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これ見て2年程たってから,鎌田敏夫の原作を読みました。私も子供の頃,周囲の大人たちに薦められて,「南総里見八犬伝」の現代語訳を読んで,クラシカルな雰囲気とは裏腹に,活劇あり,妖怪話あり,恋愛シーンに戦闘シーンと,平家と雨月と近松を合わせたような面白さがあり,こりゃ化政時代の(脱稿は天保か)エンターティメントだ,とえらく感心した覚えがあります。鎌田版八犬伝は,原作の勧善懲悪とか儒教的道徳精神は皆無で,ちょっとばかりのお下劣(失礼。えっち,と言うべきか)とかなり荒っぽい文面だった記憶があり,さすが「金妻」原作者,と妙なことに感心してしまいました。そんでもって映画はさらに馬琴は勿論鎌田本からも大きく逸脱しています。ま,原作に忠実たることが映画の絶対条件である筈がないのですけど,それにしても,ただ薬師丸を使うのが目的でこんな脚本になったのでしょうか。封切り当時,私は地元の東映でアルバイトしており,「セーラー服と機関銃」「探偵物語」「時をかける少女」等々,特権で見ることができましたが,「Wの悲劇」を越えるものはなかったと思っています。
【koshi】さん 5点(2002-07-07 21:16:06)
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