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怪奇大作戦 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 怪奇大作戦[16話]
製作国
ジャンルドラマ,ホラー,SF,ミステリー,特撮もの
レビュー情報
《ネタバレ》 「かまいたち方式真空切断装置」というようなものを使った猟奇殺人の話で、犯人の若い男が若い女性ばかりを狙うというのが変質者的である。
映像的には最初の場面で、橋の上で一瞬でバラバラにされた人体の一部(靴?)がドブ川のようなところにボチャっと落ちるのが衝撃的である。実際殺されたのは2人までで、3人目の犬を連れていた育ちのよさそうなお嬢さんが無事だったのはほっとしたが、その後に的矢所長の言っていた「せめて犬ころだったのが不幸中の幸い」という発言は、多分現代の犬好きの人々には許してもらえないと思われる。

そういうことを好んでする犯人の心境は、見ても実はよくわからない。「他人に恨み」とか「社会に不満」とかで割り切れることではないようで、当然ながら視聴者としても簡単に同調できそうな話ではない。
自分が地方人であることから、まずは都会に出て来た田舎者の鬱屈した感情が原因だったという見方をしたくなるが、しかし休日に喫茶店に集まって東北方言のような地元言葉丸出しで気安く笑い合う同郷の仲間もいるのに、犯人だけが異常者というのは地方出身だからともいえない。また当人の学歴とか、学生運動といった当時の世相との関わりを指摘する向きもあるが実際それほど明瞭でもない。それにしてもこれまで誰も考えたことのない装置を自作できるほどの才覚はあったわけなので、そういう内心のプライドが影響していたのかということは考えた方がいいかも知れない。
劇中の警察はすぐ痴情怨恨などという単純な話にしたがるようだったが、この男に関しては外部から適宜の解釈は可能にしても、本当の動機など本人さえ説明できるとは限らない。高度成長期の人心の変容がここで表現されているというよりは、人間にはもともと底の知れない心の闇があり、ただ社会が関心を持たなかっただけではないのかとも思われた。

なお今回は若い所員の野村という男が印象に残る。見張りを命じられていたのに屋台のおでんを食っていて大失態というのは「にんげんだもの」的エピソードだが、終盤のおとり捜査で所員が犠牲になったと思い込んで取り乱していたのは、この男だけが段取りを聞いていなかったということらしく情けない。一人で大騒ぎしたのは結果的に格好悪かったが、それはそれとしてなかなか愛嬌のある奴ではある。ちなみにレギュラー紅一点のさおりちゃんは今回も可愛らしい顔を見せている。
かっぱ堰さん [DVD(日本ドラマ)] 7点(2018-02-11 20:50:50)
その他情報
作品のレビュー数 1件
作品の平均点 7.00点
作品の点数分布
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