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1.  寄生獣
とにかくリアル。設定は荒唐無稽かもしれないが、登場人物の行動や考えが、日常からはみだしていない。普通の人の反応である。主人公が寄生されてちょっと強くなっても、突然ヒーローとして目覚める訳じゃない。高尚な人間になる訳じゃない。一番、肌が泡立った場面は、絵を描いている女生徒が、殺されるかもしれない不安を感じて『…やっぱり…お兄ちゃんに…』と思うシーン。このリアルさは、作者が物語をあくまで「当事者」として描いているからではないだろうか。この世界を作り出す「創造者」ではなく。一人の人間の力なんて、しれている。外からの圧力で、あっという間に日常は壊される。しかし、世界は変わらない。どれ程の哀しみにうちひしがれても、絶望を感じても、空の色が変わる訳じゃない。大切な人が殺されても、世界が滅亡する訳じゃない。けれど、集団の人間は恐ろしい力を持つ。50億人が集まれば「地球」という巨大な惑星を殺す事さえ出来るのだ。その巨大な力の前では、簡単に人を殺して日常を奪うパラサイトさえ巨象の前の蟻である。「個」の人間と同じなのだ。この絶望感、孤独感。世界の残酷さと素晴らしさ。そしてこのちっぽけな命に対する愛おしさ。すべての命に対する愛おしさ。これらのテーマを、日常の感覚の中で、これ程リアルに描ききった漫画を私は他に知らない。だけど、グロい話ではあるので、万人には勧められない;年齢は考慮すべきかと思います;
9点(2010-06-08 11:13:05)(良:1票)

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