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ザ・チャンバラさんのレビューページ
プロフィール
コメント数 32
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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1.  ベター・コール・ソウル
Netflixにて鑑賞。 『ブレイキング・バッド』の安易な便乗企画かと思っていたのですが、そこは天下のNetflixだけあってスピンオフでも一切手を抜かず、『ブレイキング・バッド』と同等のクォリティを維持しています。 一見するとインチキ臭い風貌でムダなおしゃべりが多く、何かにつけて「金、金」とうるさい印象はあるものの、ソウル・グッドマンは常に依頼人のために最善を尽くす男だったし、ウォルターやジェシーがどれだけ暴走してもまぁ何とかなってきたのは、彼がブレーンとして付いていたおかげだと言えます。本作に登場するのは弁護士になりたての頃のジミー・マッギル(ソウル・グッドマンの本名)ですが、当時のジミーは時系列的に後となる『ブレイキング・バッド』のソウル・グッドマンとは対照的に、弱者に味方する正義漢にして、筋が通れば無償での仕事も引き受ける熱血漢。本作では善良なジミー・マッギルが闇落ちしてソウル・グッドマンになるまでの物語が描かれます。 とにかく素晴らしいのがジミー・マッギルの人物像であり、前述の通りの正義漢ではあるものの、軽口を叩いたり、大きな目的のために小さな悪事を働いたりするため、正義の押し売りになっていないという点が絶妙でした。また、金が欲しいという本心は『ブレイキング・バッド』の頃と変わらないものの、本作のジミーは情に負けて損な仕事を引き受けてしまう人情家であり、頑張ってもなかなか報われない姿が笑いと哀愁を誘っています。ジミーを『ブレイキング・バッド』とはかけ離れた立ち位置に置きながらも、きちんと繋がった人物像としている点も素晴らしく、「ウォルターが変貌しすぎで、もはや別人格」との批判が一部にあった『ブレイキング・バッド』の反省はきちんと活かされているようです。 『ブレイキング・バッド』の良かった点も本作には活かされています。『ブレイキング・バッド』はキャラクター劇であり、息詰まる展開や、意外なドンデン返しという要素はあえて希薄にし、キャラクター達の物語をじっくり描くことで成功したドラマでしたが、本作も基本的には同様の路線を歩んでいます。ドラマの中心にあるものはあくまで人情劇であり、視聴者を煽るような急展開を入れていません。そのことが、本作に心地よいテンポと空気感をもたらしています。
[テレビ(吹替)] 8点(2016-05-24 09:08:19)
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