かぞくのひけつ の ボビー さんのクチコミ・感想

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かぞくのひけつ の ボビー さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 かぞくのひけつ
製作国
上映時間82分
劇場公開日 2006-12-02
ジャンルドラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 この作品は本当に大好きです。あまりの好きさに、珍しく、三度も映画館へ足を運んでしました。まず何が良いって、それは言わなくても観ればおわかりになると思うのですが、この作品の登場人物たち全員が本当に素敵。魅力的という言葉がこれ以上にないってほどシックリきます。主人公を演じるのは、作風がかなり似ていますが(監督もとても気にしておられた)、富樫森監督作品『ごめん』の久野雅弘君。このお世辞にもカッコいいとはいえない風貌と存在感が素晴らしい。ダサい、情けない、頼りないの三拍子が彼からは発せられていますが、その魅力と言ったらジャニーさんでは理解できないでしょう。この映画俳優としてだけ成立する良さが、この作品では爆発しています。そのダサさ、情けなさ、頼りなさに興味と共感の針がバンバン当たっては震えます。そして、この作品の基本的な物語のベースにあるのは笑いです。それもビリー・ワイルダー作品のような華やかさと巧さが光る笑いです。それは尾を引く、気持ちのいい爽やかな物で、最近流行の瞬発性のものとは雲泥の差です。描かれているのはごく平凡な感情ではありますが、そこに映画ならではの笑いのスパイスが含まれており、その面白さはバスター・キートンやチャップリンの作品に共通する哀愁と楽しさが含まれています。それこそ映画の醍醐味!大衆娯楽作品のど真ん中を貫いた作品です。様々な映画が溢れる今の時代、ここまで映画が誕生した本来の目的に立ち返って作品を撮った小林監督に、拍手を送りたいです。そして尊敬します。社会性のある作品も当然必要です。しかし、この作品のような映画も消えてはなりません!ぼくはそう思います。映画を観終わった後、何分後も、あるいは何時間後も、いや、何ヶ月後もこの作品の楽しさが心に残っています。登場人物たちはあれからうまく行っているかな?元気にやっているかな?そうやって登場人物たちを身近に感じ、愛しく思い、そしてまるで自分の一部のようにその存在に感じれます。映画の良さの一つは、映画のエンドロールが流れ終わり、劇場が明るくなった瞬間からその映画の登場人物たちが頭の中で、心の中で生き続けてることだと思います。「映画の終わりは始まり」と小津安二郎監督がおっしゅいましたが、まさにこの映画はそれに当てはまると思います。映画、万々歳!
ボビーさん [映画館(邦画)] 10点(2007-12-28 21:45:20)
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投稿日付邦題コメント平均点
2014-09-25アバウト・タイム 愛おしい時間について10レビュー6.84点
LUCY ルーシー8レビュー5.56点
とらわれて夏8レビュー7.13点
2014-04-258月の家族たち9レビュー5.86点
2014-04-25白ゆき姫殺人事件6レビュー6.28点
2013-08-25キャビン9レビュー6.35点
2013-08-25横道世之介5レビュー7.46点
2013-08-25ザ・マスター10レビュー6.42点
2013-08-25シュガー・ラッシュ10レビュー7.50点
2013-08-25エンド・オブ・ウォッチ9レビュー6.56点
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