1. 男組
表現は兎も角、キャラクターたちの心情やテーマは全肯定。根強いファンが数多くいるのも頷ける。信じた哲学を伝えるためになら表現が荒唐無稽でも構わない!という姿勢は嫌いじゃないです。受け手には理性と客観性が必要だけど。まとめて言えば本作は昭和らしさ満載の傑作。読んで損無し。 10点(2015-03-03 05:25:52) |
2. はだしのゲン
この漫画は小難しい政治的思想など持ち出す必要の無い、[戦争と原爆を実体験した作者からの読者への手紙]だと思います。存分に物語に浸り、画に姿を借りた作者のメッセージを受けてから、受け手がそれぞれの人生に生かす、それだけで良いと思える価値ある漫画ですね。いつの世でも人間ってのは大激変を自分の利益の道具にしようと考えるし、イザとなれば血の繫がりなど屁でも無くなる。自分が生き延びるためなら文字通りに他人だろうが血族だろうが食い物にする。使い古された言い方ですが戦争より兵器より、遥かに残虐非道で恐ろしいのは[一線を越えた人間の心]。でも、その心で結びついた関係こそが大切なもの、という人間関係の真実を再認識させてくれる素晴らしき傑作です。作者の急逝で未完の大作となってしまったのが惜しい。どんな暴力的迫害をうけても(鬱陶しいほど)清廉潔白に強靭に生きようとするゲンと、人間社会の本質を見据えて裏街道を逞しく邁進する隆太。この[ド根性義兄弟]の生涯を見たかったです。死地を潜り抜けた強固な絆で結ばれながらも、微妙にイデオロギーの相違と仲違いの描写も見えていたので。 それにしても主人公のゲン、物語全編を通じて、可哀そうなくらい頭に災難が多すぎる少年ですね(最後は隆太にまで加害されて、、涙)。 10点(2013-09-21 07:35:36) |
3. コブラ
子供の頃に読破して、作者は絶対に欧米に住んでいるハリウッド関係者だと信じていました。それくらい画もストーリーも洗練されていて子供にとってワンステップ踏み出させてくれるような作品と思いました。【熱血絶叫超人モドキの怒りんぼ格闘漫画】ばかりだった少年ジャンプに掲載されていたのも画期的でした。昨今はこの時代の特撮ヒーローが軟弱アイドルと出鱈目脚本で映画化されヒロイズムを汚して踏み台にするのが大流行の風潮なようですが、そんな誰も喜ばない蛮行するよりも、このコブラをハリウッド制作で実写リメイクして欲しいものです。もちろん、本物の俳優とスタッフで。 9点(2015-03-03 06:03:35) |
4. アストロ球団
《ネタバレ》 【激怒して絶叫すれば超人的パワーを大爆発させる男達のケンカ物語】が少年漫画の王道だった時代(今もかも?)の作品。極めて濃く、物凄~く濃く、男達の熱き戦いが描かれており、連載当時に年端も行かない子供だった私は『野球ってこんなに凄い男と男の命賭けの戦いなんだ!』と恐怖におののいてました…っつうか、殴るわ蹴るわ斬るわ突くわ飛ぶわで、これもう野球じゃねえだろ何やってんのコイツら。 4点(2015-04-24 11:13:34) |
5. リングにかけろ
画は綺麗。しかしストーリーはオハナシにならない。子供だった連載当時ですらこの荒唐無稽さに失笑していた。長じて調べてみたらこの漫画、ビルが建つほど大ヒットし、女性層に支持が多かったという事実を築いていた事に驚いた。この漫画が、この内容で、ねえ…。 2点(2015-04-24 11:54:26) |