<ネタバレ>黒沢清監督と言えば、ホラーの名手である。
得体のしれないも .. >(続きを読む)
<ネタバレ>黒沢清監督と言えば、ホラーの名手である。
得体のしれないものを描くのが得意である。
最初、スマホに夢中の現代の若者が平気で海外をうろつく、
この現代日本そのものが得体のしれないものであるという捻ったホラーかと思った。
この日本の若者の得体のしれないぶりは、カメラをもたせることで
映像の手前にいる自分は安全地帯なのだと錯覚を起こしてしまい、異国の地で大胆な行動を起こして
ピークに達する。
前田敦子と言えば、「もらとりあむタマ子」の女優だ。
なんとラストは、異国の地で情に触れ、感極まって、ウズベキスタンの
きれいな山脈をバックに「愛の賛歌」のアカペラを披露する。
旅と映画は似ている。
流れがあって、異世界での体験にクライマックスもあるからだ。(人にもよるかもしれないが)
一本で両方の効用がある、見事な傑作だった。