3時10分、決断のとき の なんのかんの さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > サ行
 > 3時10分、決断のとき
 > なんのかんのさんのレビュー
3時10分、決断のとき の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 3時10分、決断のとき
製作国
上映時間122分
劇場公開日 2009-08-08
ジャンルドラマ,サスペンス,ウエスタン,リメイク,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 南北戦争後、鉄道網が広がり、資本家が大手を振り出し、悪玉も善玉も一匹狼は時代遅れになってきつつある。ベンは徒党を組んではいるが一人で判断していくボスの孤独があり、ダンも孤独な家長。その滅びゆく一匹狼同士が、ひそかに友情を感じあうってとこが何よりの眼目で、ラストの二人になるまでのいささかもっさりした展開は全部序幕と思っていい。駅近くの一室の場からが本番。じわじわと買収に掛かるベン。妻の尊敬を受けられるぞ、などと弱みをしっかり狙っている。でも陰湿さが感じられないのは、すでにダンへの肯定的な興味を持っているからだ。番長がまじめなクラスメイトに気の合うものを感じてしまい、遠回しに悪ぶりつつ友情を告白しているような照れすら感じられる。そこに護送の保安官たちがやってきて、これがいかにも人格者的な風貌をしているのが、その後の展開の効果を挙げている。ベンを救出に来たならず者たち、簡単に買収される群衆って設定が怖くもうまい、ここで群衆とダンが対比される。駅に走る二人、ダンがベンを護送しているのか、ベンがダンを護衛しているのか。途中の小屋で「もうせがれは見てないぞ」と言うベンに、ダンが脚の傷の原因を言う。ここらへんたまらない。粗筋だけ取り出すと、臭い話と思われてしまいかねない展開を、シナリオが丁寧なので、ベンの心情が表情の変化だけで実によく理解できる。おそらく生まれて初めて尊敬できる友情を感じたのだろう(聖書に描かれたスケッチ)。だからその後の行動が不自然でない。友人を殺した者に対する憎しみは、仕事仲間としての感情に勝るのだ。まるで撃たれたいように立ち尽くすベンもいいが、ダンの仕事をきちんと完了させてやってから鳴らす口笛が、粋にキマっている。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-14 12:07:18)(良:2票)
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-03-15エデンの東(1955)8レビュー7.25点
2014-03-14アゲイン/明日への誓い6レビュー5.22点
2014-03-13オリバー!7レビュー6.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ6レビュー5.27点
2014-03-11真珠の耳飾りの少女6レビュー6.33点
2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻7レビュー7.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)6レビュー6.00点
2014-03-08稲村ジェーン4レビュー2.43点
2014-03-07つぐみ5レビュー4.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン6レビュー5.25点
3時10分、決断のときのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS