二十四の瞳(1954) の アングロファイル さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ニ行
 > 二十四の瞳(1954)
 > アングロファイルさんのレビュー
二十四の瞳(1954) の アングロファイル さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 二十四の瞳(1954)
製作国
上映時間155分
ジャンルドラマ,戦争もの,モノクロ映画,学園もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 一昨年だったか小豆島に行って、二十四の瞳映画村にも立ち寄りました。そのとき原作を買って読んだのですが、実はそれが初読。本作も今回初めて見たのですが、かなり原作に忠実で、「大石先生アカ疑惑」もちゃんと描いていたのは意外でした。もっとも原作と違って、やや唐突というか、とってつけた感じがしましたが。
さて、原作でも映画でも、どうもある種の居心地の悪さというか、違和感を感じてきました。これは作者が社会主義者であるためかと思っていたのですが、映画ではそれほど強く主張しているわけではないので、少し違うようです。おそらくは、お涙頂戴物を好まないという私の嗜好から来ているのでしょう。後半の大石先生は泣いている場面がやたらに多く、正直ウンザリしてきます。
ただそれ以外にも、時代の変遷というものが大きいと思います。公開当時、大石先生や生徒の親・級友のように、戦死した人を悼み悲しむ観客は大勢いたでしょう。それゆえ、作中人物の悲しみを自分の悲しみとして共有できました。しかし現在では、戦死した人を知っている日本人は少ないでしょう。震災などの災害で家族や知り合いを亡くしたとしても、そうしたものに巻き込まれて死んだ人と、自ら戦争に赴いて死んだ人を同次元で語っていいものやら。今日この作品を見て泣くというのは、「可哀相だから」という、幸せな人間がいわば他人事として見ることによるところが大きいのではないかと思います。それはそれでいいのですが、どうも私はそういうのが苦手というか、可哀相だから涙するということがありません。
ということで、やはり最初の分教場編がもっとも好みに合っています。とくに、生徒たちが大石先生を尋ねようとして歩き続けた末、バスに乗っていた先生に出会えて泣きながら抱きつく場面が印象に残っています。私にとって本作は、このシーンで記憶に残る映画となるでしょう。
アングロファイルさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-08-16 21:32:29)
アングロファイル さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2020-04-29バルカン超特急(1938)10レビュー7.08点
2020-04-25宇宙円盤大戦争7レビュー5.00点
2020-04-20ジャンヌ・ダルク(1999)6レビュー5.22点
2020-04-09500ページの夢の束6レビュー6.50点
2020-02-24小さいおうち6レビュー6.22点
2020-02-05女子ーズ5レビュー5.54点
2020-02-02ダウントン・アビー7レビュー7.00点
2020-01-13殺したい女8レビュー7.36点
2020-01-05ボディ・スナッチャー/恐怖の街8レビュー6.76点
2019-12-31サイレント・ランニング7レビュー6.62点
二十四の瞳(1954)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS