平均点:5.00 / 10点(Review 1人)
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★1.《ネタバレ》 ファンの間では劇中歌が有名なエピソードである。脚本・監督は特撮TV番組「ウルトラセブン」(1967)の欠番エピソードと同じ佐々木守・実相寺昭雄の組み合わせだが、この番組のこの回では変に羽目を外したところもなく、テーマもわかりやすく表現されている。
テーマに関しては見ればわかるとして個人的感想を書くと、まず劇中の犯人の主張は全く容認できない。誰かが罪なく死ぬのならその他の人間を罪なく死なせていいはずだというのは理屈にもなっておらず、今どきこういうテロリストまがいの発想にはつき合っていられない。 また注意しなければならないのは、こういうのを見ると妹に同情するあまり兄の主張も否定しづらくなるわけだが、実際やっていたことは妹の意志でも何でもなく、基本的には兄側の事情によるものだということである。妹と同年配の女性を狙っていたのは八つ当たりのようでもあり(cf.第21話)、また若い女性を殺すことで本人の満たされない性的欲求(妹への愛情?)のはけ口を見出そうとする変質者だったかも知れないわけで(cf.第16話)、この役者の面相自体がそういうことを疑わせるものがある。 簡単に誰かのせいにして済ませる話でないのは作り手側が曲者なのかも知れないが、しかし結局は、社会への反発も割り切れない個人感情もまるごと機動隊が踏みつぶす形になっており、どうも最後は権力を糾弾する方へ話を振らずには済まないらしい。通俗的な締め方ではあるが、この時代はそういうのが普通だったと思うしかない。 ただし自分も生きたい/誰も死んでほしくないという思いの相克に苦悩する妹はまともな人である。「胎内被爆」というものの存在は当時すでに知られていたわけだろうが、それを含めて後々まで尾を引く被害の理不尽さという点で、現在なら「夕凪の街 桜の国」を読んだ方がいい(映画ではなく原作の方)。
なお個別の場面としては、国立大学のボロい校舎の裏で所員2人が煙草をふかしている構図がよかった。またレギュラー紅一点のさおりちゃんは、今回はあまり可愛く映っていないが(監督のせいだ)、職場に芸能雑誌を持ち込むいまどきの(昭和40年代の)若い娘で、そこから事件解明の手がかりを拾う利発さを見せていた。 【かっぱ堰】さん [DVD(日本ドラマ)] 5点(2018-05-30 23:56:20) |
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【点数情報】
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