<ネタバレ>まだ、若い時に一度見ましたが再度観賞。普通の人々の心理をさり .. >(続きを読む)
<ネタバレ>まだ、若い時に一度見ましたが再度観賞。普通の人々の心理をさりげない演出で見事に映し出していた良作であると気づきました。かなり繊細な映画ですので、その繊細さを理解できるかどうかでこの映画の評価が決まると思います。現在、職場でこの映画の母親そっくりの人がいるので、次男のイライラがとてもよく理解出来ました。特に退部のシーンで母親と言い合いになる場面。「母さんが怒るのは人が自分より先に知っていたから」どうして退部したのか次男に理由を聞きもしない。フレンチトーストを捨てる場面といい、この母親は他人の気持ちなど考えたことがないのではないでしょうか?「人から私が幸せに見えるか」ばかり気にしている。だから溺愛していた長男が亡くなった悲しみも表せない。父親曰く「君は弱い人」だと言いましたが、私は「哀れな人」と思いました。次男が母親を抱擁するシーンですが、ラストやセラピストとも抱擁との違いを比べずにはいられません。この母親はわが子を抱きしめてやることも出来ないのです。そして、彼女自身もそんな自分に気づいたのでしょう。だから、何も言わずに去っていった。去っていくだけの理性があったのがせめてもの救い。離れて暮らすほうがお互いの為、なんて家族としては悲しいですね。