Kids Return キッズ・リターン の 飛鳥 さんのクチコミ・感想

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Kids Return キッズ・リターン の 飛鳥 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 Kids Return キッズ・リターン
製作国
上映時間108分
劇場公開日 1996-07-27
ジャンルドラマ,シリーズもの,スポーツもの,青春もの,ヤクザ・マフィア
レビュー情報
《ネタバレ》 久々に見直してみたが、北野映画では断トツで一番好き。
それぞれの人生模様が面白い。
サラリーマン、タクシードライバー、漫才師、そしてボクサーとヤクザ。
浮き沈みが激しく、力関係も絶えず入れ替わっていく。
兄貴分のマサルがスパーリングでシンジに圧倒されて、ボクシングを辞めヤクザの世界へ足を踏み入れていく姿には哀感があった。
悲しいかな、人には向き不向きがあるということ。
そのシンジも伸び悩みの先輩に悪影響を受け、ジムで期待の星とされながらもKO負けし、新たな期待の星に席を奪われる。
ヤクザの組長が優しい笑顔で子分の親御さんを気にかけている素振りを見せながら、対立組織の構成員を躊躇なく殺させ、罪をその子分になすりつける。
ヤクザの怖い裏の顔にインパクトがあったが、その組長もあっけなく敵対組織に殺されてしまう。
憧れの喫茶店の娘とようやく結ばれた真面目高校生が、タクシー会社に転職し、苛酷な労働条件が原因と思われる交通事故死。
栄枯盛衰の世の中でのほろ苦さが、この作品の底流にある。

ボクシングとヤクザの世界に分かれた二人の友情。
高校でバカやってた時には思いもしなかった挫折が、人生のどこかで待っている。
雑魚キャラの中から、不良三人組の一人がボクシングで頭角を現し、漫才コンビが客席を沸かせていたのが皮肉。
それぞれこの先どんな浮き沈みが待っているのだろうか?
夢の途中で梯子から落ちた感のある二人も、まだ負け犬の表情ではないのが救い。

とにかく全編に良いシーンが散りばめられており、説明過多にもならずに映像で語りかけてくる。
他の北野映画はそれほど好みではないのだが、この作品だけでも賞賛に値する。
脚本も兼ねてこれを作り上げたのだから、映画人として才能があることは確か。
後続の芸人たちが何人も監督業に手を出しているけど、プロと言えるのは北野武だけ。
飛鳥さん [DVD(邦画)] 9点(2014-10-10 00:31:18)(良:2票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2021-01-04シンプル・シモン6レビュー7.40点
2020-12-31スウィート17モンスター3レビュー6.80点
2020-12-27グリーンブック8レビュー7.97点
2020-12-27家族を想うとき7レビュー6.90点
2020-12-27運び屋5レビュー6.98点
2020-12-27ひとりぼっちの青春4レビュー7.78点
2020-12-26レスラー5レビュー7.19点
2020-12-09ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド6レビュー6.88点
2020-12-09プライベート・ソルジャー<TVM>7レビュー7.94点
2020-12-09シング・ストリート 未来へのうた4レビュー7.28点
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