫んで逃げてるシーンばかりに感じられ、ちょっとあくびも出ました。 けれども評価できる点もちゃんとありまして、雰囲気先行型の映画だけあって「死体」がとにかく怖い。やけに白い肌とか何も見てない青い目とか。これは女優さんの演技力?の賜物というわけじゃないんだろうが、彼女が横たわる解剖室の怖さはただならぬモノがありました。信じられないことに、解剖医親子は何度か解剖室に戻るんです。えっ、よく戻れるなああとワタシは本気でイヤでした。 あとラストにラジオがさらっと「これで4日連続の晴天です」って言ってたのも、オマケ的に不気味ではありました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-07-01 23:57:01)
591.  袋小路(1965) 《ネタバレ》 
初めのうちは仕事に失敗したらしいおっさんギャング二人組の「これから」が話の中心になるんだと思ったのよ。そしたらどんどん斜め上の方へ進むから驚いたなあ。 若妻にぞっこんの絵描きが全財産はたいて購入して暮らす古城。そこに突然の闖入者が冒頭のギャング。他者が入ることで磁場が乱れて崩れる絵描きの人生・・・、にみえる。でももともと危うかったのですよこの夫婦は。若い妻は貞淑じゃないしそれを夫は薄々気付いているし。急に訪問してきた親戚の様子から、絵描きの前妻も何やら大きく彼の人生に影響を及ぼしていることが分かる。でも具体的な説明は無い。こういう曖昧な感じがこの話多くて、夫婦二人はさほど積極的にギャングおやじを警察に突き出そうとしないし、嫁はガキっぽくふざけていたりで。微妙にシュールな全体構図のなか、一人ギャングおやじがいい味を出します。図々しいし荒っぽいけど、最初に嫁の浮気現場を目撃したことは黙っているし、「庭師」の役回りを突然ふられてもちゃんとこなすのには笑った。絵描きもつい胸中を吐露しそうになっちゃってたりね。 ポランスキー節が光る独特の人間ドラマだけど、中心軸がどっちつかずでね。ぱっと見ギャングにありそうで、でも絵描きの人生についてもっと語ってほしくもあり。うーん惜しい。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-29 23:42:04)
592.  オール・アバウト・マイ・マザー 《ネタバレ》 
女性賛歌と評価されているようで。確かに登場人物は女(または自覚が女)ばかりだけど、女だから頑張ってる、というよりこのシチュエーションでは誰だって一生懸命生きるんじゃないのかな。 タイトルが「母について」なのもちょっとどうかな。母親であるというアイデンティティはマヌエラの行動や生活にさして影響していないみたいだったけど。「お母さん」のあり方がどう描かれるのかと期待して観たから、その点は予想と全然違う話でした。 ボランティアで世話してる女装男の子を孕むシスターとか、同性の付き人との恋情に悩む舞台女優だとか、この監督ならではのぶっとんだキャラばかりで共感もなにもただただひえ~っと眺めるばかりでありました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-20 21:51:40)
593.  普通じゃない 《ネタバレ》 
この設定、すなわち天上界から人間の営みに介入しようというコンセプトならば、あの天使二人がもっと活躍しないとバランス悪くてしょうがないよね。キャメロンとマクレガーの二人の人生が交錯していることが人外の手によるものだよ、という感じが全然しないうえ、天使がいつ絡んでくるのかと思ってたら殺し屋役を買って出るやら、斧振り上げてボンネットに仁王立ちで襲ってくるとか、およそキューピッド役とは思えない破天荒な仕事っぷり。何か違わないかい。 なぜ心臓を撃ちぬいたらハッピーエンドなの?そこがクライマックスとばかりの描き方だったけど。作り手が勝手にどたばたしてる感が否めない。 ダニー・ボイル、ちょっと肩に力入りすぎだったんじゃないですかね。ハリウッド進出第一作だから、度肝を抜くようなセンスで皆を感嘆させよう、とアクセル全開で突っ走っていったら誰もついて来なくて気付けば一人、そんな作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-06-16 12:03:14)
594.  ショートウェーブ 《ネタバレ》 
冒頭5分で忽然と子供がいなくなってしまう。予期せぬ恐ろしさと冷やっとする感じで掴みはOK、だったんですけども。 ちょっとその後の展開がね。お母さんがノイローゼ気味にピカピカの無機質住宅で過ごすくだりが漫然としてるうえ、しょっちゅう挿入される「森の幽玄な雰囲気」てのも何が言いたいのか最後までよくわかんない。まさに雰囲気のみ。 序盤から雰囲気重視のサイコホラー感で進めてきたのに終盤突然グロ系スプラッタになっちゃうんだもんなあ。こちらの切り替えが上手くいかなくてノレなかった。 怪奇の「理由付け」も宇宙からの短波のせいにしてんのが苦しいぞ。黒幕の友人男を殺しちゃってさあ、おかーさんどこの施設に娘を引き取りに行けばいいのか分かるのかしら、と観終わって一番思ったことがそれ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2019-06-07 20:31:32)(笑:1票)
595.  レヴェナント 蘇えりし者 《ネタバレ》 
人が神の存在を思うときってどんな時だろう。この映画を観て思った。自然が文明を圧倒している場に一人ぽん、と放り出されたら、生死の際にあったら。生きることは神との対話に他ならないだろう。19世紀初頭、人間が自然を克服しきれていない時代では生き死には創造主の意志次第という考え方は人間皆の根底にあったのかも。無神論者のフィッツジェラルドの父親でさえ、飢えの極限で食料となるリスに神を見たのだ。 「自然」、アメリカ北西部の晩秋の森、山河の厳しいことったら。葉が落ちているので木々の間はすかすかで、その空間からのぞく空の青の薄いこと。差す日の光もはかなく白っぽく、でもそれすら恩寵に感じる。生きるために死んだ獣の骨から髄液をすすり、絶命したての馬から内臓を抜き取って身体を収め、吹雪をしのぐ。 生と死がせめぎあう凄まじさを演出した北米の原始のままのようなロケーションが圧倒的。雄大で美しく、気が遠くなるくらいの孤独をもはらんで容赦ない。 先住民は常に生活を神に委ねている。劇中何度もグラスの妻の祈りが繰り返されるように。グラスもついに最後には「復讐は神の手に」任せた。 違う時代と国に生きるワタシにすら神の存在を考えせしめたこの映画の映像の力には感服した。撮影班はまったくオスカーにふさわしい。ディカプリオには「大変よく頑張りました」賞でいいと思うが。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-06-06 18:51:37)
596.  ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 《ネタバレ》 
これぞ資本主義の行き過ぎた見本。ザ・弱肉強食。こんなのどうしても創業者サイドに立って見ちゃうよ 人間の情をもってして考えるなら。レイ、何もアイデア出してないじゃん。 人の考案を使ってこんなに成功するんだなあアメリカは。もちろん「権利」についても世界一法的に守られる国だとは思うけど、その法的解釈のグレーゾーンを巧いこと出し抜けるレイとそのブレーンの賢しいこと。哀れお人よしで田舎者のマクドナルド創業兄弟は何もかも取り上げられるのだった。契約破棄の和解金を得たからヨシ、ということではないですよね。彼らの誇りと生き甲斐を横取りしたんですから。 ほぼ共感を得られないであろうレイ・クロックをマイケル・キートンが怪演。冒頭から誠意の無い顔つきでこちらを圧倒。良心も躊躇も無い、あるのは図々しい野心だけという凄い人格のキャラですな。糟糠の妻から仕事仲間の嫁へと乗り換え、私生活までヒドイ。M・キートンのことまで嫌いそうになっちゃったし、マクドナルドもがぜん下品に見えてくる。店側としてはこの映画を公認していないとか。そりゃそうだろうねえ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-06-05 17:16:00)(良:2票)
597.  眠れぬ夜のために
何かと同時上映だったんですよたしか。D・ボウイ観たさに封切り当時観賞したのでした。 今観るとなつかしいなあ。人が死んでもノリが軽いとか、お金がだぶついている雰囲気とか明るい画が80年代ぽい。時折挟まるユーモアは今でも笑えるし、サスペンスというほどでもないユルめの緊張感は暇な休日の「ちょっと映画でもみるか」という空き時間にぴったり。 ミシェルが流行落ちしていないショートカットなのも幸いし、80年代ってダサいなあーと思われがちな痛いファッションをうまいこと避けられています。 ただ私的にJ・ゴールドブラムが主役てのがどうもね。あの鈍重な顔や体型はこの作品の軽さを著しく損なうと思うんだけど。
[映画館(字幕)] 6点(2019-06-03 18:06:40)
598.  雨の日は会えない、晴れた日は君を想う 《ネタバレ》 
人の心ってのは難しい。いやわかりますデイヴィスの気持ちはなんとなく。おそらく彼はずーっと抱き続けてきたのでしょう違和感を。結婚生活に対して、そしてあてがわれた仕事に対して。だって彼は生来「正直が売り」(知人談)の人なのだから。 やり過ごしてきた日常が突然破壊され、どこに自分の心を置いていいのか分からなくなる。だから彼はいったん解体する。モノを。突き詰めれば自分の心を。もう一度構築するために。 なんて感覚の鋭敏な人だろう。彼は義父母のように「普通に」妻を追悼することができない。だって彼らのやってることは欺瞞だもの。義父母の娘は彼らが思いたいほど清廉ではなく、事実デイヴィスへの裏切り行為が最悪の形で発覚するし、ついでに義父の選んだ「人格品行方正な」奨学生は初対面のナオミ・ワッツに手を出す最低野郎だというシマツ。ああなにもかもが嘘っぱち。 だからデイヴィスは壊すのだね。ぺかぺかの居間を、豪勢だけど空疎な家を。 心バランスを失って「変人」すれすれの行動に及ぶ主人公はジェイク・ギレンホール。彼はこういう役をやらせると天才的に上手い。 デイヴィスと心が共鳴し合う15歳のナオミの息子を配したのは心憎い脚本でありました。映像もキレイです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-05-30 17:35:00)
599.  アンドロメダ・・・ 《ネタバレ》 
終始一貫してソリッドな作り。まるでNHK特集の生真面目な再現ドラマを見ているようです。 ちょっと色気のある制作者なら、未知のウィルスにパニックになる市井の人々だとか、スクープを抜こうとする記者とかの描写を入れそうなものですが、もう頑固なまで科学者サイドべったりの目線。たまにホワイトハウス側の「どうなってるんだよ」という外野の声も入るには入りますが。  スター不在の地味なめんつが地味に(そして必死に)原因を探すのに付き合わされる130分。全身消毒を繰り返すくだりはさすがに飽きますが、派手さは無くともこれが意外にサスペンスフル。特に冒頭の”死の町”描写は淡々としてるが故にぞっとする光景が現実味ありでとても怖いですし、赤ん坊の泣き続ける声というのもこちらの気持ちをざわざわさせます。 そして本作は71年の作品ながら、コンピュータ等の機器に古臭い感性が少ないのも観やすかったです。66年の「ミクロの決死圏」のメカは正直「未来風な」デザインを目指しすぎてヘンテコになった感がありましたから。テレビ電話やタッチ画面など、やけに正確に技術予見してるなあ、と驚きました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-29 16:46:52)(良:1票)
600.  ムーンライト 《ネタバレ》 
観賞前にこうかなと特に予想してたわけではありませんが、こうも淡々とした筆致なのは意外でした。 一人の黒人男性の中年期までを三部に分けて言葉少なに紡がれる物語。黒人のシングルマザー、しかも薬物中毒、ゲイ、売人と宜しくない環境下での彼の人生の困難を想像するのは難くないですが、それにしても”語らなさすぎ”に感じました。少年期も青年期も、うんそれで?と思ったらさらっと幕を閉じて数年後に飛んでしまう。よっぽどシャロンの人生に強く共感できる人でないと物語に入り込むのは難しいのではないでしょうか。 こういった内省的なテーマは例えばヴェンダースやジャームッシュらが発表してきた分野かと思うのですが、彼らのような先達が表現してきた生き辛さと、それへ示された包容力を上回る出来とまでは思えませんでした。この手のテーマ作品はこれまでマイナーな単館上映扱いだったのに、比べて本作はアカデミー作品賞なのですね。「ラ・ラ・ランド」が賞レースを席巻する中、近年盛り上がっている「白人びいき」という批判をかわすための配慮が多いに働いたと思うのは私だけですかね。 実際「ムーンライト」の好評価内容は「映像が美しい」というものがとても多い。物語性云々より、まず画が人によっては刺さるみたいです。ヴェンダースだってすごく美しい映像だったよ。観たのは名画座だったけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-05-27 21:19:36)
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