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ウルトラQ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ウルトラQ[11話]
製作国
ジャンルSF,ファンタジー,シリーズもの,モノクロ,特撮もの,モンスタードラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 今回登場のバルンガは土星出身と言われていた気がするが、改めて見ると土星産ということでもなく、たまたま地球へ帰る土星ロケットに付いて来ただけらしい。「宇宙空間をさまよい、恒星のエネルギーを食う生命体」というのは、単純に異星の生物というよりはサイエンスフィクション的な発想である。
造形物としては、最初に机の上に浮いていた姿はユーモラスだった。この時点では「風船虫」と言われていたが、その後の車内の場面でも、まるきりつぶれたゴム風船のようなのを引っ張り出した感じだったのが可笑しい。しかし最終的に、巨大化した姿で東京タワーの近くに浮いていたのは絵として悪くない。その辺の空にただいるだけで、人類文明に破滅をもたらす存在ということに独特の風情が感じられる。
背景音楽としては不穏なピアノ音が印象的だった。またドラマ的には、一平という男が後半で危機に陥ることとの対比なのか、前半で江戸川記者と同級生的な仲のよさを見せていたのは和んだ。

社会的なテーマがあるかはよくわからなかったが、単純な現代文明への批判かと思ったらそうでもなく、むしろ批判だけしてどうすべきかを考えない態度への批判が込められていたように見える。
今回登場の訳知り顔の博士は、個人的事情もあって当初は世間を蔑むように神の警告とか反省しろとか皮肉を言うばかりだった。しかし現実の問題として電気が来なくなれば、救える命も失われるという人として見過ごせない事態が生じてしまう。また自然現象に逆らうのは無意味だなどと突き放したことを言っていたが、人間の立場としては自然現象だろうが天罰だろうがやられ放題でいいことにはならない。これに対する江戸川記者の直言で、ひねくれた老人の心も結果的に揺らいだのかも知れない。
またその江戸川記者の関係では報道の使命といったことに触れていたようでもある。当然ながら報道自体に価値があるのでなく、報道がどうやって人の役に立つかが大事ということか。「いいじゃありませんか」のところは人の情に寄り添ったいい発言だった。

ほか雑談として、この当時はあったが今はあまりないだろうと思うものとして、博士がいた和室がこの家の空き部屋を借りていたものだとすれば、これが本来の意味での「下宿」ということになる。また最後の電車の場面は地下鉄が神田川を斜めに横切る場所だろうが、この付近も現在はかなり雰囲気が違っているようである。
かっぱ堰さん [ブルーレイ(日本ドラマ)] 5点(2021-07-24 08:18:36)
その他情報
作品のレビュー数 1件
作品の平均点 5.00点
作品の点数分布
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