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かっぱ堰さんのレビューページ
プロフィール
コメント数 12
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  鈴木光司・リアルホラー 《ネタバレ》 
鈴木光司の短編集「アイズ」を原作としたBSフジのTVドラマである。2015年3月に、各30分(正確には0:24:45)の全6話を2話ずつ3回に分けて放送したとのことだが、全て独立の短編のためまとめて見ればオムニバスホラーということになる。なおドラマ化されなかった原作のエピソードのうち、「しるし」だけが映画「アイズ」(2015)として公開されている。  題名の意味について、宣伝文によれば「日常と非日常の狭間に潜む究極の恐怖“本当にあった怖い話”を取材して描いた」とのことで実話とも取れるが、実際は原作者が実体験を取り入れて書くことがあるという程度のようで、このドラマ自体が実話とは思われない(※)。また“生きた人間が一番怖い”という意味でリアルと称することはありうるが、別にあえて心霊を排除する方針のようでもない。生きた人間しか出ないエピソードもあるが現実味はないので、リアルという言葉が当たっているという気はしない。  話の内容は、原作を読んで比較したところ元の雰囲気は残っているが、原作の構成要素を適宜に使っただけでほとんどオリジナルに見えるものが多く、エピソードの題名が意味不明なところがあるのはそのせいである。安手のヒトコワ系(4)のようなのもあるが、やるせなく物悲しい話(3)とか、いわゆるちょっとイイ話(5)もあって多様である。しかしTV向けアレンジのせいかそれほど深みもなく、玉石混交というより良い石悪い石という程度だったが、芸能事務所が自社タレントのために制作した量産型ホラーなどよりは平均して若干ましという感じだった。  ※ドラマと関係ないが、採用されなかった「櫓」というエピソードは明らかに実在の事件をもとにして書かれている(報道で見た記憶がある)。
[DVD(日本ドラマ)] 4点(2019-04-06 09:59:40)
2.  がっこう×××~もうひとつのがっこうぐらし!~ 《ネタバレ》 
映画「がっこうぐらし!」(2018)の前日談として製作された全4話のドラマで、TV放送ではなくAmazonプライム・ビデオでの公開である(1話24~31分)。映画本編の方は自宅近辺でも上映していたのは知っていたが、特に見ようとも思わないうちに終了していた。ちなみに原作もアニメも見ていない。 本編は主要キャストがアイドルのため役者としては無名なのに対し、この前日談はそれなりに名の知れた若手女優が出ていて、人名だけ見ればこっちが本体かと思ったりする。なお本編の登場人物も一応顔出ししており、また「めぐねえ」という教員は共通である。  全体構成としては、まず第1~3話で登場人物の個別ドラマを並行的に語り、最後の第4話で全体を締める形になっている。 脚本・監督が本編とは別の完全オリジナルストーリーとのことだが、個別ドラマの部分はそれほど悪くなく、特に3話はなるほどそうだったのかと思わせる話になっている(スマイル付き)。最終話ではこれを受けてどういう結末を見せるのかと期待していたところが、何の展開もなく単純に打ち切った感じで、一応のキャストを揃えていながらただの前座で終わったようなのは非常に落胆した。 登場人物に「できるわけない」「無理だ」といった全面放棄の台詞が多いのは苛立たしかったが、前向きに生きているつもりでも実際生き延びられないのはこういう連中だ、という反面教師像でも見せたかったのか。ほか本編につながるコンセプトのようなものは出ていたが、それだけでなく、この前日談限りでも何らかのまとまった物語(できれば希望のあるもの)を作ってもらいたかった。  そういうことでドラマ自体には感心しなかったが、自分としては武田玲奈さんの顔を見ていれば幸せなので問題ない。この人の今にも小便漏らしそうなビビり方はよかった。その友人役の上原実矩さんは個性派女優っぽい雰囲気を出している。また優希美青さんは今回ここまでやるかという顔をしていたが、それだけでなく普通にいろんな表情も見せていた。森迫永依という人は知らなかったが、子役時代からの経歴のある人だったようで今後の活躍を期待したい。 そのほか「めぐねえ」役のおのののかという人は以前に別のホラー映画で1回見ただけだったが、今回は笑顔の目元が優しげな感じで、いずれ本編も見るかという動機付けには一応ならなくもなかった。
[インターネット(日本ドラマ)] 4点(2019-03-23 17:26:32)
3.  セーラーゾンビ 《ネタバレ》 
AKB48出演のゾンビ+学園ドラマで、全12話のうち7話までは学校暮らし、8話からの後編は学校を出て人生の行方を探るロードムービー風になる。どうせスカスカで緩いドラマだろうと思えばそれほどでもなく、全体として若年者の成長物語が一応できており、個別エピソードで心に染みる箇所もある。  最初のうち、かつては人間で今も“ご遺体”であるはずのゾンビを女子高生が躊躇なく倒していくのはゲーム感覚かとも思ったが、綺麗事にとらわれない割切りのよさも感じられる。その上で、死者にも生前の思いがあり、また当然ながらこの世界には多くの人間がいて、それぞれに心を持っていることを実感していく展開になっている。主人公の貴重な17歳は悲惨ではあるが濃密な時間であって、ここでいわば人としての促成栽培がなされていたようでもある。 また「夢」が大きなテーマだったようで、その面では結末が少し弱いのではと思ったが、いわばリアル路線としてはこれが正しかったのかも知れない。最後の出来事が全ての解決につながるわけでもなく、そもそも劇中の終末世界でこれから一体どれほどのことができるのかとは思うわけだが、しかし希望に満ちた世界でないのは程度の差こそあれ現実も同じである。最後のささやかな成功体験で「もうだめかも」を言わなくなったのが生きる力ということだろう。 なお劇中ユニット「ミルクプラネット」のいた場所がどこなのか明瞭な説明はなかったが、要は、あっちに行ってもそれなりの世界なので恐れることなく、また変に急いだりもせず、まずはこっちでやれるだけのことをやろうという安心感をもたらすものだったかも知れない。ちなみに死んだ人物も夢には普通に出て来るという感覚はよかった。  キャストに関しては、AKBメンバーは誰も顔を知らないがけっこう有名人が出ていたらしい。こんなドラマでも石橋けい・小池里奈・秋月三佳・飯田祐真といった人々は知っていたが(だから見たわけだが)、今回は特にマオ役の前田聖来という人の印象が強く残った。この人が監督した映画「いつか輝いていた彼女は」(2018)が公開されたようなので機会があれば見たい(機会がないが)。ほか生徒会長(演・相葉香凛)の雰囲気も好きだが出番が短かった。 劇中曲としては「ゴマデスの“ムンムンラル”」というのが悪い意味で耳に残る曲だったが、その青春応援バージョンの「最初の愛の物語」は爽やかで切なくて好きだ。
[ブルーレイ(日本ドラマ)] 6点(2019-03-17 10:00:00)
4.  トモダチゲーム 《ネタバレ》 
全4話(計2時間弱)しかないのと無料だったので見た。 まず高校生という設定と、演者の実年齢の差があり過ぎて茶番感が出ている。視聴者として好意的になれる人物が誰もいないが、せめてヒロインをもっと可愛く見せようという気はなかったのか(ネット上で検索するとキレイで可愛い写真ばかり出るが)。 最初から全員信用できなさそうな顔に見えるのは演出上の意図によるのだろうが、そもそも男女混成の5人全員が信頼できる友人なわけもなく、それでもそのウソっぽい友情を維持する建前に縛られるところが中高生っぽいというべきか。また親が市議会議員といえば金持ちで通るとか、紛失した金を誰かが立て替えれば紛失した責任自体が問われなくなるという発想も中高生だからこそのことかも知れない。  ゲームに関しては、後出しの裏ルールがあってそれが全員に等しく適用されるわけでもなく、また運営側が順番を指定するのが恣意的で真面目に見る気にならない。そもそも運営側にどういう利得があってやっているのかが不明なため、まるで中高生のウソっぽい友情を踏みにじって面白がるだけが目的のようで大人気ない。 このTVドラマの後に「劇場版」「劇場版FINAL」が続くようだがわざわざ時間を使って見るものとも思われない(シネマレビューの方で登録申請するのも気が引ける)。スタッフ・キャストの皆さんには今後一層の活躍を期待する。  以下余談として、自分としては日頃アイドルには関心がないが、2017年にアイドルグループ「でんぱ組.inc」のメンバー1人が脱退し、代わりに2人が参加したうちの1人がこれに出ている根本凪という人だったようで(別グループ「虹のコンキスタドール」と兼務)、これでグループの平均年齢がかなり下がったのだろうなと思った。日頃関心がないのに思いついた時だけ勝手な感想をいうのも何だが。
[インターネット(日本ドラマ)] 2点(2018-12-31 23:22:09)
5.  ドラマ 「咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A」 《ネタバレ》 
麻雀部の女子高校生が全国の頂点を目指して競う「咲-Saki-」のスピンオフで、本編の清澄高校と全国大会で対戦することになる奈良県の阿知賀女子学院麻雀部の物語である。本編と同じくTVドラマ+劇場版のセットで、ドラマ本体の4回(計93分)と特別編1回(22分)で全国大会の直前までを扱っており、続く劇場版(113分)では全国大会で、阿知賀女子学院が準決勝を勝ち抜く様子を描いている。 ドラマの全体構成としては、1話と2話で主人公の小6時点(子役)と中3時点、3話は高校入学後の麻雀部の始動、4話で早くも県予選で優勝して全国大会に臨むまでを扱っている。特別編では少し戻って、本編に出た長野県の龍門渕高校(2人だけ)との練習試合を見せてから、全国大会で対戦する千里山女子高校、新道寺女子高校と白糸台高校のメンバー紹介のようなことをしている。ちなみに西東京代表の白糸台が最も可愛げがない。  主人公が全国を目指す動機は離れてしまった旧友との再会とのことで、これは本編での姉妹の再会に相当するものらしい。ほかにこの阿知賀編では、監督の挫折体験の克服など登場人物それぞれの思いや麻雀クラブの子どもらの声援もあり、本編よりも広がりと深みのある世界に見える。 ただし、本編での時間経過がほとんど1か月程度だったのに対してこの阿知賀編は4年前から始まっており、その上に本編が劇場版で扱った県予選までをTVドラマに詰めてしまっているため、かなり駆け足で都合良すぎな展開になっている。不備不足の点は見る側が適当に納得していれば済むわけだが、県予選で当たった県下随一の強豪校が、速成チームに簡単に敗れてしまうのはかわいそうなところもあった。  登場人物としては、それぞれ個性はあるにせよ本編ほど強烈な人物はおらず、一人だけガキっぽく見える主人公と、一人だけ地味でむすっとしている部長が逆に目立つ結果になっている。主演の桜田ひよりという人は当時恐らくまだ中学生で、主人公のガキっぽい言動をユーモラスに演じていて楽しい。また晩成高校の演者のうち3人(工藤美桜・其原有沙・北村優衣)は別のところで見たことがあったので若干期待していたが、あまり活躍しないで終わったのは残念だった。 ちなみにエンディングテーマの「春~spring~」はまともに聴くとけっこう染みる曲で、終盤の「ああ春が来る」の高揚感と、最後にピアノの音がチロリンというところの落差がいい。またオープニングテーマの「笑顔ノ花」は最後に「ランランラン」というのが笑ってしまう。
[DVD(日本ドラマ)] 6点(2018-12-23 08:28:50)
6.  咲-Saki- 《ネタバレ》 
なぜか麻雀が飛躍的に普及拡大した世界(近未来?)という設定のもとで、麻雀部の女子高校生が全国の頂点を目指して競う話である。原作マンガは2006年から連載を開始しており、2009年以降はTVアニメも製作されている。もとからのファンも多いらしい。 この実写ドラマは、本体部分4回(計93分)と特別編1回(22分)で全国大会県予選の直前までを扱っており、続く劇場版(103分)ではその県予選で主人公の清澄高校が優勝する様子を描いている。最近はこういうTVドラマ+劇場版のセットという企画が多いようで、このドラマもオープニングに劇場版の映像が含まれているので全部まとめて撮ったのは明らかである。 自分としては劇場版を先に見たが、特に染谷まこという人物に実力発揮の機会がないまま終わってしまい、広島弁もあまり聞けなかったのが気になっていたのでTVドラマに遡って見ることにした。  ドラマの全体構成としては、1話と2話は主人公が麻雀部に入るまで、3話は「メイド雀荘」で対外試合的にプロと対戦する話、4話は県予選直前の強化合宿の話になっている。ここまでほとんど清澄高校限定だが、特別編ではいよいよ県予選の日を迎えたタイミングで、清澄高校と対戦する風越女子高校、龍門渕高校と鶴賀学園のメンバー紹介のようなことをしている。ちなみに最初からここまでで1か月程度しか経っていないらしい。 物語としてはひたすらソフトな感じで根性物でもなくストレス要素もなく、美少女ばかりで面白おかしく心和むドラマになっている。衣装はコスプレ調だが目に余るほどのロリまたはフェチ傾向は見られず、原村和という人物が若干のお色気担当という程度である。また麻雀を知らなければ見ていられないわけでもなく、部分的に解説のテロップが入ったりするがわかろうとしなくても支障なく過ぎていく。ほとんど女子しか出ないという安心感もあり、とりあえずこのままずっと心地よく見ていたくなるドラマだった。  登場人物としては、個人的には心の広いお姉さん風の部長が好きだ。また前記の染谷まこという人物が、外見が一番年下に見えるのに先輩顔していたのは少し意外だった。ちなみに特別編の最後で「遅刻だじょー」と叫んでいた人物の遅刻エピソードはまとまった形では存在せず、この特別編から劇場版の冒頭にかけて、及び各話オープニングと4話ラストに散らばった断片的な映像でわかれということだったらしい。
[DVD(日本ドラマ)] 6点(2018-12-23 08:28:46)
7.  時をかける少女(2016) 《ネタバレ》 
2016/7/9~8/6に全5話で放送したらしいが見なかった。 大枠としては原作・1983年実写映画版と2006年アニメ版の折衷に見える。最初と最後が実験室(「理科準備室」)なのは基本として、ラベンダーとか深町家に入り込むとか火事が起きるのは原作と1983年版の構成要素である。一方で主人公と男2人の人物設定はアニメ版に倣ったようで、都合が悪いとすぐやり直すとか、男の真剣な気持ちを無にするなどもアニメの主人公のやっていたことである。季節も同じく夏の設定で、ドラマの中心部分は2016/7/7~8/8の出来事だったが、これは放送の時期とも重なっている。 エピソード構成としては、第1話では過去作との関連付けに時間を使っていたようだが、2話と3話は独自の話を自由に作った感じでそれなりに楽しめる(泣かせるところもある)。第4話以降は早くもドラマ全体の終結に向けて三角関係の決着と別離が中心になるが、自分としては特に感動的とも思わなかった。ただ主人公の将来の方向付けに関して、アニメ版より簡単明瞭でわかりやすくできていたのはよかったかも知れない。  物語に関して言いたいことは多いが長くなるのでまあいいとして、それより根本的なところで疑問だったのは、これを見て主人公と未来人の関係を本気で応援したくなるのはどういう視聴者なのかということである。個人的には1983年版の段階から「時かけ」の未来人にはいい印象がなかったが、加えて今回の男はあまりに軽薄で厚顔無恥で狡猾なので見ているだけで苛立たしい。他人の記憶を改竄するのは過去作と同じにしても、今回はそれを明らかに自分の欲望のために利用しており、さらに集団圧力を利用して既成事実を作る卑劣な行動には嫌悪を覚えた。わざわざ憎まれるために出て来たようにしか見えなかったが、それでもこの未来人の思いが大事にされていたということは、要はジャニーズ目当ての人々に向けたドラマだったと思うしかない。 主人公の印象も、最初から良くはなかったが最終的にも悪い状態で終わった。吾朗ちゃんは無用の思いを早目に切り捨てて医学の道に進んだ方がいいと思うが、「おじょう」と呼ばれていた女子と仲良くなるのは構わない(むしろ勧める)。 なおゲスト出演者では、第2話の女子高生(演・高月彩良)と屋上の男子(演・森永悠希、いわゆる「机くん」)が印象的だった。男の方は気色悪いが役柄としてはこれがふさわしく見える。最後のダンスはよかった。
[DVD(日本ドラマ)] 4点(2018-11-10 22:23:01)
8.  プリンセスメゾン 《ネタバレ》 
同名のマンガを原作としてNHK BSプレミアムで放送した連続ドラマである。ほのぼのして心に染みるタイプのお話で、自分としては都会・独身女性・家探しのどれにも関わりがないので基本的には他人事だが、見ればそれなりに思うところもあるようにはできている。 原作が完結していなかった(いない)ということもあり、このドラマでは家探しの結果を最後に出す形にはなっていない。全編を通じた主人公の姿勢や行動が周囲の人物を変えていき、最後は若干の無常観を見せながらも、全てが前向きに動いていく予感を残して終わっている。特に不動産会社の年長社員が変わっていく(地が出る)のが可笑しく、この人物に関わる失笑/爆笑エピソードが劇中に複数入っている(泣かせるところもある)。  大都市圏で人が住む場所は、若いうちは不安定でも身辺を固めるのと並行して定まっていくのだろうが(経験がないが)、この物語では人として生きるためにはまず家から、という人物を主人公にして、住居とその他を切り分けてみせたのかも知れない。身辺が固まらない女性が中心のドラマだが、身辺も住居も固定しているとか、身辺が自由で住居も不定といった事例も出して、多様な相互関係を描いていたようである。 家探しに関して主人公は、最初は危なっかしいようにも見えたが実はそうでもなく、あらかじめ視野を広く取っておいてその中で最適点を探していくやり方にも見える。納得できる結果を得るためには、自分にとって不要なものをはっきり知るのも重要かも知れない。また独身女性ということに関しては、要は“寂しい”という顔をする人物が結構いたのは寂しげな雰囲気を出していた。 家さえあれば幸せが保証されるわけでもないだろうから、主人公にはその後の可能性もぜひ意識してもらいたいところだが、このドラマで見せた主体性と堅実さからすれば、少なくともこの人が道を間違えることはないのだろうとは思う。肩ひじ張らずに前を向いていくのがこの人にはふさわしいと自分も思ったが、ただし一つだけいわせてもらうと、ときどきは靴下を違うのにしてもらいたい。  なお主演の森川葵という人はこの当時21歳くらいで、劇中人物は26歳のためかなり年上の人物を演じていたことになるが、これは原作の主人公の可愛らしさを違う形で表現しようとしたのかも知れない。ほかに派遣スタッフ役の陽月華(ひづき はな)という人は宝塚出身のようで、この人の役者ぶりがものすごく印象に残るドラマだった。
[DVD(日本ドラマ)] 7点(2018-05-30 23:56:22)
9.  人狼ゲーム ロストエデン 《ネタバレ》 
映画「人狼ゲーム」シリーズの延長上で製作された全10話の連続TVドラマで、映画第1作のように前半戦を終了したところで終わっており、後半戦は2018年3月公開の劇場版「インフェルノ」に引き継ぐ形になっている。原作者と監督が同じのため基本的な雰囲気も同じだが、10話全部で映画2本分の時間があり、通常より長い分でゲーム参加前の事情や警察の捜査状況などを入れてあるのが特徴である。ちなみに外の場面は架空の地方都市で、撮影場所は主に静岡県御殿場市と沼津市だったようである。  今回の趣向として、参加者10人を高校の1クラスから一斉に引き抜く形にしたのはかなり無理があると思うが、それで登場人物にあらかじめ関係性を持たせておき、10人が参加させられた事情を徐々に明らかにしていくミステリー調の展開になっている。 警察に関しては、若いエリート刑事と年長の苦労人刑事の組み合わせがありきたりのようだが悪くない。年長刑事の皮肉な発言が痛快に思われるところもあったが、今回の事件を通じて両者の関係や考え方に変化が生じてきているようでもあり、これが最終的にどうなるかは劇場版に委ねられているということかも知れない。なお警察がゲームの存在に気づいたのはシリーズ初の画期的なことである。 ゲームの方は役職として「予言者」「霊媒師」「用心棒」「狂人」を入れてあり、このシリーズとしては普通の展開に見える。主人公がせっかく誰も死なないで済む方法を提案したのにあからさまに否定されるなど、人の真心が通用しそうにない殺伐とした劇中世界だが、しかし単純な利害だけでなく情に動かされるところもあったりして、それが最後の判断に結びついたのは若干救いのある話だったかも知れない。  キャストとしては、今回主演の武田玲奈という人が最初から最後までかなりの見どころになっている。またこのドラマと次の劇場版は、中京圏の某タレントグループとのタイアップで製作されたようだが今回はまだ幸いそれほど目立っていない。メインキャストの1人だった上野優華さんもこのグループと一緒に映画に出演していることの多い人だが(事情不明)、もともと可愛らしい人であるのに最近は黒い感じの役柄に移行しつつあり、見た目では信用できない人物の典型になってしまっている(存在自体がネタバレ)。ほか悪役の好演が見られるのは結構なことだった。
[DVD(日本ドラマ)] 6点(2018-05-06 19:58:29)
10.  怪奇大作戦 《ネタバレ》 
円谷プロダクションの特撮TV番組であるウルトラシリーズ3作(1966~1968)のすぐ後に、TBSの同じ時間枠で放送された特撮番組である。それまでのヒーロー路線から一転して怖さを売りにした番組で、子どもが見るには刺激が強すぎる面もあった。いわゆるタイアップ企画として全国の観光ホテルなどで撮影した回もあるが、当時の子どもの立場からいえば、こんな怖い番組に協力するなど誘客意図に対して逆効果である。  内容としては、警視庁の鑑識課長だった人物が設立した「科学捜査研究所」(SRI)のメンバーが、主に警視庁と連携して犯罪の解明に当たる話である。警察そのものではないが基礎的に刑事ドラマの雰囲気がある。 科学捜査ということで超常現象などは本来ないわけだが、特撮番組のため出来事が派手目というか衝撃的で悲惨なものが多い。一方で“科学”の面ではリアリティ不足だとか、今日の感覚からすれば笑うしかないものもある(CRTディスプレイなど)が、しかし本当に時代を先取りしたようなものもある(バーチャルリアリティ)。ほか完全に超自然的な題材を扱ったものもあったが例外的である。 ドラマ的には現代社会に対する問題提起のようなものもあるが、それより本当に怖いのは人間の心の闇だ、と取れるものが印象深い。物悲しさややるせなさを残して終わるのが通例のようになっていて、これが実質最大の魅力である。ほかに単なるミステリー調というかサスペンス劇場風のエピソードもあったりしたが、それは残念ながらあまり面白さを感じなかった。  個別のエピソードとしては、子どもの頃はとにかく怖いものが記憶に残ったが、成人してからだと第8話「光る通り魔」、第16話「かまいたち」、第21話「美女と花粉」といった“心の闇”系の話が印象深い。また純粋にミニチュア特撮で度肝を抜かれる場面があったりもする(第23話)。 また登場人物ではレギュラー紅一点の小川さおりという人が愛嬌があって和む。所内でお茶くみ(コーヒー)している場面ばかりが目立つが実際は事務も捜査もしており、場合によっては危険な場所に平気で出かけて行って、見る側は心配しているのに本人はケロッとした顔をしているのが可愛らしい。 昭和特撮なのでいろいろ至らない点も当然あり、また個人的にエピソードごとの好き嫌いの差が非常に大きいので全てを称賛することはできないが、総体的にはウルトラシリーズと同程度に記憶に残る円谷特撮番組になっている。
[DVD(日本ドラマ)] 6点(2018-02-11 20:50:45)
11.  ウルトラセブン 《ネタバレ》 
円谷プロダクションのウルトラシリーズの第3作である。ハードSFっぽい設定やクールなメカニックデザイン、また音楽面の充実によって当時の視聴者に強い印象を残しているが、特に個人的には主題歌や挿入歌を聞くと幼少時を思い出して切なくなる。 開始当初は子ども向けの教育的意図が見えたりもしたが次第に単なる娯楽路線に転じ、その上で参加した若手作家が好き勝手なことをやらかした面もあって、結果的に多彩な魅力を持ったエピソードが並ぶシリーズになっている。子ども番組とはいえ対象年齢不詳のようなところもあるが、見ている側が子ども番組と思っている限り、大人として受け取れるものが含まれていることに気づかないのは残念なことである。  また全49話を通した物語の流れも一応できているように見える。主人公は当初、自らを犠牲にして人助けをした地球人に感動して自分も地球人の手助けを始めたものの、少し気負い過ぎて現実に裏切られたところがあったらしい。その後は変に理想論など口にせず、とりあえず親しくなった地球人を手助けする中で、いわば同じ“人”として(第6話でいう「宇宙人」)、地球人への共感を深めていったように思われる。 地球人の女性に惚れられてしまったのはさすがに戸惑うところもあったのではと思うが、しかしもし自分が本当の姿を見せた場合に、果たして地球の人々はこれまでと同じように自分を扱ってくれるだろうか、という不安は生じていたに違いない。その懸念が最終話で見事に解消され、結果としては種族にかかわりなく同じ“人”として、心を通じ合わせた人々の物語になっている。 その一方で、当初は個人的好意で人助けしていただけだったのに、次第に地球人の守護神のように扱われ始めたことによる義務感もあり、終盤では心身の負担が耐えがたいところまで累積していたらしい。しかし最後は、彼の助けがなくても地球人は自分の力でやれるはずという希望を得て、傷つきながらも安堵して地球を去ったのだと思われる。  個別エピソードとしては、辛辣な社会批評という意味では第25話「零下140度の対決」、気の利いた作りという点では第33話「侵略する死者たち」を自分としては挙げるが、ただし世間一般の評価とは一致しないと思われる。 なお点数としては、そもそも子ども向けだったこともあり、不足の部分は見る側が補うとか不都合な点は見なかったことにするというサービス精神が要求される(昭和特撮に共通だが)。またエピソードごとの出来不出来もあるので満点ということにはならないが、とりあえずここは外見的に納得しやすい数字にしておく。
[ブルーレイ(日本ドラマ)] 7点(2018-01-28 21:29:57)
12.  チア☆ドル 《ネタバレ》 
名前を見ると映画「チア☆ダン」(2017)の便乗企画かと思うが、実際はこの番組の方が2年も前である。ただしこのドラマはチアダンスではなくチアリーディングであって、映画の台詞で「誰かを放り投げたり」と言われていた方の競技である。 「チア☆ダン」が副題で明示された目標にほとんど一直線なのに対し、このドラマでは本業がアイドルであって、チーム色を出すためのチアリーディングという設定のため複線的な印象になっている。売名目的の片手間と蔑まれながらも本気で努力して上達して、それでも競技会での実績に結びつかないのは一定の現実味を出していたが、しかし当面の成果は出ないにしても本気の努力自体が重要であって、それが別の場面で実を結ぶこともある、というのが最終的なメッセージだったと思われる。全編最後のパフォーマンスは格好よくて感動的で、みんなの笑顔が嬉しい終幕になっていた(が、ラストをばっさり切り過ぎなのでもう少し余韻を残す形にしてもらいたかった)。 なお自分としては最初の「病んき~す」のコンセプトもけっこう悪くない気がしていたので、早々に解散(退院)してしまったのは残念だったが、しかし自分が頑張ることでみんなも元気にするのがアイドルの王道なのは間違いない。  登場人物としては若手女子が多数出るドラマだが、あからさまに男の目を意識した映像はあまりなく(スポーツクラブのバイトで水着になる場面くらいはある)、ほとんど全員が変顔を見せるようなコメディ寄りの親しみやすいドラマになっている。 出演者に関しては、仁科貴は別としてほかは知らない人が多かったが、溝口恵・飯田祐真の両人は劇場公開映画「人狼ゲーム」シリーズで見たことがあったので注目していた。自分としては普通に可愛いところを見せてもらいたかったわけだが、特に飯田祐真という人はとんでもない癖のある役で、前からこういう役者(個性派女優?)だったのかと呆れてしまった。しかし中心メンバー8人の中で経験があったのはこの人だけだったようで、ピラミッドのトップにいたのもそういう理由だったらしい。 ほか追加メンバーの8人には現役プロや経験者も加わっていたが、みなけっこう練習して撮影に臨んだようで、劇中出た競技会は本物の「第11回チアコンペティション」(2015年8月)とのことである。出演者の皆さんも引続き様々な場で頑張ってもらいたい。
[DVD(日本ドラマ)] 6点(2018-01-05 19:57:40)
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